様式第1(第2条関係)


再 意 見 書

国企第23号
平成9年11月7日

電気通信審議会
 電気通信事業部会長 殿

郵便番号  163−03          
住  所  東京都新宿区西新宿2丁目3番2号
氏  名  国際電信電話株式会社      
       代表取締役社長  西本 正  



 電気通信審議会議事規則第5条の2及び接続に関する議事手続細則第2条の規定により、平成9年9月26日付け郵通議第64号で公告された郵政省令案に関し、別紙のとおり再意見を提出します。



(別 紙)

指定電気通信設備接続会計規則及び指定電気通信設備の接続料に
関する原価算定規則の制定案に対する当社再意見

平成9年11月7日
国際電信電話株式会社


 指定電気通信設備接続会計規則及び指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則の制定案については、関係各社より様々な意見が出されているところですが、日本電信電話株式会社殿より提出された意見に対して、指定電気通信設備に対してより適正な接続料を算定することによって事業者間の公正競争条件を確保し、利用者利益の増進を図るため、以下のとおり再意見を述べさせていただきます。

  1. 指定電気通信設備接続会計規則

    (1) 純粋基礎研究に係わる費用の帰属について
     接続の基本的ルールでは、試験研究費についても「不可欠設備の管理運営に要することが明確にされたもののみが接続料金原価に算入され、それ以外の部分は原価から除外される」(第IV章第4節1(3))旨、明記されている。したがって、純粋基礎研究の中で、指定電気通信設備を設置する事業者(以下「指定事業者」といいます)が指定電気通信設備の効率化・高度化に寄与することが立証できないものについて、その費用は接続料金原価から除外されるべきであり、指定設備管理部門に帰属されるべきではないと考える。

    (2) 使用平均資本及び資本報酬計算書の扱いについて
     使用平均資本及び資本報酬計算書は、指定設備管理部門が過大な報酬を享受しているものではないことを証するため、公開されるべきものであると考える。

    (3) 指定設備利用部門に係る情報の扱いについて
     接続料金原価の対象となるのは指定設備管理部門の費用のみであることは事実であるが、当該費用について恣意性が排除され、法の定める明確な基準に沿って会計区分へ配賦されているか否かの検証については、指定設備利用部門の会計が指定設備管理部門の会計と同一の基準で公開されることが必須条件となると考える。

  2. 指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則

    (1) 基本的な接続機能及び経過措置の適用範囲について
     「基本的な接続機能」の範囲が明確にされることは、接続料算定の基礎となる課題であり、その必要性が極めて高いため、日本電信電話株式会社の本件に関する意見に賛同する。しかし、それが経過措置の対象となるか否かは、単純に申込時期等により判断されるのではなく、その機能ごとに個別に検討されるべきであると考える。例えば、ネットワークの根幹となる機能のための改造、特に00XYプレフィクスの移行に係わる改造などは、一律、本経過措置の対象外とされるべきであると考える。

    (2) 法定耐用年数経過後の減価償却費相当額の扱いについて
     第6条において、法定耐用年数経過後の減価償却費相当額を控除することが定められているのは、指定事業者が、実際には発生していない費用の負担を他事業者に強いることを排除するためであると理解している。
     したがって、指定事業者は、設備の管理運営において個別管理を徹底するべきであり、その上で、管理不可能な設備については、可能な設備の平均更改年数を基準として算定を行う等の方法により、本条の規定の主旨を満たすべきであると考える。

    (3) 接続料の自己資本利益率の設定の考え方について
     一般に、企業はその投資に対して適切な報酬を得ることが認められるべきである。しかしながら、指定事業者は、区域内の加入者回線の二分の一以上のシェアを持つ事業者であり、他事業者は、指定事業者の網を利用することによって初めて自己の役務を提供することが可能となる。このような状況下において、指定事業者の接続に関する投資リスクは極めて低く、したがって、その投資に係る報酬は、指定設備利用部門の報酬率よりも大幅に低いことが合理的であると考える。

    (4) 番号案内機能の間接的利用料の設定について
     接続ルールにおいて、「特定事業者のサービスの赤字については、原則として他事業者に負担を求めることは認めるべきではない」(第V章3)旨が明記されている。本件についても、当然にその主旨に従って取り扱われるべきであり、現行方式についても基本的に見直されるべきであると考える。


以 上