4 業界再編 11年7月にNTTの再編成が実施された  我が国の電気通信市場における公正有効競争を促進するとともに、競争が激しさを増す世界市場における我が国の国際競争力の向上を図るため、11年7月にNTTの再編成が実施された。  事実上の独占状態になっているNTTの地域通信部門(県内通信)と競争状態にある長距離通信部門(県間通信)が分離されるとともに、地域部門は東西の2社体制となり、それぞれNTT持株会社の傘下として別会社化された。  このほかにも電気通信分野における世界的な競争が激化する中で、我が国の電気通信市場においても、国際競争力の向上等を図る観点から、事業者間の合併等による業界再編が進んでいる。11年の主な動きは以下のとおりである。  第二電電(DDI)、KDD、日本移動通信(IDO)の3社は12年10月に合併する予定である。合併によって誕生する新会社は、連結売上高2兆円を越える国内第2位の総合通信会社となる。  また、外資系電気通信事業者においても積極的な国内市場への進出が見られる。ブリティッシュ・テレコム(英国)とAT&T(米国)は、日本テレコムに対して合計30%の出資を実施し、日本テレコムが両社の日本における代理店の役割を担うこととなったほか、ケーブル・アンド・ワイヤレス(英国)による国際デジタル通信(IDC)の買収が実施された。  放送分野における事業者の動向としては、通信衛星(CS)放送の日本デジタル放送サービス(サービス名:スカイパーフェクTV)とディレクTVジャパン(サービス名:ディレクTV)が、両社の事業を統合することを発表した。統合後、ディレクTVジャパンは12年末までに清算され、我が国におけるCS放送事業は日本デジタル放送サービスの1社に集約されることとなった。