はたらく人々。

中澤 真弓(平成14年入省)
総合通信基盤局移動通信課第二業務係
陸上移動通信の無線局に係る制度改正、許認可等


  「あれは?」
  「ケータイ鉄塔。あれはドコモさんのかな。」
  昨年、スキーに行った際の新幹線車内での会話。

  この仕事に携わるようになって、車窓からの風景が変わりました。
  世の中に、これほどアンテナがあったとは。
  これまで、車窓に広がる風景は、遠くの山並みや田んぼの隅にぽつりとある墓地、河川敷の野球場や仁丹の看板であったはずなのに、気がつけば、自分の目はアンテナや鉄塔といったものばかりを探し求めているのです。

  街を歩いていて、小さな運送会社などを見かけたとき、ここの方たちはどんな無線を使っているのかしら、と空想を働かせるようになりました。ビルの警備員さんが携帯電話よりひとまわり大きな無線機器を腰に下げているのを見ると、使い勝手はいかがですか、と声をかけたくなる衝動にかられることも。
  自分の目は、明らかに変化しています。

  こうした視点の変化を通じて、興味の対象が専門分野に偏ってしまうことを恐れる一方、これまで自分が知らなった、実にたくさんの場所で、いろいろな人々が、さまざまな無線を利用している、ということをあらためて実感しています。
  移動通信課の業務は、そんないろいろな無線、つまりはそれを使う人々へ思いを馳せることができる業務だと思います。無線局の許認可については基本的に各総合通信局に権限を委任しており、実際に無線を利用する方々の声を直に聞くことは稀ですが、許認可担当は無線を利用する方々に近い場所に立っているものと手前勝手に自認しています。
  使っていただいてこその電波です。無線通信を必要とする方々に、できる限り使い勝手の良いシステムを提供できるように、その気持ちを忘れずにこれからも仕事をしたいと思います。

  日々の仕事をするにあたって、周りの方々からたくさんのことを学んでいます。アンテナの見分け方から、文章の書き方、果てはお酒の飲み方やスキーの滑り方まで。要領の悪い自分を根気強く指導して下さる方々ばかりで、恵まれた環境と感謝しています。全国の総合通信局の方からあたたかい叱咤をいただけることも、この席の特権でしょう。
 未熟者ですが、無線に携わる方々を想像しつつ、これからも日々勉強していきたいと考えています。

  「うわぁ、気合いの入ったアマチュア鉄塔!」
  ・・・空の青さだけを屈託なく眺めたいと思うこともたまにはある今日この頃です。





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