発表日 : 1999年 3月19日(金)
タイトル : 日本電信電話(株)の指定電気通信設備に係る接続約款の変更の認可
〜みなし契約事業者に対するあて名情報等の提供方法の変更〜
郵政省は本日、電気通信審議会(会長 那須 翔)から、日本電信電話株式会社
が電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第38条の2第2項に基づき変更の
認可申請をした接続約款の変更案(別紙1)に係る諮問「日本電信電話株式会社の
指定電気通信設備に係る接続約款の変更の認可について」に対する答申を受けまし
た(別紙2)。この答申は、本年1月22日に同審議会が実施した意見聴取の結果
を踏まえて行われたものです。
本件認可は、本日行う予定です。
連絡先:電気通信局電気通信事業部業務課
(担当:藤野課長補佐、中尾係長)
電 話:03−3504−4831
別紙1
日本電信電話(株)の指定電気通信設備に係る接続約款の変更案
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I 申 請 概 要
1 申請者
日本電信電話株式会社(以下「NTT」という。) 代表取締役社長 宮津 純一郎
2 申請年月日
平成11年(1999年)1月14日(木)
3 内容
みなし契約事業者に対するあて名情報等の提供方法の変更。
※「みなし契約事業者」とは、利用者が特定の電気通信番号をダイヤルすることに
よって、利用契約の締結があったものとみなしサービスの提供を行う事業者
(例:「00XX」をダイヤルして国際電話をかける場合、利用者がその電気通信番
号をダイヤルすることをもってサービスを提供する事業者がみなし契約事業者と
なる)
※ 「あて名情報」とは、みなし契約事業者が、その利用者へ料金を請求する場合
や、契約不締結希望者の取扱いする場合に必要となる氏名、住所等の情報
II 接続約款の変更概要
みなし契約事業者に対しては、従来、料金請求のためすべてのNTT加入者のあ
て名情報を提供していたが、個人情報の保護の観点から、今回、みなし契約事業者
のサービスを利用した者に関するあて名情報のみを提供するよう変更するもの。
(1) あて名情報の提供方法の変更
第88条の2(みなし契約事業者に対する契約者情報の提供)を変更し、新方
式による契約者情報の提供を規定。
ア 提供条件
・ みなし契約事業者がNTTに対して、情報提供の処理に必要な対象契約者
の契約者回線番号等及び利用期間等の情報を磁気媒体により提供すること
・ 対象契約者の契約者回線番号等が、NTTの契約者の契約者回線番号等と
一致すること
・ 提供される情報が料金請求・回収等の業務遂行上必要不可欠なものである
こと
イ 提供内容及び現行との差異
現在は、全てのNTT加入者の情報又は住所等に変更のあった者の情報を、紙
又は磁気テープで提供している。
(2) 手続費
みなし契約事業者に対するあて名情報の提供方法を変更することに伴い、みな
し契約事業者に対して契約者情報を提供する際の料金について規定を変更する。
(3) 精算
附則に、利用見込み件数の誤差による料金の取りすぎ、回収漏れを防ぐため、
3年後に全額精算することを規定。
新旧制度比較
項目
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新方式
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現行
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提供媒
体
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磁気テープ
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紙又は磁気テープ
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対象者
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NTT加入者のうち、みなし契約事
業者を利用した者
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NTT全契約者
又は契約者情報に変更のあった者
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提供回
数
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月6回
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月1回(磁気テープの場合)
又は随時(紙の場合)
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提供
内容
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・ NTTの電話又はISDNの電話番号
・ NTTの利用者料金請求先の氏名・住所
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・ 契約者の氏名・住所
・ A/I 識別区分
・ 臨時電話番号識別区分
・ みなし契約不締結者の電話番号
・ みなし契約不締結者の契約者変
更の有無、回線廃止の有無
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料金
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1照会当たり平日 12,300円
土日祝日 13,900円
+
1件当たり 2.96円
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1件1000円(紙の場合)
1照会当たり 17,800円
(磁気テープの場合)
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III 手続費の算定
・ 1照会ごとの料金については、当該作業に係る時間に作業単金を乗じて算出。
・ 1件ごとの料金については、初期負担の軽減を図るため、3年間で料金を算定。
・ 1件ごとの料金については、当該システムに係る費用を利用見込み件数で除し
て算出。
・ 利用見込み件数については、みなし契約事業者の提出した資料を基に予測。
(1) 1照会ごとの費用
区分
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平日
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土日祝日
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備考
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1)作業単金(昼間1時間
/円)
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9,089
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10,309
|
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2)作業時間(時間)
|
1.350
|
1.350
|
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3)作業に係る手続費(円
)
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12,270
|
13,917
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1)×2)
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4)適用する手続費(円)
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12,300
|
13,900
|
3)を百円単位に四捨五
入
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(2) 1件ごとの費用
ア 年経費
(単位:千円)
区分
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金額
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備考
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指定設備管理運営費相当
額
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1)282,907
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NTTコムウェアへの外注
費、企画調整費
|
他人資本費用
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2) 1,395
|
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自己資本費用
|
3) 1,108
|
|
利益対応税
|
4) 1,429
|
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合計
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5)286,839
|
1)+2)+3)+4)
|
イ 1件当たりの費用
区分
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金額等
|
備考
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3年間の年経費の合計(千
円)
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6)860,350
|
ア)5)×3
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3年間の利用見込み件数(
千件)
|
7)290,543
|
みなし事業者の提出した
資料に基づく予測
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1件当たりの手続費(円/
件)
|
2.96
|
6)/7)
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IV 実施予定日
認可後速やかに実施。
別紙2
(答 申)
平成11年1月22日付け諮問第2号をもって諮問された事案について、審議の
結果、下記のとおり答申する。
記
日本電信電話株式会社の指定電気通信設備に係る接続約款の変更については、諮
問のとおり認可することが適当と認められる。
なお、提出された意見は、別添のとおりである。
日本電信電話(株)の指定電気通信設備に係る接続約款
の変更案(諮問第2号)に対する意見及びそれに対する考え方
・ 第二電電(株)(DDI)
・ 日本マルチメディアサービス(株)(JMS)
意見・質問(抜粋)
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考え方
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1 弊社といたしましては、今回諮問された内容で
問題ないと考えます。(DDI)
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1 −
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2 本約款による提供情報はNTT電話番号、契約
者の住所、氏名などからなっており、加入者の原
始情報データベースから直接に提供されているも
のと思われる。
・ 本案が適応される協定事業者はみなし契約事業
者に限ると限定されているが、原始情報を必要と
しているのは、電話番号案内事業者も全く同様で
あり、対象事業者の幅を拡げるべきであると考え
る。(JMS)
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2 本案によるあて名情報の
提供は、あて名情報提供用
のデータベースから提供さ
れているものであり、顧客
情報のデータベースから直
接に提供されているもので
はない。
提供される情報について
は、顧客情報のうち、請求
書送付先住所・氏名及び契
約者住所・氏名等の、あて
名情報として必要な情報の
みであり、番号案内を行う
ために必要と考えられる回
線設置場所の情報は提供さ
れず、また、情報の提供形
態も通信回線によるリアル
タイムな提供ではなく、必
要なときに情報を納めた磁
気テープを渡す形式であり
、その提供回数も月6回ま
でと限定されていることか
ら、電話番号案内のために
求められる情報とは性質が
異なると考えられる。
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3 本約款に基づく料金は1件あたり2.96円で
あり、接続約款の番号案内データベース接続の料
金に比してかなり安い。その結果、本約款を適用
すれば、一般利用者に対してより低廉な料金で番
号案内サービスができるようになると考えられる
。(JMS)
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3 番号案内データベース接
続機能は、大量のトラヒッ
クの処理や随時の検索を可
能とするため、検索速度の
向上、システムの二重化等
、設備が高度なものとなっ
ている。
一方、あて名情報提供用
のシステムには、磁気テー
プによるあて名情報提供の
ためのごく限られた機能し
か設定されておらず、また
、提供先が限定されている
ことから小規模の設備とな
っているため、1件当たり
の情報料は比較的少額とな
っているものである。
なお、あて名情報の提供
を受けるためには、1件当
たりの料金の他、磁気テー
プの提供の費用として1照
会当たり12,300円(
平日)が別途必要となる。
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