戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)
平成25年度の新規採択課題

ICTイノベーション創出型研究開発

フェーズI

研究開発課題名 研究代表者 研究分担者 概要 期間
汎用自律学習型社会文脈処理アルゴリズムの研究開発 杉浦 元亮
(東北大学)
PC上にバーチャルな社会的環境を作成し、健常大学生がプレーヤーとなって、多数のエージェントとインタラクションを繰り返す。その中で遭遇した未知の社会的慣習をプレーヤーが自律学習する過程で脳活動計測を行う。自律学習の各フェーズ、プレーヤーの作業モード、文脈構成条件に対応した活動領域と機能的結合領域を抽出し、各領域の機能に関する先行脳科学知見を併せて、マップの情報内容・連結マップ・ダイナミクスを推定する。 1年
高精細音空間コンテンツのための主観的最適化音空間ディスプレイの研究開発 岩谷 幸雄
(東北学院大学)
土屋 隆生
(同志社大学)
井口 寧
(北陸先端科学技術大学院大学)
大谷 真
(信州大学)
差分法等を用いた音空間レンダリング技術により,多様な音源と空間を用いた音空間コンテンツを用意する。これを,百チャネルを超える実スピーカ,およびバーチャル空間上に稠密に並べたスピーカによるバイノーラル信号により聴取してその臨場感を比較評価する。スピーカ配置,数,周波数帯域などを系統的に操作し音空間ディスプレイの合理的なシステム要求を指針としてまとめ,フェーズIIに採択された場合には,指針を深化させた後,実際のシステムを構築する。 1年
超小型近赤外分光測定装置によるユーザインターフェース評価技術の研究開発 高橋 信
(東北大学)
川島 隆太
(東北大学)
三浦 直樹
(東北工業大学)
研究のフェーズ1の段階では、現実的な状況をシミュレーションする環境(スマートグリッド環境のシミュレーションを想定している)に対して、ユーザビリティに差のある二種類のインタフェースを準備し、被験者実験を通じてパフォーマンス・主観的評価と脳活動の関係をあきらかにする。更に、複数人同時計測が可能であるという超小型近赤外分光測定装置の利点を活かし、インタフェースを介した人と人の間のコミュニケーションの質を評価する。 1年
ナノカーボン系光電子デバイスによる高集積・超高速・低消費電力光インターコネクト技術の研究開発 牧 英之
(慶應義塾大学)
集積回路チップ内やチップ間・ボード間・機器間での光インターコネクトを広く普及させるためには、(i)基板上に集積可能な微小な発光素子を(ii)現在の集積回路の中核を担うシリコンウェハー上へ直接形成することが不可欠であり、現在の化合物・ゲルマニウム系半導体に代わる新たな材料系の探索が急務となっている。そこで本研究では、光インターコネクトに最適なナノカーボン系の新規発光・受光素子を開発し、それらを光導波路と結合することにより、シリコン上に集積化可能な超高速・超小型・省資源・低環境負荷・低コストの光インターコネクトの実現を目指す。 1年
超格子ソースの導入による低消費電力CMOS 回路用FET の研究開発 宮本 恭幸
(東京工業大学)
金澤 徹
(東京工業大学)
超格子ソースをInGaAs MOSFET に導入する。低いオフ電流を超格子のミニギャップとチャネルを交差させることで、また高いオン電流を超格子のミニバンドとチャネルを繋げることで実現し、低いオフ電流と高いオン電流を現在の1/3 程度の電源電圧で実現する。また正孔をキャリヤとするp-MOSFET においても、超格子ソースによる注入時の状態密度の変調と短チャネルを組み合わせることで、従来の移動度にとらわれない高電流密度を可能にする。 1年
人命探索センサネットワーク 中本 高道
(東京工業大学)
都甲 潔
小野寺 武
(九州大学)
瓦礫に埋もれた人命の探索をセンサネットワークにより系統的に探索を行う。CO2センサ、体臭由来のガス成分を検出するセンサ、風向センサ、人体温検出センサを搭載したセンサノードを複数配置し、プルームモデルを構築して匂いガス発生源推定を行う。各センサノードは可動として、各センサノードを連携させて動かしながらプルームモデルを逐次更新し探索する。本研究では、高感度で選択性の高い体臭センサの開発及びセンサノードを移動し探索を行うアルゴリズムを開発し、フィールド実験にて動作検証を行う。 1年
情報弱者支援のためのモジュール型非接触非拘束ジェスチャインタフェースの研究開発 依田 育士
(産業技術総合研究所)
伊藤 和幸
(国立障害者リハビリテーションセンター)
多種多様な障害者に対して、低コストで非接触非拘束センサを適合させるために、フェーズIにおいては、現実的な対象となる障害者の多種多様な動きを3次元情報として集め類型化をする。これらの障害者の随意運動が可能な部位に関して、医師や作業療法士らと協調しながら手腕(腕、肘、前腕、手、指)、肩、頭部、目、口、舌の動きを類型化する。同時に、痙性や不随意運動がある中で、対象とした各部位の随意の動きを認識する認識モジュールのコアを個別に開発する。フェーズIIでは、個別認識モジュールを各障害者が利用可能な範囲で組み合わせて、システムとして統合しながら、適合を図り、継続した利用実験を行う。 1年
低遅延異種多入力映像表示装置の研究開発 三宅 美博
(東京工業大学)
森川 治
(東京工業大学)
戸田 賢二
(産業技術総合研究所)
低遅延異種多入力表示を実現するため、(1)既存のビデオ信号を、提案するオブジェクトベース映像パケット方式のビデオ信号に変換する変換装置、(2)表示装置を連結して表示領域の拡張を実現するために、映像パケット用ルーター装置、(3)映像パケットの交通整理をするコマンドデータパケットの体系作り、(4)ランダム・アクセス・ビットマップ・ディスプレイの試作を検討する。 1年
Round-trip法を用いた波長分散補償法の研究開発 木内 等
(国立天文台チリ観測所三鷹)
ファイバ伝送補償量は、広帯域光通信信号を光周波数軸上で挟む形で配置された100GHzを超える高安定高周波信号(コヒーレントな2つの光信号の差信号)の2つの光信号で各々独立に行われるRound-trip法の差として測定され、この量を用い波長分散補償を行う。広帯域光通信信号は高安定高周波信号より周波数差が小さいため、コヒーレントな2つの光信号で測定される伝送補償量から、広帯域光通信信号の伝送補償量を内挿することで求めることができると考えられる。 1年
超低消費電力シリコンフォトニックノード回路の研究開発 中津原 克己
(神奈川工科大学)
黄 啓新
小室 貴紀
三栖 貴行
丸山 充
(神奈川工科大学)
超小型で高密度集積化が可能なシリコンフォトニクス技術を用いて申請者が開発した強誘電性液晶装荷導波路を応用したフォトニックノード回路の開発を行う。フェーズIでは予備研究として、フォトニックノード回路の要素部品である光クロスコネクトスイッチと波長選択スイッチについて、動作実証と検証ならびに省電力化に向けた構造最適化を行う。フェーズIIでは、要素部品を高密度に集積化したフォトニックノード回路を実現し、ノード省電力化への貢献を目指す。 1年
電流状態フィードバック型BMIの研究開発 眞溪 歩
(東京大学)
予備実験での電流状態フィードバックは、脳波測定電極と電流刺激電極が共通であった。本件研究開発のBMI応用ではこれらの電極を分離し、脳波信号のバイパス術を行う。さらに多チャンネル化したビームフォーミングするBrain Suitを構築し、電極ベースから脳領野ベースの電流状態フィードバックを行う。通常BMI操作の様子は視覚・聴覚からフィードバックされるが、加えて本手法によって体性感覚野を電流刺激し、BMIの情報伝達率とBMI操作の学習効率を向上させる。 1年
自分自身の身体を操っているかのような感覚をもたらすマルチモーダルな操作性設計のための時空間的許容範囲 葭田 貴子
(東京工業大学)
健常成人を対象とした心理物理学的実験を主として,人が自分自身の身体に対してまさしく自分自身の身体の一部であると感じる自己身体所有感(ownership),および自分自身がその身体を制御している主体的制御感(sense of agency)であると感じるための要件,例えば自己受容感覚と視覚・触覚フィードバックのずれの時空間的許容範囲や,必要とされる視覚情報がどの程度我々の自然な手の色や形状から離れていても良いか等を定量的に調べる.これら一連の研究を通じて,将来的には,我々が自分自身の身体と類似したCGや機械の身体のみならず,ヘビ型ロボットなどかつて経験したことがない動作や形状をした自己身体に対しても自己身体と同様の操作感や没入感を提供できそうか,その可能性を探る. 1年
量子コヒーレント光通信実現のための3次位相ゲートの研究開発 古澤 明
(東京大学)
本研究では、量子コヒーレント光通信のために必須な3 次位相ゲートを実現する。ここで、3 次位相ゲートとは万能量子ゲートセットの中の最重要量子ゲートであり、万能量子ゲートセットがあれば、量子コヒーレント光通信のための量子力学的操作が可能になる。万能量子ゲートセットのうち、3 次位相ゲート以外の量子ゲートはすでに実現されているため、3 次位相ゲートを実現できれば万能量子ゲートセットを実現したことになる。簡単に言えば、万能量子ゲートセットとは、(古典)論理回路におけるNAND ゲートのようなもので、それらの組み合わせで任意の量子論理回路を実現できる。したがって、量子コヒーレント光通信のための量子力学的操作も可能になるのである。本研究では、本研究代表者らが長年研究開発を行い、今や世界標準になった連続量量子テレポーテーションの手法を応用して3 次位相ゲートを実現する。 1年
「聞き耳」型補聴システムの研究開発 鵜木 祐史
(北陸先端科学技術大学院大学)
赤木正人
宮内 良太
森川 大輔
(北陸先端科学技術大学院大学)
本研究課題では,補聴システム自体が人に代わって音環境ディバイドを把握し,その影響によって低下した音声の明瞭性・了解性を向上させるしくみ(音声回復処理)を構築する.次に,音声回復処理をした上で,聴取時の注意の推定と注意を誘発するためのしくみを補聴システムに組み込む.このような音環境と人の親和性が高い音情報呈示技術(「聞き耳」型補聴システム)を確立することで,安心・安全なユビキタス音声コミュニケーションを提供する. 1年
イオン照射を用いた超平坦・超高密度ビットパターン媒体の研究開発 加藤 剛志
(名古屋大学)
岩田 聡
(名古屋大学)
岡本 聡
(東北大学)
本研究開発は,次世代の記録媒体である超高密度ビットパターン媒体を低コストで作製できる技術を開発することを目的に,以下を検討する.400°C 程度の実用的プロセス温度で成膜でき,イオン照射だけで強磁性/非磁性転移が可能なMnGa を安価なガラス基板上に作製できることを示す.さらにMnGa ビットパターン媒体の反転磁界分布を評価する.これらの検討により,イオン照射型のMnGa ビットパターン媒体が実用化可能であることを示す. 1年
高速で高精度な音声ドキュメント検索システムの開発と試験運用 桂田 浩一
(豊橋技術科学大学)
西崎 博光
(山梨大学)
中川 聖一
秋葉 友良
(豊橋技術科学大学)
青木 久美子
辻 靖彦
森本 容介
(放送大学)
新田 恒雄
(早稲田大学)
本研究開発では、代表者・分担者らがこれまで開発してきた高速検索と高精度検索の手法を組み合わせ、速度・精度の両面でトップレベルの性能を示す音声ドキュメント検索システムを開発すると共に、利便性の面からもインタフェースの改良を図る。また、性能達成の鍵となる高精度音素認識器を開発する。さらに、放送大学講義ビデオのインターネット配信を対象に検索システムを試験運用し、同時にマーケット調査を実施して、実用システムに繋がる要求仕様をまとめる。 1年
ビデオコンテンツにおける暴力度レーティング手法を用いた自動フィルタリング技術の開発 加藤 ジェーン
(名古屋大学)
齋藤 栄
(シャープ(株))
申請者らは,まず,(1)ビデオコンテンツの暴力度(レベル)の分類基準を策定し,それに基づいて実ビデオデータから暴力度を定めるための「暴力要素」を定義する.次に,(2)暴力要素の認識手法を開発する.その後,(3)構造予測に基づいた学習手法により,高精度なレーティングを高速に得る方法を開発する.さらに,(4)評価実験を行うとともに,メーカと協働で実運用システムの形態及びデバイス化について検討する. 1年
電化道路電気自動車の実現に向けた電動カート走行中給電の原理実証実験 大平 孝
(豊橋技術科学大学)
1)自動インピーダンス整合回路の設計試作,2)電化道路の設計試作,3)RF 整流回路の設計試作,の3つの研究開発を行い, EVER システムを構築する.開発1では走行に伴い変動する車両位置により発生する反射波を抑圧するリアルタイム負荷追従型自動インピーダンス整合回路を実現する.開発2は電力伝送効率の向上を路面構成の工夫により実現する.開発3はモーター負荷変動に対し高RF-DC 変換効率を達成する整流回路のトポロジーを提案,試作する. 1年
多自由度遠隔ロボット制御のための少自由度インタフェースの研究開発 森本 淳
((株)国際電気通信基礎技術研究所)
稲邑 哲也
有木 由香
(国立情報学研究所)
フェーズIの1ヵ年において、ロボットなど多自由度システムの直感的遠隔操作を可能とする少自由度インタフェースの構築に必要な要素技術の開発を行う。具体的には、データベースに蓄積された大量のロボットの操作例を示すデータ(ビッグデータ)から、インタフェースを使用する状況に応じた操作典型例を統計的手法により導きだす手法を開発する。この開発される手法をもとにフェーズIIの2ヵ年における少自由度入力を補完した多自由度情報端末操作のための知的インタフェースを開発する。 1年
腹腔鏡手術における感覚融合技術を利用したトレーニング及びサポートシステムの研究開発 安藤 英由樹
(大阪大学)
小M 和貴
(京都大学)
本研究においては工学者安藤(研究代表者)が特殊な条件下で視野合成を行った場合に起こる融合感を用いて,熟練者が修練者を適切に誘導する技術を用いて,トレーニングのためのシステムから,実際の手術時にも実時間支援できるシステムを最終目標としたデバイスデザインの設計製作とトレーニング効果を実証する実験システムを提案・構築する.また,外科医小M(研究分担者)がトレーニング効果を実証する実験を研修医や医学生を被験者として実施する.また,お互いの意見交換を通じてその効果と改善点を評価しつつ,デフォルトスタンダードとなるシステムの開発を目標とする. 1年
ダイヤモンドを用いた次世代量子暗号用素子の基盤技術開発研究 水落 憲和
(大阪大学)
山崎 聡
(産業技術総合研究所)
森下 弘樹
(大阪大学)
単一光子源素子や量子ノード等の将来の実用化を見据えた際、要求される重要な技術要素として室温動作できる点、電気的動作ができる点、実用レベルの効率化が挙げられるが技術的な課題が多く、実現されていない。本研究ではダイヤモンド中の発光中心に注目し、室温動作する高効率な単一発光素子実現に向けた基盤技術及び量子ノード素子の将来の実用化に必要となる、スピンの電気的操作及び電気的検出に関する基盤技術の創成を目指す。 1年
圧縮センシング型レーダの研究開発 牛尾 知雄
(大阪大学)
松田 崇弘
(大阪大学)
吉川 栄一
(宇宙航空研究開発機構)
圧縮センシング理論に基づき提案されるレーダ構成について,数値シミュレーションによる特徴及び性能の解析,想定される運用方法やコスト等から総合的に判断し,実現可能性を検討する.その上で,提案するレーダ実機の設計・製作・設置を行う.製作する実機を用いた観測実験を行い,理論検討との比較及び既存観測装置との比較を通して,実用に向けた有効性の実証を行う. 1年
アシュアランスネットワーク設計原理に基づいた平常時災害時両用システムの研究開発 角田 良明
(広島市立大学)
伊藤 篤
((株)KDDI研究所)
石田 賢治
高野 知佐
舟阪 淳一
小畑 博靖
大田 知行
井上 伸二
河野 英太郎
(広島市立大学)
アシュアランスネットワーク技術を確立し、環境の変動が大きくかつ大規模なネットワークの情報を効率的に管理し、多様なネットワーク環境の変動に的確に適応することを評価するための実証実験基盤を構築する。また、その基盤を用いて、平常時には地域社会の口コミ情報や見守り情報を伝搬するネットワークとして、災害時には被災者の安否情報や問合せ情報を伝達するネットワークとして両用できることを実証する。 1年
テラヘルツセンシングシステムの実現に向けたCMOS要素技術の研究開発 藤島 実
(広島大学)
吉田 毅
(広島大学)
飯塚 邦彦
山之上 雅文
天野 真司
田口 滋也
満仲 健
(シャープ(株))
テラヘルツ周波数帯で動作する発振器、検出器及びテラヘルツ帯電磁波に対する試料の透過または吸収スペクトルを用いたセンシングシステムに必要な要素技術を、量産性に優れた微細CMOSプロセスを利用して実現する研究開発を行う。発振器においては、環境バラつきに影響しない周波数正確性を得るために、テラヘルツ周波数帯の発振器のPLL制御に挑戦する。検出器は、PLL制御した局部発振器を利用した同期検波を採用することで、検出感度を劇的に向上させる技術の予備実験、理論検討を実施する。 1年
動的周波数管理技術を内在した超高分解能レーダによるリアルタイム周辺監視システムの研究開発 松波 勲
(北九州市立大学)
梶原 昭博
(北九州市立大学)
山本 郁夫
藤本 孝文
(長崎大学)
複数の電波システムが混在する環境下でも,与干渉や被干渉に優れ,周囲の複数目標物を高精度に検知するDAA機能を備えたステップドFM方式UWBによるリアルタイム周辺監視電波センシングシステムを開発する.小型で低信号処理を特徴とする本システムの研究開発では,高精度なイメージング技術及び拍動・呼吸センシング技術を確立し,実証実験によりその有効性を検証する. 1年
多変数多項式システムを用いた安全な暗号技術の研究 安田 貴徳
(九州先端科学技術研究所)
Dahan Xavier
高木 剛
(九州大学)
櫻井 幸一
(九州先端科学技術研究所)
多変数多項式システムの解読はいくつかの公開鍵暗号方式や暗号攻撃などと深く関わっている.多変数多項式システムはグレブナ基底を計算することで最も効率的に解読することが可能である.本研究では公開鍵暗号方式の安全性と多変数多項式システムの因果関係を明らかにし,グレブナ基底計算を用いた解読による計算量を用いて公開鍵暗号の安全性を理論的に見積もる.また,これを用いて安全な公開鍵暗号を設計する. 1年

フェーズII

研究開発課題名 研究代表者 研究分担者 概要 期間
3次元無線実装を実現する超小型・省電力信号伝送系の研究開発 佐橋 政司
(東北大学)
三宅耕作
塩川陽平
(東北大学)
ナノメータサイズの磁性体が示すスピントルク自励発振と受信機能を用いた超小型で省電力な無線信号伝送の要素技術開発に関し、要を成す強磁性ナノ接点磁気抵抗素子の高性能化を図り、多層ワイヤレスSESUB(Silicon Embeded SUBstrate)を実現するための超小型スピントルク発振器/受信器の開発と伝送系基礎技術の構築を行ない、3 次元無線実装への実験検証を目指す。この3 次元ワイヤレスSESUB 技術は、あらゆる業種に大きな技術的波及効果をもたらす基盤技術となることが期待される。 2年
Radio On Demand Networks技術を用いたオンデマンド型無線センサーアクチュエーターネットワーク(ROD-SAN)の研究開発 伊藤 哲也
(日本電気通信システム(株))
阿部 憲一
アウスト シュテファン
原 幸宏
岩井 優仁
田中 利康
(日本電気通信システム(株))
長谷川 晃朗
湯 素華
木村 貴寿
渡邉 悠希
山口 真司
((株)国際電気通信基礎技術研究所)
阪田 史郎
小室 信喜
(千葉大学)
池永 全志
塚本 和也
福田 豊
野林 大起
(九州工業大学)
四方 博之
(関西大学)
消費する電力および電波資源を必要最小限とするRadio On Demand Networks(ROD)に対応したオンデマンド型無線センサーアクチュエーターネットワーク(ROD-SAN)の技術開発を行う。WSAN用無線信号に対応したWake-up Receiver、オンデマンド型アクセスを有効利用した新たな無線アクセス方式、大規模オンデマンドマルチホップルーティング方式を開発する。産学連携体制で、既保有技術であるRODを最大限に利活用しながら技術開発を進めることで、研究開発期間中に開発技術を搭載したROD-SAN機器の試作開発を行い、高い省電力性能とレスポンス性能が得られること実証する。 2年
フローマイニングに基づくトラヒック変動に適応する予測型トラヒックエンジニアリングの研究開発 塩本 公平
(日本電信電話(株))
村田 正幸
大下 裕一
(大阪大学)
石橋 圭介
上山 憲昭
高橋 洋介
(日本電信電話(株))
本研究開発では,分単位から日単位までのさまざまな時間粒度のレベルで変動するトラヒックに関する情報を用いてトラヒック予測を行い,モデル予測制御に基づいた制御によって,トラヒック変動に追従可能なトラヒックエンジニアリング制御を実現する.時間粒度に着目した階層化手法を導入することによりスケーラビリティを確保しながら,トラヒックが変動した場合にも極端な品質劣化を招くことなく,品質の最適化を図る適応的制御を実現する. 2年
高ロバストネス情報配信基盤の研究開発 秋山 豊和
(京都産業大学)
河合 由起子
(京都産業大学)
飯田 勝吉
(東京工業大学)
張 建偉
白石 優旗
(筑波技術大学)
高度な論理ネットワークによるロバストな情報配信技術としてOpenFlow環境が構築されつつあるが、災害等のアプリケーション側の急激な要求変化への対応は、運用担当者によるアドホックな対応に依存している。また、災害時に大量のユーザに一斉配信される速報は画一的で、各ユーザの要求に即した信頼性の高い情報を迅速に配信できなかった。我々はこれまで、全く新しい大量ユーザ間情報伝達方式を提案し、各ユーザが効率的に情報発信・獲得可能なシステムを構築し、実サービスとして提供してきた。本研究ではこれをさらに発展させ、Web、SNS情報およびユーザの閲覧・操作履歴情報等の大量データを分析することで、将来発生する災害(イベント)の場所と期間、発生した際の各ユーザの位置と時刻の双方を抽出し、イベントおよびユーザの動向に事前に対処可能なネットワーク機器制御の最適化を目指す。さらに、ユーザの動向だけでなく特徴も分析・抽出することで、各ユーザの要求に応じた情報を迅速に伝達可能な高ロバストネス情報配信基盤の研究開発を行う。 2年

若手ICT研究者等育成型研究開発

研究開発課題名 研究代表者 研究分担者 概要 期間
複数のSNS利活用におけるプラットフォーム横断的なリスク管理基盤の研究開発 山下 晃弘
((株)調和技研)
上村 卓史
((株)調和技研)
SNSのプラットフォームに依存せず横断的な情報の繋がりを表現可能なモデルを構築するため,オントロジー学習の概念を導入する.また文章間の類似性など曖昧さを持った緩い繋がりからの推論モデルとしてファジー推論を導入し,実態としての個人に関する情報がSNS上からどこまで発覚してしまうのかを集約可視化するための技術を確立する.また,これらの技術を用いて大規模データを処理するために分散処理基盤上への実装を目指す. 1年
光と無線によるネットワーク大融合のための高度連携制御技術の研究開発 西山 大樹
(東北大学)
本課題では,光ネットワークと無線ネットワークから成る複合ネットワークを考えるが,複数ネットワークにまたがる通信を制御する上で重要となるのがネットワークリソース割当技術と経路制御技術である.そのため,これらの制御を光及び無線の両ネットワークが協調して行うための制御機構について検討する.また,その制御機構を利用することによって,ネットワークの輻輳などによる通信効率低下や通信品質劣化をネットワーク全体として回避することを可能にする制御技術について研究開発を行う. 1年
大規模Web百科事典の知識を構造化する大脳皮質型知識処理機構の研究開発 中山 浩太郎
(東京大学)
テラバイト級の情報量を持つオンライン百科事典「Wikipedia」から知識を抽出し,構造化すると共に,dA(Denoising Autoencoder)やDBNなどのDeep Learning手法に着想を得て,高速かつ柔軟な知識処理に適した多層化したニューラルネットワークモデルを構築する.その際,脳科学の最新の知見(神経細胞移動モデルなど)を取り入れ,高速かつ効率的な情報ネットワークの構築を目指す.これにより,人と社会にやさしいコミュニケーションを実現する幅広い分野で利用可能な知識処理フレームワークの構築を目指す. 1年
偏波多重モノリシック光集積回路の研究開発 種村 拓夫
(東京大学)
将来期待される,偏波多重テラビット級光トランシーバをコンパクト,低消費電力,かつ,安価に実現するために,InP系半導体レーザと偏波多重素子をワンチップに集積した偏波多重モノリシック光集積回路を開拓する.非対称ハーフリッジ型導波路内で生じる偏波回転効果を利用することで,効率95%以上,光損失1dB以下の導波路型偏波回転素子を実現し,オフセット量子井戸法を用いてレーザと集積する.この過程を通じて,将来のテラビット級フォトニックトランスポートネットワークを支える基盤デバイス技術を確立する. 1年
視覚触覚間の感覚間相互作用を利用した形状伝送システムの研究開発 鳴海 拓志
(東京大学)
申請者は視触覚間相互作用を用い、曲面の曲率、角面の位置・角度、物体の大きさ等の形状要素に対する知覚を操作する手法の実現可能性を示してきた。本研究ではこれらを触覚通信に応用するため、深度画像を用いてある視点における物体形状を形状要素に分解し、手の動きを空間変調するための二次元歪みマップを生成する視触覚スキャナ技術、複数視点からのマップを合成し任意視点からの形状を再現する手法を実現し、心理物理実験を通して伝送時の触知覚再現率を明らかにする。 1年
光無線とネットワークコーディングによるOn/Offグリーンインターコネクトの研究開発 鯉渕 道紘
(国立情報学研究所)
松谷 宏紀
(慶應義塾大学)
我々は,まず,トラヒックがバースト的に発生する集合通信におけるデータ転送量を削減するために,ネットワークコーディング技術を階層的・発展的に利用する方式を考案する.さらに,光無線を用いたレイアウト最適化により,総配線長を抑えつつ,トラヒックパターンに応じてネットワークトポロジを動的に再構成することで,パケットの平均ホップ数を最小化する.その上で,トラヒック負荷に応じてOn/Offリンク制御法を適用し,ネットワークの電力性能比を10倍以上向上させる. 1年
運動データベースのための力学モデルに基づく時空間データ解析技術 辻 俊明
(埼玉大学)
運動データベースを構築するデバイスの例としては人間支援ロボットや触覚インタフェースなどが想定される。本研究ではリハビリ支援ロボットを選択し、ロボットが得る位置と力の多次元時系列データを運動方程式で記述される運動系にモデル化するアルゴリズムを実装する。運動方程式による運動データの低次元化は極めて能率の高いデータ圧縮と等価になることを示す。そしてそのモデルに基づく分類・検索処理をはじめとするデータ解析技術を提案し、その性能評価を実施する。 1年
超広帯域レーダによる超分解能非破壊・非侵襲計測技術の開発 木寺  正平
(電気通信大学)
本研究目的を実現するため,申請者が独自に提案する超波長分解能画像化(RPM : Range Points Migration)法 及び 多重散乱波画像化法 を誘電体内部イメージングへ拡張し,領域積分方程式に基づく逆散乱問題解析等と融合させることで,特に多層誘電体構造において「1/10波長分解能」及び「1/100波長精度」を実現する内部レーダセンサ技術を開発する.また,偏波や散乱周波数特性等の特徴量から,対象(癌細胞等)の電磁気的・化学的情報量を抽出する手法も提案し,革新的な誘電体内部計測技術を確立させる. 1年
医療インシデントレポート・学術情報・ウェブ情報の横断的な大規模テキスト分析による医療安全向上のための知識抽出手法の研究開発 森 純一郎
(東京大学)
藤田 桂英
(東京農工大学)
医療事故等に関する、インシデントレポート、学術情報、ウェブ情報の大規模情報源を対象に、(1)医療安全向上に資する知識の抽出手法、(2)複数異種の情報源から抽出された横断的な知識を関連づける手法、(3)抽出された横断的な知識を多面的な視点で可視化するシステム、の研究開発を行う。これにより、医療に関わる複数のステークホルダーの多面的な視点での医療安全の向上に資する知識の抽出と活用、ならびにPDCAサイクル展開支援を実現する。 1年
紫外線硬化樹脂を用いたInP/Siオンチップ光モジュールの研究開発 雨宮  智宏
(東京工業大学)
樹脂接合技術によってSi上にハイブリッド実装したIII-V半導体薄膜レーザを、紫外線硬化樹脂による光ワイヤでSi側導波路デバイスに接続したオンチップ光伝送モジュールの開発を行う。紫外線硬化樹脂による光細線形成を行うことで、ハイブリッド実装した各種III-V族化合物半導体素子で生成した光信号を効率的にSi側の光導波路へ導入することが可能となる。フェーズIの段階で紫外線硬化樹脂による光ワイヤ技術を確立する。 1年
生活空間における人の注視に着目した映像コンテンツ評価手法に関する研究開発 橋 正樹
(NHK放送技術研究所)
TVやPCに近接設置された小型ビデオカメラや奥行きセンサから取得できるユーザの振る舞いに関するデータを並列的に解析し、人物・行動検出、顔検出・追跡、顔向き推定、視線方向推定を行うモジュール群、および、各モジュールからの出力を統合する仕組みを開発して基盤とする。この上に、ユーザの映像コンテンツへの注視の有無や度合いを推定するシステムを構築し、これらを指標とした視聴質と映像コンテンツの内容から、ユーザの嗜好や習慣を分析する。 1年
掃除・片付け・拾い上げを行う自律型支援ロボットのための認識特徴量ライブラリと識別器の研究開発 山崎 公俊
(信州大学)
花井 亮
(産業技術総合研究所)
下坂 正倫
(東京大学)
本研究開発で認識対象とするものは,ガラス製品などの透明物品,金属食器などの光沢物品,ケーブルや紙などの不定形物品,埃や液体汚れなどの清掃対象である.カラー画像や三次元距離データを入力とした特徴量表現を提案・実装し,それを利用して高精度な識別を行うための識別器を構築する.実際のロボットシステムにより,いくつかの生活支援作業について認識対象の発見から操作までを一貫して行わせることで,本研究開発の有用性を示す. 1年
音声言語処理・音響信号処理・ビッグデータの利活用を用いた多言語遠隔会議での人にやさしい音声コミュニケーションの向上支援に関する研究開発 王 龍標
(長岡技術科学大学)
高精度な音声認識結果の提示、劣化した音声品質の回復、重要内容の要約などによって、遠隔会議における多言語間の音声コミュニケーションを多方面の支援を研究開発する。初年度に、会議音声の音声認識率を従来の手法で40%程度から雑音・残響除去や非線形変換、母国語の自動推定と音響モデルの適応により実用化レベルを超える80%程度で認識する要素技術を開発する。最終的には、通信回線による通話品質劣化の自動回復、スピーカによるエコー音声の除去など音の品質の改善およびDeep Neural Networkによる非母国話者の自然発話の認識率の改善により遠隔会議の人の音声コミュニケーションを支援するシステムを研究開発する。 1年
読唇技術の高度化によるマルチモーダル音声インターフェースの研究開発 田村 哲嗣
(岐阜大学)
本研究開発ではフェーズIとして、マルチモーダル音声インターフェースに必要不可欠な「読唇技術の高度化」を行う。マルチモーダル音声認識は音声認識と比べて、実環境で有効な反面、要素技術の読唇の認識性能が不十分であるため、その効果を活かしきれていない。そこでまず、(1)高精度な読唇手法の開発を行う。続いて(2)実環境に頑健な読唇手法の開発を行う。そして(3)モバイル機器でマルチモーダル音声インターフェースを実現する。 1年
次世代LSI開発に向けたエレクトロニクスとフォトニクスのプラズモニクスによるシームレスな結合 村井 俊介
(京都大学)
SPP導波路として現在CMOSのゲート電極として使用されている窒化チタンを活用し、窒化チタン薄膜のSPP導波特性を評価する。並行して、電界印加で励起されるナノサイズSPP源を開発する。ナノサイズのシリコン量子ドットと窒化チタンを用いて、光通信で使用される波長1.5マイクロメートルの光に対応するSPP源を開発し、SPP技術とSi-CMOS技術との真にシームレスな結合を目指す。 1年
放送通信融合環境による 次世代モバイルビデオオンデマンド配信の研究開発 義久 智樹
(大阪大学)
本研究開発では、ストリームマージ、予備データ配信、電池残量適応型再生レートといった新たな技術を打ち出す。これらの技術と従来技術を放送通信融合環境に適用してモバイル端末特有の問題を解決する点に独創性がある。本研究開発を完遂することで、スケーラブル、低遅延、低消費電力な映像配信を実現できる。次世代モバイルビデオオンデマンド配信の先駆的な研究開発であり、新たな分野を切り開く大きなインパクトを与える。 1年
金属コンタクトを利用した光検出器の開発 石井 智
(情報通信研究機構)
電磁場解析により表面プラズモン励起による光吸収の高い構造を検討する。透明導電性ポリマーでできた光導波路はフォトリソグラフィーとドライエッチングにより作製する。金属コンタクトを付けたデバイスに光を伝搬させ、マルチメータで光誘起電流を検出する。 1年
保育行動理解に基づく保育支援技術の研究開発 塩見 昌裕
((株)国際電気通信基礎技術研究所)
子どもたちや保育士の遊び状況を認識する技術を確立するために,測距センサ・カメラ・加速度センサを内蔵する遊具型センサ・保育士が装着するマイクや加速度センサを組み合わせたセンサネットワークを構築する.保育記録の作成を支援するために,開発した技術を用いて認識される状況を,個別に検索可能な形で記録し,映像や音声を用いて簡単に閲覧・検索・分析を実現できるソフトウェアを開発する.玩具型ロボットが適切なタイミングや情報提示を用いて,子どもたちの注意を一時的に引き付ける技術を確立する.これらの技術を統合したインテリジェント・キッズルームを構築し,実証実験を進める. 1年
位置情報付きビッグデータ分析における自動意味付け手法の研究開発 荒川 豊
(奈良先端科学技術大学院大学)
位置情報付きビッグデータの分析結果に対する意味付け手法の確立へ向けて、1)複数POIデータベースへの一元的アクセスと情報の統合,2)分析結果に対して、どんな実世界オブジェクトがヒトの興味を惹きつけているのかを推定し、適切な意味を割り当てる仕組み、3)個人の嗜好を考慮した意味割り当てへの発展、4)実アプリケーションの公開による定量的評価の実施、という4つの研究課題に取り組む。 1年
超薄型柔軟膜を用いた貼付け型ヒューマンインタフェースの研究開発 平田 一郎
(兵庫県立工業技術センター)
中本 裕之
(神戸大学)
貼付け型ヒューマンインタフェースを確立するため、(1) 高感度のインタフェースとするための柔軟膜上の電極パターンの多様化とその応答評価、(2) 多点の計測を可能とするマトリックスタイプの計測プラットフォームの開発、(3) 衣類や機器の操作デバイスへ組み込みを通じてヒューマンインタフェースとしての適用性の評価を実施することにより、柔軟膜のヒューマンインタフェースとしての基盤を整備する。 1年
アダプティブセンサネットワークを用いた新たな雷放電標定手法の開発 吉田 智
(大阪大学)
雷放電に伴う電磁波の位置標定を行う従来法は、多数の放電点が存在する枝分かれなどの放電路では標定精度が低下する。提案手法では各センサで位相制御(適応信号処理)することにより複数の放電源が同時に発生しても位置標定が可能となる。計算機シミュレーションおよび実観測データを用いて、提案手法の有用性を示す。さらに提案手法を用いた雷放電観測ネットワークを構築し、竜巻や豪雨などの関係を明らかにし防災に役立てる。 1年
リアルタイムマイクロ波マンモグラフィの研究開発 木村 建次郎
(神戸大学)
木村 憲明
(Integral Geometry Instruments合同会社)
近年、波動の散乱によって、曲面上に配置した送受信機で得られる信号から散乱体の構造を再構成するための、基礎方程式を見出し、さらに、計測によって得られるデータを境界条件として、その方程式を解くことに成功し、実際に鉄道インフラの検査会社へ納入した。本研究では、この方法を乳癌検査に応用するためのハードウェア開発を行う。女性の乳房の形状に近い送受信機モジュールを開発し、乳房のファントムにおいて、癌組織に相当する領域の映像化の基礎実験を行う。数年以内に臨床実験を行うことを前提とした、動物実験も医学部の協力のもとで推進する。 1年
ヒューマンクラウドセンシングによるユーザ参加型実世界リアルタイム情報検索技術の研究開発 島田 敬士
(九州大学)
出口 大輔
(名古屋大学)
近藤 一晃
舩冨 卓哉
(京都大学)
情報検索者からの実世界の「今」の情報に対するクエリを満たすヒューマンセンサを検索する方法とヒューマンセンサから投稿される複数のタグ付画像から情報検索者のクエリを満足する投稿情報のみを抽出する方法を開発する.これらの研究開発結果を統合して,ヒューマンクラウドセンシングによるユーザ参加型実世界リアルタイム情報検索の実現とその実証的実験を行う. 1年

電波有効利用促進型研究開発

先進的電波有効利用型 フェーズI

研究開発課題名 研究代表者 研究分担者 概要 期間
センサー応用を目指したミリ波アンテナ内蔵低電力集積回路の研究開発 佐野 栄一
(北海道大学)
池辺 将之
(北海道大学)
サブスレッショルド領域の非線形性を用いた直接検波回路、サブスレッショルド動作バイアス回路を用いたオフセットなし高利得アンプ、全ディジタル処理クロック・データ再生回路から構成された受信機、発振器と変調器を一体化した送信機、人工誘電体や右手/左手系融合伝送線路といったメタマテリアル技術を活用した高利得アンテナなどの新しい回路技術を導入し、60GHz帯アンテナ内蔵低電力送受信機を実現する。 1年
モバイル端末で構成される自律ネットワークの周波数チャネル高効率利用のための研究開発 加藤 寧
(東北大学)
Fadlullah Zubair
(東北大学)
周波数チャネルの実効利用率の低下を回避するための技術について研究開発を行う。一般には集中制御によるスケジューリング等が有効な手段とされるが、災害時にユーザが所有するモバイル端末のみでネットワークを形成することを前提とするため、自律分散制御を基本とした技術設計を行う。周波数チャネルの過度な競合の発生を抑制するようにDoMの制御系を最適化するための基礎技術について検討する。 1年
液晶材料のミリ波・THz波デバイス応用技術の研究開発 能勢 敏明
(秋田県立大学)
本間 道則
伊東 良太
(秋田県立大学)
液晶材料の評価法として、測定精度の問題と共に(1)微量で測定可能である事、(2)分子配向方向による異方性が測定できる事が重要である。そこで、平板型の高周波回路を基本としたサンドイッチ型測定セル構造を用いると共に、試料の長さを変化させて測定精度を上げるカットバック法を適用する。このとき、可動反射境界が必要になるが、液晶分子の配向処理を破壊しないように、機械的な動作を伴わない非接触な可動反射境界を光キャリヤによって形成し利用する手法を開発する。 1年
ミリ波試験用スペクトラム計測技術の研究開発 松井 敏明
(東京都市大学)
広瀬 信光
笠松 章史
(情報通信研究機構)
ミリ波無線装置のスプリアス特性を含めた超広帯域試験計測技術の確立を緊急の課題とする立場から、既存の高挿入損失(50dB以上)の高調波ミキサ方式に換え、高い変換効率の基本波ミキサ方式による、60〜140GHzのRF帯信号を30〜40GHz周波数帯幅で切り出し50GHz以下のIF周波数信号へと一括周波数変換し、スペクトラムアナライザとの組合せによるスペクトラム計測技術を開発し、ミリ波試験計測技術の大幅な高性能化を達成する。 1年
電波資源有効利用のための包絡線検波を用いたフレーム衝突検出と衝突抑制制御技術の研究開発 松本 晃
(日本電気通信システム(株))
邵 鵬
和田 育実
(日本電気通信システム(株)
本研究開発課題は、衝突を検出する手法の研究開発と、衝突を抑制する手法の研究開発からなる。まず初年度で衝突検出アルゴリズムを検討し、シミュレーションによって実行可能性を検証する。また、衝突評価システムを構築し、衝突を抑制するためのパラメータについて衝突抑制効果を実験とシミュレーションの両方で検証する。次年度では衝突検出アルゴリズムを動作させる衝突検出センサの試作開発を行う。また衝突を抑制するパラメータ制御技術を確立し、その技術を搭載した衝突抑制無線LAN通信機を試作開発する。最終年度でシステムとして統合開発したあと、実環境での効果を実証実験にて確認する。 1年
環境認知型超高効率無線センサネットワークの研究開発 藤井 威生
(電気通信大学)
田久 修
(信州大学)
太田 真衣
(福岡大学)
本研究開発は、「環境認知型超高効率無線センサネットワーク」を実現するため、センサ情報適応による高効率センサネットワーク技術の研究開発、無線環境適応による周波数共用センサネットワーク技術の研究開発、環境統合認知による超高効率センサネットワークの統合技術の研究開発を進める。本技術が既存の無線通信技術とは大きく異なる、極めて新しい通信技術であることを鑑み、本課題では基盤技術の確立から、実用化に向け有効性を検証する試作機開発にいたるまで、新しい無線センサネットワークの誕生に必要な一連の研究開発を進める。 1年
周波数共用型小電力無線通信のための高度スペクトルマネジメント技術の研究開発 佐々木 重信
(新潟大学)
1次利用の無線局の存在を見逃す可能性がある環境でも1次利用局への干渉を極力与えずに周波数の2次利用を実現し、かつ運用中に1次利用局の存在を検出した場合、速やかに利用可能な他の周波数への切り替えを実行する周波数チャネルマネジメント技術の研究開発を行う。また速やかな周波数切り替えを行ったときでも、運用周波数帯域に隣接する帯域への干渉を避けるための適応型スペクトル制御技術と受信側における信号再生技術の研究開発を行う。 1年
センサ・アクチュエータネットワークスイートの研究開発 岡田 啓
(名古屋大学)
小林 健太郎
(名古屋大学)
内藤 克浩
(三重大学)
本研究開発課題では、各アプリケーションで求められるハードウェアや機能を共通化して提供し、これらを利用して誰でも容易に利用できるSANスイートを開発する。このSANスイートは、プラットフォーム、通信プロトコル、及びミドルウェアによって構成される。本格的な研究開発に入るための事前検討としてSANスイートのプロトタイプを作成し、その予備実験を行うことで実現性を検証する。 1年
周波数共用型ダイバーシチ受信機の研究開発 齋藤 将人
(琉球大学)
和田 知久
(琉球大学)
通常のダイバーシチ受信では,複数のアンテナ素子を互いに半波長以上離して設置する必要があり,スペースの観点から小型端末への搭載が問題となる.本研究では,エスパアンテナの新しい利用法により,無給電素子近傍の信号を他ユーザまたは他システムが利用していない周波数帯に周波数変換し,給電素子における受信信号と電磁結合することにより複数の受信信号を生成し,それらの信号をダイバーシチ受信する受信機を開発する. 1年
圧縮サンプリング手法を使用したマルチバンドMIMOレーダの検証実験 西村 寿彦
(北海道大学)
小川 恭孝
大鐘 武雄
(北海道大学)
圧縮サンプリング法とは、できる限り少ない観測データから対象信号を復元するための技術である。この技術を用いれば、従来と同程度のデータ数でより高精度な観測結果を得ることが出来るものと予想される。既に、マルチバンドMIMOレーダにこの手法を適用し、さらなる高精度化が期待できることを計算機シミュレーションによって明らかにしている。そこで、本研究開発では、提案手法の実現可能性について実伝搬環境における実証実験を行う。 1年
TVホワイトスペース利用のための超広帯域弾性波共振子を用いた可変フィルタの研究開発 田中 秀治
(東北大学)
門田 道雄
平野 栄樹
(東北大学)
周波数可変幅の大きな可変フィルタを実現するには、周波数帯域の広い弾性共振子と可変幅の大きな可変容量素子を必要とする。しかし、市販の圧電基板上に弾性表面波やバルク波を用いて広帯域な共振子を作製するには限界がある。そこで、申請者らは新しいカット角の基板を用いた横波型板波を検討し、従来の最大値の1.7倍と大きな圧電性が得られることを見出した。ファーズIではより最適な振動モードを計算機シミュレーションによって探索し、ファーズIIではその波を用いた広帯域共振子と半導体可変素子とを一体化して、TVホワイトバンド利用のための可変幅の大きな可変フィルタを世界で初めて実現する。 1年
Ka/KuデュアルバンドPAA用ビームフォーミング回路の研究開発 末松 憲治
(東北大学)
小西 善彦
(広島工業大学)
Ka帯の活用および、可搬型VSAT用平面アンテナの更なる小型化、アンテナ設置調整機構の容易化、低価格化を目指し、Ka(20/30GHz)帯/Ku(12/14GHz)帯のデュアルバンドを送受信でき、かつ、ビーム方向や偏波角度を電子的に微調整可能なフェーズドアレーアンテナ(PAA)の検討を行い、これに適したビームフォーミング回路の研究開発を行う。 1年
共鳴トンネルダイオードによる高速信号伝送可能な室温テラヘルツ発振素子の研究開発 浅田 雅洋
(東京工業大学)
  広帯域テラヘルツ無線通信のキーデバイスとして、高速直接変調が可能な共鳴トンネルダイオード室温テラヘルツ発振素子の開発を行う。数十Gb/s の高速直接変調と放射指向性の制御が可能な発振素子を開発するとともに、高周波化のため電子遅延時間を短縮する素子構造を設計し、高周波・高出力の室温発振を目指す。フェーズI では、高速変調と高指向性を持つ発振素子構造の動作原理実験、および、発振周波数への電子遅延時間への影響を明らかにする基礎実験を行い、フェーズII でこれらを集積した素子開発を行う。 1年
サブテラヘルツから赤外領域まで利用可能な超広帯域周波数標準技術の開発 片山 郁文
(横浜国立大学)
芦田 昌明
(大阪大学)
諸橋 功
関根 徳彦
寳迫 巌
(情報通信研究機構)
サブ5fsの超短パルスレーザーを用いて、有機非線形結晶における差周波発生過程や、光伝導アンテナにおける電場検出過程を誘起することで、オフセット周波数が0に固定された周波数コムをサブテラヘルツから、近赤外までの広帯域で発生・検出できることを実証する。また、この原理を利用した広帯域の周波数標準・検出装置を構築し、それを用いた連続光光源の周波数決定、制御技術を確立する。 1年
ホワイトスペースの有効活用に向けた送信機の相互変調歪(IMD)の広帯域抑圧に関する要素技術の研究開発 林 等
(上智大学)
  ホワイトスペースの有効活用に向けた送信機の相互変調歪(IMD)の抑圧を、地上テレビジョン放送などに活用されているUHF帯で広帯域に実現する要素技術の研究開発を行う。
電力増幅器においては、90deg./45deg.並列型広帯域増幅器を作製し、従来未確認であった多値変調波に対する歪特性を測定し、多値変調波に対する歪抑圧の有効性を確認する。
さらに、外部からの妨害波の再輻射を抑圧するための増幅器の低歪化技術の予備実験、理論検討を実施する。
1年
InGaAs系HEMTを用いた高性能・省電力ミリ波・テラヘルツ帯無線通信用フロントエンド回路の研究開発 楳田 洋太郎
(東京理科大学)
末光 哲也
(東北大学)
本研究開発課題は、通信用に割り当てられているミリ波帯の具体的なケースとして、60GHz帯における高出力かつ高効率な電力増幅器、低い雑音指数をもつ低雑音増幅器、および高効率かつ低雑音なアンテナ一体型送受信アナログフロントエンドを、InGaAs系HEMTプロセスを用いて実現する。また、300GHz帯アナログフロントエンド回路を、InGaAs系HEMTを用いて設計・試作し、300GHzにおける高性能かつ低消費電力な無線通信を実現可能な見通しを得る。 1年
次世代ブロードバンドワイヤレス実現のためのVery Large MIMOアレーキャリブレーション技術の研究開発 山田 寛喜
(新潟大学)
西森 健太郎
(新潟大学)
Phase Iでは16素子半波長間隔の直線アレーアンテナによるVery Large MIMOシステムキャリブレーションのテストベットを試作し、干渉信号抑圧時のMIMO通信容量劣化量1%以内を達成するアレーキャリブレーション手法の開発、およびその実証実験を目標としている.その達成のため、アレーシステム内のスイッチ切り替えをベースとしたアレー素子間の角度位相誤差4度以内を実現するアレーキャリブレーション手法を開発し、アナログ部とディジタル部の制御を最適化したVery Large MIMOシステム制御法を開発する。 1年
人工衛星等における可視光通信技術の研究開発 中島 厚
(信州大学)
中山 昇
(信州大学)
村山 文孝
黒川 裕之
倉本 篤
((株)アウトスタンディングテクノロジー)
荒井 広史
(多摩川精機(株))
当事業では、照射角可変機能を有するLED可視光通信技術の研究開発を実施する。当照射角可変機能を有するLED可視光通信技術は、初期補足を容易にし、状況に応じて数km〜数百kmの長距離通信か広視野低速通信かを選択できるものである。照射角可変機能を有するLED可視光通信技術が達成できると、衛星⇔地上間、衛星⇔衛星間の通信ばかりでなく、航空機間の通信など異なる衛星系業務・システム間の横断的な利用に用いることができ、災害時の情報伝達、救難対策、幅広い分野への応用が考えられるようになる。 1年
人体と伝搬影響の適応制御によってギガビット伝送容量を達成する腕装着MIMOアレーアンテナとそのOTA評価方法に関する研究開発 小川 晃一
(富山大学)
本田 和博
(富山大学)
フェーズIでは電磁界シミュレータとMIMO伝送特性モンテカルロ解析を組み合わせて提案アンテナが腕に装着され腕が前後に振られた歩行時の解析を行い、提案する重み付け到来波合成手法の理論検証を行う。フェーズIIでは、フェーズIの成果に基づき、多素子化・高周波化を図り、腕振り電磁ファントムとフェージングエミュレータを組み合わせて人が実際の伝搬環境を歩行している状況においてMIMO OTA評価ができる装置を用いて実験を行い、提案アンテナによってギガビットクラスの超高速通信が可能であることを実証する。 1年
符号化利得を有する電波暗号化変調方式の研究開発 岡本 英二
(名古屋工業大学)
  個人情報伝送や、第三者を経由するマルチホップ伝送に適した高品質かつセキュアな通信を実現するため、すでに提案しているカオス複数アンテナ伝送方式の性能を向上させるターボ原理の導入と、実装を目指した復号計算量削減の検討を行う.計算機シミュレーション上で周波数利用効率向上と物理層秘匿性実現を示す。その後フェーズIIにおいて信号発生装置による伝送実験を行い、近距離無線伝搬を用いるシステムなどへ標準化方式として提案する。 1年
ミリ波ディジタルRadio-on-Radioによる周波数有効利用技術の研究開発 塚本 勝俊
(大阪工業大学)
熊本 和夫
(大阪工業大学)
ミリ波等の高周波無線信号は、光ファイバに匹敵する伝送帯域幅を有している。その特性を活用すれば、現在使われているマイクロ波無線信号の周波数や信号形式などの電波形式を保持したまま遠隔地に送り届けることができる。そこで本研究開発では、最初にミリ波リンクを用いてマイクロ波無線信号をサンプリングして伝送する、ミリ波ディジタルRadio-on-Radio技術を確立する。さらに、Radio-on-Fiberとの接続技術について研究開発を行い、既存のネットワークの柔軟性の向上をはかる。 1年
超高速移動時の無線通信速度向上に向けた受信点移動型等化技術の研究開発 相河 聡
(兵庫県立大学)
有吉 正行
塚本 悟司
侯 亜飛
((株)国際電気通信基礎技術研究所)
超高速移動時に通信速度が大きく低下する主要要因であるフェージングの影響を軽減する受信点移動型等化技術を確立する。移動体上にリニアアレーアンテナを移動方向に沿って素子が並ぶ様に設置し、移動を打ち消す方向に順次受信素子を切り換えることで受信処理における実質的な移動速度を低下させる。フェーズ1では、本技術により従来方式で移動速度が1/2の時と同等以上の通信速度を実現出来る事をシミュレーションで確認し、フェーズ2では本技術を実装したアンテナシステムを開発して、移動実験の実測データに基づいたシミュレーションによりその性能を示す。 1年
水平/垂直統合周波数活用による高効率無線ネットワークアーキテクチャの研究開発 渡辺 尚
(大阪大学)
木下 和彦
(大阪大学)
萬代 雅希
(上智大学)
水平効率化技術においては、適応指向性通信、全二重通信、レートレス符号化・重畳符号化、複数パケット同時受信等の技術を併用してシステム単位での周波数利用効率を高める。一方、垂直効率化技術においては、WiFi とWiMAX などの異種無線システム間での周波数共用を行う技術を開発する。さらに、水平効率化と垂直効率化を有機的に統合するアーキテクチャを開発する.またソフトウェア無線テストベッドを構築し、これらの技術の有効性と実現可能性を示す。 1年
テラヘルツ波による100Gbit/s級リアルタイム無線伝送技術の研究開発 加藤 和利
(九州大学)
金谷 晴一
(九州大学)
永妻 忠夫
久武 信太郎
(大阪大学)
数m〜100mの距離での用途でニーズの大きい、放送分野でのスーパーハイビジョン(8K:72Gbit/s)の非圧縮無線伝送、医療分野での手術室内での4K映像のマルチ伝送(4K:>6Gbit/s)×10ch をターゲットに想定し、光位相制御式ビームステアリングアンテナによる100mまでの伝送距離の長尺化、光多値変調を用いたテラヘルツ無線信号の多値化により300GHz帯で100Gbit/s以上の大容量化を可能とするデバイス技術ならびに集積化技術を確立する。さらにこれらデバイスを用いて上記ターゲットを想定したテラヘルツ無線通信実証実験を行う。 1年

先進的電波有効利用型 フェーズII

研究開発課題名 研究代表者 研究分担者 概要 期間
CMOSミリ波帯無線機の周波数利用効率改善に関する研究開発 岡田 健一
(東京工業大学)
本研究の最終的な目標は60GHz帯無線の周波数利用効率を究極まで高め、64QAMの4チャネルボンディングおよび8xMIMOによる340Gb/sの超高速無線通信を実現することである。その実証実験として、60GHz帯無線フロントエンドをCMOS集積回路として作製し、64QAMの2チャンネル同時利用による21Gb/sと、16QAMの4チャネル同時利用かつ2xMIMOによる56Gb/sの無線伝送を実証する。注入同期現象を用いる全く新しい周波数発生方式により、変調精度の改善、広帯域化、小型・高アイソレーション化を実現する。 2年
床面による室内共有通信環境を実現する2次元通信技術の研究開発 篠田 裕之
(東京大学)
本研究では、シート状の媒体を伝搬するマイクロ波によるエバネッセント場を介して近距離無線通信を実現する2次元通信技術を基盤技術とし、以下3 点の課題について研究開発を行う。
(1)UWB ローバンド(3.4〜4.8 GHz)/ハイバンド(7.25〜10.25 GHz)相当の超広帯域対応の物理層の実現、(2)床面に敷き詰めたタイル状2次元通信シートによる低損失・低漏出・ルームサイズ通信の技術開発、(3)床面敷設シートと効率的にカップリングする床面用超広帯域近接カプラの開発、これらの研究開発により卓上と床面を利用した低漏出の高速近距離無線通信が実現される。
2年
スマートデバイスモジュールを用いた双方向ワイヤレス電力・情報同時伝送システムの研究開発 本城 和彦
(電気通信大学)
石川 亮
高山 洋一郎
斉藤 昭
(電気通信大学)
 電力伝送のための、送電用DC/マイクロ波変換電力増幅器、受電用マイクロ波/DC変換整流器の高効率化を図るとともに、両方の回路を共用化し、10W級高効率双方向送受電モジュールを開発する。さらに。効率を維持したまま伝送電力を可変としたパルス伝送方式を実現する。また双方向通信機能も付加するため、電力ビームを変調しない空間変調方式及び電力ビームのパルス位置変調方式の有効性を実証する。これらを用いて5m〜50mの中距離で電力・情報伝送実験を行い、有効性を検証する。 2年
漏洩同軸ケーブルによる高密度配置リニアセルMIMOシステムの研究開発 岡田 実
(奈良先端科学技術大学院大学)
東野 武史
馬 子驥
(奈良先端科学技術大学院大学)
小林 聖
伴 弘司
塚本 悟司
花澤 理宏
阿野 進
((株)国際電気通信基礎技術研究所)
丹羽 敦彦
鈴木 文生
((株)フジクラ)
リニアセル方式の実現手段として漏洩同軸ケーブル(LCX)を用い、その高機能化と空間多重度を向上させる研究開発を行うことにより、1 本のケーブルで4×4 のMIMO を可能とする基本技術(LCX-MIMO)を確立する。そのための要素技術として、MIMO に適したLCX の設計・製造技術、LCX-MIMO の構成方法及び空間多重度向上技術、リニアセル間のハンドオーバのためのセル内位置検出技術を研究開発する。これらの要素技術を集積し、電波暗室などの反射波が少ない見通し環境で、従来のオムニアンテナ4 本を用いたMIMO に比べて3 倍の平均スループットの達成を目標とする。 2年
「高周波数利用率広域センサネットワーク」の研究開発 加藤 修三
(東北大学)
  提案研究課題は(1) 基地局に2次元ビームフォーミングアンテナを導入し、センサのある領域だけを照射することによる周波数の繰り返し利用率の向上、与干渉・被干渉の低減による周波数利用効率の向上を定量的に明らかにし、(2)広域のセンサネットワークをスター型のアーキテクチャで実現することにより、周波数利用率向上が可能であることを幾つかの典型的な応用例で示すとともに、一般的な周波数利用率向上度を明らかにし、(3) 同一システム・同一無線チャネルを用いたダイバーシチ技術の実現により、このための新無線チャネルを必要とせず、現行メッシュ型ネットワークと同等の通信信頼性を可能とする。
これら技術の実現により、現行のメッシュ型ネットワークに対する提案方式の周波数利用率向上目標は5倍以上と設定し、2年間研究開発を進める。
2年
進化した無線通信技術に柔軟かつ効率的に対応できる光・無線融合基地局ネットワーク基盤の研究開発 山尾 泰
(電気通信大学)
來住 直人
大木 英司
松浦 基晴
(電気通信大学)
RoF (Radio Over Fiber) による無線信号伝送の超広帯域性を活かして複数周波数帯域の一括直接伝送を可能とし、さらにWDM-PON (Wavelength Division Multiplexing-Passive Optical Network)によるネットワーク構築の柔軟性を併せ持ち、既存無線セル基地局から、分散アンテナシステム用アンテナサイトおよびフェムトセル基地局までを収容できる光・無線融合基地局ネットワークを実現するためのRoF信号伝送・分配・ネットワーク化技術を研究する。さらに今後、小型のフェムトセル基地局の比率が高くなることから、光給電による無電源化が重要課題であり、同一光ファイバによるRoF無線信号伝送と同時光給電を可能とする信号伝送・回路技術を研究開発する。 2年
電波状況ビッグデータを利用する局所的ホワイトスペース有効利用促進技術の研究開発 武内 良男
((株)国際電気通信基礎技術研究所)
長谷川 晃朗
木村 貴寿
古川 玲
渡邉 悠希
((株)国際電気通信基礎技術研究所)
搭載機能や観測する無線パラメータの異なるセンサーを面的に配置して収集する「電波状況ビッグデータ」を有効に活用し、既に周波数割り当てがされている通信システムの信号発生源位置、送信電力、および波源周辺の電波減衰特性を推定し、推定結果に基づいて既存システムの通信エリアを面的に推定することにより、面的広がりを有するホワイトスペースを小エリア単位で効率的に特定するための方法を確立し、実現性を検証する。 2年

若手ワイヤレス研究者等育成型 フェーズI

研究開発課題名 研究代表者 研究分担者 概要 期間
センサーネットワークによる簡易・高効率・高精度ホワイトスペース観測技術の研究開発 梅林健太
(東京農工大学)
既存無線システムによる周波数利用を高精度に観測するため,協調戦略を用いたセンサネットワークの開発を行う。また,汎用無線機をセンサ(観測ノード)として用いるため,簡易な観測処理と効率的な情報収集法の開発を行う。また,協調戦略を用いた短期・中期の周波数利用観測のための観測情報蓄積法・周波数利用情報抽出法は確立されていない。本研究課題では,センサにおける観測から,最終的な情報抽出までを統合的に設計し,センサネットワークに実装することで高精度・高効率で簡易な周波数利用観測ネットワークの確立を目指す。また,電波暗室実験により,本センサネットワークの妥当性を確認する。 1年
即応・高信頼性の非直交ワイヤレスリソース共用技術の研究開発 衣斐 信介
(大阪大学)
杉浦 慎哉
(東京農工大学)
石井 光治
(香川大学)
石橋 功至
(電気通信大学)
極限的な即応性、かつ高信頼性を満たす非直交ワイヤレスリソースの実現を目指して、本研究開発は三項目から成る。まず、スパース干渉を許容するランダムアクセス準拠の「非直交リソース共用技術の開発」を行うことで即応性を確保する。一般に、プリアンブル部にスパース干渉が及ぶと著しく信号検出精度が低下するため「高効率プリアンブルレス伝送技術の開発」を行う。最後に、「低符号化率伝送の設計」を適切にすることで信頼性の改善を図る。 1年
無線メッシュネットワークのバックボーン帯域向上のためのチャンネル多重化及び有効利用技術の研究開発 妙中 雄三
(東京大学)
塚本 和也
(九州工業大学)
無線メッシュネットワークでは一部のAPがブロードバンド接続し、残りのAPはAP間無線接続をバックボーンネットワークとし、端末の通信は有線回線まで無線マルチホップ転送される。よって、無線LANの設置/エリア拡張が容易な反面、同一チャンネル内でのマルチホップ転送時の衝突回避や送信制御による実効帯域減少が課題となる。本研究では、バックボーンネットワークを複数チャンネルで確率する。チャンネル使用率や干渉等さまざまな情報に基づいて、全チャンネル帯域を並列に有効活用する通信制御技術を開発し、どこでもブロードバンド無線LANを利用可能とする。なお、本研究は実用性を考慮して、フェーズ I の時点から実ハードウェア上での研究開発を行う。具体的には、複数チャネルのバックボーンネットワークは複数 AP を連結して一台の仮想 AP とし て制御する技術を提案する。通信制御技術の実現には Software Defined Network(SDN)技術の一つである openflow を用いて研究開発を進める。 1年
次世代移動体通信基地局用超伝導デュアルバンド帯域通過フィルタの研究開発 關谷 尚人
(山梨大学)
  フェーズIでは予備実験としてこれまで本申請者が提案してきたDBPFの設計手法を用いて超伝導4段DBPFを試作、評価し構造最適化を行う。その後、世界で最も小型、低損失、急峻なスカート特性を有する超伝導8段DBPFを設計する。フェーズIIでは、まず、フェーズIで設計した最高性能超伝導8段DBPFの実証実験を行う。次に、狭帯域超伝導中心周波数チューナブルDBPFを開発する。 1年
データと電力同時伝送のための周波数共同利用技術の研究開発 猿渡 俊介
(静岡大学)
  フェーズIでは、データと電力の同時伝送のための周波数共同利用技術の基礎技術を研究開発する。具体的には、 1. 電力伝送信号干渉除去手法、2. 周波数共同利用型通信プロトコルの2つを研究開発する。電力伝送信号干渉除去手法は、データ伝送と電力伝送が衝突した際に、電力伝送の信号が既知であることを利用して干渉除去する手法である。周波数共同利用型通信プロトコルは、電力伝送信号干渉除去を前提としたうえで、意図的にデータ伝送と電力伝送を衝突させることで周波数利用効率を高める手法である。フェーズIIでは、フェーズIの基礎的検討の成果を踏まえ、ワイヤレスハーネスといった具体的な応用を見据えた周波数共同利用技術を実現し、5年後の実用化を目指す。 1年
マルチヘテロメディア通信制御技術の研究開発 西尾 理志
(京都大学)
  2.4/5GHzを用いるWi-Fi規格と60GHzを用いるWiGig規格の統合に始まり、400MHzや900MHz、テラヘルツ帯通信など、今後は異なる帯域/通信方式を採用した無線チップを複数搭載するモパイル端末が主流になることが期待される。それぞれの無線チップは異なる性能を持つ。例えば60GHz帯対応の無線チップは広帯域を利用できるが見通し外通信はできない。一方、2.4GHz帯対応の無線チップは見通し外通信が可能だが帯域は混雑している。本提案は、これらの性質の異なる無線チップをプロトコルレベルで統合的に用いることで周波数利用効率の2倍以上の向上を目指す。 1年

地域ICT振興型研究開発

管轄局 研究開発課題名 研究代表者 研究分担者 概要 期間
北海道 無線式携帯型心電計を利用した乳牛の血中カルシウム濃度解析システムの開発 伊藤 めぐみ
(北海道立総合研究機構畜産試験場)
中島 康博
(北海道立総合研究機構工業試験場)
川本 哲
(酪農学園大学)
松井 義貴
(北海道立総合研究機構根釧農業試験場)
人間や牛は、血中Ca 濃度の低下により、心電図波形に特徴的な変化(波形の延長)が起こる。この変化を利用して、携帯無線型の心電計と波形分析システムにより計測解析し、牛舎内で極めて簡易短時間に血中Ca 濃度を推定するシステムを開発する。
ハードウェアとして携帯端末に無線接続可能な高精度携帯心電計を開発する。同時に、心電図波形から特徴量(延長時間)を自動検出するアルゴリズムの開発と、心電図波形延長時間から血中Ca 濃度を定量化する高精度な回帰推定式の開発を行い、AndroidあるいはiPhoneのような携帯端末にソフトウェアとして実装する。これらハードとソフトを組み合わせ、端末とサーバを連携してデータ管理を行い、乳牛の健康管理を地元獣医師等と共有できるシステムの構築を目指す。
2年
北海道 リアルタイム興味解析に基づく地域情報最適化フレームワークの提案 川村 秀憲
(北海道大学)
鈴木 恵二
(北海道大学)
数万人の大規模閲覧履歴データ及び SNS より逐次収集する評判やニーズデータを的確かつ低コストで処理する環境を実現するため、負荷に応じて構成が柔軟に変化するクラウドシステムを構築する。 その上にオープンソースによる NoSQL 型データベースを構築し、大規模データを瞬時に処理できる分散型の分析環境を構築する。このシステム上で地域情報の閲覧履歴や読者属性をリアルタイムに処理 するためのアルゴリズム、地域事業者が必要とする解析データを提供するためのデータマイニング技術を開発する。 2年
東北 オープンソースハードウェアとセンサーネットワークによる除雪支援システムの研究開発 齋藤 寛
(会津大学)
小平 行秀
(会津大学)
オープンソースハードウェアとして知られているマイコン基板Arduinoに近距離無線システムZigBeeと積雪計測用のセンサーをとりつけ,センサーネットワークを構築する.次に,各センサーノードから採取された積雪データとグラフアルゴリズムを用いて,最適な除雪経路,雪収集経路を計算するソフトウェアを開発する.また,除雪従事者が除雪,雪収集対象の積雪量などの入力パラメータを専用ページで与えることによって,開発したソフトウェアをインターネット上から起動し,計算された最適な経路を表示するwebページを開発する. 2年
東北 電波マーカを利用した悪天候時運転支援システムの研究開発 礒田 陽次
(秋田県立大学)
御室 哲志
(秋田県立大学)
研究は電波マーカと車両システムの開発に2分される.
(1)電波マーカの開発:無線LAN より低消費電力が期待される特定小電力無線機を用いた電波マーカの試作と評価を行い,積雪時の車両との通信,電池で2 年間以上動作可能な低消費電力特性を確認する.
(2)車両システム:アクティブマーカとパッシブマーカから得られたデータをマッチングさせることで車両と路肩の距離をリアルタイムに算出するアルゴリズムの検証,ドライバへの情報提示方法の検討を行う.
2年
関東 介護支援人型エージェントによる地域医療コミュニティネットワークの研究開発 安達 栄治郎
(北里大学)
稲吉 光子
中山 栄純
(北里大学)
佐久田 博司
長谷川 大
白川 真一
(青山学院大学)
自宅暮らしの患者・高齢者にパソコンなどICT機器の操作を求めることはできない。そこでネットワークに接続する自宅や診療所のICT機器操作を代行する人型エージェントを実現する。平成23,24に研究代表者らが開発した介護向けソフトウェアの実用性を高めるために、介護・医療現場と意見交換を進めながら介護支援人型エージェントの仕様を固め、ソフトウェアを開発し、実証実験を行う。なお、平成23に厚生労働省より、遠隔診療は医師法20条等に抵触するものではないとの通達がされている。
具体的には、一人暮らし高齢者の「見守りシステム」、「リアルタイム関節角度表示システム」、「遠隔診断システム」などをネットで接続するサービスを介護支援人型エージェントによって統合する。
2年
関東 ICTを用いた遠隔ICU診療サポートシステムの研究開発 讃井 将満
(自治医科大学)
ICU患者の膨大で刻一刻と変化する生体情報を遠隔地でも効果的に把握するため、情報開示とセキュリティー双方を備えたICTシステムインフラを構築し、患者情報を遠隔地でもICUの現場と遜色なく把握することが可能なICTシステムを開発・構築し、運用を行う。同時に、ICU患者の診療効率、安全性を重層的に高めるため、重症患者の診療や看護における意思決定を支援(clinical decision support)するためのコンピュータアプリケーションを開発する。 2年
信越 タブレット端末を活用した除雪車運行支援ICTシステムの研究開発 山本 寛
(長岡技術科学大学)
山崎 克之
(長岡技術科学大学)
本研究開発では,ICT技術に精通していない除雪作業者でも使用できるように,直感的なインタフェースを備えたタブレット端末を中心とした除雪車運行支援ICTシステムの実現を目的とする.特に,VR/AR表示技術を利用して,除雪車への路側や道路設備の接近を除雪作業者に視覚的に通知する道路状況通知システムと,携帯網や新周波数帯(920MHz帯)を利用して,除雪車間で作業状況をリアルタイムに共有する除雪車連携システムを研究開発し,除雪車に設置しての実証実験を経て実用化可能なシステムを実現する. 2年
信越 在宅障がい者(児)宅の安心療養環境を創出する病−宅連携型高度ICT総合ケアシステム 中村 昭則
(信州大学)
宮崎 大吾
滝沢 正臣
(信州大学)
1. 遠隔生体情報モニタリング;VPNを介し、医師が病院で在宅患者を常時モニタ-出来るシステム。
2. 情報共有;病院医師・かかりつけ医・訪問看護師…療法士…薬剤師・患者/家族が共有するクラウド型モバイル電子情報システムとMFER,HL7規格による病院電子カルテとのリンク。
3. モバイル型高度見守り・映像コミュニケーションシステム。
以上の機能を1台のモバイル端末で情報共有できる高度ICT総合在宅ケアシステムの開発。
2年
北陸 在宅医療に向けたクラウド型地域連携医療システムの研究開発 井隼 彰夫
(福井大学)
笠松 眞吾
江守 直美
木村 哲也
宇随 弘泰
(福井大学)
高齢化と過疎化が進む地域では、在宅介護と医療の連携が求められている。医療・介護連携においては、多職種の専門分野が関係するため、ICTによる情報共有を実現することが必須である。地域内外の複数の訪問介護ステーションを含む医療機関及び救急隊が広域にクラウド型のデータベースで連携することで、参加機関全体として総合的な地域住民への医療福祉サービスを提供する事が可能になる。 2年
北陸 ソフトウェア制御と近距離無線通信を利用して地域の賑わいと安全を創出する多目的情報通信システムの研究開発 橘 拓至
(福井大学)
堀 俊和
福間 慎治
藤元 美俊
半田 憲嗣
(福井大学)
本研究課題では,ソフトウェア制御ネットワーク技術を導入して1つの通信ネットワークで地域活性化用と災害時通信用のシステムを同時に構築・提供する.また,地域活性化と災害時通信を実現するすれちがい通信アプリも開発する.本アプリによって,ユーザが積極的に外出して地域が活性化され,災害時には既存インフラを使用せずに情報共有できる.福井市で開催される各種イベントで実証実験を行い,確立したシステムの効果と実用性を調査する. 2年
北陸 柔軟なインタフェースによる健康データの登録・参照プラットフォームの研究開発 吉高 淳夫
(北陸先端科学技術大学院大学)
中条 忍
(goowa(株))
加藤 洋
(ライフ・ケア・オンデマンド)
PHRデータサーバがクラウドシステム上に実現されている環境を想定する.大小の病院,保健センター,健康サービス事業者等が発行する紙ベースの健康データを簡便な操作により電子データ化し,サーバへのデータ送信や登録情報の参照を直感的で容易な操作により実現するシステムの要件を検討し,システムの開発,実装を行う.さらにPHRデータサーバを用いた運用実験を行い,早期普及のための要件を明確化し,実運用に向けたデータ入力・参照プラットフォームを確立する. 2年
北陸 在宅医療と介護の為のアラームアドバイザー支援システムの研究開発 山村 修
(福井大学)
寺澤 秀一
黒田 有紀子
白藤 法道
榎本 崇一
中村 敏明
(福井大学)
佐々木 美奈子
(シンシアパーム(株))
石上 晋三
(ミテネインターネット(株))
非医療従事者であるアラームアドバイザーが情報仲介を行う見守りシステムをサービス付高齢者住宅(サ高住)などに導入し、利用者オーダーや質問及び通信標準形式によるバイタルを集積して解析する。解析情報を元に、見守りシステムと連動し、オーダーや質問へ的確な助言を行う業務支援システムをクラウド上に開発する。開発したシステムをサ高住に導入し、アドバイザー業務の効率化を確認することで、AIシステム開発の糸口とする。 2年
東海 スマートステーションを実現する次世代屋内位置情報サービスの研究開発 河口 信夫
(名古屋大学)
梶 克彦
(名古屋大学)
塩野ア 敦
(位置情報サービス研究機構)
名古屋駅における屋内ナビや店舗推薦などの情報提供サービス「スマートステーションなごや」の実現のため 1)無線LANとウェアラブルセンサの融合に基づく屋内位置推定, 2)屋内構造地図を用いた目的志向の音声ナビ, 3)ユーザプロファイルや行動履歴を用いた情報推薦, 4)クラウドソーシングに基づく継続的情報収集と更新,の研究開発を実施する.また,本研究成果の社会実装化と同時に,屋内空間情報に関する国際標準化の推進を行う. 2年
東海 高度農業ICT を実現する高信頼双方向多点無線センサ/アクチュエータネットワークの研究開発 峰野 博史
(静岡大学)
黒田 正博
(情報通信研究機構)
大石 直記
(静岡県農林技術研究所)
高信頼多点無線センサ/アクチュエータネットワークシステムを実現することで,現状の栽培者の経験と勘による養水分制御ではなく,散乱光センサを用いた作物葉面積(LAI)のリアルタイム非破壊・非接触評価と施設園芸環境内の過酷な環境情報の組合せで,作物の光合成を通じたN吸収量および蒸散量を評価する生育モデルを構築する.このモデルに基づいた合理的な判断指標による養水分制御を実現し,実際栽培におけるその有効性を検証することで,施設園芸での高品質野菜の周年多収生産に寄与する. 2年
近畿 「うめきた」におけるWi-Fiパケット・アノニマス人流解析システムの研究開発 西尾 信彦
(立命館大学)
西田 純二
吉田 龍一
大田 香織
((株)社会システム総合研究所)
上善 恒雄
(大阪電気通信大学 )
中野 秀男
(帝塚山学院大学)
スマートフォン等が常時発信しているProbe Requestパケットを受信し、ハッシュ関数で匿名化してサーバに伝送するパケットセンサーをコモディティ機器で開発し、都市部のターミナル等の多数の地点に配置する。サーバに蓄積されたデータ(ビッグデータ)をもとに、リアルタイムに人の分布、流動を分析し、人流の時空間分布を把握するための汎用システムを開発し、「うめきた」地区で人流把握をベースとした防災計画、商業活性化を支援するサービスの実証評価を実施する。 2年
近畿 広域限界集落における超高齢者の見守り・自立支援に関する研究 神原 誠之
(奈良先端科学技術大学院大学)
浮田 宗伯
(奈良先端科学技術大学院大学)
超高齢者の見守り・自立支援を実現するために、認識対象が異なる、(1)装着センサによる異常行動認識、(2)カメラによる生活動作の計測・評価、(3)ロボット対話による意思解析、の「さりげない」から「積極的」までの段階的な見守り方式の開発を行う。また(3)のロボットとの継続的な対話から人間とロボット間の信頼関係の構築を試み、習慣的に行動改善する行動変容を実現する手法を開発する。さらに、本研究で構築したシステムと人間の信頼関係が、見守り(監視)システムで一般に問題となるプライバシ問題に対する意識にどう影響するかを調査する。 2年
近畿 動物園におけるセンサー情報・飼育情報の統合管理・分析技法に基づく種の保存および環境教育活動支援プログラムの研究開発 吉田 信明
(京都高度技術研究所)
和田 リ太郎
(京都市動物園生き物・学び・研究センター)
田中 正之
(京都大学)
第1に、動物園動物の行動・生理・ゲノム等の情報を個体データベースとして統合的に管理・分析するための飼育管理システムの研究開発を行う。また、従来、数値的データが乏しかった飼育動物の行動などを把握するため、動物舎に複数のセンサーを設置し、データをこのシステムに集約・構築する。
第2に、このデータベースを活用した教育プログラムを構築し、これに基づいて遠隔授業やタブレット端末等を用いた自主学習によるプログラムの検証を実施する。
2年
中国 広島発 ・産学官医連携体制による高齢者見守り支援システム の研究開発 谷口 和弘
(広島市立大学)
岩城 敏
(広島市立大学)
岡島 正純
(広島市民病院/広島市立大学)
高齢者が健康で、その能力を発揮し、生きがいを感じ、安心して暮らせる健康長寿社会を実現するための医用ビッグデータを用いた高齢者見守りシステムの研究開発を行う。具体的には、耳に装着するワイヤレス外耳デバイス(ウェアラブルPC)に咀嚼、せき、心拍、体温等の生活情報・医療健康情報を検知するセンサを内蔵しており、これらの情報をスマートフォンを経由して医療情報データベスに送信・蓄積し、高齢者の健康状態を常時看視するシステムを構築する。本研究開発により得られた成果は平成27年度の実証実験を経て、平成28年度に商品化を行う。 2年
四国 災害時に事業継続性を発揮する情報通信インフラのための運用計画改善手法および冗長化技術の研究開発 岡村 健志
(高知工科大学)
菊池 豊
福本 昌弘
(高知工科大学)
豊永 昌彦
佐々木 正人
(高知大学)
今井 一雅
(高知工業高等専門学校)
山田 覚
風間 裕
名和 真一
一色 健司
(高知県立大学)
高畑 貴志
(高知学園短期大学)
栢分 正人
((株)フォーサイトウェーブ)
井上 望美
((株)新潟通信サービス)
柴田 祐輔
((株)愛媛CATV)
本提案では、大規模災害時に関係機関が一体となって通信環境を維持するための通信技術と運用技法とを開発し、運用ネットワークを用いた実証実験によってその有効性を検証する。通信技術の開発は2つのアプローチによって構成する。1つめは、同時に障害を受け難い複数の通信環境による冗長性を確保する手法であり、2つ目は完全に外部への到達性が失われた場合に地域内だけでの通信環境が維持できる手法である。運用技法の開発では、ICT運用業務の問題に対するロジックモデルを構築することで、災害発生時の運用課題の構造を可視化し、運用者で課題点を共有する。実証実験では、人為的に障害を発生させることで、開発した通信技術や運用技法の有効性を検証するとともに、耐災害性や組織的な脆弱性を抽出し、関係機関のBCP等にフィードバックする。 2年
四国 スマート環境センシング基盤の構築と地域デザインへの応用に関する研究開発 都築 伸二
(愛媛大学)
森脇 亮
山田 芳郎
(愛媛大学)
柴田 裕輔
((株)愛媛CATV)
森本 健一郎
阿部 幸雄
((株)アイムービック)
越智 正昭
須東 博樹
((株)ハレックス)
小中学校内に設置されている百葉箱内で収集した気象データと、太陽光発電量データを、一定時間毎に伝送しJGN-X(総務省所管ネットワーク)内のサーバで蓄積する。収集したデータは、学校の環境教育に使えるコンテンツにしてリアルタイムに配信する。学校外からも同様にして環境データを収集する。収集した気象情報と発電電力の時間的空間的分布との相関性を明らかにすることによって、太陽光パネルを気象センサ化する。また、蓄積したデータを用いて校区限定コンテンツや、松山平野共通サービスを開発し、これらの有用性を検証する。 2年
九州 アクティブ光空間通信システムの研究開発 辻村 健
(佐賀大学)
泉 清高
(佐賀大学)
(1) 受光素子/発光素子/反射鏡で構成される赤外線レーザ光軸制御装置を設計し、自律的レーザ光制御系を完成する。
(2) レーザビームの動的制御系を設計し、光軸追従制御特性等を定量評価する。
(3) 複数の光軸制御装置を配置した小規模光空間通信ネットワークを構築し、分散協調制御により光空間通信伝送路切替実験等を行い、1Gbpsブロードバンド通信への適用性を検証する。
2年
九州 防災・減災情報を効果的に伝送するメッシュネットワーク型インテリジェント拡声システムの研究開発 苣木 禎史
(熊本大学)
北須賀 輝明
山田 文彦
(熊本大学)
坂本 修一
(東北大学)
防災・減災システムの一つである,地域ごとに設置された屋外拡声放送設備が一斉に音を放射することにより,隣接区域の屋外拡声放送設備群が放射する音情報が受聴地点で重なり合い,音響的な悪環境を生じさせるために本来の情報伝達を妨げる。この問題に対して,音の伝搬特性および拡声放送設備の隣接状況を考慮して,それぞれの拡声設備が相互に連携し,音放射のタイミングをずらすことにより,甚大な被害を生じさせた九州北部豪雨のような激しい雨音が生じる厳しい音環境のサービスエリアでの音響的な受聴状況の改善が実現できる。本研究開発では,提案するシステムの原理をシミュレーションで確認し,地域企業でも容易に低価格で実現できる仕様設計の確立を目指す。 2年
九州 高遅延インターネットにおけるTCPスループット向上システムの研究開発 升屋 正人
(鹿児島大学)
下園 幸一
(鹿児島大学)
TCPスループットは往復遅延時間により決定されるため、インターネット関連サーバが東京に集中しているわが国では東京から離れた地域でインターネットが遅い。特に鹿児島県の離島地域においてその影響が大きい。一方、高遅延環境におけるTCPスループット向上の研究開発の例はあるが実用化に至っていない。そこで本研究では、代理サーバ間通信、通信区間分割、高速化装置共有など5つの方法と2つの市販製品によるTCPスループット向上の仕組みの開発と評価を行い、低コストで実用化するための技術開発を行う。 2年
九州 ディスレクシアの児童・生徒達のための手書き文字・数式入力インタフェースの研究開発 鈴木 昌和
(九州先端科学技術研究所)
坂本 好夫
下津浦 耕士
下津浦 陽子
富沢 順
二宮 雄司
(九州先端科学技術研究所)
ディスレクシアの人達は鏡文字や回転した文字などを多く書く。整った大きさや配置で文字を書くことも困難である。そうした手書き入力を幾何学的な変換の組み合わせと言語解析により認識処理をして、直ちに活字体でディスプレイに表示すると共に、高性能の合成音声により読み上げを行うシステムを開発する。それを、E-PUB3 の閲覧ソフトの中で実現することにより、教育現場で生徒達の自主学習や試験などでの利用可能性を探る。 2年
沖縄 水難事故防止や海底資源調査・探索等を目的としたOFDM変調方式による水中音響通信の研究開発 鈴木 大作
(沖縄工業高等専門学校)
和田 知久
(琉球大学)
水中通信では、電磁波の吸収減衰率は非常に高いが、音波は非常に低く最も有効な手段であると言える。水中では、波浪雑音等の背景雑音や船舶が発する人工雑音、生物が発する雑音など様々な雑音が発生しており、また、海底の複雑な地形により音波の反射が多く発生しており、通信の高速化、高品質化が損なわれていると考えられる。現在、地上における電波を用いた通信において広く採用されているOFDM変調方式は、これらの環境下における有効な技術として注目されており、本研究では、水中音響通信における超音波の帯域を用いたOFDM変調技術の適用に関する研究を行う。また、複数の受信機を用いたダイバーシチ合成技術を組み合わせ、高感度データ通信技術の研究開発を行う。 2年

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