いわゆる「国際情報提供サービス」に関する対応


 郵政省の電気通信利用環境整備室(電気通信消費者相談センター)は、最近国際電話の利用に関連して多くの苦情が寄せられているいわゆる「国際情報提供サービス」に関して、地方電気通信監理局等に対して通知をするとともに、社団法人全日本テレホンサービス協会及び社団法人テレコムサービス協会並びにケイディディ株式会社(KDD)、日本テレコム株式会社(JT)及び国際デジタル通信株式会社(IDC)の3社に対する協力依頼、消費生活センターに対する情報提供等を行っています。通知及び協力依頼等の内容等は次のとおりです。

  1. 地方電気通信監理局等に対する通知
     各地方電気通信監理局及び沖縄郵政管理事務所のテレコム相談センターに対して、適切な対応、処理の実施、継続方通知。

  2. (社)全日本テレホンサービス協会及び(社)テレコムサービス協会に対する協力依頼
     (社)全日本テレホンサービス協会及び(社)テレコムサービス協会に対して、会員への周知方協力依頼。

  3. KDD、JT及びIDCに対する協力依頼
     KDD、JT及びIDCに対して、適切な対応、処理の実施、継続方協力依頼。

  4. 主要な消費者センターに対する参考資料の内容
     各都道府県及び政令指定都市の消費生活センターに対して、別紙による情報提供。

  5. その他
     その他消費者関係団体等への情報提供等。

担 当:電気通信局電気通信事業部電気通信利用環境整備室
    (電気通信消費者相談センター)
連絡先:03−3504−4177




参 考

【国際情報提供サービスとは】
 国内の情報提供者と海外の電気通信事業者との提携によって、国際電話を利用して行われている情報提供サービス。成人向け雑誌等の広告等に掲載されているアクセス番号に国際電話をかけることによって、事前申し込みの必要がなく誰でもすぐに利用できるが、その広告等の中に、
1) 国際電話によるサービスであることを明示していない
2) 国際電話であることが分かりにくい
3) 料金がNTTのダイヤルQ2より有利(低額)であるかのように説明されている
ものがあるため、当該サービスを利用した者等から、KDD、JT及びIDCの各社、郵政省等に対し、主に「国際電話をかけた覚えがないのに国際電話の請求書がきた」との苦情・相談が多く寄せられている。
 なお、このサービスは、日本以外の国に対しても海外の情報提供者と海外の電気通信事業者との連携によって提供されている。

【地方電気通信監理局等に対する通知の内容】
 国際情報提供サービスに関連した苦情・相談、問い合わせ等に対する適切な対応、処理の実施、継続。

【(社)全日本テレホンサービス協会及び(社)テレコムサービス協会に対する協力依頼の内容】
 (社)全日本テレホンサービス協会及び(社)テレコムサービス協会の会員に対する国際情報提供サービスに関する周知。

【KDD、JT、IDCに対する協力依頼の内容】
 国際情報提供サービスに関連した次の事項についての適切な対応、処理の実施、継続。
1) 苦情・相談、問い合わせ等に対する適切な対応、処理の実施、継続
2) 国際電話の料金の請求書同封物、自社広報誌などによる国際電話利用者への注意喚起の実施、継続
3) 雑誌出版社に対する広告等の改善申し入れの実施
4) 外国の電気通信事業者への申し入れの実施
5) その他国際電話利用者への注意喚起等



別 紙

「国際情報提供サービス」の仕組みなどについて


1 国際情報提供サービスの概要について

1) サービスの仕組み
 国際情報提供サービスとは、国内の情報提供者と海外の電気通信事業者との提携によって、国際電話を利用して行われている情報提供サービスです。具体的には、海外の電気通信事業者と国内の情報提供者が海外(*1)に特定の電話番号を設定し、国際電話利用者(情報サービス利用者)がこの電話番号に電話をかけると(日本からかければ国際電話となります。)、録音された成人向け情報番組が聴けたり、電話をかけてきた人同士をつないで電話パーティなどができるものです。利用にあたっては事前の申込みの必要はないため、誰でもすぐに利用可能です。
 このように、このサービスは日本から利用すると国際電話となりますので、情報サービス利用者は、日本の国際電気通信事業者であるケイディディ(株)(KDD)、日本テレコム(株)(JT)又は国際デジタル通信(株)(IDC)等から、国際電話料金を請求されることになります。
*1 現在ニウエ、ガイアナ、モルドバ、イスラエル、ロシアなどで当該サービスが提供されていることが確認されています。

サービスの仕組み


2) NTTのダイヤルQ2との違い
 このサービスは国際電話料金(通話料金)しかかからず、NTTのダイヤルQ2とは異なります。NTTのダイヤルQ2は、サービス利用者が電話料金(通話料金)と情報提供者の料金を負担することになっており、NTTは電話料金の請求に併せて情報料の回収代行を行っているものです。
 しかし、国際情報提供サービスの場合、KDD、JT及びIDCは、海外の電気通信事業者及び情報提供者とは何ら関係がなく、KDD、JT及びIDCは、国際電話料金(通話料金)のみを請求します。

3) その他
 このサービスにより、情報提供者が利益をあげることができるのは、国内の情報提供者が、海外の電気通信事業者又は海外の情報提供者の取りまとめ役から、報酬を得ているためと考えられます。(*2)

*2  国際電話は、関係する2国間の電気通信事業者が共同で事業を行なう(例えば、海底ケーブルの建設するために2国間の電気通信事業者が共同で投資する等)ことにより成り立っています。
 ところが、国際電話の料金は、各々の国側で決定し、発信した側の事業者が利用者から収納することになっています。
 そこで、着信した国の電気通信事業者は自国の設備コスト等を回収するため、一定の金額を発信した側の電気通信事業者から受け取る仕組みになっています。海外の電気通信事業者はこの収入の一部を情報提供者に支払っているものと思われます。


2 国際情報提供サービスに関する苦情について

 当該サービスの電話番号は成人向け雑誌などに掲載されていますが、その広告の中には、
1) 国際電話によるサービスであることを明示していない
2) 国際電話であることが分かりにくい
3) 料金がNTTのダイヤルQ2 より有利(低額)であるかのように説明されている
ものがあります。
 そのため、そのような広告を見て当該サービスを利用された方又は電話の契約名義人(国際電話の料金の請求を受けた方)から、KDD、JT及びIDCの各社、郵政省等に対し、主に「国際電話をかけた覚えがないのに国際電話の請求書がきた」との苦情・相談が多く寄せられています。

3 国際情報提供サービスの利用に当たっての注意点について

1)  電話番号の最初が「001」「0041」「0061」「0071」又は「0078」でそれに続く1〜9XXの番号ではじまるものはすべて国際電話となります(*3)。雑誌などによる広告等では、例えば、「0016−83−××××××」などというものがあり、本来これは「001−683−××××××」と記載すべきですが、この場合は電話番号の最初が「001」となっているため、KDDを利用した国際電話となります。

* 国際電話のダイヤル手順は次のようになっています。
 →「国際識別番号(※1)+相手国の国番号(※2)+相手の電話番号」
※1  001はKDD、0041はJT、0061はIDC、0071はワールドコム、0078はDDI
※2  国番号は国際機関より国ごとに指定されています。
 例えば、ニウエ=683、ガイアナ=592、モルドバ=373となっています。
※3  「001」の場合、「001」の後に0をダイヤルすると国内電話となります。

2)  国際情報提供サービスは、同種のNTTのダイヤルQ2と比較しても高い料金となっています。
 国際電話の料金は各電気通信事業者が約款及び料金表において定めています。例えば、日本から各国への平日の昼間3分間の料金は次のようになっています。
(円)
ニウエ ガイアナ モルドバ 参考:米国
KDD 770 980 890 240
JT 770 990 890 240
IDC 未提供 990 890 240
DDI 540 690 600 168
ワールドコム 876 248 507 150

 一方、NTTのダイヤルQ2は、最も高い情報料で3分300円(6秒10円)です。従って、通話料金と情報料込みの金額は、電話先が同じ単位料金区域内であれば3分310円(平日昼間のMA内通話料金=3分10円)であり、電話先が100kmを超えていても3分390円(平日昼間の100km超の通話料金=3分90円)です。

3)  国際情報提供サービスは、NTTのダイヤルQ2とは異なり、その番号に対する利用規制はかけられません。
 これまでの説明のとおり、国際情報提供サービスは通常の国際電話サービスを利用して外国の電気通信事業者と国内の情報提供者が行っているものであり、KDD、JT及びIDC等国際電話を取り扱っている各社では、利用規制の実施や当該サービス利用時の事前申し込み制度の導入を行うことはできません。ただし、電話の契約名義人からの申し出があれば、国際電話の取り扱い自体を停止することはできます。
4)  最近インターネット上において、自動的に国際電話をかけるソフトが出回っています。不用意にソフトをダウンロードしたり、画面の表示をよく理解しないまま「OKボタン」等をクリックしないよう注意しましょう。

4 本件に関する連絡先

 本件に関する情報提供サービス利用者からの苦情・相談、問い合わせに対する対応は、次のところで行っております。

郵政省 電気通信局電気通信消費者相談センター 03−3504−4177
KDD お客様センター 0120−001−392
JT  お客様センター 0088−41
0476−45−7111
IDC お客さまサービスセンター 0120−05−0061
DDI カスタマーサービスセンター(国際担当) 0077−778
03−3375−0222


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