沿革

ユニバーサルサービス制度の沿革

ここでは、ユニバーサルサービス制度の沿革について、下記の6段階に分けて説明します。

  1. ユニバーサルサービス制度の創設と2年後の見直しまで(〜2005年(平成17年))
     NTT東西が、法律上の責務として電話サービスを日本全国に提供してきましたが、競争の進展により、日本全国での電話サービスの提供が確保できないおそれができたため、ユニバーサルサービス制度が2002年度に創設されました。
     創設後、2年を目途とする見直し規定を踏まえ、補填額の算定方法等を変更する制度改正が行われました。
  2. ユニバーサルサービス制度の発動(2006年(平成18年))
     NTT東西の2005年度のユニバーサルサービス収支が赤字になったことから、2006年にユニバーサルサービス制度による初の交付金等の申請・認可が行われ、2007年から補填が開始されました。
  3. 利用者負担の抑制のための補填額の算定方法の見直し(2007年(平成19年))
     ユニバーサルサービス制度による負担金額・番号単価が増加することが見込まれるため、負担事業者による利用者転嫁の状況を踏まえ、利用者負担抑制の観点から、加入電話の補填額の算定方法の見直しを行いました。
  4. IP化の進展に伴う補填額の算定方法の補正(2009年(平成21年))
     都市部を中心とする加入電話から光IP電話への代替に伴い、補填額が減少する影響が発生してきていることから、加入電話から光IP電話へ移行した回線数を加入者回線数に加算するという、加入電話の補填額の算定方法の補正を行うことにしました。
  5. 加入電話に相当する光IP電話をユニバーサルサービスの対象に追加(2011年(平成23年))
     ブロードバンドが全国に普及するまでの移行期において、メタルの加入電話と光ファイバ整備の二重投資を回避し、メタルから光への円滑な移行を図る観点から、ユニバーサルサービスの対象に「加入電話に相当する光IP電話」を追加しました。
  6. ユニバーサルサービスとしての公衆電話の見直し(2022年(令和4年))
     携帯電話の普及などにより利用が減少している一般公衆電話の設置基準を見直し、新たに災害時用公衆電話をユニバーサルサービスに追加しました。一般公衆電話の最低限設置が必要な台数を減らすことで、災害時用公衆電話の維持に必要な費用に充てることを検討しています。

今後のユニバーサルサービス制度の在り方

 今後も光IP電話や携帯電話等のさらなる普及により、ユニバーサルサービス制度を取り巻く環境は大きく変化すると予想されています。
 2014年に行われた情報通信審議会(2020-ICT基盤政策特別部会)においてユニバーサルサービス制度の在り方を検討した結果、携帯電話やブロードバンドについては、「今後、国民生活や経済・社会活動の基盤としての重要性がさらに増す可能性が高い」、「固定電話の維持に特化した現行のユニバーサルサービス制度については、携帯電話やブロードバンドの未整備地域の解消やサービスの提供状況等を踏まえて、見直しの検討を行うことが適当である。」と答申されました。また、ユニバーサルサービス制度の対象となるサービス、地域、サービス提供のための技術、費用負担等の在り方の検討に当たっては、「我が国の人口急減・超高齢化に直面していることを踏まえ、負担と受益の関係に留意する必要がある。」と答申されています。
 総務省としてはいただいた答申を踏まえ、2020年代にふさわしいユニバーサルサービス制度の在り方について、適時適切に検討を行ってまいります。

ページトップへ戻る