国家公務員の資質とは?

平野 友貴(平成15年入省)
情報通信政策局通信規格課標準推進係
情報通信分野における標準化の推進


  平成15年入省の平野と申します。まだ総務省に入省してから2年目ですので、私の現在の業務についてではなくあえて若手職員から見た国家公務員の話を中心に書こうかと思います。
  このコラムを熱心に読まれるのは主に国家公務員を目指している方々だと思います。実際、私も総務省を受ける前に十分参考にさせていただきました。そこで、今回は国家公務員に向いている資質を主観的に述べたいと思います。(あくまでも主観ですので、ご了承下さい。)それでは、以下の3点に簡単にまとめてみました。

1)物事を論理的に説明ができる人
  説明能力は国家公務員の世界においてかなり大事な能力のうちの一つです。その能力に長けている人は、官庁訪問などの面接に勝ち残っていくことができる人だと思います。国家公務員の中で仕事がデキると言われている人は、この能力が抜群に優れている人といっても過言ではないでしょう。論理的ゆえに理屈っぽいと紙一重なのかもしれません。この国家公務員という世界にいると、年齢的にも社会的にも上の方と接するので、そのような方との対外折衝もあり、物事を論理的に説明しなければならないという状況は多くあります。
  また、物事を論理的に説明ができる人は、実際の仕事の上でも、例えば予算要求のときには活躍しますし、周りから重宝されます。政策を決めるような会議はある意味、言葉と言葉の戦争なので、論理的に説明できる人が最終的には勝つような気がします。(ここでの"勝つ"の意味とは予算を獲得したり、総務省としての考え方を政策に反映させたりすることです。)そのような意味で、物事を論理的に説明ができる能力は重要だと思います。

2)慎重な人
  こう書いてしまうと誤解を招きそうですが、周りには慎重な人が多いです。当然ですが、私の学生時代とは異なる環境です。危ない橋は渡らず、前例主義を上手に利用しているような気がします。でも、私は前例主義がそんなに悪いとは思いません。というのは、前例とは前任者が内容を詰めた(ここでの"詰めた"とは良く練られたという意味。)仕事が多いからです。いわゆる先人の知恵です。裁判も前例を上手に利用している例かと思います。
  石橋を叩いて渡ると言いますが、国家公務員の中にはその石橋に対して時間をかけてじっくり観察してから石橋を叩いて渡っている人も見受けられます。そのような理由もあり、国家公務員という職種が夜遅くまで残業してしまうことになります。もちろん、普段における業務の物理的な量も大いに関係がありますが・・・。それゆえに、仕事の質が落ちないようにするために、夜遅くまで残業することも仕方がないことなのかと感じることもあります。

3)愛国心がある人
  愛国心は国家公務員の原点だと思います。日本を好きだと言える人や日本をより良い国家にしたいと考えている人であれば、日々の大変な仕事でも頑張れる気がします。(仕事の"大変さ"は個人差がありますが、頭を使って資料を作成したり、夜遅くまで残ったり、あるいは大量のコピーが大変だという人もいるでしょう。)実際、日本の代表として国際的に活躍する機会も多いため、日本が好きであればあるほど、仕事にやりがいを感じるようになるでしょう。

  職場を見渡すと、以上のような資質を備えている人が周りに比較的多い気がします。しかし、以上の資質に当てはまっていない人もいますのでご安心下さい。いずれにせよ、国家公務員になりたい人は国家公務員試験をまず受ける必要がありますので、試験勉強も頑張って下さい。国家公務員を目指す方々に、私の寄稿が参考になれば幸いです。


平野 友貴・執筆者近影
執筆者近景
平野 友貴・執務風景
執筆者執務風景
平野 友貴・職場の風景
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