電波監理審議会(第794回)議事要旨(平成9年4月11日公表)
1 日時
平成9年3月14日(金)15:30〜17:10
2 場所
郵政省審議会会議室(郵政省12階)
3 出席者(敬称略)
(1)電波監理審議会委員
河野 俊二(会長)、塩野 宏(会長代理)、岩男 寿美子、
辻井 重男、奥田 正司
(2)電波監理審議会審理官
井上 陽二郎
(3)幹事
渡辺 信一(審議会室長)
(4)郵政省
楠田放送行政局長ほか
4 議題
(1)諮問事項
ア 無線設備規則の一部を改正する省令案について
イ 無線局定期検査規則の一部を改正する省令案について
ウ 放送用周波数使用計画の一部変更について
エ 日本放送協会放送受信料免除基準の変更の認可について
オ 株式会社スペースシャワーネットワークの有料放送の契約約款の認可
について
(2)報告事項
ア 電波法の一部を改正する法律案等について
イ 地上放送のデジタル化に向けた取組について
ウ 「BS−4後発機の在り方」の取りまとめについて
5 議事模様
(1)無線設備規則の一部を改正する省令の制定について
人工衛星(GPS)で測定した位置情報の誤差を補正する情報(衛星測
位誤差補正情報)を船舶あてに提供し、高精度の位置測定を可能とするデ
ィファレンシャルGPS(DGPS)の導入に伴い、当該情報を提供する
無線航行陸上局の技術的条件を定めるための無線設備規則の一部を改正す
る省令案について、意見の聴取を主宰した審理官から提出された調書及び
意見書に基づいて審議した結果、当該省令案は適当である旨答申を行った。
(2)無線局定期検査規則の一部を改正する省令案について
近年の通信技術の発達、無線設備の性能の向上等を踏まえ、運用形態が
比較的簡易であり、かつ、他の無線局に混信を与えるおそれの少ない陸上
移動局等4の局種の無線局について、定期検査を行わない無線局とするこ
とに伴う無線局定期検査規則の一部を改正する省令案について、意見の聴
取を主宰した審理官から提出された調書及び意見書に基づき審議した結果、
当該省令案は適当である旨答申を行った。
(3)放送用周波数使用計画の一部変更について
放送用周波数使用計画の一部変更(概要は以下のとおり。)について、
以下のとおり郵政省から説明があった。
(概要)
・ 日本放送協会所属大分中波放送局は、現在、819kHzで運用して
いるが当該周波数は外国波混信が著しいことから、これを639kHz
に変更するものである。
・ また、株式会社アイビーシー岩手放送所属大船渡中波中継局について、
難聴地域の改善及び親局との同期放送を実施するため、周波数を148
5kHzから684kHzに変更するとともに、空中線電力を0.1k
Wから1kWに変更するものである。
・ これら変更について、他の放送事業者に意見を求めたところ、特段の
異議ははなかったものである。
審議した結果、適当である旨の答申を行った。
(4)日本放送協会放送受信料免除基準の変更の認可について
日本放送協会放送受信料免除基準の変更申請(概要以下のとおり。)及
び審査結果について、以下のとおり郵政省から説明があった。
(概要)
・ 本件は、国立ハンセン病療養所の入居者の親族に対する援助を規定し
た「らい予防法」が廃止され、援助に関する規定が新たに「らい予防法
の廃止に関する法律」に引き継がれたことに伴い、当該法令を引用して
いる免除基準の一部を変更するもので放送法第32条第2項の規定に基
づき認可申請がなされたものである。
・ 審査の結果、本件変更は、免除基準における引用法令の変更に伴うも
のであり、免除の対象となる受信契約及び協会の事業収支に影響を及ぼ
すものではなく、適当であると認められる。
審議した結果、適当である旨の答申を行った。
(5)株式会社スペースシャワーネットワークの有料放送の契約約款の認可に
ついて
株式会社スペースシャワーネットワークの有料放送の契約約款の認可申請
(概要以下のとおり。)及び審査結果について、以下のとおり郵政省から説
明があった。
(概要)
・ 本件は、株式会社スペースシャワーネットワークが株式会社スペース
シャワーからの営業譲渡に伴い、有料放送の契約約款の認可申請をして
きたものであり、審査した結果、適当であると認められる。
(アナログ放送)
加入料 1800円
視聴料 900円(国内外のライブ、音楽ニュース等)
セット料金 3660円(次の委託放送事業者全てと契約した場合の
料金:(株)衛星劇場、(株)サテライト
エー・ビー・シー、(株)サテライトニュ
ース、(株)スペースシャワーネットワー
ク、(株)ジャパンスポーツチャンネル)
(デジタル放送)
加入料 2800円
基本料 290円
視聴料 600円(国内外のライブ等)
300円(気象情報)
セット料金 2700円(*1)1900円(*2)3660円(*3)
*1 次の21の委託放送事業者全てと契約した場合の料金
(株)イマジカ、(株)サテライトエー・ビー・シー、
(株)サテライトニュース、(株)シアターテレビジョン、
(株)シーアンドイー、(株)ジャパンイメージコミュニケ
ーションズ、(株)スペースシャワーネットワーク、
(株)第一興商、デジタルプラネット衛星放送(株)、
日活(株)、(株)日本経済新聞社、
(株)ネオサテライトビジョン、
パイオニアミュージックサテライト(株)、
ブルームバーグ 情報テレビ
*2 21チャンネルセットのうち、任意の12チャンネルを選択
して契約した場合の料金
*3 アナログ放送のセット料金の委託放送事業者に同じ
審議した結果、適当である旨の答申を行った。
(6)報告事項
ア 電波法の一部を改正する法律案等について
電波法の一部を改正する法律案、電気通信事業法の一部を改正する法
律案及び国際電信電話株式会社法の一部を改正する省令案について平成
9年3月4日に閣議決定の上、同日第140国会に提出されたこと並び
に日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律案について平成9年3
月14日に閣議決定の上、同日同国会に提出されたことについて、郵政
省から説明があった。
主な質疑応答は以下のとおり。
・ 包括免許制度における指定無線局数に関する質問があり、郵政省から
電波の効率的な利用を確保する観点から無線局数の上限を指定すること
は必要である旨、説明があった。
・ 指定較正機関の「較正」の使い方に関する質問があり、郵政省から
「校正」という文字よりも本来の意味を表していることから使用するも
のである旨、説明があった。
・ NTT法の中における特殊会社に関する質問があり、郵政省から持株
会社NTTは、その目的等から特殊会社となること及び地域会社はあま
ねく日本全国における電話を確保するという責務から特殊会社となる旨、
説明があった。
イ 地上放送のデジタル化に向けた取組について
今まで、地上放送におけるデジタル化は2000年から2005年ま
でに導入を図ることで取り組んできたが、最近の放送を取り巻く情勢の
急激な動き等を踏まえ、地上デジタル放送の開始可能な時期を明確化し、
これに向けた行政上の措置を進めていく旨、郵政省から説明があった。
主な質疑応答は以下のとおり。
・ 地上放送のデジタル化に伴う放送法制の在り方に関する質問があり、
郵政省から今後制度整備について検討していきたい旨、説明があった。
・ デジタル化に伴う放送事業者の経済的負担に関する質問があり、郵政
省から今後の検討課題である旨、説明があった。
ウ 「BS−4後発機の在り方」の取りまとめについて
BS−4後発機の在り方について、BS−4後発機段階における放送
方式はデジタル化とすることが適当であること、放送はデジタルHDT
V放送を中心とすることが適当であること、デジタル化への移行に当た
っては、移行チャンネルを確保し100%サイマル放送を実施すること
を基本とすることが適当であること等の旨、郵政省から説明があった。
(文責:電波監理審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)