発表日 : 2000年 7月24日(月)
タイトル : インマルサット高速データ通信用ミニMシステム及びFシステムの導入
−電気通信技術審議会からの一部答申−
郵政省は、本日、電気通信技術審議会(会長:西澤 潤一 岩手県立大学学長
)から「静止衛星を利用する移動衛星通信システムの技術的条件」(平成12年
(2000年)3月27日諮問第115号)のうち「インマルサット高速データ通信用ミニ
Mシステムの技術的条件」及び「インマルサットFシステムの技術的条件」につ
いて、答申を受けました。
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1 審議の背景
近年、静止衛星を利用する移動衛星通信システムにおいては、データ伝送の高
速化や端末の小型化に対するニーズを踏まえ、グローバルあるいはアジア等の地
域をサービス対象とする新しいシステムの導入が計画されています。
インマルサットにおいても、ノートブック型パソコン程度の大きさの可搬型端
末で64kbpsの高速データ通信を実現した高速データ通信用ミニMシステム
や、同システムをベースに開発中の船舶向けシステムであるFシステムによるサ
ービスが予定され、我が国でも早期導入が期待されています。
このような背景を受け、郵政省は電気通信技術審議会に対して、「静止衛星を
利用する移動衛星通信システムの技術的条件」について本年3月に諮問を行い、
本日、「インマルサット高速データ通信用ミニMシステムの技術的条件」及び「
インマルサットFシステムの技術的条件」についての一部答申を頂きました。
2 一部答申の内容
この一部答申で、インマルサット高速データ通信用ミニMシステム及びFシス
テムの端末の技術的条件として要求されるものは、別紙のとおりです。
3 郵政省では、この一部答申を踏まえ、関係規定の整備を行う予定です。
連絡先:電気通信局電波部衛星移動通信課
担当:八木無線局検査官、小森衛星事業係長
電 話:03−3504−5816
別紙
インマルサット高速データ通信用ミニMシステム及びFシステムの技術的条件
【 高速データ通信用ミニMシステム 】
・従来の可搬型ミニMシステムをベースに開発され、64kbpsの高速デー
タ通信を実現。
・電話(4.8kbps)、データ通信/ファクシミリ(2.4kbps)及
び高速データ通信を提供。
【 Fシステム 】
・上記の高速データ通信用ミニMシステムをベースに、遭難安全通信機能を付
加した船舶向けシステム。
・電話(4.8kbps)及び高速データ通信(64kbps)を提供。
インマルサットシステムとして新たに導入する高速データ通信の技術的条件の
主な概要は次表のとおり。
その他の技術的条件については、既に我が国でサービスを提供しているミニM
型携帯移動地球局及びB型船舶地球局の無線設備の技術的条件と基本的に同じ。
表:無線設備の技術的条件
項 目
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高速データ通信用
ミニMシステム
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Fシステム
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送
信
装
置
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無線周波数帯
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1,626.5〜1,660.5MHz
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変調方式
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16値直交振幅変調(16QAM)
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占有周波数帯幅
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40kHz以下
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等価等方輻射電
力
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19〜25dBW、2dBステップ(
許容偏差:±2dB)
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8〜32dBW、2dBステップ(許
容偏差:−2dB〜+1dB)
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受
信
装
置
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空中線系の絶対
利得と受信装置
の等価雑音温度
との比
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−7dB/K以上
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−4dB/K以上
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ビット誤り率
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−5
10 以下
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−4
10 以下
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空
中
線
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指向特性
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主輻射の方向からの離角に応
じて、サイドローブの絶対利
得の最大値を規定。
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B型船舶地球局の技術的条件
と同じ。
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参考資料
1.無線設備等の概要
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高速データ通信用ミニMシステム
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Fシステム
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サービス
の種類
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電話
データ通信/FAX
高速データ通信
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電話
高速データ通信
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端末等の
概念図
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重量
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約4kg
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約100kg
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サービス
開始時期
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平成12年度
(2000年度)
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平成13年度
(2001年度)
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2.インマルサットが提供するサービス概要