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電波監理審議会(第837回)議事要旨(平成12年8月7日公表)






1 日 時
  平成12年7月14日(金)15:30〜17:30

2 場 所
  郵政省審議会会議室(郵政省12階)

3 出席者(敬称略)
 (1) 電波監理審議会委員
    塩野 宏(会長)、秋山 喜久(会長代理)、岩男 寿美子、辻井 重男

 (2) 電波監理審議会審理官
    石田 義博

 (3) 幹事
    仲矢 徹(官房秘書課総括専門官)

 (4) 郵政省
    平林郵政大臣、佐田総括政務次官、常田政務次官、田中官房技術総括審議
   官、天野電気通信局長、金澤放送行政局長ほか

4 議 事 模 様(審議順)

  審議の前に、前回の審議会(6月9日開催)以降に持回りにより議決した電波
 法第99条の14第3項の規定による審理官(石田義博)の任命に係る議決及び
 継続中の審理及び意見の聴取の事案に係る審理官の指名変更(安成知文を石田義
 博に変更)の議決について、確認した。

 (1) 郵政大臣等あいさつ

   平林郵政大臣、佐田総括政務次官及び常田政務次官から、あいさつがあった。

 (2) 諮問を要しない軽微な事項について
   中央省庁等改革関連法令の施行に伴い規定の整備を行う事案(名称変更等の
  形式的な事案)については、電波法第99条の11第2項及び放送法第53条
  の10第2項の規定により、当審議会への諮問を要しない軽微な事項とした。

 (3) 電波法施行規則、無線局免許手続規則及び無線従事者規則の各一部を改正す
  る省令案について                   (諮問第31号)

   電波法の一部を改正する法律(平成12年法律第109号。平成12年6月2日公
  布。)の施行に伴う規定の整備に関する標記省令案について、次のとおり郵政
  省の説明及び質疑応答があった。

  ア 郵政省の説明
    先の国会において、電気通信業務用無線局等の競願処理手続の整備、事業
   譲渡の場合の無線局免許の承継、無線従事者免許に関する規定の合理化等を
   内容とする電波法の一部を改正する法律が成立したが、本件は、この改正電
   波法の施行に必要な規定を整備するものである。
    具体的には、1電気通信業務用無線局等の競願処理手続の整備関係では、
   今回の電波法改正により原則として電気通信業務用の陸上移動局、基地局及
   び人工衛星局並びに放送局であって郵政大臣の公示する周波数を使用するも
   のの免許申請は免許申請期間を設けて公募することとされたが、この公募手
   続の適用除外とする無線局を定めること、また、今回の電波法改正により導
   入された電気通信業務用基地局の開設計画の認定制度の認定を受けた基地局
   について、免許申請の際の記載事項の一部を省略させること、2事業譲渡の
   場合の無線局免許の承継関係では、今回の電波法改正により不要となった事
   業譲渡の場合の免許申請に関する規定を削除すること、3無線従事者免許に
   関する規定の合理化関係では、障害者に係る免許の欠格条項について、絶対
   的欠格事由を相対的欠格事由に緩和すること等である。

  イ 主な質疑応答
   ・ 公募手続の適用除外とする無線局にコミュニティ放送局があるが、本件
    改正後においてもコミュニティ放送局の取扱いは従来どおりなのかとの質
    問があり、郵政省から、コミュニティ放送局は、平成6年の規制緩和によ
    り、その普及促進を図るためいつでもどこでも申請が可能な放送局と位置
    づけ先願主義としているが、今回もこの取扱いを改めるものではない旨の
    回答があった。
   ・ 放送局の再免許及び当該再免許と競合する申請の取扱いは今回の改正に
    より従来と異なることとなるのか、との質問があり、郵政省から、放送局
    の再免許に限らず全ての無線局について、基本的な考えを変更するもので
    はない旨の回答があった。
   ・ 再免許とこれと競合する申請に係る比較審査の基準はどうするのか、と
    の質問があり、郵政省から、いたずらに不安定にしないという意味での既
    存免許人の地位の安定性や視聴者の利益を踏まえ、そういう中で新規申請
    者に免許を付与することが本当に公共の福祉に寄与するのかという視点か
    ら審査することとなる、との回答があった。
     なお、委員から、明確な審査基準を定めておくことが適当ではないかと
    の指摘があり、郵政省から、検討したいとの回答があった。

   本件は、電波法により意見の聴取を義務付けられているため、別途、意見の
  聴取を行うこととし、その手続を主宰する審理官に石田義博を指名した。

 (4) 電波法施行規則、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明に関す
  る規則の各一部を改正する省令案について               
                      (12.4.21諮問第18号)

   マイクロ波帯の周波数の電波を使用するデジタル方式の番組素材中継を行う
  無線局の導入及び60GHz帯の周波数の電波を使用する無線システムの導入
  に関する標記省令案について、意見の聴取の手続を主宰した審理官から提出さ
  れた調書及び意見書に基づき審議した結果、適当である旨、答申した。

 (5) 無線設備規則及び標準テレビジョン放送等のうちデジタル放送に関する送信
  の標準方式の各一部を改正する省令案について             
                      (12.5.19諮問第26号)

   CSデジタル放送の技術基準等の整備に関する標記省令案について、意見の
  聴取の手続を主宰した審理官から提出された調書及び意見書に基づき審議した
  結果、適当である旨、答申した。


 (6) 電波法施行規則の一部を改正する省令案について    (諮問第32号)

   電磁誘導加熱を利用した文書複写印刷機械を型式指定の対象に加えることに
  係る標記省令案について、次のとおり郵政省の説明があった。
  ○ 郵政省の説明
    電磁誘導加熱を利用した文書複写印刷機械(複写機、プリンタ等)は、電
   磁誘導加熱式調理器の発振器をトナーの定着器の加熱用として用いた新しい
   方式の複写機であり、従来のランプヒータ加熱型の複写機に比べて待機電力
   等が少なくて済む省エネ型複写機として実用化が期待されているものである
   が、10kHz以上の高周波電流を使用し、50ワットを超える高周波出力
   を使用するものであるため、郵政大臣の設置許可が必要とされる。
    本件は、この電磁誘導加熱を利用した文書複写印刷機械について、漏えい
   電界が小さいと認められるため、利用者等の利便性の向上及び行政事務の効
   率化の観点から、電波法施行規則を改正して、型式指定の対象に加えること
   により、郵政大臣の個別の設置許可を不要にしようとするものである。

   本件は、電波法により意見の聴取を義務付けられているため、別途、意見の
  聴取を行うこととし、その手続を主宰する審理官に石田義博を指名した。

 (7) 日本放送協会所属東京教育テレビジョン放送局の放送事項の変更の許可につ
  いて                         (諮問第33号)

   日本放送協会所属東京教育テレビジョン放送局の放送事項の変更の許可につ
  いて、次のとおり郵政省の説明及び質疑応答があり、審議の結果、適当である
  旨、答申した。

  ア 郵政省の説明
    本件は、本年9月15日のシドニーオリンピックの開会式を総合テレビジ
   ョンで放送するに際し、当該時間帯と重複する大相撲の中継を教育テレビジ
   ョンに移設して放送するために、教育テレビジョン放送局の放送事項に「娯
   楽」を追加したいとするものである。教育テレビジョン放送局の放送事項は、
   その性格上、報道、教育、教養に限定しており、報道・娯楽に分類される大
   相撲はその対象外であるが、大相撲の中継は国民的関心が極めて高いことか
   ら、当該時間帯に限って、教育テレビジョンに移設して放送を継続したいと
   いうものである。
    審査の結果、その必要性が認められるとともに、教育テレビジョン放送局
   の免許の条件である教育75%以上、教養15%以上という条件に抵触する
   ものでもないことから、申請どおり許可しようとするものである。

  イ 主な質疑応答
    放送事項にいう教育と娯楽はどういう基準により区分しているのかとの質
   問があり、郵政省から、アマチュアスポーツは教育、プロスポーツは娯楽と
   区分している旨の回答があった。 

 (8) 岐阜地区における一般放送事業者の超短波放送局の予備免許について   
                             (諮問第34号)

   岐阜エフエム放送株式会社(設立準備中)から申請のあった超短波放送局の
  免許申請について、次のとおり郵政省の説明及び質疑応答があり、審議の結果、
  適当である旨、答申した。

  ア 郵政省の説明
    岐阜地区の超短波放送局については、平成4年12月18日に周波数を割
   り当て、同日から翌年2月26日まで申請を受け付けたところ計38件の申
   請があったが、本年3月に本件岐阜エフエム放送株式会社以外の37社の申
   請が取り下げられた。このため、本件申請について審査したところ、電波法
   第7条第2項各号(審査の基準)に適合していると認められたため、予備免
   許を付与しようというものである。

  イ 主な質疑応答
    本件放送局が開局するとコミュニティ放送用の周波数が逼迫するという関
   係にあるのかとの質問があり、郵政省から、本件周波数は平成4年に割当済
   みのものであり、本件放送局の開局によりその関係に変化が生じるものでは
   ない旨の回答があった。

 (9) 放送法施行規則の一部を改正する省令案並びに放送普及基本計画及び放送用
  周波数使用計画の各一部変更案について         (諮問第35号)

   東経110度CSデジタル放送の実現に係る制度整備に関する標記省令案等
  について、次のとおり郵政省の説明及び質疑応答があり、審議した結果、適当
  である旨、答申した。

  ア 郵政省の説明
    東経110度CSデジタル放送については、前回(6月9日開催)の審議
   会において委託放送業務の認定に係る制度整備に関する省令案等について諮
   問したところであるが、本件は、東経110度CSデジタル放送の位置づけ
   を明確にするとともに放送番組の数の目標や使用する周波数等を定めるため
   に、放送法施行規則、放送普及基本計画及び放送用周波数使用計画の各一部
   を改正しようとするものである。
    本件については、5月から6月にかけて意見募集を行い、52件の意見が
   出された。
    本案は、これを踏まえたものであり、その概要は次のとおりである。
   ・ 放送の区分として「放送衛星業務用の周波数以外の周波数を使用する東
    経110度人工衛星デジタル放送」を追加する。
   ・ 「放送による表現の自由ができるだけ多くの者によって享有されるよう
    にするための指針」として、特に東経110度CSデジタル放送について
    は、デジタル放送の特性を生かしたサービスの高機能化の実現とその推進
    に十分配慮することを追加する。
   ・ 東経110度CSデジタル放送の放送番組の数の目標を、超短波放送1
    50番組程度、標準テレビジョン放送80番組程度(高精細度テレビジョ
    ン放送の場合は20番組程度)、データ放送36番組程度とする。
   ・ 東経110度CSデジタル放送に使用する周波数(12周波数)等を放
    送用周波数使用計画に追加する。

  イ 主な質疑応答
   ・ 「放送番組の数の目標が上記の放送番組の数を下回る場合がある」と放
    送普及基本計画にあるが、高機能なものを優先するとしても、全ての申請
    者が少ない伝送容量で申請してきた場合に(周波数があるのに)割り当て
    ないとすることはできないのではないか、との質問があり、確かに少ない
    伝送容量のものがたくさん申請されてくることも否定しないが、今回は高
    機能を強く打ち出しており、実際は数の目標を上回ることは想定されない
    と考えている旨の回答があった。

 (10) BSデジタル放送に係る放送試験衛星局の予備免許について       
                             (諮問第36号)

   BSデジタル放送に係る放送試験衛星局の予備免許について、次のとおり郵
  政省の説明があり、審議の結果、適当である旨、答申した。
  ○ 郵政省の説明
    本件は、本年12月から始まるBSデジタル放送の本放送開始に向けて、
   BSデジタル放送の早期立上げと普及に資するため、日本放送協会及び一般
   放送事業者6社が現在のアナログハイビジョン実用化試験放送と同じ内容の
   試験放送を、日本放送協会が現在の衛星第1、第2テレビジョン放送と同じ
   内容の試験放送を、日本衛星放送株式会社が現在の標準テレビジョン放送と
   同程度の内容の試験放送を、それぞれ行いたいとして計10局の放送試験衛
   星局の免許申請があったものである。なお、希望する免許の有効期間は、B
   Sデジタル放送が開始される前日の11月30日までとしている。
    審査した結果、いずれも電波法第7条第2項各号(審査の基準)に適合し
   ていると認められたため、予備免許を付与しようとするものである。

 (11) CSデジタル放送に係る委託放送業務の認定について  (諮問第37号)

   JCSAT−4号機を利用したCSデジタル放送に係る委託放送業務の認定
  について、次のとおり郵政省の説明及び質疑応答があり、審議の結果、適当で
  ある旨、答申した。

  ア 郵政省の説明
    本件は、株式会社ディレク・ティービー(ディレクTV)及び日本デジタ
   ル放送サービス株式会社(スカイパーフェクTV)のCS放送に関する事業
   の統合を踏まえ、ディレクTVの有料放送の受信者保護の観点から、ディレ
   クTVに顧客管理等を委託して放送を行っている番組について、スカイパー
   フェクTVに顧客管理等を委託して放送を行うことができるように委託放送
   業務の認定申請を受け付けたものである。
    本年5月26日から6月22日までの間、申請を受け付けたところ12社
   から計22番組の委託放送業務の認定申請があり、関係法令、放送法関係審
   査基準及び「JCSAT−4号機を利用した委託放送業務の認定に係る認定
   方針」(平成12年5月19日公表)に基づき審査した結果、いずれも絶対審査
   の基準には適合していたものの、すべての番組を認定するに足りる周波数が
   ないため比較審査を行った。比較審査においては、上記認定方針にある現行
   ディレク番組と同一内容の番組を行おうとする申請を優先するとの基準によ
   り、以下の8社18番組がそれ以外の番組よりも優先するものと認められ、
   かつ、これらの番組を認定するに足りる周波数はあると認められたため、こ
   れらについて認定し、残る4社4番組については認定をしないこととするも
   のである。
   ○ 認定しようとする8社18番組(括弧内は番組数)
     (株)ジャパン・ジャスト・アドバンスド・メディア(2)、ココロネッ
    トワークス(株)(1)、ジュピターサテライト放送(株)(1)、(株)エー
    ・ティー・エックス(1)、(株)フォーバルテレコム(4)、(株)ウェザー
    ニュース(1)、(株)ペイ・パー・ビュー・ジャパン(7)、(株)メディア
    ・ライブラリー(1)

  イ 主な質疑応答
    ディレクTVが放送を終了した後の空きトランスポンダの利用はどのよう
   になるのかとの質問があり、郵政省から、衛星所有者である宇宙通信株式会
   社において現在検討中と聞いている、との回答があった。

 (12) 衛星デジタル音楽放送株式会社及び株式会社スター・チャンネルの有料放送
  契約約款の認可について                (諮問第38号)

   衛星デジタル音楽放送株式会社及び株式会社スター・チャンネルの有料放送
  契約約款の認可について、次のとおり郵政省の説明があり、審議の結果、適当
  である旨、答申した。
  ○ 郵政省の説明
    本件は、いずれも本年12月1日から開始するBSデジタル放送に係る有
   料放送の役務の提供条件を定めるために、両社からその設定の認可申請があ
   ったものである。
    審査した結果、いずれも放送法第52条の4第5項の規定(有料放送事業
   者及びその国内受信者の責任に関する事項が適正かつ明確に定められている
   こと、特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものではないこと)に適合
   していると認められたため、認可しようとするものである。

                      (文責:電波監理審議会事務局)



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