衛星移動通信に関する業務を通じて

重成 知弥(平成15年入省)
総合通信基盤局 電波部 衛星移動通信課 衛星事業係
移動体に係る衛星通信関係


  私が当課に配属されたのは平成15年8月のことでした。当課では、衛星を利用した移動体通信に関することを所管しておりますが、このような通信は現在でも個人の方々にとってはそれ程メジャーなものではないのではないでしょうか。しかし、個人のユーザーの方々に電気通信役務を提供するような通信事業者、或いは放送事業者、その他の団体の方々にとっては欠かせないものです。電気通信の中でもこのような通信を扱う係に配属されて後、いくつかの大きな案件を目の当たりにして参りましたが、今、また大きな案件が目の前に迫っておりますので、それにつきましてお話させていただこうと思います。
  昨年7月、船上地球局という概念の存在が電気通信関係の国際会議において認められました。これは、船舶に搭載した無線設備に関するものなのですが、普通、船舶に搭載された衛星通信無線局は、それ程優先的に使用できないところ、この船上地球局はそのような前例を破ったものです。日本としてこれを、どのように国内法令に反映させるか検討中ですが、現在調整をつけかねているのが、まさにその優先性ということをどのようにして現行法令と矛盾しないような形で取り込むかというところです。
  先日、航空機において衛星通信によるインターネットが可能となりました。この船上地球局の導入は、船舶においても衛星通信によるインターネット等が可能となることを目指したもので、電気通信の振興に寄与することから、是非、関係する方々の御協力もいただきながら、上記のような障壁を乗り越えて導入に向け法令整備に微力ながら傾注したいと考えております。



重成 知弥・執筆者近影
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重成 知弥・執務風景
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重成 知弥・職場の風景
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