会議資料・開催案内等


第27次地方制度調査会第33回専門小委員会 次第



平成15年10月30日(木)
10時30分〜12時30分
ホテル ルポール麹町「マーブル」

1   開会
2   議題
   
  1)    答申素案について
  2)  その他
3   閉会
配付資料
・答申素案 (委員限り 委員会終了後回収)

(当日追加配布)(PDF)
 
全国町村会提出   「今後の地方自治制度のあり方についての最終答申」に対する要請事項の提出について
全国町村議会議長会提出   「今後の地方自治制度のあり方について」の最終答申に関する意見の提出について
尾崎委員配布意見    






○松本小委員長 それでは、時間がまいりましたので、第33回の専門小委員会を始めさせていただきます。
  それでは議事に入ります。本日の議題は総括論点整理の2回目でございますけれども、本日の資料として、今までの議論を踏まえまして事務局に指示をして、答申素案的なものをお示しすることといたしました。今回のこの案につきましては、委員限りということで配らせていただいております。したがいまして、この案は専門小委員会終了後回収させていただきますので、よろしくお願いをいたします。
  なお、尾崎委員は本日海外出張の帰国日となっておりまして、この専門小委員会に出席していただけるということでございますけれども、遅れられるということでお手元に尾崎委員の意見を文書にて配布いたしております。
  それでは、事務局の方から説明をお願いいたします。山崎室長。
○山崎行政体制整備室長 それでは、お手元の「答申素案(地方行政関係)」という文書に基づきましてご説明を申し上げます。
  前文のところでございますが、これは後ほど行政課長の方からご説明がありますが、全体を通した地方行政関係の考え方というようなことを示してございます。
  2ページでございます。第1基礎的自治体のあり方。ここの1の部分の地方分権時代の基礎的自治体の構築というところでございますが、これは基本的に中間報告を踏襲しております。(1)のところには機関委任事務制度の廃止をした地方分権一括法の施行で、分権改革は確かな一歩を踏み出したというフレーズがありまして、それから、基礎自治体というのは住民に最も身近な総合的な行政主体として、自立性の高いものとする必要がある。これにふさわしい十分な権限と財政基盤を有し、高度化する行政事務を的確に対処できる専門的な職種を含む職員集団を有するものとする必要がある。ここは中間報告の考え方を踏襲させていただいております。こういう基礎的自治体につきまして、事務権限の移譲を進めていくというようなフレーズがございます。
  それから、少なくとも福祉や教育、まちづくりなど住民に身近な事務については、原則としてすべての基礎的自治体で処理できる体制を構築する必要があるというフレーズも踏襲をしております。(2)のところは住民自治の観点を入れておりまして、ここに中間報告でもありました新しい公共空間を形成していくという、役所だけではなくて、地域の住民の方々とか、重要なパートナーとしてのコミュニティ組織、NPO、こういう民間セクターと協働しながら、仕事をしていくんだということを書いてございます。
  (3)のところは、(1)、(2)を取りまとめまして基礎自治体は行財政基盤、経営基盤を有して、それから分権の担い手にふさわしい役割を真に果たすとができるようになるということを期待するということであります。
  それから、4ページ以降でございますが、ここは基本的に中間報告は変えておりません。市町村をめぐる状況でございます。1は明治以降、市町村が果たしてきた役割、昭和の大合併、それから今後の基礎的自治体について、質的にも高度化し、量的にも増大する事務を的確に処理することができるものとならなければならない。
  (2)市町村を取り巻く厳しい財政事情、ここも中間報告のとおりでございます。
  (3)少子高齢化の進行、ここも中間報告と同じフレーズを使っております。
  それから(4)の市町村合併の位置付けでございますが、ここは基本的に中間報告と同じフレーズを使っておりまして、ただ、その後の状況で6ページでございますが、「現在全国の市町村の約半数において合併特例法に基づく法定協議会が設置されており」というふうな4月から半年間経った現状を少し書かせていただいております。
  それから、次が3以降の具体的な合併特例法期限到来後における分権の担い手としての基礎的自治体のところでございます。ここ以降は読ませていただきます。
  (1)  平成17年4月以降の合併推進の手法
    現行の合併特例法の失効(平成17年3月31日)後は、新しい法律を制定し、一定期間さらに自主的な合併を促すこととする必要がある。この法律は、合併に関する障害を除去するための特例を中心に定め、現行法における合併特例債等のような財政支援措置はとらないこととすべきである。
    なお、現行の合併特例法は延長しないことを前提に、平成17年3月31日までに関係市町村が当該市町村議会の議決を経て都道府県知事への合併の申請を終え、平成18年3月31日までに合併したものについては、合併特例法の財政支援等を引き続き適用する旨の経過規定を置くことが適当である。新法においては、自主的な合併を推進するため、必要に応じて都道府県が市町村合併に関する審議会等の意見を踏まえて市町村合併に関する構想を策定することとすべきである。上記の構想は、現行の合併特例法の下で合併に至らなかった市町村であって、なお合併を行うことが必要と考えられるものを対象とするものとし、小規模な市町村(目安となる人口はおおむね人口1万未満)についてもこの構想の主たる対象とすべきである。都道府県が、構想を策定するに当たっては、人口のほか、地理的条件や人口密度、経済事情、現行合併特例法の下で合併を行った経緯についても考慮することが適当である。
  都道府県知事は基本構想に基づき、合併協議会の設置や合併に関する勧告、合併に取り組む市町村間の様々な合意形成に関するあっせん等により自主的な合併を進めることとすべきである。
  なお、現行の合併特例法においても、一定の場合に市町村長の請求や有権者の6分の1以上の署名による請求によって合併の是非を含め合併に関する様々な協議を行う場である合併協議会の設置について、住民投票を行うこととされている。このような場合と同様、都道府県知事が合併協議会の設置を勧告したとき、一定の場合には市町村長が合併協議会の設置について議会に付議するか、あるいは住民投票を行うこととする制度を設けることを検討する必要がある。
  ( 2)  市町村合併に関連する多様な方策
1) 合併後の基礎的自治体における地域自治組織制度の活用
  合併後、総じて規模が大きくなる基礎的自治体内において住民自治を強化する観点や住民に身近なところで住民に身近な事務を住民の意向を踏まえつつ効果的に処理するという観点から、基礎的自治体の事務のうち地域共同的な事務等を処理するため、下記4(1)の地域自治組織制度を活用することが考えられる。
  なお、合併に際して地域自治組織を活用するときは、一定期間、下記4(2)2)の法人格を有する地域自治組織を旧市町村単位に設けることができる等の特例を講じることが適当である。
  この制度を活用することにより、合併後の基礎的自治体は、合併前の旧市町村のまとまりを活かした包括的な基礎的自治体とも言うべき新しい形態をとることが可能となる。あわせて、地域自治組織に旧市町村の名称を冠することによって、合併前の名称を残すことも可能となる。
  市町村は、前述のとおり、その自主的な判断により、基礎的自治体内の地域自治組織を設置することとすることができるが、都道府県知事も合併に際して、一定の場合に小規模な市町村等を対象として、当該市町村を単位とする地域自治組織を設置することを勧告することができるものとすべきである。
2)合併困難な市町村に対する特別の方策
   ア  市町村合併については、地域の特性等を踏まえた上で推進していく必要があるが、例えば地理的条件や財政的条件等により自らは他の市町村と合併を希望していても様々な事情により合併協議が整わず、都道府県知事が上記の基本構想に位置付けて合併に関するあっせん等の調整を行ってもなお合併に至らないような事態が生じることが危慎される。
  このような事態において、市町村が基礎的自治体として必要な経営基盤を有しないという自らの判断により合併を求めた場合に、適正な住民サービス確保の観点から看過し得ないと認めるときは、都道府県知事が都道府県議会の議決等を経て、市町村の合併を決定することができる特別の手続きを設けることを今後検討していく必要がある。
イ  合併に関する新たな法律の下でも当面合併に至ることが客観的に困難である市町村に対して、合併の進捗状況や市町村の具体的ニーズを踏まえ、基礎的自治体のみによって構成される広域連合等の新たな広域連携の方策により対応することについて検討を進める必要がある。
ウ  また、そのような状況にある市町村については、組織機構を簡素化した上で、法令による義務付けのない自治事務は一般的に処理するが、通常の基礎的自治体に法令上義務付けられた事務については窓口サービス等その一部のみを処理し、都道府県にそれ以外の事務の処理を義務付ける特例的団体の制度の導入についても引き続き検討する必要がある。この場合において、都道府県は当該事務を自ら処理することとするほか、近隣の基礎的自治体に委託すること等も考えられる。
4   基礎的自治体における住民自治充実や行政と住民との協働推進のための新しい仕組み
1)  地域自治組織(仮称。以下同じ。)の制度化
  基礎的自治体には、その事務を適切かつ効率的に処理するとともに、住民に身近なところで住民に身近な事務を住民の意向を踏まえつつ効果的に処理するという観点が重要である。
  また、本格的な少子高齢社会が到来しつつある今日、安全で住みやすい快適な地域づくりに資する地域のセーフティネットの構築が喫緊の課題となっている。このため、行政のみならず住民も担い手となって地域全体の潜在力を引き出す仕組みをつくっていくことも、これからの基礎的自治体に求められる重要な機能のひとつである。
  こうしたことから、基礎的自治体内の一定の区域を単位とし、住民自治の強化や行政と住民との協働の推進などを目的とする組織として、地域自治組織を基礎的自治体の判断によって設置できることとすべきである。
  地域自治組織のタイプとしては、当調査会の「今後の地方自治制度のあり方についての中聞報告」(平成15年4月30日)で示したように、a行政区的なタイプ(法人格を有しない。)とb特別地方公共団体とするタイプ(法人格を有する。)が考えられる。このうち、bについては、別の法人格を有し、基礎的自治体からの独立性が強くなることを踏まえ、限定的に導入することが適当であり、市町村合併に際し必要と認められる場合に限り、期限を定めて合併前の旧市町村単位にのみ設置できる制度とすることが適当である。一方、aについては、そのような限定のない一般制度として導入すべきである。
  なお、地域の状況が様々であることから、法律で定める事項は最小限にとどめ、地域の自主性を尊重し、地域において活用しやすいものとなるような制度とする必要がある。
2)  地域自治組織の仕組み
  地域自治組織は、当該区域に住所を有する者が当然にその構成員となるものとし、具体的な仕組みは以下のとおりとすることが考えられる。
一般制度としての地域自治組織の仕組み
ア基本的な機能と組織
  一般制度としての地域自治組織は、住民に身近なところで住民に身近な基礎的自治体の事務を処理する機能と住民の意向を皮映させる機能、さらに行政と住民や地域の諸団体等が協働して担う地域づくりの中核としての機能を有するものとし、基礎的自治体の一部として事務を分掌するものとする。
  地域自治組織の機関として、評議会(仮称。以下同じ。)及び地域自治組織の長を置くこととする。また、地域自治組織には事務所を置き、支所、出張所的な機能と評議会の庶務を処理する機能を担わせることとする。
  13ページでございますが、こういう区域だとか、それから地域自治組織の基本的な事項でございますが、そういうことについて、余り法律で決めることにせず、基礎的自治体の条例で定めることとする。ただ、市町村合併に際して、行政区タイプの地域自治組織を設置する場合には、条例にかえまして、あらかじめ合併する前の合併協議によって定めることができることとするというふうに入れております。
  イに評議会がございます。役割でございますが、協働の活動の要となる。それから、評議会は地域自治組織の区域にかかわる基礎自治体の事務に関し、基礎自治体の長、その他の機関及び地域自治組織の長の諮問に応じて審議し、それから諮問がなくても必要と認める事項について、それらの機関に建議することができるとしております。
  なお、基礎自治体の判断によりまして、その区域にかかる基礎自治体の予算だとか、基本構想だとか、重要な施設の設置及び廃止等の一定の事項については、評議会の意見を聞くよう求めることは考えられる。これも前回と同じでございます。
  構成員の選任でございますが、評議会の構成員は基礎自治体の長が選任するとし、評議会の役割を考えますと構成員の選任に当たっては、自治会だとか、町内会、PTA等地域を基盤とする多様な団体からの推薦を受けたものや、公募の住民の中から選ぶこととするなど、地域の意見が適切に反映される構成となるよう配慮する必要がある。
  それから、ここは前回と表現を変えましたが、名誉職というのが非常にわかりにくいというお話がございました。そこで評議会は住民の主体的な参加を期待するものであることから、その構成員は原則として無報酬とすると書かせていただきました。
  地域自治組織の長でございますが、ここに役割を書いてございまして、評議会との連携のもと、意見を踏まえながらきめ細かな事業、施策を実施する役割を担う。選任は地域自治組織の長につきまして、基礎自治体の長が選任をする。
  財源につきましては、地域自治組織は基礎自治体の一部ではございます。そういった中で評議会の意見を尊重しつつ、必要な事業を実施できるよう所要の措置を講ずることが期待されるというふうにしております。
  2)からは合併に際してのみ設置される法人格を有する地域自治組織の仕組みを書いてございます。1)の行政区タイプと基本的には同じ部分はあるんですが、ここで必要な場合を考えておりますのは、地域自治組織を市町村合併に際して、行政区タイプの地域自治組織を設置することはもちろんできるんですが、合併をするに当たりまして、直ちに一体化することが困難であって、段階的に一体化を図ることで適当と認められる場合で、行政区タイプの地域自治組織を導入するのでは十分ではないという事情があるときは、より独立性の高い特別地方公共団体である地域自治組織を設置することが適当であるとしております。
  このタイプの地域自治組織についても同じような性格を持っておりますが、相違点を中心としました制度の仕組みを15ページに書いてございます。設置でございますが、これは合併前の合併協議により定める規約で期限を定めて一定の期間、合併前の旧市町村単位に設けることができることとする。ご説明いたしましたように法人格取得の手続を書いてございます。
  それから、事務の考え方でございますが、これは法人格を有する地域自治組織は一定の事務を基礎自治体から離れて独立して仕事をするというふうになります。そこで書いてございますのが、基礎自治体の事務で法令により処理が義務づけられていないもので、その地域自治組織の区域にかかる地域共同的な事務のうち、規約で定めるものを自らの事務として処理するというふうに書かせていただいております。
  それから、ここは変えておりませんが、地域自治組織の長ですね。基礎自治体の補助機関と兼ねさせることによりまして、基礎自治体に残っております法令により義務づけられた仕事を処理することもできるというふうに書いてございます。
  組織でございますが、評議会でございます。評議会は法人格を有するものの場合、地域自治組織の予算等を決定するという機能がございます。それから、必要と認める事項につきましては、1)の方と同じように基礎自治体の長その他の機関に建議することができるということの機能は同じ機能を持ってございます。
  それから、評議会の構成員の選出方法ですが、これは規約で定めることとする。構成員は原則として無報酬とするというふうにしております。そういう意味では、評議会の構成員が無報酬ということは共通でございます。
  それから、地域自治組織の長は基礎自治体の長が専任するというふうにしております。それから事務局の職員は、基礎自治体からの派遣、あるいは兼務とする。必要な場合には、臨時職員を採用できる。
  財源につきましては、基礎自治体の事務の一部を処理するための財源は、基礎自治体からの移転財源による、基礎自治体は地域自治組織の円滑を事務運営のため、財源確保に配慮するものとする。課税権、地方債の発行権限は有しない、地方交付税の交付対象団体とはしないということにしております。
  それから、移転財源による財源見合いの事務以外の事務を実施することを認める場合には、何らかの住民の負担によることができることとすることを検討する必要がある。
  指定都市への適用につきましては、前回と同じでございまして、行政区その他の一定の区域をもって、地域自治組織を設置することができることとするとしております。基礎自治体の部分は以上でございます。
○松本小委員長 それでは久元課長。
○久元行政課長 第2の大都市のあり方についてご説明を申し上げます。1の大都市に関する制度の現状と課題につきましては、ほとんど中間報告と同じでございます。
  第1段落で大都市である基礎的自治体に対する一層の権限の移譲をはじめとした権能の強化が求められていることに触れ、第2段落で大都市に特有の行政サービスの提供とともに、大都市を含む広域的なネットワークによる行政課題への対応が求められていることに触れております。
  そして、さまざまなご議論がありました大都市において個々の住民の意見を大都市経営に反映し、より多くの住民の行政への参画を促す仕組みが必要であるということに触れております。
  今後の制度のあり方ですけれども、1つは大都市に共通する課題として、権限移譲を中心に書いております。基礎的自治体の権能の強化は重要な課題であり続けてきた。多くの国民が居住する大都市地域において、身近な行政を基礎的自治体が担える制度改革を行っていくことは、地方分権の実を多くの国民が実感できる方途であるという基本的な考え方を触れております。したがって、引き続きこのような都市の規模・能力に応じた一層の事務権限の移譲が進められるべきであるとし、特に三大都市圏の既成市街地、近郊整備地帯における都市計画権限をはじめとした都市計画制度に係る役割分担のあり方や権限移譲、農地転用のあり方については、その早急な見直しが求められるとし、義務教育、産業振興の分野を中心に一層の権限移譲が進められるべきであるとしております。
  このほか、これも市町村に共通の課題といたしましては、条例による事務処理の特例の活用が考えられるわけでありますけれども、これにつきましては、次の段落でありますが、現行制度では基礎的自治体の方から事務権限の移譲を求めることができないことから、権限の移譲を一層進める見地からは、基礎的自治体が自らの判断により事務権限の移譲を都道府県に積極的に求めていくことができることとする必要があるとし、都道府県知事の権限に属する事務の一部を処理することを求める基礎的自治体は、都道府県に対し事務処理の特例にかかわる条例の制定等を要請する旨の申出をすることができる。都道府県知事は、この申出を受けたときは遅滞なく、その申出を行った基礎的自治体の長と協議しなければならない仕組みを導入することが適当であるとしております。
  指定都市制度については、まず現況として、区域を越える広域的な取組を必要とする行政分野が存在しているということに触れ、沿革的にかつて特別市の制度が設けられたわけでありますが、実際には指定されることなく、現行の指定都市制度が創設されたという経緯に触れ、このような状況や経緯を踏まえれば、指定都市については、現行制度の大枠の中で、その権能を強化するという方向を目指すべきである。その上で、大都市圏全体で行政課題を解決することが求められる分野については、指定都市と周辺都市と市町村との連携を強化するとともに、都道府県がこれに対応した調整の役割を果たすことが求められるとしております。
  そして、次の住民の意向の反映でありますけれども、地域内分権化を図るため、各指定都市における実情に応じ、先ほど説明がありました地域自治組織の活用を図ることが期待されるとしております。
  次に中核市制度・特例市制度でありますけれども、制度の定着を既にみているという現状認識に立ちまして、その指定のあり方については、さらなる要件の見直しを行っていくことも考えられるが、現在、市町村合併が進展をしておりますので、今後各都市の規模・能力が合併特例法の期限である平成17年3月までの間に変動していく可能性が高いことを考えれば、少なくとも合併特例法の期限内においては、現行の指定要件を維持することとし、その後における要件緩和について、引き続き検討すべきであるとしております。なお、この中で、この大都市に関する課題として、指定都市選出の道府県議会議員のあり方についてご議論がありまして、中間報告では両論併記というふうになっておりましたが、これにつきましては、いずれを選択すべきかどうかという点も含め、方向性について結論の行方を見出すことができなかったのではないかというふうに、私どもは受け止めておりまして、この点の記述はいたしておりません。
  第3の都道府県のあり方についてでありますが、全体として中間報告よりも簡略にしております。現在、都道府県のあり方というものが変容を迫られている。そういう中で、今後の都道府県の機能というものは、どういうふうに考えられるべきか。そして、そういう機能にふさわしい制度改革のあり方とは、どのようなものか。このような順序で叙述をしております。
  まず、「変容を迫られる都道府県のあり方」というタイトルをつけまして、これまで制度は変遷してきたが、現実の都道府県の姿を見ると、明治21年に47ある現在の都道府県の区域の原型が確立されて以来、その名称及び区域はほとんど変更されることなく今日に至っているという現況について述べ、一方、近年においては、広域行政を効果的かつ効率的に推進できる体制がより一層強く求められるようになっている。そして、市町村合併の推進により、市町村の規模能力が拡大し、行財政基盤が強化されつつあり、市町村を包含する広域の自治体としての都道府県の役割が改めて問われるようになってきている。そして、自立した地方公共団体としての位置付けを明確にされた都道府県は、その役割を十全に果たしていくことが期待されているとしております。
  このように都道府県の役割が変容を迫られる中で、今後都道府県が果たしていくべき機能でありますけれども、まず、広域機能に関しましては、高度なインフラの整備、経済産業活動の活性化、雇用対策、国土の保全、広域防災、環境の保全等の機能をさらに重視する必要があり、国から都道府県に一層の事務権限の移譲が進められるべきである。また、都道府県には行政サービスの広域的な提供を通じて、バランスのとれた公共サービスの維持に貢献してきた側面があり、このような機能も引き続き必要であるとしております。
  連絡調整機能、補完機能につきましては、今後は規模・能力が拡大した市町村に対する連絡調整機能が主となり、いわゆる補完行政的な事務については、一般的には縮小すると考えられるとしております。
  このような機能論を踏まえた今後の制度論といたしまして、都道府県合併と道州制を取り上げております。規模・能力や区域が拡大した基礎的自治体との役割分担のもとに、広域の自治体としての役割機能が十分に発揮されるためには、まず、都道府県の区域の拡大が必要であるとし、また、国の役割を重点化し、その機能を地方公共団体に移譲するとともに、真の分権型社会にふさわしい自立性の高い圏域を形成していく観点から、現行の都道府県に代わる広域の自治体として、道又は州、この点については名称の議論もありましたので、仮称とさせていただいておりますが、この道又は州から構成される制度である道州制の導入を検討する必要があるとしております。
  都道府県合併については、都道府県が現行の合併手続に加えて、都道府県が自主的に合併する途を開くことを検討すべきであるというのが結論であります。
  その方式としては、市町村合併の場合と同様に、都道府県の自主的合併の手続を整備することとし、関係都道府県が議会の議決を経て合併を申請し、国会の議決を経て合併を決定するといった規定を整備することが考えられるとしております。
  道州制でありますが、道州制の導入は、都道府県の単なる合併とか、個々の事務ごとに国からの権限移譲を行うといったことにとどまらない地方自治制度の大きな変革であり、国民的な意識の動向を見ながら、引き続き次期地方制度調査会において議論を進めることとするが、当調査会としては、今後議論すべき論点として、現時点では次のように考え方を整理することとしたとしております。
  以下はその内容であります。
  道州制の基本的考え方は、道州制は、憲法の改正を行わず、現行の広域の自治体、基礎的自治体の二層制を前提として構築することとし、その制度及び設置手続は法律で定めるとしております。
  以下個別の論点ですけれども、まず、現在の都道府県を廃止し、より自主性、自立性の高い広域の自治体として道又は州を設置する。
  国の役割は真に国が本来果たすべきものに重点化し、その多くの権限を地方に移譲する。
  長と議会の議員は公選とする。
  区域については、原則として現在の都道府県の区域を越える広域的な単位とし、地理的、歴史的、文化的な諸条件を踏まえ、経済社会的な状況を勘案して定められるものとするとしております。
  道州の役割と権限でありますが、国の役割は真に国が本来果たすべきものに重点化され、その事務権限の相当部分を地方に移譲するとしております。
  現行地方自治法上、国はa国際社会における国家としての存立にかかわる事務、b全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動又は地方自治に関する基本的な準則に関する事務、c全国的な規模で又は全国的な視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施などの役割を担うこととされているわけでありますが、道州制が導入された後は、国の役割は重点化され、a、bのほかcのうち限定された一部に縮小することとなるとしております。
  国から地方に移譲される権限のうち基礎的自治体に移譲できるものは原則として基礎的自治体に移譲するとしております。この結果、基礎的自治体が処理することができないと考えられる事務及び基礎的自治体の連絡調整に関する事務を担うとしております。この結果、道州は圏域全体の一層の自立に向けて、グローバル化した経済の中で、より戦略的な役割を果たすことが期待されるとしております。例えば、産業振興などの分野については、原則として道州の役割とし、したがって、国の地方支分部局が持つ権限は、例外的なものを除いて、道州に移管するとしております。なお、その際移管される国の事務権限について、かつての機関委任事務制度の手法が採られることのないようにすべきであるとしております。
  関与についてはいずれも必要最小限度とする。そして、国、道州、基礎的自治体相互間の新たな調整手続の整備を図る必要があるとしております。
  道州の区域につきましては、2つの考え方を書いております。
  1つは道州の区域というものは、「国のかたち」と密接に関連する重要事項であり、法律により全国をいくつかのブロックに区分してその区域を定めるという考え方が1つ。もう一つは、関係都道府県が議会の議決を経て申請し、国会の議決を経て決定するという都道府県側のイニシアチブを重視する考え方であります。そのいずれをとる場合にも全国一斉に導入する方法と順次移行する方法とが考えられますが、いずれにいたしましても、道州の仕組みや設置手続については、法律に定めることが必要であるとしております。
  税財政制度につきましては、自立性を高めることを原則とする。自主財源である地方税を大幅に拡充する。新たな財政調整の仕組みを検討するとしております。
  連邦制との関係でありますけれども、道州制をめぐっては、連邦制すなわち憲法において権限(行政権のみならず立法権(又は立法権及び司法権))の双方も考えられますけれども、権限が国と州との間で明確に分割されている国家形態の導入を議論する向きもあるわけでありますが、連邦制の下では、連邦政府と州政府の間の立法権の分割、地域代表としての上院、例えば参議院の創設、違憲立法審査権・立法権分割の審判者としての司法権のあり方など憲法の骨格部分の変更が必要となること。連邦制は、歴史的・文化的・社会的に一体性、独立性の高い連邦構成単位の存在が前提となること、地方分権を推進する観点から連邦制を導入する議論もあるが、連邦制を導入しても必ずしも地方分権を進めることにはならない場合があることといった点を考慮すれば、わが国の成り立ちや国民意識の現状からみると、連邦制を制度改革の選択肢とすることは適当ではないと考えられるとしております。
  次に検討事項として、幾つかの点を指摘しております。
  1つは現行憲法上は公選の長と公選の議員からなる議会を有することが地方公共団体の要件であるわけでありますが、広大なエリアと大きな権限を有することとなる道州が、それぞれ住民の直接公選による二元代表制であることでよいのかどうか、それから、議決機関、執行機関、補助機関のあり方をどうするのか、首都圏など、人口や経済集積等において他の圏域と著しく異なる圏域についても同じ制度としてよいのか、大都市圏域においてより独立性の高い大都市を考えるかどうかといったようなことを検討事項として指摘をしております。
  尚書き以下は慎重論であります。
  道州制の導入については、都道府県も住民に身近な行政を担っており、また小規模な市町村を補完するような都道府県の機能が引き続き必要であり、従来の都道府県の機能や役割が依然として大きいものであること。また一方で道州制を議論する前に、圏域的なテーマについては、既存の制度である都道府県間の広域連合を活用する方法もあると考えられることなどを踏まえ、道州制の導入については慎重な検討を要するとする意見もあるとしております。
  大変恐縮でございますが、1ページに戻っていただければと思います。前文を概略朗読をさせていただきます。
  わが国の地方自治制度は、平成12年の地方分権一括法の施行により、そのありようを一新し、次なる新たなステージを迎えようとしている。市町村は基礎的自治体として住民とのかかわりにおいて包括的な役割を果たしていくことが期待されており、都道府県もこれからの時代にふさわしい役割を果たすべく変容していくことが求められている。また今日、地域においては、コミュニティ組織・NPO等の様々な団体による活動が活発に展開されており、地方公共団体は、これらの動きと共鳴しつつ新しい協働の仕組みを構築することが、これからの地方自治のあり方についての重要な視点となっている。
  こうした状況の中で、基礎的自治体と広域の自治体は21世紀においてどのような役割を果たしていくべきか、またその役割にふさわしい制度とはどのようなものであるのかが問われている。
  当調査会は、内閣総理大臣からの諮問を受け、現地での関係者との意見交換会なども行って調査審議を重ねてきたが、当調査会設置以来、総会と専門小委員会にわたる議論の結果として、「基礎的自治体のあり方」、「大都市のあり方」、「都道府県のあり方」について、今回一定の結論を得たので、ここに報告する。
  なお、地方自治の本旨の内容を具体化し、分権型社会を制度的にも確固たるものにすることが、さらなる分権改革に託されるべき重要な課題となるものであり、そのあり方については、当調査会としても引き続き検討していくこととしたい。
  最後の段落は地方自治の本旨をどう考えるのか、基本法の制定を含めたご議論がございましたが、このご議論を踏まえた記述でございます。
  私からは以上です。
○松本小委員長 それでは、椎川課長。
○椎川財務課長 それでは、別冊の「答申素案(地方税財政関係)」についてご説明させていただきますが、お開きいただきまして、1ページ前文に盛り込むべき事項でございまして、まだ、行政関係の方と合体をされておりませんので、今後作業を進めてまいりたいと思いますが、ここに書き込むべき事項といたしましてと、まず三位一体の改革については、当調査会は平成15年5月23日に考え方を整理していただきまして、意見をとりまとめていただいております。
  これは中間報告とは違って簡潔した意見というふうに考えられております。その後、政府におきまして6月27日に「基本方針2003」を閣議決定したわけでございますけれども、基本的な方向性というものは同じくするものではないか。そのために、今回の最終答申におきましては、特に三位一体の改革につきまして、再確認を必要とします基本的な考え方と補足的に特に留意すべき事項を指摘することとしたというまとめ方にさせていただいております。三位一体の改革が地方分権改革の流れに沿って着実に推進され、実現されることを強く期待したいという結びにさせていただきました。
  2ページをお開きいただきまして、本文の方に盛り込む事項でございますけれども、まず、当面の地方税財政のあり方、三位一体の改革が焦眉の急になるわけでございます。それに関する基本的な考え方として書かせていただいておりますけれども、基本的には、これは5月23日の意見の繰り返しになってございます。ただ、極めて重要な事柄でございます12年の地方分権一括法の施行を経て、新たな分権改革の段階を迎えているわけでございますけれども、地方税財政のあり方に関する問題が残された最大の課題という認識を書かせていただいた上で、歳入歳出両面にわたります自由度の拡大、歳出の割合と税の割合との乖離を縮小し、国税と地方税の税源配分が1:1となることを目指して、地方税源の充実を図っていくべきであるという認識を再度書かせていただいております。
  それから、その下の尚書きは、従来の当面答申に関連する書きぶりでございますので、そのようにご承知おきいただきたいと思います。
  3ページでございますけれども、三位一体の改革をこれから161718と3か年度の予算編成の中で政府は進めていくわけでございますけれども、これに当たりまして、留意すべき事項をまとめさせていただいております。基本方針の2003に盛り込まれました三位一体の改革は、当面、18年度までの改革というふうにされておりますけれども、税財政面における地方分権改革の第一歩と位置付られるべきものであろうということにさせていただいております。そして、分権改革をさらに推進していくためには、その成果の上に立ちまして、5月23日の意見の方向を目指して、不断の取り組みが必要だ、こういう認識を書かせていただいております。
  それから、その下の「また」の段落でございますけれども、16年度は実質的な意味で三位一体の改革の初年度でございまして、これから予算編成に入っていくわけでございますけれども、このことを踏まえますれば、それにふさわしい内容・規模の改革が行われることが必要という認識を書かせていただいております。
  それから、(2)の税源移譲を含む税源配分の見直し、これは5月23日の要約のような形になってございますけれども、応益性と負担分任性という地方税の性格に十分留意しつつ、税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系の構築が必要。具体的には、個人住民税の拡充、比例税率化や地方消費税の拡充を中心に進めるべきである。それから、課税自主権のことについても触れさせていただいております。
  (3)地方交付税の改革につきましても、これは5月23日の意見と同じでございますけれども、中期的な目標のもとに計画的に地方財政計画の歳出を抑制することによりまして、交付税総額を抑制するよう努めることが必要。その際、公共団体の自助努力を促しつつ、地方歳出の見直しを進めていくことが求められる。基本方針2003の文言に触れまして、こういう書き方にさせていただいております。
  それから4ページの「また」のところから5ページにかけましては、交付税につきましても、一般財源ではございますが、国への依存財源であるところから、国庫補助負担金の廃止、縮減、そして税源移譲ということとあわせまして、地方交付税の一部も、その両者のバランスを考慮しながら、地方税に振りかえていくことに取り組む必要があるという5月23日の意見の最も基本的な考え方について再度触れさせていただいたわけでございます。
  それから、5ページの真ん中あたりの「なお」のところでございますが、これはまさに5月23日の意見の要約になってございまして、最近におきましても交付税につきまして、財源調整機能だけに特化すべきという意見がみられますので、この財源保障機能の必要性につきまして、ごく簡単に要約して触れさせていただいております。
  5ページの下の方(4)国庫補助負担金の廃止・縮減でございますけれども、これは5月23日の意見にかなり詳しく、国庫補助負担金の廃止・縮減の基本的な考え方を総括してまとめていただいておりますので、これが基本になるということ。
  それから、5ページの下の「特に」のところでございますけれども、基本方針の2003の別紙2というので国庫補助負担金等整理合理化方針というものが閣議決定されましたので、この中の重点項目、11項目と言われておりますけれども、例えば、義務教育費の国庫負担金の問題でありますとか、あるいは幼保一元の問題でありますとか、公共事業関係の一部の問題でありますとか、そういったものが重点11項目ということで、決定をされております。これらにつきましては、それぞれ着実な取り組みを推進し、地方公共団体の判断と責任において、施策を取捨選択できる領域を拡大することによりまして、住民ニーズに沿った施策の実施による行政サービスの向上ということを国民が実感できるような成果を上げるべきである。このようなまとめ方にさせていただきました。
  それから、例の同化・定着ものでございますけれども、これにつきましては、平成16年度にその全額を一般財源化。5月23日の段階では速やかに一般財源化を図るというような表現になってございましたけれども、予算編成も近づいてまいっておりますので、このような書き方にさせていただいております。
  それから、奨励的補助金の原則廃止・縮減の問題につきましては、これを着実に進めていくということが求められておりまして、各年度ごとの明確な数値目標を掲げて抜本的な改革を推進する必要があるとさせていただきました。
  さらに、最後の段落で16年度から廃止・縮減を確実に進めていく必要があるとしておりますけれども、これは先ほどご説明いたしましたとおり、16年度の予算編成が実質的に改革の初年度であるということを意識したものでございます。
  さらに6ページから7ページにかけまして、従来の当面答申に対応するような書きぶりがございますけれども、7ページをお開きいただきまして、上から5行目の段落でございますけれども、現行の通常収支にかかる財源不足補てんルールは、平成15年までとされておりまして、これから歳出の抑制、歳入の確保のための努力を傾けてまいるわけでございますけれども、17兆円という平成15年度の財源不足がございますので、来年度以降も引き続き巨額な財源不足が生ずる可能性が高こうございまして、そのような場合には、地方行財政制度の改正や地方交付税率の変更を行うとしました交付税法の6条の3第2項の規定を踏まえまして、地方財政の運営に支障が生ずることのないよう万全の措置を講ずるべきであるとさせていただきました。
  最後の(2)の地方債資金の確保でございますけれども、地方債につきましては、地方分権の推進という観点、さらには財投改革の趣旨というものを踏まえまして、毎年度改革をしてきておるわけでございますけれども、法律の義務づけられました事務の実施に必要な資金を中心に所要の公的資金、政府資金、広域業務、金融公庫資金を確保する必要があるだろう。さらに流通性の向上でありますとか、調達手段の多様化等の環境整備を行いながら、民間資金による資金調達を充実していく。こういうことが必要だというような書きぶりにさせていただいております。
  以上でございます。
○松本小委員長 ありがとうございました。
  それでは、意見の交換をお願いしたいと存じます。皆様方ご意見、ご質問等がございましたらご発言をいただきます。
  先ほど配らせていただいたんですが、全国町村会から、そして日付は昨日付になっておりますが、全国町村議会議長会から、それぞれ意見の提出がございました。
皆様の方にお配りしてございますのでご参考にしていただきたいと思います。
  それでは、どなたからでも結構ですからご意見をお願いいたします。
  区切りますか。それとも、時間的なことを考えると、1人ずつ一遍に言っていただいた方がいいですか。
  皆さん初めてご覧になっていただいておりますので……。林委員。
○林委員 もしかすると、既にご説明いただいているのかもしれませんが、9ページから10ページにかけての合併困難な市町村に対する特別の方策ということで、これは事務配分の特例ということだろうと思うんですが、合併をしたくてもできなかったところという具合に読むのか、あるいは合併をしないことを選択したというところは、どうするんだろうというのが、ちょっと気になるところなんですけれども、その場合に、現行どおり小規模なままでいることを選択した場合に、やはり、かなりの交付税が要るのではないかというぐらいに思いますが、そういう自主的に合併しないことを選択した小規模自治体は、どのように考えればいいのか。ここは合併困難である、合併の意欲はあるんだけれども、できなかったというところになっておりますので、そのあたりは一体どのように考えればいいのかということが、まず1点でございます。
  それから、15ページでございます。合併をしたところのいわゆる地域自治組織に関しては、法人格を有することも可能とするということで、15ページの1行目に段階的に一体化を図ることが適当と認められる場合という場合に、これはどのように誰がその判断をするのかというところがやはり重要なのではないか、ということは、場合によっては、申し出があれば、すべてのところが、そういうようなことになってしまう可能性もありますし、適当と認めるというのは、どういう主体がどのように考えるのかというところが、書き込みはなかなか難しいんだろうと思いますが、どのように理解をしておけばいいのかということについてお教えいただきたいと思います。とりあえず2点です。
○松本小委員長 それでは、事務局どうぞ。
○山崎行政体制課長 9ページの合併困難な市町村に対する特別な方策のところの考え方でございますが、まず、アの部分は合併をしたいんだけれども、なかなか地理的条件とか、財政的条件で受け入れる側の方の方向で合併が整わないということでございまして、これは都道府県が介在することによって、何らかの議会の議決を経て決定することができる手続を今後検討していこう。つまり新法を制定して以降、また検討していこうということでございます。
  イのところは、これも先ほど読み上げましたところのように、合併が客観的にできない。当面、合併に至ることが困難な市町村に対して、新たな広域連携の方策によって対応することについて検討を進める。
  ウでございますが、ここで事務配分特例市町村のようなことになっておりまして、それが中間報告を踏襲している部分でございます。そのような状況にある市町村というのは、今、おっしゃいましたように、合併を選択しなかったところも含めて合併をしなかったということで、なかなか困難な状況に陥る場合がある。そういったところに対応する手段として、つまり、どういう理由でありましても、合併ができなかったことによって非常に困った状況に陥られたような場合に、何かこういう手段を引き続き検討していく必要があるのではないかというふうな論理構成になっております。
  それから、15ページのところでございますが、法人格を有する地域自治組織につきましては、いろいろご議論を賜ったわけでございますが、ここは一般的には一般制度の行政区タイプで対応は可能ではないかと思っておるんでございますが、合併協議の過程におきまして、その市町村ごとのいろんな事情がございます。そういう中でいきなり一般制度では難しいよというお話があるような場合、これを導入することが考えられるんではないか。そういった意味では、合併協議の中で議論が進められるものというふうに考えております。
○松本小委員長 山崎室長、最初の質問は合併を自分で希望しないところと、合併をしたくてもできない、あるいは困難であるというところとの取り扱い。どっちも同じように交付税がいくとか、取り扱いは全く変わらないということを前提にして考えているのですかという質問が林先生の方から……。
○林委員 合併困難な市町村に対する特別な方策のところに書き込んであるもんですから……。
○香山総務審議官 ちょっと補足をします。
○松本小委員長 香山総務審議官。
○香山総務審議官 今のお尋ねは、実は余り露骨に書くのもどうかなというのが背景にはあるんですけれども、基本的には地域エゴで今回合併しないとかいうようなところは、新しい体系のもとでは都道府県の構想で必ず拾っていただこうというのを言外にも含んでいるわけで、したがって、そういうところは合併を促される団体だというふうに考えている。したがって、7ページの一番下の行で県がつくるべき構想は、現行特例法のもとで合併の至らなかった市町村で、なお、合併を行うことが必要と考えられるものということで、自ら選択してあるところは、こっちに基本的には含まれる。
  それから、今、お尋ねがありましたことに関連していきますと、そうは言っても、しかも本人が合併しようと思っているけど、周りが拒否するというのが9ページのアに書いてあるわけです。それから、ウの場合は、先ほど山崎がご説明した、多少、将来的に幅を持たせておかないといけないわけですけれども、ウは県が合併構想をつくろうとしたって、それはしょせん意味がないだろうと。こういう客観的に見て合併が無理なようなところに関して、事務配分の特例を考えていこうという体系にしてある。したがって、全体の背景としては、人口要件といいますか、目安の人口をトリガーみたいにして、それから下のところを交付税をカットするとか、そういうことはやらないということにしてあるわけです。ただ、自分たちで選択しないところも、それから客観的に合併困難なところも、それから周りが受け取らないというところも、一般的に小さなところは交付税の算定の合理化によって、これは当然減っていくだろうということで、それに対して、それぞれどういうふうに対応していただくかというのを我々期待しているということで、自分たちがやらないと言っているところは、県の構想の方で拾っていただきましょう。それから、周りが受け取らないところは、県が合併をあっせんするような仕組みで拾っていきましょう。それから、どちらも客観的に無理だと思われるところは、やはり事務配分の特例の方で考えていきましょう。こういう体系にさせていただいておるつもりでございます。
○松本小委員長 よろしいですか。貝原委員。
○貝原委員 ちょっと前回欠席をしましたので、それ以後、議論が進んでいるようですから、ちょっととんちんかんな意見になるかもしれませんが、質問も踏まえて意見を申し上げます。
  まず、8ページの一番上の行ですが、小規模な市町村、目安となる人口はおおむね1万人未満、この目安人口を出すということについて、かなり消極的な意見が多かったように思うんですが、出すとすれば、なぜ1万人なのかということについて、きちんと説明する必要があるのではないか。明治の合併が300戸、500戸、昭和が8,000人ということであれば、平成はなぜ1万人なのか。このことをしっかり説明しないといかがなものかということで質問を踏まえて意見を申し上げます。もし、どうしても入れなければいけないということであれば、ここに入れるよりは、私は4行目のところの「都道府県が、構想を策定するに当たっては、人口のほか」と、この人口のところに、何かガイドラインを入れるんだったら、入れたらいいのかなというように思いますが、私はそのこと自身も消極的なんですが、お尋ねも含めて意見を申し上げます。
  それから10ページですが、林委員の質問とも関連することではありますけれども、今、香山総務審議官の説明でも、都道府県にそのことの判断を任せて、これは合併すべき市町村なんだけれども、地域エゴで合併しない市町村だというようなことが本当にあるのだろうかという感じがするんですね。本当に合併したくても合併できないところもありましょうし、合併したくない市町村もある。それを単に地域エゴだと言って差をつけていいのかどうか、私は極めて疑問に思います。そして、その場合の措置としては、ここに書いてあるように、4行目ですね。「市町村が基礎的自治体として必要な経営基盤を有しないという自らの判断」、経営基盤を有しないということは、直ちに合併なのか。広域連合とか、一部事務組合だとか、いろんな仕組みはあり得るわけです。あるいは、県が補完的にいろんな制度をつくってバックアップするということだって考えられるわけで、これは直ちに、そのこと自体が合併につながるということで制度化するというのは、ちょっと乱暴ではないかというような気がいたします。
  それから、11ページでありますが、これも前回のものと大幅に変わりましたので、その経過がよくわからないのですが、法人格を有するbタイプについては、基礎的自治体からの独立性が強くなることを踏まえ、限定的に導入することが適当だ。合併の場合だけに限るんだ。それも期限を定めるんだという極めて消極的な考え方になっているんですね。従来からのパターンとしては、地域自治組織は、合併市町村に優先的にやるべきだという意見は確かにあったと思うんですが、その前提としては、こういう組織も全体に将来を認めるということの中で、合併市町村だけ先に制度化して模様を見てもどうかというような意見があったように思うんですが、そいう意味では、私は期限を定めてやるということは、いずれこういうのはなくなるということになるわけですね、bタイプというのは合併してしばらくしたら、10年かどうか知りませんけれども、なくなっちゃう。したがって、制度としては本来あってはならないんだというような考え方をするというのは、いかがなものか。むしろ、分権というのは多様性というものを認めていこうということですから、このようなものがたくさんあっていいのではないか。
  前々回ですか、私申し上げましたけれども、合併する市町村長がこういうことに消極的だという意見があるから、これを限定的にしようというようなことの説明があったんですが、私は、そういう立場の人は反対でしょうから、逆に合併される町村の方はこういうのを置けとおっしゃっているわけです。だから、どうも上から垂直的に統治機構として、あまり認めたくないんだという発想をするのは、ちょっと時代に合わないんじゃないのかというような意見を持っております。
  それから、地域自治組織の長は自治体の長が選任するということを法律で決めなければいけないのかどうか。そういうことは、私は基礎的自治体の条例で定めるということがあっていいのではないか。公選もあっていいのでないか。選択を基礎的自治体が設置する場合には、いろんなことを考えて設置するわけでしょうから、基礎的自治体に判断を任せてもいいのではないかというような気がいたします。
  それから、21ページの「変容を迫られる都道府県のあり方」のところですが、ここはちょっと書き方が難しいのかもしれませんが、後ろの方の道州制なんかのところを見てみますと、例えば、25ページのところなんかは、圏域全体の一層の自立に向けてグローバル化した形態の中で、真ん中の第3パラグラフですね。グローバル化した経済の中でより戦略的な役割を果たすことが期待されるということを書いてあるんですが、今の都道府県を道州にしたらどうかというような意見というのは、もっぱらここに書いてあるようなことに対する期待が非常に大きいんです。今の都道府県を前提として、都道府県の区域が狭いから合併して広くしなさいというような意見よりは、むしろ、今の圏域、広域自治体というのは、国の権限をもっとどんどん渡しなさい。渡すについては、今の都道府県ではちょっと問題じゃないですかというような意見が非常に多いと思うんです。そのことを主論として、21ページにも書いておく必要があるんじゃないかというような感じが一読していたしました。
  最後に2ページの一番上の尚書きのところ。これが基本法の結論、回答だということですが、私はこれについては、いかがなものか。もう少し21世紀向けらしい方針を、見識を出してもいいんじゃないか。見識がどうか、私自身の誤解かもしれませんが、そのように思います。
  以上です。
○松本小委員長 ありがとうございました。
  それでは、とりあえず答えられるところを答えてください。最初は目安となる人口の話、これは山崎室長ですか。
○伊藤総括審議官 いろいろご指摘をいただきまして、今の段階で答えられるものを中心にお答えを申し上げたいと思います。
  この人口要件のところでありますが、いろいろとご案内のようにご議論がありました。それで今、私どもの整理といたしましては、知事が基本構想をつくって、それからあっせん、勧告という手法で合併を今後進めることにしたらどうかという考え方であります。したがって、ここに書きましたのは、目安としての人口を構想策定の基準とさせてもらいたいということでありまして、例えば、昭和30年のころの町村合併促進法のような基礎的な地方公共団体の人口要件として、その人口を示しているわけではないんであります。したがって、あえて言いますならば、人口1万未満でも、基礎的地方公共団体で当然あり得ますし、また、皆さん方が一般に心配しておられますように、この1万人が直ちに交付税の算定措置等とは連動しないということで整理をさせていただきたいと思っておりまして、現在のような整理になっております。したがいまして、8ページの3行目の「人口のほか」、この人口のところで変えたらどうかということと、多分、同じ書き方を私どもとしてはさせていただいているつもりであります。
  それから、第2点は10ページだったでしょうか。合併困難市町村のところで、経営基盤を有しないということで、市町村が判断するときに、直ちに合併ではないのではないか。例えば、広域行政とか、その他の方法もあるのではないかというご指摘であります。それをおっしゃるとおりでありまして、非常に経営が難しくなりましても、そういう形で市町村が十分努力をなすのは当然のことかと思いますが、ここは、そういうことも万策尽きて、その団体がいろんな意味で存続し得ないというときに、そのラストステージでどういう形で、当該市町村の行政サービスを確保するか、救うかという観点から整理をさせていただいたところでありますので、書き方といたしまして、最終的に都道府県知事が議会の議決でということで整理をさせていただいています。
  ただ、このステージになるような市町村がどの程度出てくるか、また、知事会からもこの仕組みにつきましては、いろいろとご意見もございましたので、現時点においては今後検討していくということで、次の合併に関する法律の、さらに次のステージの取り扱いとして検討したらどうかなということで整理をさせていただきました。
  それから、地域自治組織につきまして、法人格を有するものを限定的に考えるのは、少々おかしいのではないかというお話をいただきました。私どもご案内のように、最初の段階では、行政区タイプとこの特別地方公共団体タイプを合併に限って入れるということで進めておりましたが、ご案内のように今回は、行政区タイプは一般的な制度として、一般的な地域制度として導入することにいたしております。したがいまして、一般制度としては、その地域自治組織は、いわゆる行政区タイプのもの、そこでただ合併に際しまして、どうしても自分たちのアイデンティティを守りたい、自分たちの個性を守りたいという団体もございまして、しかも、合併をして一体化することが望まれるかと思いますが、その一体化するまでの段階的なステージとして、もう少しその存在の強い組織を認めてくれないかという話がございますので、そういう観点から今回は限定的という形で文言は書かさせていただきました。
  ご案内のように、現在地域審議会は時限を限っておくという形で法文上書いてあります。したがって、これを最終的に法制化する段階でどう整理するか、もう少し知恵を出さなければいけないかと思いますが、先ほどご説明いたしましたように、一体性を阻害するという意見も大変強い指摘をいただきましたので、当面は限定的にという形でまとめさせていただきまして、あと法制化等の段階で細かい制度の仕組み等については考えたいと思っております。
  それから、行政区の区長さん等について選任を法律上書くのはどうか。選択に任せればいいのではないかというご指摘もございました。この点が一番いろいろ、特に政治家の皆さんからご指摘いただいたところでもありますが、もちろん、そのご指摘以外の制度設計も可能ではありますが、公選の首長のもとに公選の準首長みたいな方がいらっしゃると、なかなか行政の一体性は確保できないよという強いご懸念がございまして、したがって私どもとしては、この区長さんについては、基礎的団体の首長さんの選任という形にさせていただいたわけであります。
  それから、21ページの都道府県に関しましては、完全に質問の意味をとっておりませんので、最後の基本法の話をさせていただきたいと思います。
  2ページのところ、尚書き以下で地方自治の本旨の内容の具体化等についての記述をさせていただきました。その中で、「そのあり方については、当調査会としても引き続き検討」という表現を使わせていただいております。
  もちろん、私どももその地方自治基本法については相当な議論もございましたし、それをどう取り扱うかについては、極めて大きな問題だと考えております。前にもお話しいたしましたが、私ども現在の地方自治法、ご案内のように地方自治の基本法たる性格と実務法たる性格と、その両方を持っているのではないかと思います。さらに、平成11年の分権一括法の改正のときに、例えば、国と地方との役割分担でありますとか、立法原則でありますとか、国と地方の関与の問題等について相当の案文を書き込みましたので、この地方自治法の基本法たる性格は極めて強くなっているのではないかと思います。
  もう一つ懸念していますのは、基本法として書く場合に、どういう中身を盛り込むかということでありますが、この地方自治の本旨、これをより具体化して書くべきではないか。従来は住民自治、団体自治という形で整理いたしておりますが、例えば、今回の分権一括法のときに、一つの理念でありました自己決定、自己責任の原則をどういう形で書き込むとか、非常に大幅な議論が必要になってくるのではないかと思います。
  また、自治行政権といいますと、普通は自主立法権とか、自治財政権とか、自治組織権とか、いろんな要素があろうかと思いますが、その一つ一つについて、どれだけ書き込めるかについては、これから相当な努力も必要なのではないかと考えております。
  ただ、ご案内のように地方自治法というのは、条文350条ぐらいかと思いますが、その中には基本法的な面もありますけれども、大変実務法的な条文も多くありまして、また、枝番の枝番の条文もたくさんございます。条例による事務処理の特例とか、勧告の話とか、枝番の枝番になっておりますので、いずれ、この条文の整理は必要なのかなと考えております。
  したがいまして、財務規定等との大幅な改定のときには、多分、現在のような地方自治法として、枝番の枝番を持ったままで基本法たる性格を維持するのは少々困難かなということもありまして、将来的には多分、そうすると理念法的な部分と実務法的な部分を分けざるを得ないのかなとも考えております。
  したがいまして、その時点においては、今、ご指摘のような地方自治基本法的な法文の整理に、やがて向かわざるを得ないのではないかと考えておりますが、いずれにしろ、もう少し時間をいただきまして、今後の検討課題としてお受け止めいただければ大変ありがたいと考えております。したがいまして、地方自治基本法については、将来の課題として位置付けられることについては、私どもとしても特に意見はございません。1問だけ答えが抜けたのではないかと思いますが、とりあえず、今の段階で気づいた点だけをお話をさせていただきました。
○松本小委員長 久元課長。
○久元行政課長 21ページの変容が迫られる都道府県のあり方の中に、国の権限を今の都道府県に渡していくには、圏域が狭すぎるのではないかというご指摘をいただきました。実は中間報告では、都道府県の役割という見出しでこの点を書いておりまして、今、都道府県が国の権限の受け皿としての役割が期待されている。これまで国が担ってきた機能の一部を引き受けるなど、重要な役割を果たすことが求められているということを書いておったんですが、実は文章を簡略化する過程で、そこが抜け落ちたことは事実でございますので、今のご指摘の点も含めて、国の権限の受け皿としての役割、そして圏域との関係ということについて、21ページあるいは22ページのいずれかのところに書き込むような形で再度調整させていただきたいと思います。
○松本小委員長 最初のなぜ1万人かという話のご質問にはお答えがなかったような気がするんですけど。1万人がなぜかということ。
○山崎行政体制整備室長 9月19日に市町村関係資料というのをお示ししまして、人口、面積等の状況をご説明いたしまして、それから、それまでの明治の大合併、昭和の大合併の経緯等もご説明いたしました。そういった中から総合的に勘案しながら、現在素案を作成させていただいております。
○松本小委員長 よろしいですか。今の説明で。
○貝原委員 この段階に来てごちゃごちゃするつもりは毛頭ありませんが、8ページの人口の部分は、どうしても書かなければいけないというんだったら、4行目にせいぜい書くようにしてくださいと。これを見ると小規模市町村は1万人未満という定義付みたいになっているんです。そうでなくて、今の説明のように勧告をする、都道府県が計画をつくるときの一つの要素として、1万人をガイドラインにするんだというんだったら、僕は4行目に書いていいんじゃないかというように思います。せめてそこぐらいは配慮した方がいいんじゃないかなという感じはしますよ。
  それから、10ページの部分は今後検討するということであれば、私はここの10ページの上から7行目でしょうか。看過し得ないと認めるときは、都道府県知事が議会の議決を得て云々と具体的に書いていますね。ここまで書く必要はないんじゃないか。そういう場合の措置については今後検討するというのが、さっきの2ページの基本法のときなんかでも中身は書かずに、今後検討と書いてあるんだから、大体、書くときはそうですよ。今後検討するというときに、中身まで余り書かないのが普通なんじゃないか。そういった意味では、適正な住民サービス確保の観点から看過し得ないと認めるときの措置については、特別の手続を設けることを今後検討していく必要がある。それでだけでいいんじゃないかなというように思います。
  それから、11ページから12ページにかけてのところですが、どうしてもこう書くというんだったら、12ページの上から2行目の「期限を定めて」という部分だけはとるべきじゃないか。さっき言いましたように、期限を定めてということは合併特例法で今やっている、その期間で10年なら10年ぐらい過渡的に置くけれども、その後、制度としてないんだということになっちゃいますよね。もちろん、市町村合併というのはその後もあるわけでしょうから、制度自体としては存続するかもしれませんけれども、考え方としてはなくなっちゃうという、そこのところはおかしいのではないか。置く理由としては、合併する側の一体性、一体性ということが強調されていますが、そういう多様性を認めまいというような考え方になっちゃうんです、そういうことを言うと。むしろ、多様性を認めていきましょう。地域の自主決定、自己責任ということを強めていきましょうということですから、私は前から言っているように、大を小にするという考え方を基本にすべきだと思っていますから、市町村の合併をして小を大にするという考え方の裏返しの担保として、私はこういうものは制度としてきちんと残すべきではないか、このように思います。
  それから、2ページと21ページはご説明いただきましたので、やむを得ないのかなという感じがいたします。
○松本小委員長 2ページもこれでよろしいですね、貝原委員としては。
○貝原委員 よろしいとは思わないけど、言ってもとおりそうもないから……。
○松本小委員長 要するに、基本法という以上、私がいつも感じているのは、基本法と言った場合、基本法規のことを言っているのか、基本法というスタイルを言っているのか、よくわからないところがあるので、ここで基本法と決めつけて書くのはどうかと思うのです。中身を詰めないと、何を書くかということを詰めないと。基本法という言葉は余り正面に出さないで、むしろ、尾崎委員もおっしゃっていたのも、地方自治の本旨と基本法との関係を言っておられるから、事務当局としては、地方自治の本旨というところで読ませて、基本法とは、基本法規なのか、基本法というスタイルなのかよくわからないから、そもそもそこから問題なので、ここからは落しておこうということです。これでご理解いただければ、これで……。
○貝原委員 答申の時期はいつになるんですか。
○松本小委員長 今、13日を予定しているんでしょう、とりあえずは。
○貝原委員 選挙が済んだ後?
○松本小委員長 はい。後です。
○貝原委員 マニフェストを見ていると各党いろんなことを書いてありますね。それまで言って……。
○松本小委員長 香山総務審議官、何か意見ありますか。
○香山総務審議官 ちょっと補足させていただきますが、先ほどの合併の人口のところの話なんですが、前回大分突っ込んだ議論がありまして、この委員会でも賛成と反対というか、積極と消極の2つの意見がありました。たまたま、この席のこちらの方が積極論で、こちらにお座りの先生方が消極論が強かったように思いますが、そういう冗談を抜きにいたしまして、町村会の方と今日いただいております議長会の方も、この問題を非常に重視して、要望事項のトップに掲げてきておられます。
  文理的、法制的に読むべきものじゃないんですが、それぞれの要望には、法律上そんなことを明示すべきではないというふうに書いておられますので、基本的には法律に書くような数字にはしないというようなことも視野に入れて打開をしたいというようなつもりで、そういう意味では、気持ち的には貝原委員がおっしゃったのと同じようなつもりで書いてあるわけです。ただ、ここで場所をなぜここにしたかというのは、実はこの委員会である意見も踏まえ、それから、我々が言う実務的な流れだとかというのを考えて、県がつくる構想を小規模団体だけを狙い撃ちにするということにする案もあったんですけれども、それは適当ではないということで、7ページで構想の対象は、小規模団体ではないということをあえて書く必要があるということで、7ページの最後の2行から書き下してあるわけです。
  そういう意味で一番最初に小規模団体という言葉が出てくるんで、したがって、ここで定義をしておいた方がわかりやすかろうということで、別に数字の意味としては、貝原委員がおっしゃったようなつもりで書いてあるわけです。ただ、構想が小規模団体だけを狙い撃ちするべきじゃないということをはっきりさせておいた方がいいんじゃないかということもあって、この7ページの下2行から書き起こしてあるので、その点を考えて数字の入れ場所がどういったところかというふうにご判断いただけたらというふうに思っておるわけです。
  この書きぶりももちろんご意見があるかもしれません。私どもとしては、町村会等に配慮して、あえて小規模団体をあれするための構想ではないという趣旨をはっきりさせた方がいいんじゃないかというような気持ちもあります。数字については、前回消極論と積極論の両方がありましたけれども、最初に目安ぐらいならいいんではないかというようなご意見で大体集約できそうな気がしましたから、目安であるという以上は、これはきちっとした積算は必ずしもあるわけじゃないし、もちろん1万1,000は絶対対象にしなくていい、9,800は絶対対象にすべきというような意味でもないので、目安という言葉ならお許しいただけるんじゃなかろうかというようなことで書いて、一番最初に出てくる小規模市町村のところに括弧書きを付けた。しかも括弧書きにしたわけで、この数字の意味を、そういう意味で言うとできるだけ軽くしておきたいという気持ちで書いたので、その辺でさらにご意見をちょうだいできたらなというふうに思っておる次第です。
○松本小委員長 せっかく出ましたから、ここのところの書き方は、もちろん今からまだ、関係者の間での調整等がありますから、表現上、それがどういうふうに動くか、それは私どもにお任せいただきたいと思いますが、一応、どういう形でも今、総務審議官が言われたような形のもので、今回の答申の中に書くというか、触れるというか、そのことについては大体皆様方のご了承をいただけますか。今村委員。
○今村委員 ただいまの点非常に大事なことですので、合意を得られるかというご発言が出そうだったですから、その前に私は反対であります。
 この数字を出すことによって、おおげさに言えば27次の調査会の品位を非常に損なうことになるだろうと思うんです。もう既に理由は重ねて言っていますので、繰り返さないようにいたしますけれども、明治の大合併、昭和の大合併、そして今度の合併ということになってまいりますと、どんなふうに言いましても、例えば、昭和の合併のときの8,000に並ぶ数字として1万が使われることは間違いないわけです。その1万がなぜ1万かということについて、詰めた議論をしないままに雰囲気の中でそれが語られるというようなことは絶対にすべきではない。
  昭和のときには、まず中学校のというのがイメージできるような、そういう認識があったと思いますが、今回の場合には、基礎自治体における行政サービスの水準、これを危機的な状態にしないように、少なくとも現状の水準を確保し、より充実したものにする。そういう認識は合意があると思いますけれども、そこでいう基礎自治体が提供する行政サービスあるいは公共サービスというものが、福祉のことを考えているのか、水の供給のことを考えているのか、保健のことを考えているのか、教育のことを考えているのか、それによって、これは大きく動くはずであります。ですから、ここを人口1万などいうような形で何の根拠もなしにこれを出すことは大変問題がある。
  しかも、既に平成の大合併の中で合併をしている町村の中には、1万には到底満たない、例えば、数町村が集まって8,000程度の、そこまでこぎつけた自治体というのもかなりのケースあります。そういうのを見たときに、それをも含めて人口1万以下というのは、何やら概ねというふうに書いたとしても、あるいは目安としたとしても一人前ではないかのような認識を、少なくともそういう受け取られ方をする。数値を出すことについては反対したい。出す必要はない数字であると。先ほど貝原委員からおっしゃっていただいていますが、都道府県の構想については、もっともっと大きな数字が使われているのは皆さんご承知のとおりでありまして、これは出す必要がない数字であるというふうに私は思いますので、あくまで、この点については1万という数字を出すことについては、私は消極意見であります。
○松本小委員長 ほかの方、意見ございますか。
○神野委員 最後に今の問題に触れますが、全体として今日お出しいただいた素案は、これまでの中間報告を基礎にして、その後の変化を考慮しながら書き加えられているというふうに感じられますので、全体としてはこうした書き方でいいのではないかと思います。
  ちょっと気になるのは、貝原委員と同じような感覚を持つのですが、どうしても、こういうペーパーを見るとジグソーパズルの一片だけに議論が集中するんですね。私のところに来るのは、1万に賛成ですか、反対ですかとか、そういうことになるんです。ジグソーパズルの全体の図柄はどうなっているのかということがまず重要ではないかと思うんです。
  ここで多分、地方制度を考える上で、私たちは国民に自分たちの生活や社会を形成する権限をエンパワーメントするのには、できるだけ身近な公共空間に権限を落しておいた方がいいという論理が一般的に合意されている論理だと思うんです。そういう観点から言うとやや気になるのは、道府県ないしは道州制の議論になってくると、かなり行政が広域化しちゃっている、そのためという、つまり市町村の方はむしろ、今言いましたように、住民の本当のパートナーとか、参加によって下から行政を組み立てていくために必要なんだという論理で貫かれているんですが、ややもすると、道府県のところは弱くなるんです。
  貝原知事がおっしゃったニュアンスからいけば、むしろ、国民国家がうまく状況に対応できなくなっていて、むしろ下のレベルの政府でやった方がいい行政が増えてきているので、そこに拡大するという論理が、中を読むと書いてあるんですけれども、むしろ行政が広域化していくという論理が全面に出ていて、何か市町村のときの論理と道府県、道州制のときの論理が股先になっているような印象を受ける。中を読んでいくとそうでもなくて、国からいろいろ落しなさいと書いてあるんですけれども、そこら辺のトーンを、先ほど貝原知事がおっしゃったようなところを含めて、ちょっと行政が広域化しちゃっているということはトーンダウンさせた方がいいんじゃないかというのが印象です。情報化が進むと、むしろ地域住民は余り動かなくなって、本当に動きのあるところでやらなくちゃいけないところは国なり、何なりでやればいいわけですから、論理構成の使い方を少し考えた方がいいのではないかというふうに思います。
  あとは、その後対応するときに、町村会その他も心配して、例えば、地域自治組織については、先ほど貝原委員もおっしゃいましたけれども、2つのタイプの選択の委ねがほしいとかと書いてあるわけですね。これは合併のときだけですよ、bの方はということであるとすれば、少し論理を、さっき言ったような地方自治というか、分権をしていくという論理で正当化してあげた方がいいのではないかと思います。ちょっと上からのような論理が気になるので、住民の権限を増やすという観点からという論理で説明をしてあげた方がいいのではないかと思います。
  それから、広域連合やその他についても町村会は提案しているわけですから、合併しなかった場合ということだけではなくて、地方自治組織をつくるのと広域連合と両方やるというのは無理のような気もするので、何か適切にメンションしておいてあげるという親切は、その後の反応を全然触れないということではなくて、真正面から少しメンションしてあげてもいいのではないかというふうに思います。
  そういう観点から言うと、人口を書く、書かないということよりも、大体、私の知る限りではアメリカで一番効率がいいのが1万人という数字が出たり、それからヨーロッパでスカンジナビア諸国が合併をするときには、福祉が効率的なのが6,000人で、教育は8,000人というときには、その地域で自立的に公共サービスの供給や行政や財政を自立的に決定できる規模というのを基準に置いているわけです。ですから、ここの書き方も明治の大合併は幾らだったとかといっても、明治の大合併は集権のためにやったんで、余り過去がこうだったからというよりも、大体、常識的に言うと1万弱ぐらいがほかの国の目安になっているので、自立的に公共サービスを決定できる規模にするというふうに書いておいて、それがほぼ1万人ないしは、この書き方は別にしても、ほぼ大体こんな目安じゃないでしょうかという程度で落せないかという気がします。
  以上でございます。
○松本小委員長 今のご意見に対して何かございますか。時間の関係上、先に皆さんの意見を。今日は余り進んでいないので……、世古委員。
○世古委員 人口規模のことだけじゃなくてよろしいですか。私はこちらに座っていたけど、別に人口規模に賛成と言ったわけではありません。
  まず最初に人口規模のところの書き方については、なぜこの目安が出たかということをきちんと説明をするということは必要です。それが明解であればいいと思いますが、何となく目安となる人口はというのは反対です。こういう書き方についておかしいと思います。それについて理由が明確であれば書く必要もあるだろうというふうに思います。全く必要はないというふうには思いませんが、この書き方では納得しがたいという意味では、この書き方については反対です。
  あと、評議会という名称について、先だっても評議というのはおかしいという話をしたと思うんです。地域自治組織の委員になる人たちの名前を評議会としよう。評議というのは、どう考えても客観的に自分たちが担い手というよりも、少し離れたところから見るという形があります。ですから、ここは対案を出した方がいいと思うので、例えば、運営委員会とか、そういう名前ではどうか、地域自治組織の名前について運営委員会にするとか、対案です。ここは「仮称」と書いてありますが、仮称になっていると、これはそのまま通ってしまいますので、評議会というのは反対だということです。評議というのには、地域自治組織は住民自ら自治を担うということにぴったりとしない名前だという点で反対です。ですから、運営委員会とか、運営協議会とか、そういう名前にするということで提案したいと思います。
  前回の名誉職的なというのは消していただいたのはよかったと思います。無償でという実態を書いていただいたというのはよかったと思います。
  それから、全体の流れについて神野委員がおっしゃっていたこととも絡みますが、11ページのところに、「このため、行政のみならず住民も担い手となって」と書いてあるんですが、「住民が担い手となって」というふうに書くべきではないかと思うんです。要するに、今回のこの素案については、地方分権の流れ、それも政府のレベルから地方自治体への分権の流れではなくて、地域への分権の流れだと思います。地域の担い手は地域の地方自治体だけじゃなく、地域の住民や住民組織、それが担い手になるという地域分権という考え方を私は持っております。今、地方分権でやってこられたことも、そういうことの流れになるかと思いますので、住民が担い手となって地域全体の潜在力を自らつくり出していくというか、そういう仕組みをつくっていくことというふうに書くというのが必要なんじゃないかと思います。そういう意味では、その評議会というところが住民自らが地域自治組織の担い手となるということになれば、運営委員会というやり方というのがあるだろうという提案です。
  それから、地域自治組織のつくり方についてですが、地域自治組織がbのタイプについては、独立性が強くなるとなぜいけないのかということが疑問です。逆に、これからの地方分権化社会、まさに地域分権した社会では、一体性よりもそれぞれの地域が自立して、それぞれのよさを競う合う時代になっていくということを市町村の方々自らがおっしゃっているわけですね。
  ですから、一体性を国側から言うというよりも、それぞれがそれぞれの個性に応じて地域自治をつくっていくということを保障するということが必要なんじゃないかと思いますから、限定的に導入するという、この「限定的」というのと「期限を定めて」ということをとるというのが前回から言っている提案です。つまり、今回のところでは、初めて住民自らが自治体をつくれる可能性を残しているという意味では、非常に新しい視点ではないかと思います。これが地方分権の流れに乗っていく形ではないかと思うから、ここについては、「限定的に」、「期限を定めて」というところをとるというところで提案をしたいと思います。
  それから、先ほどの一番最初のところに戻って、地方分権の基本法、地方自治の基本法の名前については、まだここに書くには時期尚早じゃないかという小委員長のご意見もありましたが、2ページのところで「そのあり方」と書いてある「その」というのが代名詞になっていて、何かよくわかりませんので、そこのところに「地方自治基本法等」とか、「基本法等のあり方についてとは」というような名前を出すということについてはいかがかというふうに思っています。
  以上です。
○松本小委員長 それではまだほかの委員の方で……。
○世古委員 すみません。もう一つ忘れましたが、この専門委員会で再三、私も提案をしましたし、それから全国町村会からも出ていますが、広域連合の話ですね。市町村連合の話です。その制度化については「検討すべき」という一文を入れていただきたいと思います。これについては合併できない、もしくは地域エゴでしないというところもあるかもしれませんが、実際、自立していてしないという決断をしているところもあるわけです。そういうところは、それぞれに市町村連合をやっていくというような提案も出ているわけですから、合併しない町村について、市町村連合の制度化だけではなく、全体としての市町村連合の制度化を図って、合併だけではない選択肢を示すというのも必要だというふうに思うからです。
○松本小委員長 西野委員。
○西野委員 12ページの一般制度としての地域自治組織の仕組みのところですが、ここで基本的な機能として幾つか挙げていらっしゃいます。大ざっぱに言えば、住民に身近な基礎的自治体の事務を処理するという機能、それから、もう一つは住民の意向を反映させる機能、後者は「行政と住民や地域の諸団体が協働して担う地域づくりの中核としての機能」です。権限移譲に際しまして、とくに後者の意味での地域自治組織に対する非合併市町村の人々の期待は非常に大きいと思います。しかしここで大変気になりますのは、14ページのところで、地域自治組織の長は、基礎的自治体の長が選任するという点です。議論の末にこうなったことは承知しておりますが、ここまで地方分権の方向に向かって非常に強い流れで書かれてきたのもがここに来て地域自治組織の長は基礎的自治体の長が選任する、そして、しかもその前の13ページのところで、そこに評議会があるわけですが、名前については世古委員がおっしゃったようにいろいろ問題があると思いますが、一応、評議会として、その構成員の選任も誰がするかというと、基礎自治体の長が選任するとなっております。
  基礎自治体との一体化という観点から自由にし過ぎると問題があるということは解りますが、ここのところで、地方自治、住民自治の流れが少し薄められたという感じがするわけです。基礎自治体の長が選任してもいいんですけれども、選任しないやり方があってもいいんではないかという気もする訳で、私は、この全体の流れの中でこのところが大変気になります。
○松本小委員長 ありがとうございました。岩崎委員、ございませんか。
○岩崎委員 全体的には難しいのをよくここまでまとめたのではないかという印象ですが、やはり、新しい地方制度を考えるというスタンスをもうちょっと出すのであれば、もう少しアクセントをつけてほしい。どこをどう直したらいいかちょっとわからないのですけれど、市町村、基礎自治体はとにかく人に近づけていくということと、それから都道府県というか、広域自治体は世界的な、国際的な視野の中で自立できるだけの力を持つ、経済圏として、自由にというか、そこのリソースを最大限に活用できるようにして自立していける、グローバル化の中でつぶされないといいましょうか、そういう国家の枠を越えて世界とさしでやっていけるだけの地域単位となるという、そういう戦略的といいますか、そういうことをもっと強調することによって、基礎自治体レベルと、広域自治体レベルという2つの地方レベルのそれぞれの存在意義を少し明確に書き出すことが重要だと思います。
  都道府県も広域行政だからといって市町村と同じようなラインでいかれると、両方大きくならなくてはいけないということで、哲学の違いが見えないと申しますか、そういうことなので、広域自治体に関してはもっと戦略的な意味を打ち出す方がいいという気がします。自由貿易の流れなどを考えていきますと、日本全体で対応できないこともある地域がとりわけ決定権もあれば、対応できることもあるという意味からも国際的な視野を入れてほしいということです。
  それから、地域自治組織についてですけれど、書き方の問題だと思うのですけれども、独立性のところです。11ページの下のところで「基礎自治体からの独立性が強くなることを踏まえ、限定的に導入」と書いて、ここのところはいいんですが、15ページのところで3行目ですけれども、十分でない事情があるときは、「より独立性の高い」という形容詞、これは必要ではないのではないかという気がいたしております。十分でない事情があるときは、法人格を有する地域自治組織を設置することができるということで、さっと流してしまって、ここでより独立性が高いから特別公共団体で、だから限定して期限を限ってと、すごく言い過ぎている感じがします。法人格を有する地域自治組織というだけでも、もう独立性が高いということになるのだと思うんです。11ページのところの独立性が高いというのは、事実のような気がするんですが、15ページは形容詞的になっているので、そういう価値判断みたいなものはちょっと落した方がよろしいのではないかという気がしております。
  それから、期限を決めてというのは合併特例法の期限とか、そういうのではなくて、スタート時点はそれぞれ決めたときからの期限ですよね。ですから、特例法がなくなるとか、そういうことではないわけですよね。そこはちょっと誤解を招くのかなという気がするので、つくってからのサンセット的なものであるということがもう少し明確に出ればいいのではないかという気がしています。
○貝原委員 いやいや、サンセットであってはならんと私は言っているんです。誤解じゃないです。
○岩崎委員 いい悪いではなくて、そういう書き方がわかりにくいと申し上げるだけで、別に価値判断をしたわけではありません。
○貝原委員 わかりました。
○松本小委員長 西尾副会長どうですか。
○西尾副会長 結構です。
○松本小委員長 人口の規模について他に意見はありますか。
○林委員 多分、人口1万人というのは適正な人口でもないし、いわゆる効率的な人口という意味で使っているのではなくて、むしろ権限が拡大された基礎的自治体として、やはり人口要件として1万人は最低要るのではないかというような意味で使っておられるのではないかと思っているんです。ただ、1万人が適当かどうかというのは、ちょっとわかりませんが、むしろそこの問題よりも、1万人以下でもやるんだというところに対して、知事が構想をつくって合併を進めていくということの方が、どちらかというとそちらに議論をしなければいけないんじゃないかという気がするんです。ただ、やはり合併は進めていくんだということであれば、最低限これだけの人口はなければ、基礎的自治体としての十分な仕事ができないということであれば、そういうある程度の目安は書かざるを得ないという具合に思っております。
  ついでに府県の役割なんですけれども、今、岩崎委員おっしゃったように、現在の仕事を効率的にやろうという話ではなくて、むしろ、こういう地域が自立していくという意味で広域的な行政、広域的なニーズが非常に高まってきている。それを国がやるのではなくて、むしろ府県がやらなきゃならない。しかしながら、府県は今の規模ではできないだろうという具合に書かれているんだろうというふうに私は読みました。ですから、そこの部分がもう少し強調されれば、いいのかなというように思っております。
○松本小委員長 神野先生も、この前は人口は一応書くという方向の意見だったんでしたっけ。
○神野委員 すみません。僕は出席をできなかったので……。
○松本小委員長 実をいいますと、今、林先生が言われたのでおわかりになると思うのですけれども、書き方の問題としては、2つのアプローチがあると思います。
  1つは、ここにありますような都道府県の構想を策定するということの1つの目安として、そういう書き方がありますね。もう一つは、今、林先生がおっしゃったように、一般的に言って、基礎的自治体というものは、一般的にはこういうぐらいのものが考えられるんじゃないでしょうかという、国としてのものの考え方を示すという意味においてです。ただし、それには離島とかの地理的条件とか、そのほかの条件で、それに適合しないところもありますよということをもちろん前提にしての話です。そこのところは先生のおっしゃったとおりだと思うのです。
  だから、そういう2つの書き方がある中で、どっちが受け入れられやすいのかということ、そんなことはすべて反対だという意見とは別にしまして。もしそういうことについて、こういう書き方ならば受け入れられるのではないでしょうか。これは、この場だけの議論じゃなくて、いろんなところの場で、一方では人口の目安みたいなものを書けという主張の強い向きもあるわけですから。そういうことも考えて、書くとすれば、どういう書き方が受け入れられるのだろうということについては、ある程度弾力的に考えさせていただいて、答申案で書くとすればそういうことでいけないだろうかと思っているのですけれど。
○岩崎委員 私こっちの席で反対しましたけれども、反対した理由は法律に書くのはやめてほしいと申し上げたのでありまして、法律にそういう何万人と書くことはおかしいという意味であります。8ページに「目安となる」とか、「概ね」とか、かなり苦労して書いてあるという気がするんですが、結論から申し上げますと、この程度は書いておくべきではないかと私は考えております。
  なぜかと申しますと、小規模町村、小規模町村という言い方をかなりされていながら、小規模というのは一体どのような規模だというのが出ていないわけです。5,000人ですとか、何千人とかをみなそれぞれ考えているわけです。どのくらいの規模が小規模なのかということは、やはり何か目安みたいなものがあった方がいい。地方制度を審議する調査会としては、大体このぐらいが目安になっているということは出しても悪くはないというか、すごく積極的ではないんですけれども、そういう責任ぐらいはとった方がいいという、そういう意味です。
  しかしながら、その書きぶりですけど、「についても」の後なんですが、「この構想の主たる対象とすべき」の「主たる」というのはとってほしい。そうすると、ターゲットとしている、標的にしているという印象は、言葉の問題ですけれども、ほとんどなくなるのではないかなという気がしています。
  いろんな国の基礎自治体の規模などを見ておりますと、それぞれやる仕事によって違ってくるわけであります。例えば、フランスなどはすごく小さくても構わない。何百人でも構わない。3万6,000自治体があっても構わない。そういうことです。仕事と規模とを考えなくてはいけない。日本は基礎自治体が身近なサービスをかなりな部分やっていくということを前提としているのであれば、サービス供給のことを考えていくと、一定の目安みたいなものはあった方がいいのかなという気がしています。
  実際にいろんな国が出している人口の数値といいましょうか、基本を見ていますと、ものによってですけれども、7,0008,000、1万、場合によっては1万5,000とか大体そのぐらいなので、1万という科学的な根拠を述べよと言われたらなかなか困るんですけれども、大体そのあたりという目安となるおおよそというところに期待をして、私は今回は賛成の論陣を張ります。
○松本小委員長 今までありました意見の中で、特に事務局としてお話をしておいていただくことがありましたら。
○伊藤総括審議官 いろいろご指摘いただきました点につきましては、さらにいろいろ検討していきたいと思いますが、一、二点お話をさせていただきたいと思います。
  人口1万に関しまして、今まで合併したところはどうかというお尋ねが今村先生からございましたので、8ページの3行以下の書き方であります。「構想を策定するに当たっては……」、この中で現行合併特例法のもとで合併を行った経緯と書いてありますのは、今まで合併をやっていただいたところにつきましては、人口が1万以下の場合もあり得るわけでありますが、この経緯について考慮というのは、こういう団体は構想の対象とならないこともあるよねということで道を広げたつもりでありますので、その点、よろしくお願いいたしたいと思います。
  それから、広域連合につきましてお2人からご指摘をいただきましたが、広域連合ないし広域連携の問題でありますが、一応、10ページのイのところに町村会から市町村連合等の提案もあるわけでありますが、そこも十分頭の中に入れた上で「広域連合等の新たな広域連携の方策により対応することについて検討」ということにいたしておりまして、現在の制度の上で、さらに具体的な改革を図れるようなものがあれば、これは直ちに法制化することについては全くやぶさかではありません。
  あとの点につきましては、私どもの方も一応は私どもなりの考えを述べさせていただいておりますので、詳しい点は省略させていただきますが、評議員ないしは、その首長について公選の道を閉ざすべきではないのではないかというご指摘もいただきました。これも今までいろんな議論をしたんでありますが、やはり、一番最初に申し上げましたように、1つの地方公共団体の中で公選の首長さんが2人いると、やはりその行政の効率的といいますか、統一的な運営に支障が生ずるのは明らかでもありますし、それは私どもの経験からいってもそうですし、それから特にその点について異論が強かったのは、ある程度の人口規模を持った市長さん方、これは少なくとも法人格を持った団体についても大変厳しい見方をしておられるんでありますが、そういうことになると、1つの地方公共団体の中に独立王国をつくってしまうことになるではないかということもあって非常に強い反発をいただいております。また、国会の先生方からも、そういう点で強い指摘をいただいておりますので、私どもは一応制度として導入するけれども、時限的に概ね10年でしょうか。それを法律でどう書くかは今後の問題だと思いますが、そういう形で今回は整理をさせていただきました。
○松本小委員長 もう一つ、答えられれば答えてください。例の地域自治組織の法人格の期限の問題です。これは先ほどからの話は期限はやめるべきだとれという意見ばかり出ているのですけれど。
○伊藤総括審議官 期限は一番最初に申し上げましたように、地域審議会は時限を限っておくというのが法律上の文言です。だから、時限を限っておくというのを、ちょっと応用編で考えると時限を定めないでおけば、ずっと置くことになるだろうと思うんです。したがって、私どもとしては合併した後、ある程度一体的な運営ができるような形で行政運営をやっていただきたいもんですから、いつまでも独立王国みたいな形になりかねないものが存在することについては消極的です。ただ、どうしてもその地域で置きたいということになれば、そこは若干最終的に法制のレベルにおいて検討し得る余地があるのかなとは現在考えています。ただ、基本的な考え方としては、この法人格を持ったものにつきましては、従来からの経緯からいって、一定の時間に限っておくことにした方が妥当ではないのかなというのが私どもの考え方です。
○松本小委員長 一般的制度による地域自治組織は期限はないわけでしょう?
○伊藤総括審議官 一般的な制度の方は期限がありませんから、特別地方公共団体タイプのものも、例えば10年経ったら一般制度の方に移行していただければいいのかなと考えております。
○松本小委員長 そっちなんでしょう、主として言いたいのは。要するに、一般的制度がそういう形であるにもかかわらず、旧村単位のものだけがいつまでも法人格が残っていくということは、将来非常に歪な形になっていくという心配があるということでしょう。
○伊藤総括審議官 それはご指摘のとおりでありまして、合併に限って旧市町村単位に入れる、一方では行政区タイプは一般的な制度として入れます。したがって、旧市町村単位に独立王国みたいな形で残ることについてのご懸念、心配が現に行政をやっておられる首長さん方には極めて強いというのが一つと、もう一つは4月30日のご報告の報告を出しまして、私どもは北海道なり、長野なり、この制度は非常にいいから、ぜひ制度化してということを期待したんでありますが、現実的に市町村サイドの方から、どうしてもこの制度をというふうな意見が極めて少なかったというのもあって、また一方では先ほどから申し上げていますように、国会の先生を初めいろんなご指摘もございましたので、入れるとしても、この特別地方公共団体は難しいかなとも考えているんでありますが、入れるとしても時限的に入れるという形で最終的に整理するのがぎりぎりのところかなということで現在の整理になっております。
○松本小委員長 そのほか事務局で今のうちに言っておいていただくことはありますか。正直申し上げてもう後がありませんので、言っておかないと……、いいですか。
  それではいろんな意見をいただきましたが、委員の方々にお願いしたいのですが、今度11月7日ですか、これが最終回の専門小委員会になります。今、いただきました意見、それから、かねてからいただいております意見等も踏まえ、かつ、関係方面との意見調整もございますので、今までお聞きいたしましたいろんな意見ももちろん十分斟酌させていただきますが、同時に各方面との意見の調整等の過程で、今、おっしゃっていたようなことが必ずしも、そのまま原案の中に入らないこともありますので、そういうことについては、ひとつ私の方にお任せいただきますことをご了承いただけますか。原案作成について。よろしゅうございますか。
○貝原委員 要望ですので、お任せしますけれども、人口規模のところは非常に意見が分かれているわけですね。神野先生がご指摘になったことが基本だと思うんです。なぜ1万人なのかということについて、ちゃんと説明を書いてくださいよ。
○松本小委員長 あのとき貝原先生いらっしゃらなかったですか。資料が出まして、大体2万から3万のところを境に、非常に急激なカーブで効率性が……。
○貝原委員 それは見ていますけど……。
○松本小委員長 だから、2万、3万というわけにはいかないだろうから、最低ということではないのですが……。
○貝原委員 そこがわからないんです。
○松本小委員長 最低という言葉はよくないのですが、1万人という程度でどうだろうかということ。そういうことでしょう、素案の考え方は。
○伊藤総括審議官 構想策定で今回人口を目安として置いていますので、多分、ご指摘の点は基礎的地方公共団体の人口要件をどうするかという観点からのご指摘かと思いますが、私ども今回のやつは、構想策定の基準としての人口を目安として示すということでもありますので……。
○貝原委員 わかっているけど、見たら突然出てくるんですよ、1万人というのが。それが一般の国民からしたら非常にわかりにくいと思いますよ。皆わかっているからいいんだったら、わかっていることを書いてあげないと。だから、神野先生が言われたように、ちゃんと書いてあげたらどうですかと言っている。私はぜひそれを要望としてお願いしておきます。
○松本小委員長 それでは、そういうことを斟酌していただいて、多少説明が要るのかもしれませんね。事務局が説明を余りすると、かえってまずいんじゃないかという考え方を持っているようだけれども……。なぜ1万人かということは言った方がいいような気がしないでもないですね。
  では、そういうことで最後に次回以降の日程について、事務局より説明を願います。
○三好自治政策課長 次回専門小委員会は11月7日金曜日、時間は11時から。今日と30分違いますが、11時から1時まで場所がまた変わりまして恐縮ですが、グランドアーク半蔵門の方で開催をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○松本小委員長 では、事務局の説明のとおり、次回は11月7日金曜日、11時からグランドアーク半蔵門「光の間」において行うことといたします。11月7日の専門小委員会では、専門小委員会案を確定させていただくということになります。
  それでは、世古先生がお見えになる前だったのですが、本日の案でございますけれども、一応、今もたくさん意見が出ておりますので回収をさせていただきます。あくまでオープンでないということで、ひとつ委員の先生方にはご理解をいただきたいと思います。それでは回収してください。
  それでは、本日の専門委員会はこれにて終了させていただきます。どうもありがとうございました。



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