2 緊急雇用対策及び産業競争力強化対策について 雇用不安の払拭と産業再生に向けた政府の取組  長引く雇用不安を払拭し、我が国経済を自律的な成長軌道に乗せるためには、需要面での対策はもとより、雇用対策及び経済の供給面における体質強化に思い切った対策が必要であることから、政府(産業構造転換・雇用対策本部)は、11年6月「緊急雇用対策及び産業競争力強化対策」を取りまとめた。 1)緊急雇用対策  緊急を要する雇用問題については、雇用機会の創出を最大の柱とし、規制改革等による新たな事業の創出、成長分野における雇用創出を図るとともに、臨時応急の措置として、国及び地方公共団体においても、雇用・就業機会の創出を図ることとした。また、就職能力の向上や雇用のミスマッチの解消、人材移動の円滑化を大胆に進めるため、民間及び市場の機能を最大限活用し、個人の自主選択を重視する雇用政策への新たな展開を図ることとした。  中でも情報通信は、規制改革による新たな事業の創出、新産業育成・振興、新規開業支援等に欠かせない重要な分野と位置づけられている(図表1))。 2)産業競争力強化対策  我が国経済の自律的発展を図るため、経済の供給面での体質強化を図る産業競争力強化対策を強力に推進することとした。このため、新規・成長産業の振興、未来産業の創造に向けた新規技術開発の活性化、創造的な中小企業・ベンチャー企業の振興など、我が国経済をリードする生産性の高い産業分野の創出を図ることとした。  特に情報通信は、リーディング産業育成のための技術開発の活性化を図るために、最も重要な分野の一つとして挙げられている。ベンチャー企業の育成についても、成長分野とされる情報通信分野に対する期待は、大きいものと考えられる(図表2))。