意 見 書

平成10年2月18日

電気通信審議会
 電気通信事業部会長 殿

郵便番号  530−6691        
住  所  大阪市北区中之島6丁目2番27号
氏  名  大阪メディアポート株式会社   
       代表取締役社長  大土井 貞夫



 電気通信審議会議事規則第5条の2及び接続に関する議事手続細則第2条の規定により、平成10年2月4日付け郵通議第122号で公告された接続約款案に関し、別紙のとおり意見を提出します。





(別 紙)

日本電信電話株式会社の指定電気設備に係る接続約款案に対する意見

   
  1. 接続約款案全体に関して
    本接続約款案の全体に流れるものとして、接続事業者に対する責任が厳しく要求されている一方NTTには提供に関する義務に対して責任の規定が緩やかなように見受けられます。
    申込み手続きにおいて、「事前調査」「相互接続点の調査」「接続申込」と何段階もの関門を設けられているが、該当申込みに付随する各種の工程及び手続きは概ね想定できるものと考えられるため、一括した簡素な手続きを要望します。
    従前から期限の定めの無い事項については、NTTの社内事情により各種の調整等に必要以上の時間を要している実態であります。必要以上に所要期間を要することの無いよう、設定された期間の遵守に関して罰則の規定が必要と考えられます。

    第13条(事前調査の回答)4項について
    所定の期日を厳守できない場合の免責を担保する内容であり、所定の期日についてはこれを厳しく遵守するという主旨とはなじまないものと思われます。たとえ相当の理由により期日を遵守できない事態であっても、接続事業者の了解により期日の延期を行う事が正常な措置と思われます。

    第14条(相互接続点の調査)4項について
    回答期限について「概ね1ヶ月半以内」と記載されていますが、期限についてはもっと厳しく設定すべきであると思われます。

    第33条(暇庇)について
    暇庇の修補について「その暇庇の重要性に比し修補に要する費用が著しく大  きい場合はこの限りではありません。」と記載されておりますが、責任を一方的に免れようとするものであります。民間企業の常識がそうである以上、いかなる場合であってもNTT負担にて修補を行うべきと思われます。

    第36条(標準的接続期間)について
    本条で設定された工事期間の「概ね6ヶ月以内」やソフトウェア開発の「概ね18ヶ月以内」などは、期限の曖昧さを留保したものであるに加えて、従来からNTTが世間に公約してきた接続期間の短縮化を進める内容から後退するものであり、認めがたいところがあります。より短縮された期間で曖昧さを排除した期限として設定して頂けるよう希望します。

    第48条(予測トラヒックの通知)について
    NTTの要求されるデータを必ずしも通知できるとは限らないため、通知データについては、接続事業者との協議事項とすべきであると考えます。

    第65条(手続費の支払義務)について
    本条で記載されている「手続費」については、民間企業では営業活動の現場調査に対して費用徴収することはありません。NTTとしても、今後接続も新たな営業活動と考え、当該費用を無料とするよう検討して頂きたい。

  2. 接続料金について

    (1)網使用料について
    ISDNに関する接続料金において、市内通話を考えた場合、ユーザー料金は10円/3分であるのに対して、加入者交換機能とISM交換機能との合計による接続料金は18.86円/3分となり、10円を遥かに越えることとなり明らかな乖離が見られます。NTTとのISDN相互接続を希望する新規事業者への差別的料金とも受け取れますので、より詳細な説明、見直しを希望します。

    ・網使用料算定根拠について
     P4「ISM交換機能」の接続料金について
       今回提示された接続料金が全般的に値下げ方向にある中で、ISM交換機能のセットアップチャージが約2.5倍と脅威的に上昇しています。それについて以下の点での詳細な説明を希望します。
    a.今回の料金上昇の主要因である、総合ディジタル通信網加入者系モジュールの設備調達コストの妥当性を見るためにも、区分別費用明細の内訳のさらに詳細な情報の開示を希望します。
    b.NTT自身の為の将来への過剰な先行投資を現在の接続事業者に負担させているのではないかと懸念されるところもあるため、調達コストと取扱トラヒックの関係について、より具体的に明示して頂きたい。

     P20「投資等比率及び貯蔵品比率の算定」について
       「投資等」について、収益性の見込まれない出資金・保証金・負担金等をレートベースに織り込む形となっておりますが、その具体的内容を開示して頂きたい。また。「貯蔵品」について、月末在庫額の年平均値を適正保有量としてレートベースに織り込む形となっておりますが、在庫実績ではなく利用率等の方が適正ではないかと思われます。

     P26「料金設定に使用したトラヒック」について
       「2.NTT市内・市外別等トラヒック」の表の自局内・自局外の通信回数・通信時間の数値とP27の「平成8年度のサービス別トラヒック実績」の表の数値が異なっておりますが、差異について説明を希望します。

      自局内通信回数:(P26)21023891千回
              (P27)21028096千回
      自局内通信時間:(P26)866208千時間
              (P27)866377千時間
      自局外通信回数:(P26)32091155千回
              (P27)32097572千回
      自局外通信時間:(P26)1332192千時間
              (P27)1322450千時間

     P31「設備区分別の費用明細書」について
       本表に記載されている営業費等に、「広告宣伝費」や「交際費」、「共架料」等が含まれているのでしょうか。本表の費用の各項目について内訳明細の開示を希望します。また、地域事業部収支のうちの関連部分及び各事業部の個別収支、地域事業部収支の役務別内訳についても開示を希望します。

     P32「設備区分別固定資産明細表」について
       本表の正味価格合計と、NTT有価証券報告書(H7及びH8)記載の各地域事業部の帳簿価格を合計した値が異なっております。特に「空中線設備」「土地」については、本表の正味価格合計の方が有価証券の値より大きくなっております。この差異について説明を希望します。

      空中線設備:(本明細表合計) 45,170百万円
            (有価証券報告) 38,002百万円
      土   地:(本明細表合計)363,840百万円
            (有価証券報告)349,442百万円

     P34「事業部収支計算における社内取引費用等の補正」について
       「1.費用補正」において、「金融費用相当分の控除」「事前価格の補正」について、その妥当性を証明できる諸元の開示を希望します。

    (2)網改造料について
    約款P32の「第2網改造料」の按分方法について、NTTが指定する方法で行うよう記載されておりますが、按分方法については接続事業者と法等も含めて協議するべきであると思われます。

    網改造料算定根拠について
     P2「取得固定資産価格の算定に係る比率」について
       「1.取付費比率」の算定に、直近年度のデータではなく平成6年度データを採用された理由について説明を希望します。


以 上