課題名 |
研究代表者 |
研究分担者 |
概要 |
研究 期間 |
超低消費電力光IPルータ基本技術の研究開発 |
山林 由明(千歳科学技術大学) |
株式会社トリマティス フォトニックサイエンステクノロジ株式会社 |
膨張を続けるトラフィック需要を満たすためにIPルータでの消費電力が爆発的に増大し、将来の電力供給を圧迫することが懸念されている。本研究は真の超低消費電力光IPパケットルータを実現することで消費電力の増加傾向を根本的に改善することを目的とする。迂回ルーティングに関する研究成果を受け、IPヘッダとペイロードの物理層での実装形態を見直すと共に、超低消費電力化が可能な自己保持型光スイッチを用いて、メモリを持たないバッファレス光IPノードを実現する。消費電力増加傾向を現状の1/50以下に低減することを目標とする。2025年において地域間のIPトラフィックが全体の30%とすれば、これをすべて光IP化することにより397万トンのCO2が削減できることを意味する。 |
3年 |
無駄な消費電力量を削減するRadio On Demand Networksの研究開発 |
伊藤 哲也 (日本電気通信システム株式会社) |
株式会社国際電気通信基礎技術研究所 千葉大学 九州工業大学 関西大学 |
家庭やオフィスにおいて、無線機器の"つけっぱなし"や"無駄づかい"による電力浪費対策が急務となる。本研究では、無線機器、ネットワーク、通信方式を各側面から、統合的かつ抜本的な対策を行い、無線通信が必要とされる時間、場所および通信用途に応じて、電力および電波リソースを有効利用可能なシステムを開発し、無線ネットワークのCO2排出量を2020年には年間110万トン削減することを目標とする。産学連携体制で、既保有技術を最大限に利活用しながら技術開発を進め、研究成果の社会展開のため国際標準化にも取り組みながら、CO2削減効果を実証実験により確認する。 |
3年 |
グリーン・エラスティック超高速光アクセスシステムの研究開発 |
北山 研一(大阪大学) |
三菱電機株式会社 |
FTTHの普及に伴う消費電力の急増を抑制し、最大100Gbpsの超大容量サービスを可能とするデジタル信号処理による周波数マルチサブキャリア多重光信号生成・合成技術を用いた新たなビットレート適応型(エラスティック:伸縮自在な)低消費電力PON(光加入者系)システムを開発する。これにより、研究終了後1,2年以内の25Gbps級エラスティックPONシステムの実用化に目処を付けるとともに、将来ディジタルコンテンツを”Peer-to-Peer“アプリで快適に享受できる100Gbps級システムへの適用可能性を実証する。その結果、CO2排出量として100Gbps級システムが本格化すると予想される2017年には、現在のPONシステム技術と比較し最大70万tの削減を達成する。 |
3年 |
ネットワーキングハードウェアの徹底したスライス化に基づく省電力ルータアーキテクチャの研究開発 |
井上 一成 (ルネサスエレクトロニクス株式会社) |
大阪大学 大阪市立大学 日立情報通信エンジニアリング株式会社 |
IPネットワークの信頼性を損なうことなく消費電力を効果的に削減するために、トラヒック量に応じて処理能力を段階的に調整可能な省電力ルータアーキテクチャを設計し、研究開発を行う。本研究では、ルータを構成する機能コンポーネントを細分(スライス)化し、スライスを単位とした動作制御を実現することで、ルータの処理すべきトラヒック量の変動に適応的に追従する省電力制御を実現する。研究終了後、成果をネットワーク機器主要LSIへ向けて商用化し、幅広く効果的な技術移転を図る。これにより大型・中型ルータの電力消費量を低減し、15万t/年 のCO2排出削減、また、ネットワークトラヒック需要増が予想される2030年には、200万tのCO2排出削減を可能とする。 |
3年 |