総務省トップ > 組織案内 > 研究会等 > 人材力活性化研究会 > 人材力活性化研究会(第4回)議事概要

人材力活性化研究会(第4回)議事概要

日時

平成22年12月10日 10:00〜12:30

場所

総務省 6階会議室

出席者(敬称略)

(1)構成員
飯盛 義徳(座長)、 小澤 浩子、 玉沖 仁美、 舘  逸志、 谷  和樹、 富永 一夫、
豊重 哲郎、 沼尾 波子、 前神 有里、 松原 朋子
(2)事務局
門山地域力創造審議官、 澤田人材力活性化・連携交流室長

議事概要

(事例発表:舘構成員「地域活性化システム論カリキュラム研究会 中間報告書(抜粋)について」)

  • 特区や地域再生というのは現場からのアイデアが非常に重要なので、そのようなことを現場で議論する場として、18年度に北陸先端科学技術大学院大学で「地域再生システム論」(現在の「地域活性化システム論」)を開講。地域の知の拠点である大学を活用し、自治体関係者、地元経営者、NPO、学生、産官学の関係者等約120人が集まり、週末を利用して、4、5回、8〜9月から11〜12月にかけて実践。グループワークを行って地域課題を発見し、地域活性化案を策定、実践するための知的な場として継続している。これまでに、各グループワークから具体的な地域活性事業が発生している。この事業が成功したのは、地域活性化に取り組む現場の人財と自治体、地域活性NPOなど地域の主要なステークホルダーが参加し、地域活性化プロジェクト推進の人的集団を構成する仕掛けづくりが、比較的うまくいったこと、また、成果が比較的早期に実現したので、受講者が意欲を持てたことによる。
  • 現在、研究的な成果をどう出すかというのが課題になっている。
  • 地域活性化のためには、自主、自立、自考の精神が重要。
  • 地域活性化のため必要なのは、強烈な信念を持って、周囲から常識と違うと言われても断固としてやり抜くリーダー(「バカ者」)、リーダーの情熱に共感して、ともに汗を流し地域のために働く「若者」、そして、客観的な目で眺めて、外との世界をつなぐ「よそ者」の3者の組み合わせ。
  • 地域活性化の目指すものは、暮らしやすい地域の再構築。その中で、その地域の付加価値を高めて、地域がグローバルな競争にも打ち勝っていけることが重要。
  • 地域住民の参画手法については、住民が講座に来て関心を持つ領域であるが、市民社会の到来による「共働領域」の拡大、市民参加における自治体と市民のそれぞれの役割、地域主権の進展等の要素が重要。
  • 人的ネットワークの形成法については、多くの大学の同様な講義をきっかけとして、人的ネットワークができてきたが、これらをつなぐものとして、地域活性学会を設立し、情報交換をしていくこととした。また、グループでの情報交換も非常に有効。
  • 「地域活性化システム論」は、21年度現在、29大学で開講。テーマは、農業、医療・福祉、観光、地域産業の活性化、芸術と地域との関係等、幅広い。受講対象は、大学生・大学院生のみならず、自治体職員、企業、地域住民、NPO等。講義形式については、フィールドワークを取り入れているのは、4大学と少ない。また、ワークショップ形式を採用しているところは17大学。集中講義によるところが8大学。学部学生を対象としている大学は、これまでのところ座学中心のところが多い。講座の構成は、地域活性化施策に関する総論以外では、地域において重要課題となっている、観光、農林水産、地域産業、環境をテーマとする講座が多い。
  • 地域活性化システム論のカリキュラムの構成は、各種、各地の地域活性化に共通する政策論・方法論、各政策領域の分野論、事例研究、グループワークを組み合わせてやるのはどうか、加えてフィールドワークもあると尚よい。
  • 受講生として産官学の色々な主体が集まることが重要なので、キーパーソンや主体的に取り組む参加者を産官学にわたってバランスよく募集することが必要。特に、民間、NPOの人は、鮮明な問題意識を持っており、地域活性化事業の推進役として大変重要。行政は、必要な各種規制の緩和や行政手続き、各種支援策の紹介・提供において、やはり実践的な役割を担う。参加している行政関係者が幅広い知識を持ち、リベラルかつオープンで、自分の所掌ではないことでも担当者を紹介してくれるような人であれば、事業が円滑に進む。また、学生は協力者として、事業を活性化するのに役に立つ。継続的な開講に向けては、初年度開講時の広報が、どの程度地域に認知されるかということが、非常に重要。また、ウェブやグループメールの活用も有効。

(事例発表:沼尾構成員「地域づくりを支える仕組みとその人材」)

  • ゼミの学生を連れて、福島県本宮市と都市農村交流事業(大学と自治体で特に協定を結んでいるものではなく、ゼミ単位で行っている)を実施している。これはもともと、平成16年に、当時、三位一体改革が進む中で、学生から「何で自分たちが払った税金が田舎に行くんだ、これは東京のために使うべきだ」という発言が増えてきたので、食料やエネルギーが生産されている現場を見せる必要を感じ、ゼミ合宿で徳島県上勝町に行ったのがきっかけ。合宿では、農作業体験や農家民泊を行い、学生と農家の双方が感激し合った。
  • 翌年訪れた福島県旧白沢村では、その後、村の農産物直売会をきっかけとして、農産物を販売する1年間のプログラムを役場と立ち上げた。このとき、地元と大学側の双方にメリットがあるように、地域に入って地元の社会経済に関してヒアリングや調査をし、そこで出てきた政策課題に関して提言をし、役場職員を東京に呼んで討論会をやった。民泊や農作業体験も始めたが、結果的には農家の人が非常に元気になった。その後は毎年、米のブランド化や駅前商店街活性化、コミュニティFMの番組作成など、調査研究と並行して、プロジェクトを行っている。
  • 大学の地域活動によって、農家同士が集落を越えてつながるようになった。また、農家に生きがいが出てきた、これまで何もないと思っていた地元に誇りを感じられるようになったという話もある。一方、学生についても、農作業体験をきっかけとして、乱れていた食生活が改善されたり、座学ではわからないような身体感覚と知識とが合わさることで、いろいろなものが身につくなど、教育効果も非常に大きい。
  • 地域に入る前の準備としては、年度初めに、身体を使って他者とコミュニケーションをとる練習をするチームビルディング研修を行う。それでも現地の人と上手にコミュニケーションを取れない学生もいるが、農家に泊まって宿泊先の家族に話しかけられたりする中で、コミュニケーションができるようになる場合も多い。個人差はあるが学生相互に補い合っており、その様子については絶えず教員の側で確認をしている。
  • 大学の地域活動を地域づくりにつなげていくために、大学生の受入に様々な立場の地域住民に参加してもらったり、農産物の販路を開拓する際に、学生が「つなぎ」の機能を果たせるようにしたりしている。
  • 課題は、全体の企画やプログラム運営が役場主導になっていることや、毎年入れかわっていく大学生の間でのノウハウ伝承が難しいこと。加えて、交通費や宿泊費の費用負担の問題もある。
  • 地域活性化センターの「全国地域リーダー養成塾」の講師を担当している。この塾では、毎年全国で地域づくりにかかわっている人材を40名募集し、年7回、2泊3日の東京合宿を行い、さまざまなテーマごとに研修を行う。特長の1つはゼミで、参加者が自分の地域の課題について発表しながら、ほかの参加者と議論をしていくこと。また、ゼミごとに行う先駆的地域づくり現地調査も一定の成果を上げている。もう一つの特長は、卒塾した人を招く年1回の修了者研修会において、全国の地域内での横の連携や世代を超えた縦の連携がうまく絡み合うこと。これを指してある先生は、「義理と人情としがらみのリーダー塾」と言っている。このつながりを通して、様々な情報が共有されたり、人材が紹介されたりすることが大きな財産。塾は20年以上続いており、既に卒業生が700人を超え、全国で活躍している。
  • 明治大学の小田切先生によると、地域コミュニティというのは、集落や町内会等の自治組織としてまとまっていく「守り」の側面と、特産品開発等のビジネスを始めていく「攻め」の側面があり、それらが重層的に様々な組織体や活動として重なっていることが、地域が元気になるということ。取り組む人材やノウハウについては、「守り」と「攻め」とで必ずしも一致しない。
  • マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング社長の柴田氏によると、組織には6種類の人間がいる。「リーダー」、リーダーに対して助言しながらリーダーを支える「参謀」、追随して言われたことをやる「フォロワー」、何となく存在している「パラサイト」、組織内の人間関係を悪化させる「キャンサー(ガン)」、組織の中では目立って変な人で、ふだんは全然役に立たないが何かのときに突発的なことを言ってそれが組織の活力を生む「エイリアン」。企業の場合は、メンバーの選択が可能なので「キャンサー」を排除することができるが、地域づくりは、そこに暮らす人がメンバーなので、必ずしも同じ目的を持った人ばかりが集まるわけではない。しかし、組織内の人間関係を悪化させている人でも、何かのきっかけで変わっていくかもしれない。そのようなきっかけをどうつくるかを考えてみることが大事。
  • 「守り」の自治を行うためのシステムや人材については、安心な暮らしや「見守り」を考えるとすれば、日常生活の中で必要なサービスが享受できているかどうかがきっかけになる。通常一人一人の住民は、家族、友人、職場、サークル、井戸端会議、消防団、NPO等の様々な層に参加していることで、どこかの層で自分の存在が守られるが、「無縁社会」においてはいろいろな場の中での関係の層が薄くなっている、あるいは単層化していることで、安心・安全な暮らしの実現が難しくなっている。したがって、セーフティ・ネットのほつれを把握しつつ、地域の中で孤立する人に対するアウトリーチ、「声かけ」と「繋ぎ」を行うシステムやそれに関わる人材が重要。行政の行う福祉は、申請主義がベースなので限界があるが、そこにどのように手が出せるか。さらに、多層な場同士がどのように連携し、情報共有するか。それはシステムとしても大事だが、つながろうとする人材がいることが重要で、そのような人材を育成する仕組みを考える必要がある。この参考事例は上越市のNPO法人のマミーズネット。
  • 「攻め」の自治に関しては、イベントや経済活動を通じた活性化は、意欲とやる気のある人材を中心に始められる。ただ、複層的に多様なプログラムがあり、域外からの人材やノウハウ、情報を入手でき、多様で柔軟な参加の仕組みが考えられることが、活動を元気なものにしていく。この参考事例はNPOハットウ・オンパクの組織づくり。
  • クラウドソーシングの構造においては、まず何かプロジェクトや全体の仕組みを考える「リーダー」(「コアのクリエーター」)と、それに対して改善や修正を加える「サブクリエーター」の両者が、何かを生み出す「クリエーター」。さらに「クリエーター」によって生み出されたものを購買したり、賛同したりする「オーディエンス・コンシューマー」が存在する。この3者の人数比は、1:10:89になると言われている。これは、地域づくりやまちづくりの中でも同じことが言える。この枠組みの中で、それぞれの立場の人が柔軟に入れかわりながら参加できる仕組みと、それを支えるリーダーのあり方が問われる。この「リーダー」には、多様な意見を受け入れ柔軟に対応する寛容な心や協調性も持つ一方で、カリスマ性やリーダーシップを発揮できる人材が相応しい。
  • 地域を活性化するときには、多様な考え方や立場の住民を上手につなげていきながら、柔軟に参加退出することが可能で、一人一人の意思が尊重されつつ全体としてまとまっているという状況を全体としてマネージできるリーダーの存在が重要。

(事例発表:飯盛座長「地域をつくる!ひとをつくる!−地域・大学連携の可能性−」)

  • 経営学の視点から、地域の元気を実現することを研究、実践するゼミを担当し、地域情報化、伝統産業再興、農業や食のブランド化、商店街活性化、スポーツを通じたまちづくり、ファミリービジネス等に取り組んでいる。また、学生が主導して行う推進研究プロジェクトでは、高校生を対象とした起業家育成、ファミリービジネスの研究、地域再生、人材育成、鳳雛塾、インターネット市民塾などに取り組む。また、慶應義塾大学院社会イノベーターコースでは、個人の益と公的な益を両立できるイノベーター育成している。
  • NPO鳳雛塾は、平成11年に設立した地域のための人材育成の塾。事務局長は佐賀銀行から出向してきた横尾氏、理事長は佐賀銀行会長。社会人の卒塾生が約350名。地域活性化や産業の人材育成を座学で行うのは難しいので、徹底してケースメソッドを取り入れている。これについては、最初は慶應義塾の教材を使っていたが、地域の実情に合わせたものを自分たちでつくった。参加者は、当初は若手の社会人を想定していたが、オープンポリシーで運営しているため、県庁の課長や、大学や高校の先生、議員、マスコミ、高校生等、様々な職種、年齢、立場の人が受講している。
  • 当初は、社会人と大学生を対象としていたが、現在では、小・中・高・大・社会人の一貫したカリキュラムで行っている。富山、藤沢、石川、丹波、横浜、埼玉にも鳳雛塾ができ、大学教育にも広がった。
  • 小学生のプログラムでは、総合学習時間にケースメソッドを行って、子どもたちに自分で考えさせて、授業計画をつくらせる。佐賀銀行にお金を借りさせ、商店街の空き店舗で商業実習をやらせる。これは、最初は社長や商売人を育成する教育なのかと反対されたが、そうではなく、自分で考えて行動する子どもたちを育てるための教育。子どもが積極的になったり、地域に関心を持つようになるなどの教育効果も生まれている。また、ビジネスについて等父親とのコミュニケーションが促進されたという声も聞こえる。高校生のプログラムは、大学生が支援しながら、佐賀の大手企業と一緒に商品開発、事業計画策定、佐賀銀行からの借入等をさせる。
  • 鳳雛塾は地方都市だけでなく、横浜のような大都市でも盛り上がっている。これは大都市でもつながりをつくる場、コミュニティ、学びの共同体が必要とされていたということ。
  • 鳳雛塾は、10年間続いているが、予算は極めて少ない。それでも事業が実施できるのは、事務局長の人材は銀行から、通信インフラやサーバは自治体から、事務所は佐賀大学から提供してもらえるから。
  • 慶應義塾の湘南藤沢キャンパスでは、地域連携やフィールドワークを非常に活発にやっている。フィールドワークが卒業単位に認定されることも学生にとってのインセンティブになっている。また、コンペによって選抜されたグループへは活動費も支給される。スタディツアーという、教員と一緒に地域に入って地域の問題発見解決をやるというプログラムもあり、これも選考を通過すれば活動費が支給され、単位も認定される。
  • 福岡県東峰村は、スタディツアーの事例の一つで、情報技術を使った人材育成とまちづくりを行ったプロジェクト。学生たちに支援させながら、住民ディレクター(地域の魅力等をビデオ等の比較的容易な情報技術を用いて発信する手法)を活用した映像を使ったまちづくりと、地域住民のだれもが地域を題材とした講座を立ち上げられるインターネット市民塾を実施。また、鳳雛塾のスキームを使い、地域住民が独自で作成したコンテンツを外部に発信して、東峰村のファンをつくる事業も行った。事業の結果、行政に頼らず自分たちでやるという意気込みを持った住民が多くあらわれた。また、学生たちが入ることによって、村内にも関わらずこれまで面識のなかった人々のつながりが生まれ、リーダーが生まれた。住民ディレクターの活動は、小学校にも広がり、海外にも発信している。その後、SNSとリアルな人のつながりを融合させたまちづくりの構想が動き出し、テレビ局まで立ち上がった。
  • 学生が地域に入る前の事前学習も必ずグループでやらせる。グループワークによって、仲間内でのコミュニケーションはできるようになる。それでも、地域の大人とのコミュニケーションが上手ではない学生もいるので、お互いでサポートしている。基本的なビジネスマナーについては、学生同士で勉強会をやっている。
  • 学生が地域に入り、新鮮な視点から提言を行うことで、地域住民に商品開発等をやろうという意識が芽生える。大学は、地域の様々な主体をつなぐ触媒になる。それまで良好な関係になかった主体同士でも、よそ者かつ若者である学生の一言で協働できるようになり、地域の一体感が醸成されて、行動につながる場合がある。つながりの再構築は、地域活性化において一番重要なポイント。一方で、大学や学生も変わってくる。地域が元気になるためには、地域の資源を認識し、町の中でつながりをつくり、その資源を戦略的に展開するという資源化のプロセスが大事だが、このすべてのフェーズにおいて、大学の資源は役に立つ。
  • まちづくりには、人づくりが重要。まちづくり活動においては、強制、命令が難しく、成果が出るまで継続的に活動し、資源をオープンにしなければならないため、非常に高度なマネジメント能力が必要とされる。このような協働の場を設計できる人材を、「プラットフォームアーキテクト」と呼んでいる。大学は人づくりの府で、新しい技術や情報、知識が集積し、よそ者の視点を持ち、失敗を恐れない行動力のある若者が集まっているところ。したがって、大学が地域活性化の主体の一つとして、地域の資源とつながることによって、地域再生ができる。
  • 課題は、大学側のインセンティブをどうするかということ。地域活動を研究にしなければ、大学教員のインセンティブにはつながりにくい。また、大学が地域にアプローチする際の情報源が乏しい。これらの課題を解決する一つの方法が、アクションリサーチ。問題発見解決志向型で、政策もしくは戦略の役に立つ知見を含む研究を行う必要がある。
  • レクチャーによって概念を教え、ケースメソッドを取り入れて問題発見解決能力や行動力をはぐくんだ上で、プロジェクトの実践をしていくことが、プラットフォームアーキテクトの育成につながる。

(主な意見:構成員発表に対して)

  • 昔は、家族や地域社会の中で学んできたものを、今の子どもは学ぶ機会がないので、ケースメソッドによる教育は非常に重要。
  • 住民ディレクターは今まで地域づくりの中になかった役割であるが、地域づくりを担う人の役割分担の中で、記録をとるという役割は重要。
  • 人間関係を構築することが苦手だと言われている世代の学生が、それぞれの地域に入って、人と人をつなぐ役割を果たし、地域が活性化しているというのは注目に値する。

(主な意見:事務局説明に対して)

  • 人材力活性化プログラムの構成について、求められる人物像を列記する方法と、求められる人材のコンピテンシーを列記する方法の2通りがある。どちらの方法を採用するかは、見やすさ、使いやすさを考えた上で検討する必要がある。
  • 地域活動においては、地域の統括責任者が、行政や企業、NPOに支援されながら、市民の活動を支える。ひまわりの花でイメージすると、花びらの一枚一枚がさまざまな地域の課題に対応するためのプロジェクトリーダーであり、それを統括する萼の役割を担う人が地域の統括責任者。花を支える表土が行政や企業、NPOで、それらが栄養源を与えて花が咲き、枯れるときには、花びらが落ちて大地に戻り、自立循環する。ピラミッド型組織よりも、このような関係性のほうが地域活動のイメージとして相応しい。
  • 自治体職員が危機意識を持って、コーディネーター的な役割を担うことができるようにすることが人材力活性化の基本。職員は、民間の研修を受けても、地域でどう実践していくかについて迷っている。人材育成の成果が発揮できるライセンスやポジションを与えることが必要ではないか。
  • 行政は中立的存在なので、NPOが行政にパートナーを得ると活動しやすくなる。したがって、自治体職員を地域のコーディネーターやプロデューサー、アシスタントとして育成することが重要。同時に、自治体職員を本気にさせるためには、首長の人材力を活性化することも重要。
  • 行政職員は、行政職員として地域活動に関わるのは難しいので、一個人として関わっていく必要がある。また、地域活動に関するノウハウや感覚は職務での研修ではなく、職務外で身につけなければ、応用する力はつかない。オフサイトであることが重要。
  • 多くの大学で地域活動が展開されているが、そのような情報が大学間、地域間で共有されていないのが現状。自治大学校のような機関に大学の地域活動に関するデータベースをつくり、基礎自治体の問い合わせに対して、ワンストップで事例や大学を紹介できるシステムがあるとよい。
  • 大学が近距離に存在しない地域においては、地元の高校生や小・中学生も地域活性化人材として養成していく必要がある。
  • 子どもの地域人材化について、例えば、高知県で子ども条例を制定した際の委員は、全員子ども(小学生〜高校生)だった。たたき台も子ども達でつくり、行政は、子どもが作成した案を条例の言葉に書き直しただけ。実行計画も子どもが全て作成し、代々引き継がれている。また、「とさっ子タウン」という子どものミニ社会をつくる活動も行われている。このような取組は、全国にも広がってきている。
  • 地域活性化の最小単位は、小学校区なので、小学生の地域活動を大学等が応援すれば、その小学生が中学生や高校生になっても活動は継続する。また、大人が大人を説得して地域活動に協力させるのは非常に難しいが、子どもの活動に対しては大人は協力的。
  • 地域活動を行うみなし法人が収益事業を行った際の税額控除があるとよい。

ページトップへ戻る

人材力活性化研究会
サイドナビここから
サイドナビここまで