8 ギガビット衛星ネットワークの構築 高速マルチメディア衛星通信等による世界情報通信基盤の早期実現に向けて  グローバルな高度情報通信基盤を構築するため、郵政省では、世界規模のネットワーク化が進展する17(2005)年から22(2010)年頃をめどに超高速衛星通信及び高速マルチメディア衛星通信の実用化に向けて、光ファイバ網との相互接続も可能なギガビット級超高速衛星通信システム(ギガビット衛星)の研究開発を実施している(図表)。  11年度は、通信総合研究所・宇宙開発事業団共同概念設計チームを編成し、衛星搭載ミッションの構成及び要求仕様の検討を行うとともに、超広帯域高周波回路、スキャニング・スポットビーム・アンテナ、衛星搭載機器などの要素技術の研究成果を踏まえ、衛星ネットワーク制御方式や衛星搭載ATM交換機等の高速衛星ネットワーク技術の研究開発に着手した。  12年度には、11年度の研究成果を基に、衛星搭載超高速ATM交換機、衛星搭載超高速TDMA制御装置等の搭載ミッション機器の研究開発を進める予定である。  また、11年10月、東京において、アジア・太平洋地域の電気通信主管庁の幹部、国内外の衛星通信実験関係者らの参加の下、「アジア・太平洋高度衛星通信国際フォーラム」を開催した。    フォーラムでは、ギガビット衛星がアジア・太平洋地域の情報通信基盤構築に果たす役割、当該衛星を利用した国際共同実験への期待と要望について討議が行われ、ギガビット衛星開発の必要性及び今後の国際共同実験実施について関連諸国・地域から賛同が寄せられた。  なお、2000年代初頭にギガビット衛星の打ち上げを実現させた後は、これをテストべッドとして活用し、高速衛星通信アプリケーションの開発・実験をアジア・太平洋諸国と共同実施する予定である。