(3)国際衛星通信を巡る動向 インテルサット、インマルサットにおける機構改革が進捗  近年、インテルサット、インマルサットは民間衛星によるグローバルなネットワークの出現、同時にインテルサットにおいては国際通信の光海底ケーブルによる伝送への移行により、競争環境が激化したため、機構改革を迫られていた。 1)インテルサット(国際電気通信衛星機構:INTELSAT)(資料54参照)  インテルサットは、国際公衆電気通信業務に必要な宇宙部分(衛星及びその運行に必要な施設等)を世界のすべての地域に対し、無差別に提供することをその主たる目標とし、「国際電気通信衛星機構(インテルサット)に関する協定」によって設立された国際機関である。  インテルサットは、第22回締約国総会(1998年3月)において、子会社(ニュー・スカイズ・サテライト社)をオランダに設立することを決定し、映像等の競争性の高いサービスを提供させることとする一方、インテルサット自らは音声・データ等の基本サービスの提供に専念することとなった。子会社は、1998年11月にインテルサット本体からの資産(衛星6機)の譲渡を完了している。  さらに、インテルサット本体についても機構改革が必要との議論が高まってきたことから、1999年10月に開催された第24回締約国総会において、民営化も含め、機構改革に向けた検討を作業部会を設置して行っていくことが決定された。 2)インマルサット(資料55参照)  インマルサットは、海事通信を改善するために必要な宇宙部分(衛星及びその運行に必要な施設等)を提供し、これにより、海上における遭難及び人命の安全に係る通信等の改善に貢献することを目的として、「国際海事衛星機構(インマルサット)に関する条約」によって設立された国際機関である(その後、条約の改正により、機構の目的に航空通信及び陸上移動通信のための宇宙部分の提供を追加)。  第10回総会(1994年)において、機構の名称を「国際海事衛星機構(インマルサット)」から「国際移動通信衛星機構(インマルサット)」に変更する条約改正が採釈され、また、第12回総会(1998年4月)において、新たに設置される民間会社を通じてインマルサット衛生システムを運営するために機構の目的、構成等を変更する条約改正が採釈された(2000年4月1日現在、いずれの改正も未発効)。我が国は、1999年8月、これらの改正を受諾した。