Policy Reports 郵政省

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意 見 書

平成10年12月18日

電気通信審議会
 電気通信事業部会長 殿

郵便番号  102−8401
住  所 東京都千代田区一番町8番地
氏  名 第二電電株式会社
 代表取締役社長  日沖 昭 


 電気通信審議会議事規則第5条の2及び接続に関する議事手続細則第2条の規定により、平成10年11月27日付け郵通議第84号で公告された接続約款案に関し、別紙のとおり意見を提出します。



(別 紙)

目次
  1. はじめに

  2. 基本的考え方

  3. 個別事項
     (1) 工事費、手続費等
     (2) 管路等及び局舎コロケーション
     (3) 同一局内に終始する専用線
     (4) 経過措置終了後のIGSの扱い等
     (5) 番号案内赤字負担

  4. その他
     (1) GCの二重帰属
     (2) 附則に規定する報酬率
     (3) ユーザー約款の準用
     (4) 別表2の扱い 

  1. はじめに

    (1)  今回の接続約款の変更案の策定におけるNTTの方々のご尽力に敬意を表するとともに、透明性を確保するために広く事業者に対して意見聴取を行っていただいた郵政省及び電気通信審議会の方々に対し、深く感謝申し上げます。

    (2)  接続料金、接続条件をより改善し、いっそうの接続の円滑化と通信市場の発展を実現させるため、以下に意見を述べさせていただきますので、宜しくお取り計らいいただきますようお願い申し上げます。

    *敬称等は省略させていただいております。(以下同様)

  2. 基本的考え方

    (1) 今年度の料金改定に伴う値上げについて
     以下の料金については、今回の料金改定に伴い、値上げされております。
     それぞれについて、値上げの理由をご説明いただくとともに、今後は、コスト削減努力等により費用の低廉化を図っていただきたいと考えます。
    【料金表 第一表 第1 網使用料 2 料金額】
    ・中継系交換機能
    ・番号データベース接続機能(1成功検索ごとに)
    ・手動交換サービス接続機能
    ・手動コレクトサービス接続機能
    ・公衆電話発信機能
    ・ディジタル公衆電話発信機能
    ・リルーティング通信機能
    ・リダイレクション網使用機能(中継交換機接続型)

    【料金表 第一表 第2 網改造料 2 料金額 2−3 年額料金の算定に係る比率】
    ・設備管理運営費比率 端末系交換機能
    ・設備管理運営費比率 中継系交換機能比率が上昇している。
    ・貯蔵品比率

    (2) 許可の扱いについて
    1  指定電気通信設備の接続に関するもので、「許可」がこれまでに行われたか否かお教えいただきたいと考えます。
     *例えば、原価算定規則第3条や接続会計規則第3条に関する許可等

    2  仮に、これまで許可が行われているのであれば、その内容について開示していただきたいと考えます。

    3  今後は、許可の案件についても、透明性確保の観点から、パブリックコメント方式により、広く事業者の意見を聴取していただきたいと考えます。

  3. 個別事項

    (1) 工事費、手続費等(1/2)

    <NTT案>

    料金表 第2表 工事費及び手続費 第1 工事費 2 工事費の額 2−4

    <弊社の意見等>

    •  今回、接続約款において提示されている作業単金は、前年度の作業単金(8,900円)に比べ高くなっております。NTTにおかれましては、コスト削減にご尽力されているものと理解しておりますが、今年度の作業単金が高くなった理由を、昨年度までとの比較によりご説明いただきたいと考えます。
       なお、参考までに、弊社がユニバーサルサービスに関して提出した意見書の抜粋を別添1に示します。

    •  また、以下については、前回の接続約款に項目が記載されていた弊社に係る費用 でありますが、今回の接続約款において、個別の工事ごとに「作業単金×作業時間」により算定されるよう整理されたと理解しております。
       今後は、弊社に係る以下の事業者間の工事契約等において、個別の工事や手続ごとの作業時間の明細や根拠を接続事業者に対して明確に示していただきたいと考えます。
       また、これらの明細や根拠等に関して、事業者間で協議ができることを明確にしていただきたいと考えます。
    【工事費】
     ・トランスレータ変更工事費
     ・利用者料金課金データ設定工事費
     ・中継伝送機能(専用型)提供工事費
    【手続費】
     ・相互接続点調査費
     ・課金照合費

    (1) 工事費、手続費等(2/2)

    <NTT案>

    接続料金の算出根拠 3.その他の料金の算定根拠 1 作業単金

    <弊社の意見等>

    •  上記の表に従い、従業員1人当たりの給与(23)を算出すると、約385万円となりますが、1人当たりの年間労務費(4)は、約1,030万円となっております。
       給与以外の労務費約645万円の内容について、ご説明いただきたいと考えます。

    •  なお、作業単金の算定方法自体については、弊社においてその妥当性を検討中であり、今後も引き続き議論を行っていただきたいと考えております。

    (2) 管路等及び局舎コロケーション(1/3)

    <弊社の意見等>(総論)

    •  「接続料の算定に関する研究会報告書」に従い、第一マンホールまでの管路等については(正味)帳簿価格で算定されていると理解しておりますが、本来は、欧米の例(*)にならい、全ての管路等(接続用以外を含む)やコロケーションのアクセス及び条件についても法令により規定すべきと考えます。
       (*)別添2参照

    •  したがって、今後、行政におかれましては、
      ・第一マンホール以遠の接続用管路等、及び接続用以外の管路等
      ・コロケーションの条件全般
      等について、必要に応じた法律改正等を含め、引き続きご検討いただきたいと考えます。

       *管路等とは、管路、とう道、電柱等の全般を言います。

    (2) 管路等及び局舎コロケーション(2/3)

    <NTT案>

    第3表 預かり保守等契約に基づく負担額
     第2 とう道又は管路に係る負担額
      1 適用
       (2) とう道使用料の按分
     とう道使用料の算定においては、当該区間における収容ケーブル条数により按分することとします。

    <弊社の意見等>(各論(その1))
    •  今回申請された接続約款においては、県毎のとう道及び管路単金が記載されておりますが、とう道使用料については、上記のように収容ケーブル条数により按分されるため、按分する条数が不明である現状では、接続事業者には支払うべき金額が想定できません。

    •  したがって、按分する条数、及びケーブル1条当たりの料金を明示し、接続事業者にとって経営判断が可能となるような措置をとっていただきたいと考えます。

    •  なお、弊社としては、全国一律の単価としていただきたいと考えます。

    (2) 管路等及び局舎コロケーション(3/3)

    <NTT案>

    (第14条(相互接続点の調査)第3項関連)

    <弊社の意見等>(各論(その2))

    •  局舎コロケーションについて、いわゆる「義務的コロケーション」と「一般コロケーション」の条件を明示していただきたいと考えます。

    •  基本的には、コロケーション内での利用目的に制限を加えることのないようにして頂きたいと考えます。

    (3) 同一局内に終始する専用線

    <NTT案>

    (略)

    <弊社の意見等>

    •  同一局内に終始する専用線については、例えば6M相当と50M相当(6M相当×7)の場合では、50Mの方が設備を省略できるものと理解しております。(次頁参照)

    •  したがって、本接続約款において、設備コストが伝送容量に比例している理由についてご説明いただきたいと考えます。

    (4) 経過措置終了後のIGSの扱い等

    <NTT案>

    (更改)
    第34条  当社は、次の各号に規定するところにより、PHS接続装置、PHS制御局、加入者交換機接続用伝送路設備利用機能に係る伝送装置、番号送出機能に係る伝送装置、中継交換機接続用伝送路機能に係る伝送装置、信号用中継交換機接続用伝送路設備利用機能に係る伝送装置、時報音源提供機能に係る時報音源装置、網同期クロック供給機能に係る網同期クロック発生装置又は接続用ソフトウェア(以下この条において「PHS装置等」といいます。)を更改します。
    (略)

    <弊社の意見等>

    •  「中継交換機接続用伝送路機能に係る伝送装置」については、IGSに係る経過措置後、個別負担になるものとも読めますが、本設備については、IGSに含めた形で、基本機能と整理され、経過措置後には中継系交換機能に含めてアクセスチャージ化されるものと理解しております。

    •  なお、現在網改造料の対象とされている「加入者交換機接続用伝送路設備利用機能」についても、上記と同様の考えから、基本機能とすべきと考えます。

    •  また、今回、公開の対象として多くの設備が追加されておりますが、更改設備の対象とする基準について明確にしていただきたいと考えます。

    (5) 番号案内赤字負担

    <NTT案>

    附則 (平成10年3月24日営企第301号)
    (番号案内利用機能に関する経過措置)
    第9条  中継事業者は、料金表第1表第1(網使用料)の2の2−8の規定にかかわらず、番号案内機能のうち平成11年3月31日までの間において利用した番号案内利用機能(番号案内サービスにより利用者が中継事業者の提供する他社相互接続通信を通じて相互接続通信に着信できるようにする機能をいいます。以下同じとします。)に係る網使用料を支払うことを要します。
     前項に規定する番号案内利用機能に係る網使用料の料金額は、1の着信通信ごとに0.87円とします。
     当社は、第1項に規定する番号案内利用機能については、第70条(網使用料の精算)中「2分の1」とあるのを 「1」と読み替えるものとする。

    <弊社の意見等>
    •  番号案内赤字負担については、仮に今年度でNTT番号案内事業の収支が改善されない場合においても、来年度番号案内料の設定がないものと理解しております。

    •  また、来年度番号案内料金の設定がなくとも、平成10年度分のタイムラグ精算は行われるものと理解しております。

    •  なお、必要であれば、附則に平成10年度分のタイムラグ精算を行う旨を明記していただきたいと考えます。

  4. その他

    (1) GCの二重帰属(1/2)

    <弊社の意見等>

    •  GC接続に係るIGS迂回機能は、前頁のように、GC接続における二重帰属の役割を果たすものでありますが、本機能は、個別機能として平成10年6月19日付で既に届出されております。

    •  一方、ZC接続における二重帰属(主にソフトウエア費用)については、基本機能としてアクセスチャージに含まれております。

    •  弊社では、両者の整合性等の観点から、
      GC接続に係るIGS迂回機能は、基本機能であると整理していただきたいと考えるとともに、
      そもそも指定事業者の接続条件という他の事業者の経営に大きく影響する内容について行政が審査できない「届出」の問題が露呈したケースであると考えていることから、電気通信事業法第38条の2第4項の届出の条項の削除を含めた根本議論が必要であると考えます。

    (2) 附則に規定する報酬率

    <NTT案>

    (略)

    <弊社の意見等>

    •  今回の接続約款案では、上記のように、本則においては報酬率は3.49%となっている一方、附則においては、経常利益4000億円をベースとした報酬率(4.14%)が未だ適用されております。

    •  報酬率の考え方については、「接続料の算定に関する研究会」で結論が得られていること等を踏まえ、本則で適用される報酬率(3.49%)を附則にも適用すべきと考えます。

    (3) ユーザー約款の準用

    <NTT案>

    (料金表 第1表 接続料金 第1 網使用料 2 料金額 2−4,2−5 関連)

    <弊社の意見等>

    •  局間専用線等についてはユーザー約款を準用することとなっておりますが、その運用においては、長期継続割引が適用されないことや、施設設置負担金の休止措置が適用されない等、ユーザーよりも劣る条件となっております。

    •  ユーザー約款を準用する場合、その適用条件は、WTO(*)を鑑みても、NTT自身がユーザーへ提供しているよりも劣らない条件としていただきたいと考えま す。

    (*) 「差別的でない条件(技術上の基準及び仕様を含む。)及び料金に基づき、自  己の同種のサービスに提供する品質よりも不利でない品質によって提供される  こと。」(WTO基本通信合意)

    (4) 別表2の扱い

    <NTT案>

    (別表 2 接続形態 関連)

    <弊社の意見等>

    •  別表2(接続形態)については、個々の事業者間協定に規定すべきものと理解しており、そもそも規定されている接続形態以外の呼は接続を容認しない利用制限的な規定とも考えられます。

    •  したがって、本規定については、例えばNTTが報道発表等で自主的に開示をすれば足りるものであり、接続約款に含めて認可対象とすべきではないと考えます。

以 上

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