会議資料・開催案内等


行政手続法検討会ヒアリング会(第2回)議事要旨



1. 日時 平成16年7月9日(金)13時00分〜16時40分

2. 場所 永田町合同庁舎共用第一会議室

3.  出席者
(委員)  塩野宏座長、宇賀克也座長代理、岩渕正紀、大森政輔、小野邦久、木村裕士、近藤純五郎、常岡孝好、平岡久(敬称略)
(法務省 )倉吉敬大臣官房秘書課長、本間章一大臣官房司法法制部審査監督課長、相澤哲民事局参事官、西尾満入国管理局警備課長、鎌倉克彦大臣官房秘書課法務専門官
(外務省 )四方敬之大臣官房総務課首席事務官、臼井将人経済協力局国別開発協力課総務班長、東郷康弘経済局アジア太平洋経済協力室事務官
(文部科 学省)岩本健吾大臣官房総務課行政改革推進室長、春山浩康同室管理係長
(環境省 )江口博行大臣官房総務課課長補佐
(人事院 )石川善朗事務総局企画法制課長
(会計検 査院)太田雅都事務総長官房法規課長、内田竜雄事務総長官房総務課総括副長、宮川尚博事務総長官房法規課総括副長
(財務省 )牧田宗孝大臣官房文書課企画調整室長、菅谷祥生同課課長補佐、初谷武志国税庁課税部酒税課総括課長補佐
(総務省 (事務局))白岩行政管理局行政手続室長

4.  議題
 各府省等ヒアリング
法務省
外務省
文部科学省
環境省
人事院
会計検査院
財務省

5. 会議概要
 
  <法務省>
○時間:13時00分〜13時40分
○説明
・ 資料(意見提出手続の実態に係る資料)に基づき説明。
○質疑応答
 意見提出期間を長期に設定する際の判断基準は何か。
 一般的基準はない。当該案件を所管する原局の判断に依る。
 法律要綱案は閣議決定の対象外案件であるが、そもそも当該要綱案についてパブコメを実施するに当たり、閣議決定の存在は意識しているか。
 意識している。ただし、特に民事関係の重要法案は、閣議決定がされる前から中間試案のパブコメを実施している経緯があり、その意味では、パブコメ実施は閣議決定の有無とは関係ないともいえる。
 民事関係の重要法案はすべてパブコメを行っているのか。
 パブコメを実施しないことはまずないはず。意見提出期間の長短の問題があるくらい。
 パブコメの場合、意見を言わなければ、意見がないとして不利益な扱いを受けるのではないかというプレッシャーがあるが、パブコメ実施には、世論の趨勢を見極めようという意味合いがあるのではないか。
 確かにある。ただし、民事ではなく刑事については、サイレントマジョリティーの問題があり、必ずしも公正・中立な意見が提出されるとは限らないという危惧がある。
 監獄など施設関係の規則も、閣議決定の範囲内と考えているか。
 この点は、改めて検討して回答したい。
 サービサー法実施に係る事務ガイドラインは、処分基準のことか。
 事務ガイドラインは、サービサー法等の内容について、具体例を示し、理解しやすくしたものである。
 事務ガイドラインは、下級機関に対して発するものか。
 そうではない。
 民事基本法の法律案については積極的にパブコメを実施するのが通例(資料−法7)とある一方で、論点整理についての意見では、法律案に係るパブコメの適用範囲は各省の裁量とされたいとあり、温度差があるが。
 刑事法は、民事法と異なることを考慮し、とりあえずの意見として裁量とされたいとしたが、刑事関係の法律案を全て裁量とするわけにはいかないことも理解できる。さらに検討して回答したい。
 公安調査庁については除外すべきとする意見と、準司法的機関については除外すべきとする意見との関係は。
 準司法的機関とは、公安審査委員会を念頭に置いている。公安調査庁については、その職務の特殊性にかんがみ、除外すべきではないかということ。
 民事基本法の法律案なども、法制審議会による厳格な審議手続を経ていながら、パブコメを実施しているのであるが、公安審査委員会の場合でもよいのではないか。
 公安審査委員会は、裁判類似の手続、不服申立制度、訴訟への移行の制度が定められている準司法的機関であり、法制審議会とは性質を異にする。
 公安審査委員会については、職務の特殊性の話ではなく、職務を遂行するためにルール・メイキングを行うときに、パブコメの対象範囲からなぜ除外するかという話であり、業務の特殊性である。準司法的機関だから云々という説明についてはもっと工夫していただきたい。
 民事基本法の法律案で、法制審議会を経ないものであっても、パブコメを実施することはあるか。
 通常は、法制審にかける過程でパブコメを実施しているが、法制審を経ないものについては正確に把握しておらず、確認したい。
 (法律案に係るパブコメの適用範囲は裁量とされたいとの)意見は、刑事局のものか。
 そうである。法務省が意見として提出したものは、いずれも各局の意見を踏まえたものであるが、法務省としての意見の集約が十分ではないので、今後集約をしたい。
 
  <外務省>
○時間:13時40分〜14時10分
○説明
 外務省としては、現行パブコメ手続の対象である規制はほとんどないことから、これまで閣議決定対象案件としてパブコメを実施したことはない。
 政策立案の参考とするため、パブコメ手続に準じた手続を行ったことはあり、その例としてODA大綱、APEC・ビジネス・トラベル・カード(以下「ABTC」という。)の件等がある。以後、個別案件の説明。
  ○質疑応答
 ABTCに関する意見募集方法は、HPへの掲載のみということだが、そうすると、HPを見ない限りは、パブコメを行っていることは分からないのではないか。
 以前から民間のビジネスマン等から導入の要望が強かったものであり、要望を聞く機会を設けつつ、要望を受ける形で制度を設けたもの。したがって、関係者は注目していたと考えている。
 どのようなものについてパブコメを実施するかについて外務省としての基準はあるのか。旅券法の改正の場合はパブコメを行うのか。
 外務省の事務のうち、旅券法関係の事務は規制的性格を有する数少ない事務である。法改正の場合は、国会での審議が行われるのでパブコメは行わないだろう。施行規則の場合は、現段階では決まっていない。今後議論していきたい。
 自動執行力のある条約・協定があるのか。これらの場合、パブコメの対象となるか。
 一般的に、条約・協定の全ての条項に自動執行力があるのではなく、そのうち一部の条項が詳細な規定内容を有しており、国内法令の整備がなくとも、直接適用できることになるものがある。このようなものは、通常は行政部内の手続について定めたものなどが多いと理解しており、国民の権利義務に直接影響を及ぼすものとは想定しがたい。したがって、パブコメをかける必要性はないのではないかと考える。
 自動執行力が有するものに関して、国内法令における政令・省令に当たるような、下位の協定を結ぶようなことはあるのか。あるとすると、自動執行力を有する協定として、パブコメの対象となると考えるのか。今の話からすると、国民の権利義務に関わるものについては、外務省以外に担当する府省が必ずあるということか。
 仮に、国民の権利義務に関する内容を含む自動執行力を有する条約等があるとすれば、担当する府省があるはずである。例えば、適当な例とは言えないかもしれないが、保健医療や民間航空機の分野においては、国際保健機関や国際民間航空機機関といった国際機関からの勧告や指針などが出されるが、このようなものに対しては、各省で基準等を策定したり、政省令の改定を行ったり、告示したりして対応していると考える。
 条約その他の国際約束、条約を受けた国内法制についてパブコメを行うことは適当でないとの考えか。
 国際約束自体は、パブコメの対象とする意義は乏しいと考えている。それに関連する国内法令についてパブコメを行うか否かは別な問題であり、むしろパブコメを行った方がいいケースもあると考えている。
 ODA大綱については、被援助国からの意見を募集したのか。
 正式の手続としては行っていないが、在外公館を通じて意見は聞いている。
 このようなものは、英文も同時に公表し、外国からも意見をもらえるようにしたらどうか。
 今後検討したい。

 
<文部科学省>
○時間:14時15分〜14時40分
○説明
 資料(意見提出手続の実態に係る資料)に基づき説明。
 特に次の3点について説明。
1  パブコメの意見募集期間の平均は20日(15年度)。最近は閣議決定等で措置年限が定められている案件が多い上に、案の段階でパブコメに付し寄せられた意見について審議会で検討する時間も必要。意見募集期間は長くても「原則30日程度」とするのが限界。
2  意見が大量に寄せられた場合、口頭による意見陳述を行うことは現実的でない。また、大量の意見に対して類型ごとにまとめて回答することが可能なようにしてほしい。選択肢を示して意見募集を行うなど負担を軽減する工夫もできるのではないか。
3  法律で審議会に諮問することとされている案件については、まず審議会に政策的な内容について諮問した後、中間報告公表の段階でまず一度パブコメに付している。その結果を反映させた答申の内容を制度化するにあたって、まず省令案の要綱をパブコメに付した後に、審議会に再度諮問・答申している。その後、再度パブコメに付してはいない。パブコメを審議会の最終決定の前に行わないとパブコメが形骸化する。
○質疑応答
 事前提出資料の案件は閣議決定の対象という理解でよいか。
 よい。
 行政規則はパブコメの適用範囲に含める必要はないとの意見が提出されていたが、大学設置基準の下に作られる告示以下の扱いについて、省の方針はあるか。
 例えば大学設置基準は申請に対する認可に係るものであり、それに関する省令、告示等については申請者の権利義務に直接関係するので、パブコメは必要と認識。人事、給与等の行政内部のものはパブコメに付さなくてもよいと思うが、政府全体で考えるべきもの。
 文部科学省としては、国民の権利義務に関わるもの以外の案件はパブコメに付すべきでないとの考えか。
 一般論としては、国民の権利義務に関わらないものの、パブコメが有益である場合もあると認識しているが、そのような場合も対象とすると、現実の事務処理に影響が出るのではないか。透明性向上のための施策であれば別に情報公開という手法もある。意見をもらっても仕方のないものもあろう。
 口頭での意見陳述に反対とのことだが、当該手続を行った実績はあるか。
 ないと思う。
 選択肢による意見募集の実績はあるか。
実績はない。
 学習指導要領を改変するときはパブコメを行っているのか。
 行っている。国民は高い関心を持っており、専門家だけでなく国民の意見が重要と考える。
 審議会の手続にパブコメは役立っているか。
 審議会の中間報告をパブコメに付しているケースがあり、従来であれば利害関係者だけから意見を聴いていたところ、パブコメによりいろいろな意見が出てくるようになった。
 選択肢を示し意見募集を行うという提案については、賛否を問うということであれば、それはパブコメとは異質ではないか。意見があれば詰めて提案してほしい。

  <環境省>
○時間: 14時40分〜15時10分
○説明
 資料(意見提出手続の実態に係る資料)に基づき説明。
○質疑応答
 (適用範囲について行政庁に実施の裁量を付与すべきとの)意見は、政省令に限ってパブコメ実施を義務付け、その余は裁量とすべきという趣旨か。
 そこまで言ってはいない。最低限を制度化し、あとは裁量ということもあるのではないか。また、規制に限定すべきとも言っていない。制度設計に当たっては、一定の柔軟性の確保、事務作業量と効果の考量を御検討いただきたいという趣旨である。
 意見募集の周知方法としては、資料に掲げた方法(説明、意見交換会、HP及び記者配布)があるのか。
 そのとおり。インターネットでアクセスする者に対しては、ウェブサイトに掲載。そのほか、新聞記事・雑誌掲載となるよう記者配布や、勉強会等の出席者宛ての資料配布をするなど周知に努めている。
 法制化によりパブコメ運用の柔軟性が失われるとの指摘があるが、どういう趣旨か。
 法制化に反対ということではない。法制化に当たり、少ない人員による対応や大量の意見処理の必要といった実態を是非考慮願いたいとの趣旨。
 移入種対策小委員会の中間報告案についてパブコメを実施しているが、その後の最終報告案などについて再度パブコメを実施しているのか。
 法案が議論される国会が、まさに国民の意見反映の場である。中間報告案についてのパブコメは、法案をまとめる段階での考え方に、民意を反映させる目的で実施している。
 閣議決定の対象である廃棄物処理法施行規則案などについては、多数の意見の提出を受けながら、紋切型の対応をしているようだが。
 意見を採り入れているものもある。
 自然環境保全法関係の地域指定などは、パブコメを実施しているか。
 例えば、同類の制度である鳥獣保護区特別保護区や国立公園計画の変更などの告示はパブコメを実施している。幅広く意見をうかがおうという方針である。
 パブコメ実施にあたっての体制を整えるために例えば隣の課室から応援を頼む等の方法は。
 他課室も多忙であり、担当課室単独でやらざるを得ない。
 給付等行政に係る行政立法は、対象外とすべきということであるが、貴省の所管事項の中では具体的にどんなものがあるか。
 いわゆる補助金要網などがある。

  <人事院>
○時間: 15時10分〜15時35分
○説明
 資料(行政手続法検討会ヒアリング資料)に基づき説明
○質疑応答
 第三者機関だから考慮してほしいという趣旨は、意見提出手続を人事院独自で決めたいということか。パブコメ手続は情報収集だから、第三者機関だろうと関係ないのではないか。第三者機関との主張の趣旨をもう一度説明してほしい。
 人事院は、使用者たる政府と被用者たる公務員で構成される職員団体との中立の位置にある第三者機関。このため、例えば、(人事院規則案の)パブコメを行ったときに、政府機関がその結果を見て、その後、(人事院に)申入れできるようなものとすることはいかがかということである。
 人事院規則では、本来労使協議で決めるべき事項を決めており、そのようなものをパブコメにかけるのが適切かどうかは、難しい議論がある。しかし、そうでないものについては、国民の意見をもっと広く求めるべきではないか。TLO(国立大学教員等の大学等技術移転事業者)の事例は、労使協議とはあまり関係がない。労使協議で決めるべきものとそうでないものを仕分けすることは可能か。
 確定的なことはいえないが、仕分けは可能ではないか。
 行政は全て中立・公正でなければならないのに、中立・公正性の確保を理由にパブコメをするべきでないと言われても困るが。
 パブコメそのものが悪影響を及ぼすと言っているわけではない。あくまでも第三者機関の独立性が確保されるようになっていればいいという趣旨である。
 現行の閣議決定については、人事院は対象外であるということだが、閣議決定に行政機関と書いてあるから、人事院は行政機関ではないということか。
 人事院は閣議メンバーではないので、閣議決定に直接拘束を受けないという趣旨。
 人事院規則は人事院が人事官会議で決めるにしても、それについて市民の意見を聴くことがなぜ有害なのか。
 人事院規則がパブコメ手続の法制化の対象になることに反対というわけではない。パブコメ手続の法制化を行う場合において、第三者機関であることに配慮していただきたいということである。
 パブコメの対象とするかどうかについて、中立な第三者機関という点に理由があるかについては、色々意見がある。寄せられた意見について、(原案を)判断するための資料とすることを有害と言うのであれば疑問。
 パブコメ自体が適当でないということではなく、どういう形で制度構築がなされていくかということであると考える。人事院規則の制定に当たっては、各府省や職員団体から意見を聴いているところであり、また、広く一般に意見を伺うことということに関しては、モニター制度も実施しており、その延長線上としてのパブコメ手続は、十分に考えられると思う。
 国家公務員以外には影響のないような人事院規則について、国家公務員以外の第三者から意見が出ることはあるか。
 人事院規則の話ではないが、国家公務員の給与についての意見を聴いたモニターの結果では、様々な意見が出ていた。人事院規則の対象が公務員ということだけで、国民から意見が出ないということはないと思う。
 TLOの役員兼業の制度は、国立大学が法人化された現在でも有効なのか。
 適用対象は、試験研究機関で公務員型の独立行政法人。ただ、適用対象のほとんどは、国立大学の教官だったので、国立大学の法人化に伴い適用対象人員は減っている。

  <会計検査院>
○時間: 15時50分〜16時10分
○説明
 資料(検討事項に係る各府省等からの意見)に基づき説明。
○質疑応答
 会計検査院の所掌事務は専門的・技術的なものなのでパブコメを行わなくてよいという説明だが、非常に専門的・技術的な事項についてパブコメを行うことは重要との指摘もある。会計検査院もパブコメを行ってみれば参考になるのではないか。
 専門的・技術的というのは、例えば会計検査院の計算証明規則は検査を受ける側から提出される計算書の様式、証拠書類の提出の仕方などを定めたものであって国民の権利義務に直接関わらないということ。
 ある省庁は、実務的な面についての専門的な意見を受けて案を修正しているが。
 会計検査院の業務は国民ではなく国の機関が対象なので、そのケースと同じように考えるのはどうか。
 国民の権利義務に直接関係なければ国民が意見を述べる利益がないと考えるのはどうか。国の機関を対象とする業務の在り方について意見を述べる国民はいるのではないか。会計検査業務について国民の意見を聴くというのはあって然るべき。また、会計検査院の相手方は国の機関だけではないのではないか。
 意見ということであれば、こういう検査をしてほしいという投書等は多数受け付けており、これらについては実際の検査で対応している。
 専門的・技術的であるということは、法律から下位の政令等へ委任するものの類型の一つに過ぎない。これ以外に、会計検査院をパブコメの対象として規定することが適切でない理由はなにか。
 行政立法としては会計検査院規則があるが、国民の意見に対しては、個別に対応している。また、専門的・技術的事項についてパブコメを行うべきでないとは言わないが、対象となると思われるものが今のところない。また、会計検査院は独立機関なので、必要があれば独自に意見を求めていきたい。
 情報公開審査会規則については、直接国民と関係するものであるがどう考えるか。
 内閣府のものとほぼ同じであり、会計検査院として独自にパブコメを行う必要はないのではないか。
 憲法上の機関である会計検査院としては、国民から意見を求めるという考え方があった方が適切ではないか。現在は、例えば法律案もパブコメの対象に含めてはどうかなど幅広い議論をしているのであるから、会計検査院も、国民の意見を聴く場面、対象を幅広く考えるべき。例えば会計検査院の今後の方針について、国民の情報をもらった方がよいのではないか。
 検査そのものは本院の本質的な権限ということになるので、制度上パブコメにはなかなかなじまないのではないか。方針については、中立的な立場から決定すべきもので、それについて国民一般の意見を求めることの有用性については疑問。また、事前に案を示すことは検査院の興味の内容を(検査の)相手方に知らしめることになり、実務上の支障が生じる。

  <財務省>
○時間: 16時10分〜16時40分
○説明
 財務省のパブコメ実績について説明
 財務省として、法制化に当たっては何らかの例外規定が必要であること等を考えている旨主張
○質疑応答
 財務省が実施しているパブコメの案件数は少ないが、税務通達は、行政内部の通達であり対象外としていると思うが、会計処理や申告手法など国民生活に対して大きな影響を有するものであり、パブコメを行うべきではないか。また、税務署から、いわゆる「お尋ね文書」が送られてくるが、その性質について行政指導かどうか尋ねると、税務署により回答が異なることがあり、対応に苦慮することがある。「お尋ね文書」のように任意調査に対する実施基準があるのならば、パブコメを行うべきではないか。
 現行のパブコメの閣議決定は、許認可を中心とする規制に関するものであり、税法そのものは対象外となっている。このような御指摘があったことは、国税庁等にはお伝えしたい。
 税の基本通達は公表されているが、公表に際して、これのパブコメを行うことはありえないと考えているのか。解釈通達などを対象範囲に含めるか否かは今回の論点の一つであり、そのための資料・率直な考え方を知りたいという趣旨の質問である。
 通達についてパブコメを行った例が5件あるとのことだが、どのようなものか。それは税の基本通達とどのように違うのか。
 酒の関係の許認可に係るものである。許認可という行政行為の有無という点で、税の基本通達とは異なる。
 たばこ広告の指針も対象案件なのか。
 たばこの広告を出してもいい場所や広告の内容について、たばこ規制枠組条約の中で決められたことなどを踏まえてのものである。広告業界、たばこ会社に対する、広告の規制に関するものであり、閣議決定の対象案件と考える。形式としては、告示である。
 意見募集期間が短いにも関わらず、「酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法施行令(案)」等に関するパブコメに対しては、多くの意見が提出されている。これは、事前に関係者への周知に努めたためなのか。
 この案件は、規制緩和に関するもので、議員立法に係る政省令について意見を募集したものである。規制緩和の進め方には様々な意見があることから、立法の段階から、世間の注目を集めていたと思われ、パブコメを行った政令等についても法律の具体的要件が定められるものとなることから、高く注目されたものである。提出された意見の中には、内容が同じで、提出者だけが異なるものも多かった。4月23日に法律が成立し、9月1日に施行しなくてはならず、その間に政令、省令を作るとともに、地域指定の作業も行わなければならなかったために、短い期間しか意見の募集をできなかったものである。
 税の基本通達についてパブコメを行うと、収拾がつかなくなるという点は、理解できる。その一方で、弁護士の世界では、租税訴訟は注目されているが、それは、判断が不明確で国が負けることも多いことによる。課税が不安定になるということは不幸なことであり、基本通達の作成・改正の際には、各界の意見を反映させるような審議会のような手続はあるのか。
 現行の閣議決定は規制が対象であるが、行政立法という整理だと規制に限るわけではない。税務通達や国有財産関係も視野に入っているということを前提に対応願いたい。官房から担当に伝えてほしい。最終的にどうするかは、今後の議論次第であるが、その際には、適切な資料提出等の対応をお願いしたい。

   
 
以上
   
   なお、以上の内容は、総務省行政管理局行政手続室の責任において作成した速報版であり、事後修正の可能性がある。

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