電波が見えますか?

川原 洋平(平成15年入省)
総合通信基盤局 電波部 基幹通信課 防災通信係
非常通信協議会事務局の運営等


  はじめまして。
  総務省の基幹通信課に勤務しています川原と申します。
  平成15年10月に入省しましたので、勤務し始めてまだ1年も経っていませんが、電波について感じたことなどを少々書き連ねたいと思います。

  これまで文系人生まっしぐらだったこともあり、入省時、配属先が電波部と聞いて、なんとなくお花畑をイメージしてしまう、それ程に以前は「電波なんて馴染みのない世界だなぁ・・・」などと思っていましたが、実際に仕事を始めてみて分かったことは、今更ながら、電波というものが大変身近な存在であるということでした。

  TV、ラジオ、携帯電話などはもちろんのことですが、カーナビやICカード内蔵定期券(Suicaなど)や電子レンジも電波を利用したものですし、夕暮れ時に地域向けに「夕焼け小焼け」などを流しているのも、実は防災行政無線と呼ばれるもので、これもまた電波を利用しています。

  この防災行政無線などは、地震や台風などの災害が発生した場合に、災害情報の収集や地域住民に対する避難勧告等の情報提供を行うなど、重要通信を確保し、被害の拡大を防止するために極めて重要な役割を果たすものですが、結構、地域住民の方ですら知らない方のほうが多いかもしれません。実際、私も今の仕事をするまでその存在すら知りませんでした。

  このように、電波は直接、見たり、聞いたり、触れたりすることはできませんが、私たちが気づかないところで多種多様な形で利用されており、まるで黒子のように私たちの生活を支えてくれています。
  しかし、この電波、混信等を起こすため限りある資源として有効に使う必要があり、それを調整するのが我々の重要な仕事の1つとなります。

  そして、その重要な仕事の一端を担う部署に配属されてから約1年、周りの方の温かいご指導もあり、通信や電波の世界が僅かではありますが、見えてきたような気がします。
  ただ、この世界では電波自体が目に見えるようになってやっと1人前らしいので、いまだ1度も電波を見たことがない私には、まだまだ道は遠いのかもしれません・・・



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