発表日 : 5月22日(金)
タイトル : 5/22付:国際電信電話(株)と日本電信電話(株)の接続の条件を約款化
日本電信電話(株)の指定電気通信設備に係る接続約款の変更の認可に対する答申 郵政省は本日、電気通信審議会(会長 那須 翔)から、日本電信電話(株) が電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第38条の2第2項に基づき変更 の認可申請をした接続約款の変更案「日本電信電話(株)の指定電気通信設備に 係る接続約款の変更の認可について」(別紙1)の諮問に対する答申を受けまし た(別紙2)。この答申は、平成10年4月24日に同審議会が実施した意見聴 取の結果を踏まえて行われたものです。 本件認可は本日行う予定です。 連絡先:電気通信局電気通信事業部業務課 (担当:岡崎課長補佐、浜本係長) 電 話:03−3504−4831 別紙1 I 申 請 概 要 1 申請者 日本電信電話株式会社(以下「NTT」という。) 代表取締役社長 宮津 純一郎 2 申請年月日 平成10年(1998年)4月20日(月) 3 内容 国際電信電話株式会社(以下「KDD」という。)等国際系事業者がNTT に業務委託してサービス提供している部分を接続に変更を可能とするよう措置 すること、KDDが国内中継電話サービスに参入すること及び1.5Mbps 高速デジタル専用サービスのエコノミークラス(ディジタルアクセス1500) のサービスが開始されたことに伴い、NTTの指定電気通信設備に係る接続約 款を変更するもの。 II 接続約款の変更内容 1 用語の定義の追加 2 手続費の支払いを要する場合に、みなし契約に係るものを追加 3 利用者料金の課金の「課金に関する情報に基づき課金する」対象にNTT公 衆電話発国際系事業者着の場合を追加 4 みなし契約事業者に対する契約者情報の提供について規定 5 網使用料 適用に(8)ユーザ間情報通知利用機能に係る料金の適用を追加 6 網使用料 信号伝送機能に(2)ユーザ間情報通知利用機能を追加 7 網使用料 その他の機能(5)の適用対象に国際系事業者を追加 8 網改造料の対象となる機能を追加 9 手続費にみなし契約に係るものを追加 10 接続形態の追加 11 KDD等との接続及びディジタルアクセス1500に係る技術的条件の追加 12 附則(経過措置等)を設置 別紙2 (答 申) 平成10年4月24日付け諮問第21号をもって諮問された事案について、審 議の結果、下記のとおり答申する。 記 日本電信電話株式会社の指定電気通信設備に係る接続約款の変更については、 諮問のとおり認可することが適当と認められる。 なお、提出された意見及びそれに対する当審議会の考え方は、別添のとおりで ある。 別添 日本電信電話(株)の指定電気通信設備に係る接続約款 の変更案に対する意見及びそれに対する考え方 表中において使用されている略語は、以下のとおり。 ●日本高速通信株式会社・・・・・・・・TWJ ●日本テレコム株式会社・・・・・・・・日本テレコム ●ワールドコム・ジャパン株式会社・・・ワールドコム ●第二電電株式会社・・・・・・・・・・DDI ●国際デジタル通信株式会社・・・・・・IDC
ユーザ間情報通知利用機能に関するもの
意見・質問(抜粋)
考え方
1 ユーザ間情報通知利用機能に係る費用につ
いては、NTT殿からアクセスチャージに含
まれるとの見解を頂いておりますが、当該機
能の料金が国際系事業者に限り発生する理由
をご教示願いたい(TWJ)
1 意見のユーザ間情報通知利
用機能に係る費用とはISDN
ディジタル通信モードの網改造
費と思われるが、その費用につ
いては改造を要した部分に係る
網使用料に含まれている。
他方、今回設定された接続料
金は信号伝達のための信号網の
利用見合いとして料金が設定さ
れているものである。
この場合に当該機能を利用す
るのは、現在のところ、国際系
事業者のみであるため、当該機
能の料金は国際事業者に限り発
生する。
2 料金表 第1表 接続料金 第1 網使用料
1 適用 第8欄に規定するユーザー間情報
通知機能に係る料金の適用は、国際系事業者
以外の事業者が当該機能を利用する場合にも
適用されると考えてよろしいでしょうか(日
本テレコム)
2 今回の接続約款の変更にお
いては、当該機能の料金は国際
系事業者のみに適用されている
が、同様の接続形態により接続
し、仮に同様の利用を行う事業
者があれば、当然同じ料金が適
用されることとなる。なお、こ
の場合は、接続約款の変更を要
する。
3 ユーザー間情報通知利用機能に係る算定根
拠は、先日認可されたPHS共通線信号利用
機能に係るものと同一であるが、前回の算定
においてユーザー間情報通知利用機能も含め
て算定していたのかを明確にすべき。また、
このことからも分かるように、当該根拠では
接続事業者として費用の妥当性について全く
検証を行なうことができないことから、詳細
な費用の内訳を開示すべき(日本テレコム)
・ 公正な市場競争の実現による利用者利益を
確保するためには、低廉な適性料金の適用が
必要不可欠であり、「1制御信号ごとに適用
されるユーザ間情報通知利用機能料金」に関
しましてはより一層の低料金化を要望(ワー
ルドコム)
3 ユーザー間情報通知利用機
能の接続料は、そのサービス
を実現するために必要な信号
を伝達する機能である信号伝
送機能の料金を適用すること
としており、接続料の算定は
接続約款の料金表第2網改造
料の算定に準拠して、設備管
理運営費、他人資本費用、自
己資本費用及び利益対応税よ
り算定されており、適正であ
る。
算定根拠については、接続会
計規則により公表される様式
に準拠したものを基礎に算定
過程を記載した資料を添付し
ていることから、一定程度妥
当性を検証できる情報開示は
なされていると考えられる
が、今後、情報開示の徹底を
図るため開示すべき情報を適
宜通達等により明確化すべ
き。
手続費に関するもの
意見・質問(抜粋)
考え方
1 今回の約款変更案においては利用契約締結
手続費が「実費」となっており、実費の範囲
が拡大しております。本手続費についても、
次回の接続料改定申請時には算定根拠と併せ
て実額記載して頂きたい(TWJ)
・ 手続費の額については実費となっておりま
すが、平成10年3月20日付審議会答申を
踏まえ、少なくとも今年度のアクセスチャー
ジ改定時には実額及び算定根拠を含めた認可
として頂きたい(DDI)
・ 現在実費表示となっております「個別契約
事業者に対する契約者情報の提供料金(お客
様情報照会書作成手続費)」に関しても、
「みなし契約事業者に対する契約情報の提供
料」と同様に明確な料金が提示されるよう要
望(ワールドコム)
・ みなし契約事業者へ適用される「利用契約
締結手続費」に関しても、実費の表記となっ
ておりますが、みなし契約事業者の事業計画
作成を困難とし、公正競争環境と利用者利益
確保の実現を阻害するものとなり得るため、
明確な表記を要望(ワールドコム)
1 NTTの接続約款の設定に
対する電気通信審議会答申
(平成10年3月20日)に
おいて、NTTにおいて講ず
べき措置として、保守費、工
事費及び手続費について、作
業の種類ごとのコストや算定
方法を整理し、次回の接続料
の改定時においては、可能な
限り実額とすることを要望し
ているところである。
なお、保守費、工事費及び
手続費の具体的な金額につい
ては、協定締結の際、個別に
提示されることとなっている
。
2 みなし契約事業者が利用契約締結手続費を
負担する理由をご教示願いたい(TWJ)
・ 「利用契約締結手続費」の内容(支払う必
要性を含む。)及び算定方法について明確に
していただきたいと考えます。併せて、営業
費等に関して当該費用とアクセスチャージと
の二重取りが発生しないよう厳格に運用して
いただきたい(DDI)
2 国際系事業者のみなし契約
を処理するために必要な手続
き(例:みなし契約事業者と
の契約内容等について、説明
を行うこと等)に係る費用
で、業務委託においても同様
の負担をしているもの。算定
方法については算出式のみが
記載されているが、次回の接
続料の改定時においては、可
能な限り実額とすべき。
接続形態に関するもの
意見・質問(抜粋)
考え方
・ 国際系事業者は、日本電信電話(株)(以
下NTTと略)殿とは業務委託にて接続する
事によりEnd−to−Endでの役務提供
を行ない、すべての区間に渡って利用者料金
の設定及び請求を行なっております。今回の
接続約款の変更案においては、一部の接続形
態において、一部区間の利用者料金の設定及
び請求を国際系事業者ではなく、NTT殿又
は他の事業者が実施する事となっております
。今回の変更案の認可が、今後弊社が業務委
託から相互接続に移行する際に、これらの接
続形態においても従来の業務委託での接続と
同様に全区間に渡って国際系事業者が利用者
料金の設定及び料金請求する事を否定するも
のであってはならないと考えます。(IDC)
・ 接続約款の接続形態は、既
存の接続形態を記載したもの
であり、記載の接続形態に
あってはNTTが必ず接続を
するというものであって、新
しい接続形態を排除しようと
するものではない。
接続約款に規定されていな
い新しい接続形態が生じる場
合には、接続形態を追加・変
更すべきである。
経過措置に関するもの
意見・質問(抜粋)
考え方
・ 附則 第3条(網使用料に関する経過措置)
第6欄に規定する気象情報提供機能について
は、その負担方法・按分方法が不明確であり
、明確にすべき(日本テレコム)
・ 現行の個別費用負担と同じ
算定方法であることが経過措
置に規定されており、按分方
法については接続約款におい
てNTTが別途指定すること
とされている。なお、按分方
法については機能や設備の特
質により異なり、専門技術的
なものであるので、収容回線
数等を基に按分するという考
え方を約款に記載し、具体的
適用はNTTが行うことは合
理的である。
技術的条件に関するもの
意見・質問(抜粋)
考え方
・ 技術的条件集 別表11.5 図1.1注3
において、「送信=“0”固定」と規定を追
加すべき(日本テレコム)
・ 実際の接続においてNTT
網からJT網へはD2〜D4
まで“0”を送出している
が、現行の仕様では送信する
信号列についてNTT側の規
定はなく、信号を受信する協
定事業者側の設備でも受信し
た信号列は無視する仕様とな
っているため、約款へ記載す
る必要はない。
その他
意見・質問(抜粋)
考え方
・ 再意見を行わない理由をご教示願いたい
(TWJ)
・ 今回の接続約款の変更は
[1]KDDのNTTへの業
務委託を接続に変更すること
に伴うものであり、既存の条
件等を約款化するものである
こと、[2]その内容は認可
された接続約款に規定されて
いる接続の条件及び接続料に
準拠したものであることから
再意見の聴取は行なわないこ
ととしたものである。