会議資料・開催案内等



全国都道府県知事会議
(会議録)








日時: 平成15年12月1日(月)
正午〜
場所: 総理大臣官邸






全国都道府県知事会議次第


1 開会
2 内閣総理大臣あいさつ
3 全国知事会会長あいさつ
4 内閣総理大臣と知事との懇談
  休憩
5 各閣僚と知事との懇談
6 閉会





○総務大臣 総務大臣の麻生太郎です。まだ、お食事中の方もいらっしゃいましょうが、時間を節約する関係もございますので、そのままの形で開催をさせていただきます。
  議事の進行の都合上、座長を務めさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。着席をさせていただきます。
  まず最初に内閣総理大臣からごあいさつをいただきます。
○内閣総理大臣 今日は雨の中ご苦労さまです。どうぞ召し上がりながら、箸を休める必要はないですから召し上がってください。
  私は就任以来、「民間ができることは民間に」、「地方にできることは地方に」、これが政府の基本方針であります。この基本方針どおりに改革を進めてまいります。これからもこの路線は堅持していきます。
  いよいよ予算編成が始まりますが、地方については、まさに今まで補助金の問題についても、交付税の問題についても、税財源移譲についても、どれ一つとっても難しいという問題です。難しいのなら全部一緒にやろうというのが小泉内閣の方針であります。これはきちんと進めていきます。まず3年間で約4兆円削減、初年度、来年度に向けて1兆円の削減を目指してこの補助金削減を進めていく。当然、交付税の問題にもかかわってきます。税財源の問題にもかかわってきます。
  かねがね申し上げておりますように、中央の役所の役人も、なぜそんなに仕事を増やすことに関心があるのか、むしろ、仕事を減らすことを考えろと言っているんです。今までの自治省−−総務省になりましたけれども、自治省というけれども、名ばかりで実際は中央集権省だと、それを反省してくれと。本当に地方に裁量権を任せるように考えなきゃいかぬ、役人自身の発想を変えろということを言っています。地方もそのために権限が渡されるんだったら責任も重くなってきますから、責任の方は嫌だ、財源だけよこせという考えは捨てていただきたい。その中で地方の裁量権をいかに図っていくか、地方の自主性、地方の個性、特性を生かしていくか、自分たちの努力によって他の県とは違った、他の地域と違った発展の可能性がある。それがいいんだ、それでもいいんだという意欲を示していただきたい。そのやる気を政府は支援していきたいと思います。
  また、今、市町村合併が進んでおります。この問題についても大変重要な視点だと思います。現に2つや3つじゃなくて、それ以上の市町村が合併して、議会の議員の数も100 人以上いたのが、30人前後でおさまるという話は現に進んでいます。広域行政、地方の努力も必要だと思います。合併して住民のサービスが支障ないような改革も、地方にとっては自らの裁量権を拡大する、自らのできることは自分でやりたい、余り中央は口出すなと言うのだったら、その点をよく考えていただきたいと思います。
  私は都市再生ということを進めております。これは東京とか大阪だけじゃありません。稚内から石垣まで現に進んでおります。稚内については、サハリン、ロシアとの最先端都市ですから、地域の再生を考える際には構造改革特区構想も生かしていこう。地域再生本部を立ち上げましたけれども、この地域再生も生かしていこうということで、現にサハリンとの交流、あるいは礼文、利尻との交流、港の改革についても特区構想を生かして、地域の再生に生かすということが進んでおります。石垣島においてもそうです。これは離島が多い。離島の交流を促進しよう、あるいは石垣島は観光振興、今、観光立国を目指しております。こういう点についても観光振興と、いわゆる都市再生の事業を一体化していこうという改革が現に進んで、政府も支援しております。東京・大阪だけじゃありません。まさに稚内から石垣まで全国の地域再生を図っている。これが小泉改革の基本姿勢であります。都市再生と言っていますけれども、都市は東京や大阪だけじゃありません。稚内にも石垣にも都市という快適な地域をつくるというのは都市の一つの目標でありますから、全国に及ぶ都市再生を考えているんだということをよくご理解いただきたいと思います。
  私は、今後とも地域おこしや国おこしにつながる、こういう観念から「地方にできることは地方に」ということを言っているわけでありますので、その点もよくご理解をいただきまして、「地方にできることは地方に」という小泉内閣の進めた路線を皆さんのご協力のもとに進めていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。ご苦労さまでございました。(拍手)
○総務大臣 ありがとうございました。
  次に、全国知事会会長梶原岐阜県知事よりお願い申し上げます。
○梶原全国知事会会長(岐阜県) ご紹介いただきました全国知事会会長の梶原でございます。小泉総理におかれましては、さきの特別国会において首班指名を受けられ、引き続き政権運営の任に当たられますことを心からお喜び申し上げます。
  また、本日は政務極めてご多端の折りにもかかわらず、政府主催による全国都道府県知事会議を開催され、私どもの意見を申し述べる機会を設けていただいたことに対し、全国の知事を代表して厚く御礼を申し上げます。本日はあいにく都道府県議会の開会時期と重なっておりまして、全員が出席できないということは誠に残念でございます。平素から口数の多い知事も結構出てきておりますので、にぎやかにいろいろ率直な意見交換をさせていただきたいと思います。
  さて、総理におかれましては、「国から地方へ」と先ほど力強くおっしゃっていただきましたように、「国と地方の改革」を構造改革の重要なテーマに掲げられ、その推進に鋭意取り組んでおられることに対し心より敬意を表したいと存じます。特に、この度は三位一体改革の推進について政権公約で明らかにされ、その実現のため、総理自ら1兆円規模の国庫補助負担金の廃止・縮減と併せて、税源移譲について関係閣僚に直接指示されるなど、強力なリーダーシップを発揮されていることは誠に心強く、地域住民を代表する立場から、地方自治六団体を挙げて高く評価させていただいております。
  地方分権は「国対地方自治体」という単なる行政内部の問題ではなく、地域の自由を拡大し、より住民に身近なところで政策決定や税金の使途決定が行われ、住民の意向に沿った政治行政を行うことを可能とする真の地方自治、国民主権を実現するための構造改革でございます。また、これを進めることが国と地方を通じた財政再建にもつながるものと確信いたしております。
  私どもといたしましては、日本の現状を憂え、日本の将来のため、目先の利害を乗り越えて、小異を捨てて大同につくという同志的結束のもと、総理が決断された「国と地方の改革」に呼応し、この度全国知事会はもちろん、地方自治六団体がともに立ち上がった次第であります。
  今日までの歴史の流れを振り返りますと、明治前半期の自由民権運動が国会開設につながり、昭和3年の第1回普通選挙においては、立憲政友会は「中央集権から地方分権へ」のスローガンで闘われました。その後75年を経て、今日、地域の自由と住民の権利を高める「国から地方へ」の構造改革が大きく第一歩を踏み出そうとしているところであります。まさに「平成の自由民権改革」とも称されるべきであり、誠に感慨深いものがございます。
  終わりに、内政・外交ともに重要課題が山積する中、政治・経済・社会の構造改革に果断に取り組んでおられる総理のご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げますとともに、今後とも地方自治発展のため、そして真の国民主権確立のため、特段のご理解、ご尽力を賜りますようお願いを申し上げまして挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○総務大臣 ありがとうございました。報道、退室願います。
(プレス退場)

○総務大臣 ここからは地方行政に関係の深いテーマに話題を絞って意見交換をさせていただきたいと存じます。
  なお、意見交換を円滑に進めますために、大くくりのテーマとして「地方分権・地方財政」について、「地域再生・地域振興」について、そして「その他の重要課題」について設けて、この順にご発言をいただきたいと存じます。できるだけ多くの知事の方々にご発言をいただきますよう、発言をされます知事さんは、ぜひ簡潔におまとめいただきますようにお願いを申します。また、発言につきましては、各知事より挙手をいただき、議事進行の都合上、発言をお願いする知事さんを私の方から指名させていただきますので、あらかじめご了承をお願いいたしておきます。また、発言は着席したまま、目の前にあります機械のボタンを押していただきますと赤い電気が入りますので、それがマイクの音の入っているということを意味します。
  それでは、最初のテーマ、「地方分権・地方行財政」でありますけれども、ご発言の希望のある方から挙手をお願いを申し上げます。最初に岐阜県知事。
○梶原全国知事会会長(岐阜県) 先ほどは総理から大変力強いお言葉をいただきまして感銘いたしました。総理がおっしゃるように、私ども地方自治体は権限がほしい、財源がほしいということで立ち上がったわけではございません。この三位一体改革をやれば、お互いに痛みが出る、しかし、日本のためにあえて我々も決断しなきゃいけないということで、全国知事会として、さきに私どもの意見をまとめました。私の予想以上に全国の知事さん方の共通認識というものがあったということでございます。
  これから自己責任、あるいは競争の時代ということも、総理がおっしゃるように我々は深くそのよう認識をいたしておりました。ただその場合、税源なくして削減なしと、こう言っておりますが、安定的な基幹税の税収というものが前提にないと、我々の決断というものも無に帰してしまう。こういうことでございまして、初年度1兆円という総理ご自身の決断をしていただきまして、そのことを高く評価いたしておりますが、次にどうなっていくのか、政権公約でも構図を描いていただいておりますが、この際、総理からそういった全体像、こう考えているというお話をいただければ幸いでございます。
  そのことが、自己責任あるいは自治体間の競争ということで無駄を随分なくしていくと思います。あるいは国と地方の重複行政もございます。必ず国家財政再建にも大きく寄与するというふうに考えております。そういう意味合いを込めて、今後の具体的方向をお示しいただければと思います。
  なお、生活保護費負担金とか、児童扶養手当給付負担金とか、あるいは教職員の退職手当等にかかる経費を国庫負担対象から外すとか、我々としてはとても承服ができないような情報を得ておりますが、このことにつきましては、私たち納得できないものは断固反対をしてまいりたいと思っておりますが、具体的には今日出席の知事さん方からお話がありますので、よろしく発言を、総務大臣の方からお願いを申し上げたいと思います。
  以上でございます。よろしくお願いいたします。
○総務大臣 次に、佐藤福島県知事。
○佐藤知事(福島県) 座ったまま失礼いたします。私、過疎連盟の会長をしております。福島県には小規模町村がたくさんございます。小泉総理が進める経済、金融等の改革、行政の改革等、大変努力されていることに経緯を表しております。
  また、先ほどは大変心強い「地方でできることは地方」というお話もいただきました。その中で特に申し上げたいのは、評価しておりますが、過疎化に悩みながら必死で頑張っている地域に光を当てていくことが今政治に強く求められておると考えておるわけでございます。
  過疎地域にかかわる諸課題につきまして少し申し上げますが、過疎地域は昭和30年代以降、都市地域、日本の発展のために必死の思いで育て上げた子どもを貴重な人材として都市地域に送り出し、一生懸命育てた農産物、食料、水、さらにエネルギーを都市に供給し、また、国土の保全等の多面的機能が発揮されるよう、全国の6割にも及ぶ森林等の整備を行うなど犠牲をいとわず貢献してきております。過疎地域はこのように日本の発展に重要な役割を果たしておりますが、市場経済性、効率性の観点から過疎地域、地方市町村を犠牲にするような改革が−−そうではないと思いますが−−進められると過疎地域が滅んでしまい、そして東京だけで私は成り立たないと思っておるところでございます。
  今や過疎地域は人口の減少、高齢化の進行、耕作放棄地の増大、森林の維持保全活動の低下など深刻な問題を抱えておりまして、地域社会の消滅という危機にさらされております。1つの例を申し上げますと、新潟県と境を接する人口5,600 人弱の只見町という、これは戦後の日本の発展を支えた電源開発の地域でございまして、この町が大きな役割を果たしてきたわけでございますが、その町唯一の診療所で医師3人体制が1人になり、1人のおかげで過労で先々月倒れてしまうという状況で今日は医師がおりません。医師が過剰であるということでなかなか難しいことを言われるわけでございますが、それは都市の一部に過ぎなくて、過疎地は大変な状況にあります。隣の村は3,000 人ですが、82歳の車いすに残念ながら乗るようになりましたが、その女性のお医者さんが1人で3,000 人の村の命を守っておるところでございます。
  このような過疎地域の現状をしっかりと認識いただき、森を守り、水を守り、未来世代に美しい国土を美しいまま引き継ごうと必死に頑張っている過疎地域に対して、国として、経済の論理ばかりではなく政治家の論理、思いやりの論理で今後とも光を当て、支えていくことを明確にすべきであると考えております。こうしたことから、国が進める三位一体改革においては十分配慮をお願いしたい。特に基幹税による税源移譲がなされても、税源の偏在が歴然としている以上、過疎地域と都市地域など地方公共団体間の財政力格差が拡大することになり、地域社会、地域住民の生活の維持が困難になることは容易に想定されます。したがって、税源移譲後においても、地域社会、地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が引き続き確保されるよう、地方交付税改革に当たっては、財源保障、財源調整機能の充実・強化を図る方向で見直すべきであると考えております。
  なお、関係いたしまして、先ほどもお話がありました市町村合併についてございますが、過日、地方制度調査会の方から答申が出たようでございますが、私の県では700 人余りの村があり、尾瀬を千年にわたって守ってきております。私どもは、国の指示あるいは考え方ということを押しつけるのではなくて、総理のおっしゃるように村がどういうふうに村づくりを700 人でしていくか、村長さんは要らない、議員が要らないということであれば、そのような地方自治法の改正等も含めて村の立場で応援していくのが重要な視点であると考えております。
  総理がおっしゃるように地方のことは地方に任せる。そして国は何をやるかということをはっきりさせて、河川や基幹的な道路以外は地方に任せていただくと。経済政策とか金融政策、そういうことをはっきりさせた上で地方のことは地方に任せていただいてよろしいのではないか。人口でくくって合併を知事に、強制ではないでしょうが、合併の勧告、あっせん等を知事に任せられても、これは私どもの地方分権の理念、民主主義の基本的な考え方から見ると反することでありますので、強くこの問題については異を唱えておきたいと思います。
  短時間で意を尽くせない部分がありましたが、ご理解いただければと思います。
○総務大臣 加戸さん、愛媛県知事。
○加戸知事(愛媛県) 義務教育負担金のことでお話し申し上げたいと思います。
  「地方のことは地方で」、非常に結構なことでございます。ただ、三位一体改革の中で金額が多いがゆえにターゲットに挙がっております。義務教育は国民に対しての就学義務を国が課したものであります。全国レベルの維持は国の責任であると私は考えております。50年前にこの義務教育国庫負担金が一般財源化された期間が3年間あります。そのときは都道府県の財政状況によりまして、教員の定数減、給与のカット、全県的なアンバランスを生じた混乱の時期が3年間あり、また国庫負担に戻った経緯があります。問題は、今、一般財源化されたときに、一体県の方で当時の担当する知事の判断で、あるいはその県の財政状況で教育水準が左右されることがあってはならない、国の責任は那辺にあるのか、どこまで担保するのかという哲学、理念に基づいた対応が必要であると思っております。そんな意味で国庫補助負担金の廃止の場合のトップバッターは奨励的な補助金であって、義務教育国庫負担金は私は9番バッターであろうと思っております。そういう意味では慎重の上にも慎重を期した対応が必要であると思っています。
  小泉総理就任のときに米百俵の精神を述べられました。教育関係者は感動しました。この米百俵が米十俵や米一俵になることは絶対なってはならないと私は思います。賢明なる判断を仰ぎたいと思います。以上でございます。
○総務大臣 次、岩手県知事。
○増田知事(岩手県)  今回の三位一体改革につきまして、総理の方から明確な指示を出されたわけでございまして、これは万難を排してでも実現しようという総理の並々ならぬ決意のあらわれだということで、私は心から敬意を表したいというふうに思いますし、我々も大いにバックアップしなければいけないと、こういうふうに思っています。
  地方の考えは税源移譲をとにかく実現をするということで、これを補助金廃止と同時並行的にぜひ実現してほしいということでございます。知事会はじめ幾つかの地方団体で廃止すべき補助金名を個々具体的にリストとしてお示しをいたしました。これは地方団体の歴史の中でも初めのことでございまして、今まで中央省庁から様々な圧力があって、こうした名前を具体的には示せなかったわけでございますが、今回の個別の補助金名のリストというのは、七、八割以上の各都道府県が賛成したものを全部お示しをしたわけでございまして、これはいわば我々の期待に応えてくれた総理に対して、逆に我々もそうした総理の熱意にしっかりと応えなければならないと、こういうふうに思って皆でいろいろ作業して示したものでございます。
  義務教育の国庫負担金についても、今確かにお話もございましたけれども、やはり、こうした知事会の示したリストの重みをぜひ受け止めて改革を実行していきたいと、このようなことを申し上げるわけでございますが、大変懸念されるのはここ数日、そうした総理の意に反して中央省庁の自己保身的な動きというふうに思うんですが、そうした動きがございます。その最たるものは、先ほど知事会長も言いましたけれども、単に補助率だけを切り下げて、そして補助制度自体には何の手もつけていないというものがございます。生活保護の負担金や児童扶養手当の給付負担金4分の3を3分の2にするといったような新聞報道もあるわけですが、これは総理がおっしゃった、ねらいとしておられる地方の自由度と、それから責任を拡大するということに何のつながりもございません。ただ、数字だけを合わせるというものでございます。
  こういったような動きが一方であったり、それからあと、義務教育の国庫負担金も教職員の退職金という地方の工夫の余地のない義務的なものを移すという、これは将来に2ないし3倍ぐらいに多分膨れ上がると思いますから、これはまた地方財政にとっても大変なものでございます。さらに、経済産業省の動きを見ていましても、休廃止の鉱山の公害防止のもの、こういったものはごく一部の地域に限定されていて、応援団が非常に少ないような、そういったものを何か差し出すような動きもあって、私はこの数日の中央省庁の動きというものを大変心配しております。結果として、これは今のそういったようなことであると、総理の思いとは全く異なるものができ上がってくる可能性もございますし、それと同時に、我々も総理と二人三脚でという思いで今走っているわけでございますが、今後はそういったことが続けば、一緒に走れないというような事態にもなってしまうわけでございまして、ぜひ、総理の強いリーダーシップを最後まで各省に対して発揮をしていただきたい。
  もちろん、税源移譲すると財政力格差が拡大するわけでございますので、併せて交付税の問題、この問題も手をつけなければいけない問題だと思っております。やはり三位一体を、その考え方をぜひ最後まで実現させていただきたい、このように思います。
○総務大臣 ありがとうございます。次、山田京都府知事。
○山田知事(京都府) 京都府の山田でございます。私も基本的には今の増田知事と同趣旨でございまして、「骨太の方針」以下、総理が打ち出された構造改革の中で地方に自由度をということに共鳴して、まさに地方もこれから頑張っていかなきゃならないというやる気を出しているところなんですけれども、概算要求になりますと、それが全く消えてしまいまして、私ども不安に思っておりました。ところが、先日の総理の指示によりまして、いよいよ動き始めたという意思を、これでまた行けるんだというふうに思ったわけなんですけれども、今、増田知事がおっしゃいましたように、ところが出てきたものを見ていきますと、最近の情報では、これは全然違うものが今姿をあらわしている。
  例えば、今申しました生活保護費等の国庫負担率の引き下げですけれども、これは昭和60年に10分の8が10分の7にされて、そして平成元年に10分の7が4分の3にされたと、そして今回また、同じことが繰り返されて、4分の3が3分の2かというと、構造改革でも何でもない、単に厚生労働省のコンピュータの負担率を4分の3に、3分の2に置き換えれば、それですべてが終わってしまう。地方には何の仕事の変更もない、国の仕事も変更がない、こういうことになってしまうと、これはやる気を出せと言われても、どうやってやる気を出すのだろうということになってしまうと思いますし、義務教育、退職手当の負担の問題につきましても、去年共済費がなったときに一体私どもは何が変わったのだろう。何も変わっていない、単に8分の1、京都府で推計しますと5億円ぐらいが削られただけ、そして今年、また今度は退職手当だということになりますと、せっかく総理に構造改革を進めていただいているのに、「骨太の方針」を「骨抜きの方針」にするような、そういう動きが着々と周りで進んでいるのではないかと。私どもぜひとも総理と一緒に闘ってまいりますので、総理の断固とした対応をお示しいただきたいというふうに思います。
○総務大臣 次、鳥取県、片山知事。
○片山知事(鳥取県) ありがとうございます。私も総理のリーダーシップでこの問題が大きく前進していることを多とするものであります。その際にお願いしておきたいのは、今数人の知事さんがおっしゃられましたけれども、とかく今までの議論が量的な問題だけに偏っているのではないかと思うんです、1兆円とか4兆円とか18兆円とか。改革というのは量の問題ももちろんありますし、質の問題が重要だと思うんです。質の問題が余り省みられていないと思います。そこで、総理がおっしゃった理念、三位一体の改革の理念、「地方でできることは地方へ」という理念がどうも質の問題を点検してみますと、霞が関の中のいろんな議論とか思惑とか、掌理、障壁などで総理の志がないがしろにされている面が随分あると見受けられます。
  それは例えば一番肝心なところは、税源移譲というものがこの改革ではセットでないといけないんですけれども、現役の閣僚の中から先送り論とか出てくる。それから、これは閣僚ではないですけれども、役所の中からは、表現は悪いですけれども、やらずぶったくり、削るけれども税源は出すものはないというような、そういうことが間々出てくるのであります。これは総理の志と全く反する結果に私はなると思いますので、ぜひそういう面での質の点検をしていただきたい。これは霞が関の質の点検だと思います。
  先ほど来出ております生活保護なんかまさにその典型でありまして、その保護基準の見直しをして、全体をスリムにしようというのだったら、これは事の善し悪しは別にしまして、一種の構造改革だと思いますけれども、その水準なんか何も見直しをしないで、単に国が払っているもの、これを地方にツケ回しをするだけというのでは何の改革にもならない。結局、誰かが払うものを押しつけ合うババの押しつけ合いみたいなことになってしまうのでありまして、こんなのは改悪だと私は思います。
  それから、「地方でできることは地方で」というわけですから、例えば生活保護を地方の自主性、個性に任せていいのかというと、それは問題があると思います。国全体のセーフティネットでありますから、これこそまさに国が基準を決めて、国が一律にコントロールしなきゃいけない分野だと思います。ですから、私は総理の「地方でできることは地方で」というのは大賛成なんですが、国でやるべき分野は国が責任を持ってやるということが事の反面にないと、この改革は先に進まないのではないかと思います。ぜひ霞が関の質の点検をしていただきたいと思います。
  もう一つ、その質の問題で言いますと、合併の問題について、先ほど総理は幾つかのところでそういう合併の話が進んでいて、議員数も減るということをおっしゃられました。そのとおりなのでありますけれども、ここでも実は質の劣化が随分見られるんです。それは先ほど福島の知事さんがおっしゃいましたけれども、地方制度調査会が1万人未満の町村をどうするかという答申をされましたけれども、ああいうのは、本当に国の立場で地方を勢ぞろいさせようと、足並みをそろえさせようということで、分権とか自治の原理から遠ざかっているんです。地方自治の原理というのは、自分たちの地域のことは自分たちで決めるということが最大のポイントであります。そこを国の方が1万人未満は準禁治産者にするよとか、都道府県に面倒を見させるよとか、そういうのは自治の原点を見失っていると思います。小さければそれは大変であります。大変ですから自己責任がどうなるかわかりませんけれども、それを国が右ならえというようなことをされるのは、私は改革から遠ざかっている質の劣化だと思います。
  もう一つ、確かに合併は進んでいるんですけれども、本当に質が向上する合併ばかりかというと、必ずしもそうでもありません。合併特例債というのがありまして、合併をすると得な起債ができますよということがあるんです。自己負担がほとんどなくて、いろんな、あれもできます、これもできますというのがあるんです。それに目がくらんでいるというと表現が悪いですけれども、それを目当てに合併しようかというところもやっぱりあるんです。今次の合併というのは、市町村の質を高めてスリム化をする、無駄を省こうということが一つの眼目であるはずですけれども、合併したら、あれもこれもいっぱいできる。今、公共事業は制約されていますから、そうすると今度合併特例債の方でその代わりにいろんなことができるというので、それに目がくらんで、じゃ、合併しようかというので歳出が大膨張するわけであります。これは起債でやって、あとで交付税で返すという約束になっていますから、将来の交付税を肥大化させるわけです。
  今、来年度の交付税を削ろうとか、目先のことは一生懸命霞が関の人がやられるんですけれども、数年先に交付税が膨張することについては全く皆さん関心がない。これは20兆とも30兆とも言われるものが、これから合併を契機にしてずっと行われるわけです。とんでもないことなんです。それはまさに質の劣化を招くことでありますので、ぜひその合併についても、行政改革の一環で合併というのは大筋私は正しいと思うんですけれども、その手段というものが質の劣化を招くということがあるということをぜひご認識いただきたい。いろんな問題があると思いますけれども、日本の国と地方の財政を考えた場合には、私は合併特例債なんか、この際スパッといろんな経緯があってやめるべきだと思っているんです。
  そういうことをぜひご認識いただきたいと思います。ありがとうございます。
○総務大臣 それでは松沢神奈川県知事。
○松沢知事(神奈川県)  総理の地元の神奈川県の新しい知事の松沢と申します。よろしくお願いします。
  私は地方分権に絡んで道州制の導入について総理のご意見をお聞かせいただきたいのです。今回の総選挙で総理が総裁を務めている自由民主党の政権公約の中に地方分権改革の先行実施モデル地域として2004年度に北海道道州特別区特区の創設、そして2つ目に内閣府に担当組織を設置し、2004年度中に道州制先行プログラムを作成する。そして3としては、道州制基本法の制定など道州制導入の検討を進めること、この3つが自民党の政権公約として道州制の推進として掲げられます。
  一方で去る11月13日第27次の地方制度調査会の答申が出ました。その中には道州制、将来の形としてぜひとも検討を進めるべきだと、こういう形にもなっているんですね。またその同じ日に、11月13日に実は首都圏サミットといいまして、首都圏の4都県と4政令市でサミットをつくっているんですが、ここで私の方から地方自治法上の広域連合としての首都圏連合というのをつくったらどうかという提案もさせていただきました。ただ、この地方自治法上の広域連合、首都圏連合というのはちょっと時期尚早ということで話がまとまりませんでしたが、ただ、首都圏で連携を深めて、将来の道州制も見据えてしっかりとした自治の仕組みをつくっていくべきだと、そういう検討組織をつくることになりました。
  今、三位一体改革が議論されておりますけれども、これは幾ら税源を移譲されても、今のままの小さな都道府県も含めた形で税源を移譲されても、税源の偏在がかなり問題になってくると思います。そういう意味では、広域的な経済圏、あるいは社会経済圏を一つの自立した自治のモデルとする道州制、そして道州制においては、国の持っている権限で国がやらなければいけないこと以外はすべて道や州で自立をもって行政運営をやらせていただく、こういう形にしていくことが私は将来日本の発展にとっては極めて重要だというふうに思っております。
  そこで、総理に改めて考え方をお聞かせいただきたいのですが、総理は政権公約としてこれを掲げましたので、これは必ずやるということだと思いますが、あえてお伺いをさせていただきます。総理は本気で道州制を実現するというお考えがしっかりとあるのでしょうか。そして、もし道州制を目指すのであれば、まだまだ膨大な検討が必要でありますけれども、その推進体制というのも必要だというふうに考えます。
  しかし、自民党の政権公約では、進め方がまだまだ具体的ではありません。そこで、2点目として、自民党が政権をとった政府として、小泉総理の今後の3年間、どのような道筋で、いつまでに、どれぐらい道州制を進めていくのか、これを改めて伺いたいと思います。
  そして3点目に、今、都道府県の中で東北3県も県の連携を強めて将来の道州制の受け皿にしようという動きが出てきましたし、首都圏でも首都圏連合というような形で首都圏全体で広域行政に取り組んで、将来の道州制の受け皿をつくろうという動きが出てきました。総理は、こうした都道府県連合や、あるいは首都圏連合のような形、あり方についてどのように評価されているのか。以上3点、ぜひとも総理の政治家としての見解をいただきたいと思います。
  以上です。
○上田知事(埼玉県) 関連でよろしいでしょうか。
○総務大臣 手短にお願いします。
○上田知事(埼玉県) 埼玉県の一番新しい知事の上田清司であります。北海道を特区ということでお話がございますが、北海道だけを特区にすると、競争原理も生まれませんし、いっそのこと九州も特区に入れたらいかがでしょうかという提案であります。2つ合わせれば道州になりますので。
○総務大臣 ありがとうございました。ご意見、次に広島県、藤田知事。
○藤田知事(広島県) 今までのお話のように、大きな枠組みのあり方ではないんですけれども、本県におきましても、市町村合併が急速に進んでおります。法期限には恐らく市町村数が約3分の1になって、村はなくなるものというふうに思っております。その一方、総理のおっしゃる「地方でできることは地方で」という中で、合併していこうとする市町村さんの間から基礎的自治体でできるものは基礎的自治体でやらせてほしいという議論が非常に強くなってきております。
  例えば保健所、生活保護事務とか、福祉関係の手当支給などの住民サービスを行う福祉事務所の業務でありますけれども、これにつきましては、条例をつくって、合併した町において16年度からでも福祉事務所を設置して自分たちのところでやりたいという意欲的なところも出てきております。そうした中で本県はほとんどが市に編入されるのですが、町が幾つか残ってしまいます。そうした場合に、こういったものをすべての町でできるようにしていただきたい。
  それから、さらに申し上げますと、保健・医療や生活サービスなどに担う保健所業務について、市町村長さんからは、本来、保健・医療と福祉とは一体不可欠なものであり、できるだけ基礎的自治体で事務が行われる仕組みを検討してほしいという意見が出てきております。地方保健法等の規定によりまして、県又は人口30万人を超える政令指定都市、中核市並びに政令で定める市とされておりますけれども、ぜひそうした設置要件の緩和をいただいて、意欲と能力のある自治体が連携して共同で保健所等も運用ができる、直接密着した住民サービスは基礎的自治体ができるような仕組みをぜひともお考えいただきたいと思っております。
  ありがとうございました。
○総務大臣 地方分権、地方行財政等々につきまして、いろいろご意見をこれまでいただきましたが、これ以外にあえて、この後総理にこれまでのところでご返事をいただきますので。それでは栃木県。
○福田知事(栃木県) それでは総理の時間がないようですので、どうしても栃木県の知事としては一言お伺いをしたり、お願いをしておかなくちゃならないものですから、ご容赦をいただきたいと思っています。
  それはご承知の足銀問題でございますけれども、今回の政府の措置に対しては、私どもは大変残念に思っております。足利銀行も、ご案内のとおり今までの経営状況は大変悪い状況でございましたけれども、しかし、こんな大きくして赤字ばかり出しておりましたが、現在は分度を小さくしてきっちりと利益が出るような、毎年度500 億円程度は利益が出るような銀行にしたわけでございます。したがって、私の方から申し上げれば、あと2年と6か月猶予期間をいただければ、確実に自力で更生できたのではないかと、このように思っているわけでございます。今回は残念ながら、単なる一監査法人の言ってみれば判定基準を変えた、そのことによって債務超過に陥って、まだ起きていない金融危機を予防するために3号措置で破綻処理をした、その理由と根拠はどこにあるのか私はお伺いをしたいと思っております。
  聞くところによりますと、政府では3号処理で1兆円を超えるような公的資金を投入するという話でございますけれども、足利銀行が利益が生まれるような体質になっておりましたから、りそな型1号措置でやれば、せいぜい2,000 億程度あれば、ペイオフの全面解禁にも間に合うような形で私は再生できたのではないかと、このように思っておりまして、今回の措置を非常に残念に思っております。
  そうした中で、地元の経済界の皆さんは、今まで以上に心配しておりますのは、貸し渋りや貸しはがしがもっと強化されるのではないかというふうに心配をいたしておりまして、そういった意味では連鎖倒産や関連倒産も続々発生をするのではないかと非常に心配をいたしております。竹中大臣の談話によれば、新しい足利銀行が貸し渋りや貸しはがしをしないように一時国有化したとの話でございますので、どうぞ今後は関係省庁、あるいは政府系金融機関を挙げてそういうことが起きないように、竹中大臣の談話がうそにならないようにご配慮をお願いしたいと、このように思っております。
  また今回、りそなと違いまして株主の責任も問うと、こういう話でございますけれども、足利銀行は地域の銀行として地域の人たちには必要とされておりましたので、今回の増資に当たりましては、借金までして足利銀行の増資に協力をしたり、あるいは、あえて都銀から預金をおろして増資に協力をしたり、そんな方たちもいらっしゃったわけでありますが、そんな善良な株主の責任まで問うつもりなのか。ぜひともこの辺は、株だけは0になっちゃった、借金だけ残っちゃうと、そういう善良な株主に対して、今回特別な措置などがとれないのか、そういったことも含めてご検討いただくようにお願いをしたいというように思っております。
  以上でございます。
○総務大臣 ありがとうございました。時間の都合もありますので、これまでのところで総理からご答弁をまとめて、今までのところでご答弁をいただきたいと思いますが、基本的には今回の三位一体を大いに推進をしてもらいたいと、たたし、そのツケ回しが地方に来るというのはだめよというのが基本的な皆さん方のお話だと存じます。
○内閣総理大臣 岐阜県から栃木県までいろいろなご意見を承りました。基本的に三位一体改革、これはやらなきゃいかんと、皆さんとしても自由度の拡大、裁量権の拡大についてはまず異議がないところだと思います。問題は、補助金なりの問題についてもツケ回しは困るということだと思います。
  具体的な例を言えば、今出たのが義務教育の問題と生活保護の問題だと思います。補助金を削減して自分たちの自由度、あるいは工夫の余地がなくなっては困るという意見だと思います。この点については、既に麻生大臣にも、あるいは文科省、厚生労働省にも指示してあります。しっかりと地方の努力が報われるような改革じゃなきゃ意味がないと。ただ、補助率削減、そういうことはやるなということを言っておりますので、今後もこの補助金の問題についても、要は地方が工夫の余地が出るように、工夫の努力が実るような、そういう改革を進めていきたいと思っております。まず初年度ですから、どのように芽を出すかというのが大事だと思います。来年の問題と、それから将来にわたる中長期的な問題、両方考えながらやっていきたいと思っております。
  義務教育の問題で、これはいろいろ党内からも反対論が強いんですが、愛媛県知事は9番バッターだと言いますが、バッターであるからには、いずれ打たざるを得ないんですから、逃げることはできないんですから。米百俵も要は国全体じゃないんですよ。あれは長岡藩独自でやったんですよ。そこを考えてもらいたい。国だけやれと、地方はだめだというのだったら、むしろ地方は国の指示に従わなきゃできないんだという発想は転換してもらいたい。米百俵は国全体でやったのではないと、むしろ長岡藩の例を国が参考にしたんだということを忘れないでいただきたいと思います。
  教育の重視姿勢、これは変わりありません。教育においても社会保障の生活保護についても国がやるべき問題、その費用は国が負担します。同時に地方の工夫の余地、それを拡大していくという両方の視点が大事だと思っております。
  また、確かにこれは量だけでなく質の問題です。質ということは、それぞれの地方の意欲というものをどうやって引き出すか、その意欲がどのように現実の行政に返ってくるのかという点から考えていかなきゃならない問題でありまして、これは同時に、今言った生活保護と教育の問題においても、国の責任と地方の工夫、両方が考えていかなきゃならない問題だと思っております。
  合併もそうです。合併反対が強い地域があるのはよく承知をしております。と同時に、それでは合併しないで裁量権が発揮できるのかという問題も考えてもらわなきゃ困る。これだけ多くの地域が、3,300 程度の自治体が今のままの小さな人口規模で、自分たちの財源がないから国、面倒見てくれというのでは、地域の意欲、地域の個性というのは発揮できないんです。これは両面が必要だと。今までのことどおりやってもらいたい、国がやってくれと、そうしたら今のままがいいんですから、これでは改革にならん、両面が必要だと思います。人口が今のままの少ないところで地方の自主権が発揮できるのか、税源ないから国、面倒見てくれと、それは一番いいに決まっているんです。自分たちは税源を考えないでいい、やるべきことは全部国が見てくれる、こんないいことはないんです。それだけじゃ改革にならんと。だから、今まで補助金と交付税と税源の問題は難しかったんです。税源のあるところと税源をもらったってちっとも税収が上がってこない、これでは意味がない。そこに今までの交付税と税源との改革の難しさがあるから手をつけられなかった。これもやっていかなきゃならないから、そこに難しさがあるんですけれども、その点も両面、いいことばかりじゃない、両面を考えるのがこの改革で実に重要だと思っております。
  道州制のことですが、これは市町村合併もなかなか時間がかかるのに、道州制を二、三年でできるわけないんです。だからこそ北海道をまず最初にやってみようと。というのは、道州制になったとしても北海道の地域は変わりません。変わらないと思っています。道州制が実現した暁にも北海道にほかの県をくっつけようとか、北海道を分割してよその町に回そうという発想は出てこないと思います。だからこそ、まず北海道を道州制のモデル地域で考えてもらうと。九州、確かに道州制だからいいんですよね。これは地方の意欲がなきゃ、やる気がなきゃできない問題です。首都圏の連合においても、都道府県連合においても、地方がどういうことをやるのかということを考えても、北海道をまずこういう姿だというものを見せてもらうのにいいんじゃないかというので、私が北海道の例を挙げたんです。北海道の例を見てから、さらに意欲が出るような改革を北海道自身が案を出してくれる、今、北海道に投げています。また丸投げと言われますけれども、そうじゃないんですよ、地方の意欲を尊重するというんですから、国が押しつけちゃいかぬと。そういう面で首都圏連合でも、府県連合でも、東北でも、自分たちの知事が集まっていいことを、こう考えようというのが私は歓迎しますよ。そういうのを参考にしながら道州制をやっていこうと。これは時間がかかる問題ですが、まずは北海道から、こういうことをやりたいという意見を今出してくれと言っていますから、それを見て来年中には具体的な面も出てくると思いますので、それを参考にほかの地域も出していただければと思います。
  栃木の足利ですが、これは一昨日ですが、地元の国会議員からも大変な憤りと不安ないような体制をとってくれというようなご意見、陳情をいただいております。竹中大臣も国会議員との集まりでよく理由なり根拠を説明したと思いますが、ここであえて詳しくは触れませんが、地域の経済に影響が出ないようにできるだけのきめ細かい配慮をしていきたいと思います。今回の措置において、栃木県なり足利銀行なりのご意見はわかっておりますが、それにしても、金融の健全化のためにやむを得なかった措置であるし、混乱、不安がないように政府としてもできるだけの努力をしていきたいと思います。後ほど具体的な議論があると思いますけれども、この点については、竹中大臣がよく国会議員との懇談でもお話をしたということでありますので、今後、地域の事情も考えながら対応していきたいと思っております。
○総務大臣 ありがとうございました。ほかにご発言もあろうかと存じますが、地方分権または地方行財政につきましてはこの程度とさせていただきまして、2番目のテーマであります、「地域域再生・地域振興」につきましてご意見を伺いたいと存じますので、寺田秋田県知事。
○寺田知事(秋田県) 私からは首都機能移転についてお伺いいたします。
  今、インターネット社会など情報化が進んでおります。世界のどこでも全国のどこでも情報が得られるグローバルな社会が到来しております。大きな広がりのある時代になってきております。一方、少子高齢化の進展、人口減少時代が間近に迫ってきており、また、雇用状勢の悪化や、デフレ基調の定着などにより将来の不安、閉塞感が広がり、大変厳しい時代となっております。
  総理の構造改革への取組みにもかかわらず、なかなか将来の明るさが見えず、もはや中央集権的コントロール社会は限界に達しております。この要因を考えたとき、政治・経済・行政などあらゆるものが東京へ一極集中している中で首都機能移転が二度にわたって国会で決議されたにもかかわらず一向に進展がなく、頓挫していることであります。国土面積の3.5 %ほどの東京首都圏に全人口の4分の1を占める3,400 万人が住み、また資本金10億円以上の企業の半分以上が東京に集中しております。さらに政府機関、公団、公庫、研究機関などはじめ情報、金融、人材、権限にわたるすべてが集中している状況は、どの先進国にも見られない、まさに異常な状態だと私は思います。もし、阪神・淡路大震災並みの大災害が首都圏に起これば日本全体が危機に瀕することは必至で、首都圏はおろか、日本のすべての機能の崩壊が危惧されます。
  首都圏に住む多くの人々の命と暮らしに対する備えは万全と言えるでしょうか。首都の危機管理という点からも東京の一極集中は極めて危険であります。日本は、今、企業は21世紀での生き残りをかけて古いしがらみを捨て、新たな価値の創造に向けて懸命に取り組んでおります。国家も同じではないでしょうか。日本は東京一極集中を壊すことより新たな歴史が始まり、現状を覆う閉塞感を打ち破ることができるのではないでしょうか。総理はご自分の著書の中でも官僚王国の解体、東京一極集中の是正、そして遷都論を主張されております。どうか一刻も早く首都機能の移転を行い、さらには、一国二制度の導入なども視野に入れて、地方分権や規制緩和を進め、夢とロマンの持てる社会が始まりますよう、総理のご決断と実行力に多いに期待しております。実行する気があるのでしょうか、ひとつよろしくお願いします。
○総務大臣 真鍋香川県知事。
○真鍋知事(香川県) 香川県知事でございます。先ほど総理のご挨拶にもございましたが、地域再生・地域振興についてでございます。政府では、地域再生本部を設置されて、地域経済の活性化、地域雇用の創造というふうな観点から大変力強く取り組んでおられて、先ほども総理から大変温かいお話がございました。我々大変心強く思っておるわけでございます。
  我が県も観光振興でありますとか、産業振興について、「地方にできることは地方に」ということで頑張ってやっていこうということで取り組んでおるわけでございますが、残念ながら、今、日本の国の輸送とか物流のコスト、例えば、空港の使用料でありますとか高速道路の料金、瀬戸大橋の料金等々、非常に高コストの構造になっております。借金でつくったものをすべて通行料等々で全部払っていくということは非常に無理が出てきておる、高度成長期につくった仕組みとはちょっと合わなくなってきておるというふうに思います。
  県でも、何とか利用量を増やそうということで、岡山県等と連携をしていろんな施策をやっておりますが、それからまた、国の方で本四については、暫定的に10%料金を下げていただいております。しかしながら、なかなか思うような効果が上がっていないという状況でございます。それからしますと、今の瀬戸大橋の料金は4,100 円でございます。高速道路の料金で計算をしてみますと、高速道路並みの料金にしますと600 円でございます。何としても、四国の地域の発展ということを考えますと、ただというわけにはいかんと思いますけれども、もう少し使いやすい料金に引き下げる必要があるというふうに考えております。
  そこで、この前の総選挙でも、いろいろ料金の問題、議論がございました。やはり今後の地域振興、四国の振興ということから考えますと、何らかの抜本的な対策を講じて高速道路、瀬戸大橋をはじめした架橋、それから空港の施設利用料等々の引き下げについてお考えをいただきたいということでございます。
○総務大臣 ありがとうございました。それでは宮崎県、安藤知事。
○安藤知事 (宮崎県) 宮崎県でございます。地方における高速自動車道の整備につきましてはいろいろございますが、あえて私の方から、東九州自動車道の整備促進につきましてお願い申し上げたいと存じます。
  東九州自動車道と九州横断自動車道延岡線がございますが、既に全線が供用されております九州循環自動車道、これと合わせまして、この2路線につきましては、九州内の循環型高速道路網の形成をすることになるわけですが、本県のみならず、九州全体の一体的発展に大きく寄与する路線でございます。しかしながら、東九州自動車道につきましては、計画延長が436 キロメールございますが、供用されております部分はわずか19%でございます。九州横断自動車道延岡線に至りましては、1キロメートルもまだ供用されていない状況でございます。ネットワークとしましての機能は極めて不十分ではないかと思っておるわけでございますが、東九州地域、特に本県におきましは、高速道路の空白地帯とも言えるような状況でございます。
  本県におきまして、東九州軸あるいは南九州広域交流圏の形成を目指しまして、隣県などとともに連携をとりながら様々な取組みを進めておるところでございますが、距離にしてわずか隣県まで200 キロメートルしかない程度でありながら車では5時間もかかると、こういうのが実態でございまして、大分県・鹿児島県両県の皆さん方とも人やものの交流といいましょうか、結びつきが隣県でありながら非常に弱い状態でございます。
  また、県内におきましては、救急病院まで1時間以上、さらには2時間もかかるところがございます。ある村では、道路沿いの交通標識みたいに看板にこういうふうに書いております。「救急病院まで1時間かかるから事故には遭わないように」というようなことまで書かれているような状況でございます。
  高速道路には先般言われていますように、産業振興による地域の活性化はもとよりでございますが、救急医療や災害時の緊急輸送道路としての機能など様々な整備効果がございます。まさに本県にとりましては、明日へつながる道、命の道でございまして、高速道路は将来の生活道路でありまして、決してぜいたくな道路ではないというふうに考えているわけでございます。県民挙げて早期整備を心待ちにしております。
  したがいまして、今後の高速道路整備にあたりましては、採算性とか債務償還のみにとらわれることなく、地方の実情を十分踏まえていただき、さらには、九州の一体的な振興と国の将来展望との観点のもとから、整備の遅れた地域に対する公平性の確保といったご認識を持っていただくとありがたいと存じます。
  従来の整備速度をいささかも落とすことなく、整備計画区間でございます9,342 キロの早急の整備はもとよりでございますが、法定予定路線の着実な整備も併せて国の方の責務として推進していただきますよう強くお願い申し上げます。
  また最後でございますが、新直轄方式を含めました高速道路の整備手法とか、整備計画の策定、あるいは新組織の枠組みづくりにつきましては、地方の意見を十分反映していただきますよう、併せてお願い申し上げます。以上でございます。
○総務大臣 西川福井県知事。
○西川知事(福井県) 福井県知事の西川でございます。先ほど総理から地方のことは地方で、また自己責任、あるいは地域で切磋琢磨できる体制ということで力強い言葉をいただいたところでございますが、この点に関しまして、どうしても地方だけでできないことが幾つかあります。
  その一例でありますが、高速交通体系、新幹線のネットワークの確立であります。現在北陸新幹線を例にとりますと、富山まで決定いたしております。本年中に見直しということでございますが、まだその方針が明らかでございません。これから首都の災害が起きたとき一体どうなるんだとか、あるいは有事などをどうするんだとか、あるいは中国に新幹線の技術指導に行かれるということでございますが、これは結構ですが、日本の新幹線がまだできていないと、こういう状況だと思います。
  我々自民党の皆さん、それから各省庁、JRの皆さんにお願いしますと新幹線は必要であると言っておられます。しかし、あと少し財源がどうしてもないんだと。我々それを工夫してくださいというんですが、今、一生懸命工夫しているんだというお話をいただいております。何とかこうした問題を工夫して、これは日本の福井の北陸の新幹線じゃありません。日本全体のネットワークでございますから、ぜひこれを解決してほしいと私は思います。
  特に福井県など15基の原発がございまして、国家的な貢献をいたしておりますが、一方のこういう国家的なプロジェクトの方向が見えないということは、県民なりそういう立場から見ますと非常に納得のいかないことでございます。今非常に大事な時期でございますので、ぜひこうした基本的な問題について、構造改革という視点からご決定、方針を明らかにしてほしいと思います。北海道や九州や長崎の皆さんも同じ考え方だと思いますので、そういう基本的な国の解決すべき問題の解決する方針を出す、こういう方向をぜひおとり願いたいなと、このように思います。よろしくお願いいたします。
○総務大臣 石川静岡県知事。
○石川知事(静岡県) 静岡県知事の石川嘉延でございます。簡潔に申し上げますので、3点発言をお許しいただきたいと思います。
  まず第1点は、自然災害により住宅を失った方に対する支援制度を早期に創設をしていただきたいということであります。現在、来年度の概算要求に……。
○総務大臣 石川さん、基本的には地域再生と地域振興に絞ってお願いします。
○石川知事(静岡県) 地域再生です。この点は、阪神・淡路大震災の例を見るまでもなく、大量に住宅が滅失した場合にその地域のコミュニティの喪失、さらには地域経済の破損、大変甚大な影響が出てくる。それを復興するのに住宅の再建というのは非常に大きな意味を持つわけであります。その際に、従来は仮設住宅の供給とか公営住宅の建設など公的な住宅供給が柱になっておりましたけれども、今日の成熟した社会において、住民の方々は幅広い選択肢を要求しています。したがって、災害時の復旧に対しても、個人で住宅を建てる、それを促進する方向へ支援制度を切り換えるべきではないかと。したがって、仮設住宅、公営住宅の建設費を節約しながら個人の住宅再建支援に十分振り向けられる余地があるというふうに思います。そこで、早くこの制度を創設していただきたい。
  知事会では今年1月にその決定をいたしまして、さらに、従来、既に発足しております自然災害の生活再建支援制度と同じように、国と都道府県が半分ずつ持ち合うということであれば、300 億円は拠出しようという決定までいたしております。ぜひこの点について早期の制度設定をお願いしたい。
  それから、地域再生、地域振興に関連して、先ほどの構造改革とも関連するわけでありますけれども、例の北海道を特区にするという、道州制の特区のモデルとして採用しようというお話でありますが、これを北海道に限定しないで一定の規模、人口規模とか面積規模を持ったものについては政令県−−仮称でありますけれども、市町村に政令市があるごとく、政令県という構想でもって、そこの県には現在、道に与えようとしているような機能、権限、これを与えていただきたい。特に、例えば本県の場合を考えますと、国の出先機関は名古屋とさいたま市、両方で管轄されているわけです。あっちへ行ったり、こっちへ行ったりしなきゃいけないということでありますし、静岡県自体を考えてみますと、かなり自己完結的経済圏を形成しています。したがって、そういうところもぜひ地域再生特区という観点で政令県指定を考えていただくと、そういうこともお願いしたいと思います。
  あとの点は我慢いたします。
○総務大臣 それではあと一問、片山鳥取県知事。
○片山知事(鳥取県) ありがとうございます。地域振興ということで第一産業の振興と国の外交との関係についてお願いをしたいことがあります。
  その1つは農業でありまして、鳥取県は二十世紀梨を特産品としているんですが、この二十世紀梨を世界に輸出をしております。日本の農産物貿易は常に防戦一方ですが、私のところはたくましく輸出をしております。ただし、問題がいろいろありまして、例えばカナダでは随分昔に我が国で発生したハダニを口実にして全面輸入禁止であります。アメリカには輸出しておりますが、非関税障壁があります。非関税障壁は日本だけではありません。アメリカもちゃんと巧妙に仕組まれております。台湾で非常に人気があるんですが、台湾は輸入制限、数量制限しています。
  そういう中で、これから農業の未来を見てもっと輸出をしたいと思っておるんですが、これは国の外交で片をつけてもらわなければいけないことがもっぱらであります。数年前に、アメリカの非関税障壁の問題を外務省と農林省にお願いに行ったんですけれども、ほとんど取り合ってもらえませんでした。「そんな輸出しているんですか」というような、それぐらいの認識でありました。しょうがないので、当時のフォリー駐日大使に直接お会いをして要請しましたら、若干改善してくれましたけれども、まだまだであります。
  日本の農産物輸出はほかにもあるのかと調べてみましたらいっぱいあるんです。例えば、宮崎は木材を輸出しようとされていますけれども、そういう府県が集まりまして、今年我々で23の道府県で日本ブランド農産品輸出促進協議会をつくりました。ありがたいのは、農林省とJETROが参加をしていただきました。随分、私、霞が関の皆さんも変わられたと思って喜んでおります。この霞が関の変化をさらに一層促進していただいて、日本外交の中で第一産業、農業の輸出促進ということにもっと力を入れていただきますと、日本の農業もさらにたくましくなるのではないか。我々も地域で努力しますけれども、やはり外交というものが大きな力になりますので、お願いをしたいと思います。
  もう一つは漁業でありますけれども、鳥取県には日本海で最大の漁業基地の境港を抱えているんですけれども、今、不振であえいでおります。それはしょうがないんですが、日韓の間に暫定漁業水域がありまして、ここが今非常に混乱をしております。双方で操業するんですけれども、漁法の違いとか漁期の違いとかで、いわば無秩序操業になるわけです。日本側の方はおとなしいものですから、どうしても韓国側に占拠されてしまいまして、日本側が引き下がるということになってしまうんです。今それをどうやって解決するかということになりますと、もともと日韓の間の外交で枠組みを決めたんですが、漁業秩序の問題、資源管理の問題は民間でやりなさいということになっているわけです。したがって、鳥取県と島根県と兵庫県の魚連が先方とカウンターパートと話し合っているんですけれども、なかなからちが明きません。最後、例えばこん棒でなぐるとか、羽交い締めするわけにいきませんので、何となくこっちが引き下がるようなことになるのであります。これはぜひ外交で片をつけていただきたい。民間でできることは民間でやると、これはいいと思うんですけれども、外交は国でないとできませんので、国でやるべきことは国でやっていただきたいと思うのであります。外務大臣なんかも今イラクとかいろんなことで大変だと思いますけれども、中には連休のころにヨーロッパを行かれたりすることもあるようで、ああいうことがあるならば、ぜひ燐国の韓国に行っていただいて、日韓の漁業問題を外交面でぜひ片をつけるという努力をしていただきたいと思うのであります。
  まだまだ日本は一次産業は必要だと思います。これからも必要だと思います。ぜひそのために外交の力を発揮していただきいと思います。
○総務大臣 ありがとうございました。それではまだあろうかとは存じますが、基本的に今までのご質問のところで、秋田から東京一極集中の話、それから香川から本四架橋等々、宮崎県も同じように高速自動車道の話、また、福井県からは新幹線等々、ほかにも石川・片山知事からそれぞれお話があったところでもありますので、これまでのところでご発言に対し、総理の方からご発言をお願い申し上げます。
○内閣総理大臣 いろいろご意見が出ましたが、私は基本的に首都機能は移転した方がいいという論者なんです。東京だけに集中するのは好ましくない。私の内閣の仕事はたくさんありまして、あれもこれもやろうといったって一挙にできるわけじゃないんです。この点は時期というのがありますからね、そういう点で私の内閣において現実の課題になっていないということは事実でありますが、基本的に東京だけにすべて一極集中が、国土全体を考えてみても、あるいは災害の場合を考えてみても好ましいものとは思っていません。これは今でも大事な視点だと思っております。
  また高速道路、新幹線がありますが、山崎副長官が福井県出身だから、この件についてはよく伺っているんですよ。しかし考えてみれば、新幹線も高速道路も空港も全部つくってくれというんですよね、日本の全知事。それは国がやってくれと。これは、意見はわかりますが、交通全体を考えれば、財源も考えれば、空港も新幹線も高速道路もあればいいに越したことはないんですけれども、その点は整合性をとって考えなきゃいかぬと。交通体系全体、それから採算性、費用対効果、これも考えていかなきゃならんと。財源が豊富なときは全部つくればいいですよ。しかし、そういう点も考えていかなきゃいかぬと思います。
  特に高速道路の場合は、現在、道路公団の民営化問題でこれから結論が出てくる時期であります。今まで予定していた、計画していたものは全部つくれという意見が圧倒的に強いんですけれども、それは政策的な効果と地域の実情と採算性を考えていかなきゃならない。民営化になった場合に、民営化会社でどの程度までできるのかと、できない点はどうやって国と地方が負担をしていくのか、あるいは民間会社を関与させていくのか、そういう点を総合的に考えて私は民営化の案を、基本的に民営化推進委員会の意見を尊重しながら考えていきたい。その点については、今まで計画していたものが全部つくれるとは限りません。これは将来、ご理解いただかなきゃならない問題だと思っております。
  観光と道路の料金の問題が出ましたけれども、安けりゃ安いというのがいいに決まっているんです。もっとも民主党のただにしろというのは、これはちょっと無理があるんですが、「だだほど高いものはない」という、どこかで誰かが負担しなきゃならないんですから、これは無理なんですけれども、料金を安くしてくれという意見はわかります。しかし、今後建設の過程でコストの削減も図っていかなきゃなりませんし、料金の引き下げもどの程度下げられるのかということも民営化案を進めていく際にも議論をよく重ねておりますので、その点はよく考えていかなきゃならない問題だと思っております。
  災害の際の住宅支援の問題、あるいは政令県の問題も出ましたけれども、この点は静岡だけではなく兵庫県からもいろいろ意見が出ております。政令県の問題は、これをやると道州制と矛盾してくるんですね。道州制というのは今の県単位をもっと広げていこうということですから、県だけでやるとなると……。
○石川知事(静岡県) 合併を促進することになる。
○内閣総理大臣 そういう点だったらわかります。県独自の政令県じゃないね。
○石川知事(静岡県) そうです。
○内閣総理大臣 そういう点は、県の首都圏連合じゃありませんけれども、県地域で、これは東北じゃありませんけれども、地域で考えて、それなりの意見を今後出していただければと思っております。
  また、農業、漁業は第一次産業、極めて我々の食生活に一番影響する問題で、これは地域の実情だけでなく、農業も漁業も外交の問題が非常に重要です。さっき二十世紀梨が輸出されて言いますけれども、単なる輸入を防ぐというんじゃなくて、日本のものは今高くてもうまいという評価がありますから、もっと農業関係者も、ただ輸入を防ぐというのではなくて、牛肉もそうですけれども、高くても日本のものはうまいと評価を得て輸出できるんだと。また日本国民においても、外国の輸入品よりも日本でつくったものが安全だと、また健康だという観点も出ていますから、余り悲観的に考えないで、受け身だけでなくて、工業と農業は違いますけれども、産業の自動車とかカメラとか円高で打撃を受ける、アメリカ製品にはかなわないと言っていたのが、今や世界で日本の自動車も日本のカメラも評価を受けているわけですから、そういう意欲も農業に持ってもらう必要があると思っています。防ぐばかりではなくて攻勢に転ずるという点がこれから農業の発展にもつながっていくんじゃないかと。そういう面からも、一次産業の重要性と外交交渉という両面を考えても、日本としては、弱い点だけに将来強める可能性も持った産業だという取組みが必要だと思っております。
  また、地域観光で、最近の農業の担い手が少なくなっていると、あるいは遊休地が増えてきたと。棚田というのは日本のふるさと、地域の環境保全という点から大事だということを多くの国民は理解しておりますので、やはり農業の持っている環境面と観光面にも何か寄与できないかなと。棚田等が担い手がいない、誰もやり手がない、荒れたままに放っておくというのだったら地域も考えてもらって、むしろ今、観光カリスマとか、地域でだめな点において、どうやって発展していたのかということを一人一人地域を探して奨励したり、意欲をかり立てるような支援も政府として行っています。さびれたところがどうして発展していくのか、現にあるんですね。鳥取だけでじゃなくて、島根だって人口が減ってしょうがないといったって増えているところもあるんですね。それは町の役場の意欲的な人が取り組んでくれている。北海道でもそうですね、東北でもそうです。さびれてだめだだめだというのではなくて、さびれた点をどうやって自分たちの工夫によって発展させていくかという点もあるわけでありますので、そういう点、地域がやる気を起こしていく、そのやる気を政府としてどうやって支援できるかということをこれからも考えていきたいと思います。
  いろいろご意見ありがとうございます。
○総務大臣 ありがとうございました。まだいろいろほかにご意見もあろうかと思いますが、「地域再生・地域振興」につきましてはこの程度とさせていただきます。
  残余の時間を使いまして、そのほか重要課題につきまして、いろいろご希望発言が寄せられておりますので、新潟県。
○平山知事(新潟県) 私の方から何点かあるんですけれども、今日は絞りまして、構造改革の問題と、原子力発電の問題について申し上げたいと思います。拉致の問題、万景峰号の問題、何かとニュースが多いんですけれども、2点に絞りたいと思います。
  まず、構造改革の問題ですけれども、総理は前から「改革なくして成長なし」ということをおっしゃっています。そのとおりだと思います。しかしながら一方で、改革すれば成長するということでもないわけでありまして、改革の方向をきちんと定めて間違いなきよう、そしてまた、この財政大幅赤字の中でそのことを成功させることの難しさも我々は感じているわけです。
  一番最初に議論のあった地方分権というのも、構造改革の重要な一つだと思います。構造改革は、私は構造調整、いわゆる資源の再配分、どれだけ思い切った構造調整ができるかということだと思いますが、1つは「官から民へ」、もう一つは民の中でもより効率の高い分野にどうやって資源が移転していくかということだと思います。その際重要なことは、やはり税制の問題とか、規制緩和とか、とるべき手段が思い切って効果を表すということでなければうまくいかないと思います。今の規制緩和を見ていますと、特区構想でやっておられます。このことについての効果は、手段としてなかなか規制緩和に対する抵抗が強い中で難しいんだと思いますけれども、できるだけこのことについて全国展開が早くできるようにしていただきたいと思います。
  例えばビジット・ジャパンという、外国からの観光の500 万から1,000 万という構造を総理は打ち出しておられますけれども、今、中国に行きますと日本のビザの問題について盛んに言われます。中国は昨年15日以内のものについてビザなしにしたのに、日本は依然として不法滞在を理由に緩和しないということについて、よく国の方に言ってほしいという問題も一つあります。
  私はやはりそれと併せて、一番最初の議論と絡むんですけれども、長期展望を持って思い切って民間がそこに投資できるようにするためには、やはり国のあり方というのがもう少し明確に出るべきだと思います。そのことにおいて、国のあり方、役割がきちんと出て、地方の役割が決まって、国庫補助負担金の改革というのもきちんと位置づけられるのだろうと思います。今の4兆円という形の中で、1兆ずつ毎年やっていく利害調整のような形ですと、国のあり方自体が見えなくなってしまう。そういう意味で三位一体の改革は、イコール構造改革という大きな国のあり方を示す中で、国民も我々も長期展望に自信を持ってこれなら何とかいけるというものにしていただきたいというふうに思っております。ぜひとも国のあり方を決めないと、今、国と地方との役割分担がないまま国庫補助負担金の移管の問題でもめるということになってしまうのではないかと思います。私どもの県で国庫補助負担金制度に関するものを見ましたところ、国の関与がむしろ税の指標としてマイナスになっているというものが60%ぐらいございます。国庫補助負担金は、原則廃止するという大きな構造改革の中の国のあり方と地方のあり方の中できちんと位置づけられるべきではないかというふうに思っていますので、国のあり方についてぜひとも明確にする方向の中で、地方分権についても位置づけていただきたい。
  それから、2番目は原子力発電の問題なんですけれども、昨年来、福島と新潟の全部の原子力発電はとまりました。一部再開されましたけれども、この議論の過程の中で一番大きな問題として今残っていますのは、維持基準に基づくシュラウト等のひびのあるものをどうするかということですが、これに対して住民がどう安心するかという問題ですが、もう一つ大きなのは、やはり推進という資源エネルギー庁と安全をつかさどる原子力安全・保安院とが同じ経産省の中に同居しているという問題に対して住民はやはり不安感を持っています。このことについて一度きちんとした、外に出すのか出さないのか、今の安全対策上問題がないのかどうかについて、ぜひとも国民ときちんと示す議論の場を設けてもらいたいということが両県の議会でも決議されています。今日、福田内閣官房長官にそのことを、中川経済産業大臣と併せて要望させていただいたところであります。このことは、ある意味でいうと国レベルの問題でありますので、総理のリーダーシップを切にお願いする次第であります。
  以上です。
○総務大臣 飯泉徳島県知事。
○飯泉知事(徳島県) 徳島県知事の飯泉でございます。
  5月の26日は三陸の南、そして7月の26日には宮城県の北部、そして9月の26日には十勝沖と、奇数月の26日には非常に大きな地震が今起きております。11月の26日も大分徳島としても警戒をいたしたわけでございますが、今回は何とかクリアをできた。特に十勝沖につきましては、向こう30年で60%の確率でと言われていたものが既に起きたと。徳島をはじめといたしまして、南海地震の関係ですが、向こう30年で40%の確率で起こるというふうに言われておりますし、過去から東南海とセットで来ると。そしてセットで来た場合には、全国で2万1,000 人の死亡が最大想定をされておりまして、徳島においても1,500 人が、そのうち、しかも1,100 人は津波で死亡するということが中央防災会議の方から言われております。
  そこで今、徳島におきましては、関係の諸県と連携をすることはもとより、県内の市町村とも連携をとりまして、県独自としてやれるものはとにかくやっていくんだと、この1,500 という数字、これは0であるべきだということで今対策を強化いたしております。しかし、県だけではこれはとてもやりきれていく問題ではございません。ぜひとも国の様々な対応策、この強化を図っていただきたい。今、地震の防災関係の対策特別措置法ということで、その中でいろいろな嵩上げの問題ですとか対応がなされてきております。しかし、特例措置をぜひともまた拡充をしていただくとともに、この緊急の対策事業の延長の問題、また特に避難所となります小中学校、この耐震化の促進ですとか、あるいは阪神・淡路ときには昭和56年、新耐震基準以前の木造住宅に非常に倒壊が目立ちました。そういう意味での木造住宅に対しての耐震化、こういったあたりについてもぜひともご配慮をお願いしたいということでございます。
  また今、総理の方から高速道路の整備のあり方についての着眼点、メルクマールとして3点いただきました。地域の効果ですとか実情、また採算性というものがあったわけでございますが、この南海地震の関係の所見、本県も含めてということですが、ちょうど10メーターほどの津波が来ると言われるエリアにつきましては、主要国道が1本しかない。そして完全にそのときにはかぶってしまうということで、その場合には住民に対しての救援ですとか、あるいはその後の復旧活動、これがとても賄いきれないということでございます。そこで高速道路、あるいは広域幹線道というもの、これがかなり構造的にも丈夫なものであるということで進められることになっております。そこでぜひともこの着眼点、地域の実情、あるいはその効果といった点で我々はこれを「命の道」と位置づけて、今いろいろお願いをしているところでございますが、総理もぜひともこの点についてお含みおきいただきたいと、このように考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○総務大臣 ありがとうございました。三重県、野呂知事。
○野呂知事(三重県) 今日は私の方は今までの話とは違いまして、環境問題から、ごみ問題についてお願いをしていきたいと思います。7か月前に知事に就任いたしまして、ちょっと大変な問題が起こりましたのが、三重県でごみをチップ化しまして、それを発電所で使おうということでやっておりましたんですが、そのRDFというチップの貯蔵槽が爆発をいたしました。その件で全国のいろんなところへご迷惑をおかけしたこと、大変申し訳なく思っております。
  実は三重県におきましても、このRDF発電も含めて、出てきたごみをどううまく処理をしていくのか、特にリサイクルだとかそういうものと同時に、電気発電エネルギーとして生かしていこうというようなことでやってきたところでございます。しかし、つらつら考えてみますと、やはり今日は最適生産、最適消費、それからごみをゼロにしていこうと、こういうことが本当の意味での資源循環型社会を構築していくためには大事なことでございます。そういうことを考えますと、どちらかというと、これまでのごみ政策は、ごみは発生するものだと、だから、焼却、埋立て、リサイクルでうまく処理していこうと、こういうことに力点を置かれてきました。これは総理がご存じかなと思うんですけれども、世界の主な国でごみの焼却施設、燃やすところが約2,500 ぐらいあるんです。ところが、そのうちの何と3分の2はこの日本なんですね。ですから、このことでもっても、いかに日本がごみを燃やすということに力点を置いてきたかということがよくわかるわけであります。しかし今、世界でごみ処理の先進国は、もう燃えるごみ、燃えないごみではなくて、資源として再利用できるものか、できないものかと、こういう区分けのもと、徹底して再利用できるものはリサイクルをやっていく。それから再利用できないようなものについては、そんなものは製造過程からつくらさない。再利用できるものに置き換えていこう、こういうことの努力をされて、今ゴミゼロ社会に向けての努力がされておるわけです。我が国でもすべての製品についての拡大生産者責任の徹底を図るというような思い切った政策も打ち出していく必要があるのではないだろうか、こう思っております。
  今のごみ処理のシステムでございますと、これは環境に対する負荷だとか、資源が浪費されておる。それから処理費がものすごくかかっておる。今後こういうふうなことをやってまいりますと、いろんな温暖化の問題、資源の枯渇の問題がありますけれども、施設の更新に伴っての膨大の費用負担だとか、それから、今どこでもこういう焼却場、処理場を建設することも非常に困難状況の中で、システム自体が破綻をするのではないか、こう考えられます。そういう意味では、これは一朝一夕にできることではありません。三重県もぜひゴミゼロ社会実現に向けて第一歩を踏み出していこうと、こういうことなんですが、やはり一地方だけではできませんので、10年、20年ぐらいを見込んでやっていく、このことは国が率先して取組みをやっていく必要がある。ぜひ、かけがいのないこの地球を子どもたちに残すために、小泉総理のひとつご英断がいただけるということが大事なことだと思っております。
  以上です。
○総務大臣 ありがとうございました。次に山梨県知事、埼玉県知事から、それぞれ治安対策の充実強化並びに警察官の増員ということを言われておりますので、山梨県、山本知事から。
○山本知事(山梨県)  山本でございます。治安対策につきましては、近年、犯罪の発生が大変増大をしておりまして、国民の安全というものが大変深刻な状況に直面いたしております。こうした状況は大都市のみならず、中小都市また町村部においても悪化が進んできております。私どもの県におきましても、刑法犯の認知件数が戦後最大となってきておるわけですが、そういう中で14年、15年につきましては、警察官の増員というものを図っていただきました。これは引き続き、もっともっと増大をしていただいて、国民に対する不安を払拭していただければというふうに思います。
  もう一つは、そのために交通安全対策基本法と同じような防犯基本法というものを制定していただくことがいいんじゃないかと思います。国におきましては、総合的な施策の策定、それから施設整備等については義務づけをしていただくということではないかと思います。公共施設とか、あるいはビル、住宅、公園等々、また車両等も防犯とか盗難、こういうものの予防を図っていくために必要な措置ではなかろうかと思います。こうした防犯に配慮して、また一方では道路とか、その他防犯灯の設置等も、また通学路の安全対策、これらについても対応を図っていただければと思います。
  いわば、こういうことに対して地域住民の各種防犯活動に対する意識の醸成とか、それに対する支援、はたまた冒頭の義務教育費の問題が出ていましたが、財源問題ばかりでなく、教育論議というものもその中へ入れまして、青少年の犯罪の低年齢化、凶悪化というものを考えたときに、その辺のことを冒頭の義教費の問題の中で考えていただくことが大事ではないかというふうにも思います。
  もう一つお願いしたいのは富士山の防災問題でございますが、火山活動、防災対策、これには防災協議会の中で最終報告の策定に向けた詰めの検討がなされておると伺っております。国におきましては、この最終報告を踏まえまして、火山観測体制の一層の充実を図っていただきたいということと、9月に確認をされました富士山東北東部の山腹の噴気活動が見られたわけでございますが、このことは未だ富士山については未解明な部分があると、こういうことだと思います。本県におきましても、環境科学研究所というものを設置しまして、火山活動はじめ自然の生態系など様々な分野からの富士山の研究を行っているわけでありますけれども、どうぞ積極的にこうした問題に対してご支援とご協力をいただき、富士山に関する研究を総合的に進めていただきたい、このことをお願い申し上げます。
○総務大臣 埼玉県、上田知事。
○上田知事(埼玉県) 埼玉県も刑法犯の認知件数が全国1位、そして警察官の一人当たりの負担が全国2位という形で、これは私が思うに、犯罪が多いので、その対応に負われ、警察官が見回りやパトロールが十分できない、それがゆえにまた抑止力がなくなって、また犯罪が増えるという完全に悪循環に陥っております。そういう状態でここ一、二年特別にご配慮は賜っておりますが、警察官の適正配置が必要ではないか。一人当たり700 人を超えるような県もあれば、一人当たり400 人ぐらいのところもあるというかなりアンバランスになっておりますので、警察官の増員に関しては、こうした適正配置について特段にご配慮を賜れば大変ありたがたいというふうに思っております。
  もう1点でありますが、首都圏で実施しておりますところのディーゼル車の排ガス規制であります。おかげさまで、測定値にもよりますが、大体大方3割ぐらい浮遊物質が減っております。そういう意味で首都圏では大変成功しておりますが、これまた全国の問題ではないかと私どもも思っておりますので、ぜひ小泉総理も私の記憶するところでは世界一厳しい排ガスをやりたいというようなことも言っておられましたので、ぜひここのところも全国規模でこうした問題を実施していただければ、いわば健康面でぜんそく、あるいはその他の様々なトータルでのコストが安くなるのではないかというふうに思っておりますので、この点もご留意いただければありがたいと思っております。
  以上です。
○総務大臣 ありがとうございました。それでは沖縄県。
○比嘉副知事(沖縄県) 沖縄県からは米軍基地の整備縮小及び米軍基地に起因する諸問題の解決についてお願いしたいと思っております。
  沖縄の加重な負担を取り除くため、米軍基地の整備縮小や日米地位協定の見直しなどの問題は、単に沖縄という一地域だけの問題ではなく、我が国の外交、安全保障をどう考えるのかという極めて国民的な問題であり、政府及び各地方公共団体、そして国民一人一人が自らの問題として受け止めていただく必要があると考えております。
  特に先月、米国において在外米軍の再編方針が示されたとのことであり、さきの日米首脳会談や米国防長官との会談において、沖縄の基地負担の軽減について認識が一致したとのことであります。ラムズフェルド米国防長官が来沖された際に、稲嶺県知事から将来の沖縄の米軍基地問題について思い切った変革を望んでいることをことを申し上げたところであります。政府におかれては、平成11年12月の閣議決定において、国際情勢の変化に対応して、在沖米軍の兵力構成等の軍事体制につき、米国政府と協議するとのことであり、この機会に沖縄の米軍基地の整理縮小の大幅な変革に向けて積極的に協議していただきたいと考えております。
  基地問題の解決促進については、これまであらゆる機会を通して政府に訴えてまいりましたが、その解決への道筋が示されないため、明るい展望が見いだせず、加えて今般、新たな米軍訓練施設の計画が示されたことから県民は強い不満を抱いております。本県における米軍基地問題の解決は、目に見える形で一歩一歩前進させることが必要ではあると考えております。政府におかれましては、本県の米軍基地問題の解決を促進するため、特段のご配慮をお願い申し上げます。ありがとうございました。
○総務大臣 佐賀県、古川知事。
○古川知事(佐賀県) 11月26日原子力防災訓練が行われまして、総理にはテレビを通じてお話をさせていただきました。余りウェブカメラの性能がよくなくて、画像が余りよくなかったんですけれども、こんなふうにして、地方と中央の間はおかげさまで非常によくつながるようになりました。問題はこれからでありまして、国民保護法制の要旨を見ておりますと、例えば、住民に対していろんな避難の誘導をお知らせするのは、ここに防災行政無線と書いてあるんですけれども、うちの県でもまだ半分しかないんですね。こうしたことをきちんと整備していかなくちゃいけないなということを改めて感じておりまして、国民保護法制については、国と地方と役割分担していくことになると思いますけれども、そういうふうな問題があるということを、まずご認識いただければというのが1点であります。
  それともう1点が、実際に動くのは誰かということになりますと、私はまず一糸乱れず動く人でないといけないだろう。しかも、公務員を増やすわけにいかないだろうと思っておりまして、そうなると、現実問題として動けるのは私は消防団しかないのではないかというふうに思っております。彼らは日ごろは仕事をしております。基本的に維持にお金はかかっておりません。何かいったん緩急あれば、知事の下に従っていくという意味では、これからの時代、治安というものも含めて幾ら何でも公務員の数、つまり警察官の数を増やしていくのが望ましいんですが、どんどんどんどん増やしていくわけにいかないということにあっては、そういう消防団の役割というものの今日的な意味というのを見直す必要があるのではないか。また、それを使えば、あんまり費用をかけずにきちんとした国防ができるのではないかというふうに思っております。
  あともう1点が全然違う話なんですが、先ごろ、ある産婦人科に行きました。そうしたら、そこで病院のスタッフの人とあるお母さんというか、女の人が一生懸命話をしておられる。何の話だったかというと、3人目を産むかどうかという話なんですね。一生懸命病院の人が「安うしておくけん、産まんですか」とかと言っているんですよ。安くしておくので、産みませんかという話をしているんですね。「だけども、お金もかかるし」とか言っておられるんですね。もちろん政府としてはやらなくちゃいけないことはたくさんあります。今我が国の福祉は半分ぐらい年金に使われ、あと3割が医療に使われ、残りの2割は高齢者、障害者、そして子どもの福祉にしか使われていないわけです。これをもう少し伸ばしていこうとすると、私は皆さんに費用負担をお願いする一種の保険みたいなことを考えなくちゃいけないんじゃないかというふうに思っております。限られた財源の中ではなかなか無理だろうというふうに思っておりまして、確かに子どもをつくるつくらないは個人の哲学にかかわる部分でありますけれども、子どもをつくらない選択をした人も、自分がお年寄りになれば、次の世代の人が納める税金で恩恵を受けるということは事実であります。これまでは多くの人が子どもを産んでおりましたので、子どもを育てる費用は自分で持ちなさいといっても、それは結局のところ公平だったと思いますけれども、今のように子どもをつくる、つくらないというのがはっきり分かれてくると、その個人に全部負担を押しつけるのではなくて、次の世代の育成を支援するという考え方で、子育てに関する費用をある程度社会的に分担してみるという考え方があってもよいのではないかと思っております。
  私どもでは、今、九州地方知事会の中でそのような新しい負担のあり方についての研究会を立ち上げております。政府の中でもいろいろ研究されていると思いますが、地方の側でも、そうやってただ単に負担をお願いするだけではなく、どうあったらいいかということを研究しているということをご認識いただければと思います。
  以上であります。
○総務大臣 ありがとうございました。群馬県、小寺知事。
○小寺知事(群馬県) ありがとうございます。群馬県の小寺でございます。毎日総理の一日というのを新聞で見ていますと、朝から晩まで分刻みでいろんな日程が組まれております。また官房長官にしてもしかり、総務大臣にしてもしかり、本当に大変だなという実感をいたしております。そういうときに、こういうふうに予定どおり知事会議を開催していただいたことに感謝するわけでございます。
  ただ、国家を預かる総理をはじめ政府首脳でございますので、ぜひ余りいろいろな細かなことに忙殺されるなと言っても無理かもしれませんけれども、あんまり細かいことではなくて、今イラクの問題もありますし、また一地方金融機関とはいいながら、地方経済を象徴するような金融の問題もあります。そういった根本的なことがございますので、国家の一大事に備えて普段はなるべく休養をとっていただいて頑張っていただきたいというふうに思うわけであります。やはり国家に期待するのは日本人の命、それから独立を守ることでありますので、その辺を中心に頑張っていただきたいと思うのであります。
  ただ、先ほどから熱心に各県知事から出てまいりました真の地方分権とは何かと、「地方分権」と同じ言葉を言いながらニュアンスが人によって様々であります。国家と地方によっても違うわけでありますけれども、そういう中で各県知事からは真実の声が出ておりますので、どうかそれらをくんでいただいて、地方分権とはどういうことなのか、それから、私たちの育ってきたふるさとと大都市はどういう関係にあるのかとか、農業はどうしたらいいのかとか、財政再建はどうしたらいいのかとか、このごろ犯罪が多発するけれども、これは国家の教育と関係があるかないかとかいろんな問題があると思うのでありますけれども、そういった大事なことだけに専念をしていただいて、地方のことは、細かなことは地方に任せていただいて、両方とも日本人で全部が日本を支えるのでございますので、そういった意味から、これは応援なんだか、要望なんだかわかりませんけれども、要するに気持ちを一つにして、今の大変な日本をリードしていただきたいと、こういう意味でございます。
  以上でございます。
○総務大臣 ありがとうございました。それでは時間なんですが、知事さんで発言しておられないのはあとお二方、滋賀県知事と石川県知事だけだと思いますので、まず滋賀県知事。
○國松知事(滋賀県) ありがとうございます。総理に1点、報告とお願いを申し上げます。
  実は滋賀県はワールドマスターズゲームズを日本に招致したいということで立候補いたしました。日本は世界一長生きをする国になりましたけれども、よくよく考えてみますと、薬を飲んで長生きをする、寝たきりになって長生きをするというのが実態でございます。そうした中で一方で少子化が進むものですから、高齢化率が何と25%、あるいは、それを超えてしまうということが予測されているわけですが、これは人類がかつて経験したことのない社会ですね。そういう中で支えるということは現実問題として大変難しい話だと思うんですが、そのときに、誰もがそれぞれの体力や好みに合わせてスポーツを楽しむという社会というか、ライフスタイルをみんなが確立をして、世界一長命国にはなっていますが、長寿国になっていないわけですから、これをきちんと生涯スポーツとして日本に普及させ、名実ともに健康長寿世界一をつくるべきだと、こう思って立候補いたしました。
  このワールドマスターズゲームというのは、4年に一遍世界の各都市で開かれているスポーツの祭典なんですが、特徴はオリンピックと同じように4年一遍やるんですけれども、国家間でチャンピオンを競うのではなくて個人の資格で参加して、しかも各年齢においてチャンピオンを決めるというゲームなんです。したがって、下の年齢制限はありますが、上はありません。今年日本の陸上マスターズというのが金沢で開かれたんですが、男子の100 メートル競争の最高齢者は97歳、92歳の女性が砲丸投げに出ておられました。そのように何歳になっても現役でチャンピオンを競うというゲームでございますから、ぜひこれを日本で普及させて、名実ともに健康な長寿社会をつくりたいと、こう思うんです。
  今、立候補しているのがミュンヘン、コペンハーゲン、モントリオール、シドニーと滋賀なんです。滋賀以外は全部オリンピックを経験していたような大都市なんですが、こんなスポーツこそ大都市のスタジアムで競うのではなくて、自然の中で競ってはどうかということで私どもレイクサイドマスターズということで立候補いたしました。そしてアジアでは一度も開催されたことのないゲームでございますので、ぜひアジアで開催してこそ、ワールドマスターズになるんじゃないかということを主張しておりますので、ぜひ総理、全面的に応援をしていただきたい。そしてこのマスターズゲームというスポーツを日本に普及させていただきたいと思います。
  国会議員のスポーツ連盟の方にも大変お世話になっておりますが、ぜひ政府としてアジアでの招致を、2009年でございます。7回目になるんですが、全部ヨーロッパやアメリカやオセアニアでやっていて、日本は一度もやったことがない、しかし日本人は参加しているんです。したがって、ぜひアジアで、日本でちょっと小さい県で申し訳ないんですが、滋賀県でということで、これには新しい施設をつくらなくてもいいという話でございますので、私どもの甲斐性に合うと思って立候補いたしました。よろしくお願いします。
○総務大臣 石川県、谷本知事。これで終わらせていただきます。
○谷本知事(石川県) ありがとうございました。地方分権については、議題が終わりましたので、あえて触れないでおこうと思っておったんですが、私も昨年の12月に政府の地方分権改革推進会議の委員を拝命しまして、この審議に参画をさせていただいたんですけれども、最終的には、委員会の答申に反対せざるを得ないというような形になりました。いろんないきさつがあったんですけれども、分権改革推進会議とは言いながら、補助金を削り、交付税を削り、税源の移譲は先に送るというふうなトーンで原案がまとめられようとしたもので、これは分権とは到底相入れないということで、他の3人の委員さん方と一緒に反対せざるを得なかったということであります。
  総理の方から、三位一体改革の方針がしっかりと示されております。ただ、先ほどいろんな指摘がありましたように、内容を見ますと、生活保護費の国庫負担金だとか、児童扶養手当だとか見ておりますと、またぞろ国庫補助率だけを下げると。本当に地方の自由度を高めるような方向にどうもなっていかないような、また危惧の念が出てまいりましたので、その方向は間違いのないように、真の地方分権を実現するためにしっかりとリーダーシップを発揮していただきたい、このことを強くお願いをしておいたいというふうに思います。
  それからもう一つ、せっかくご指名をいただきましたので。三重県の知事がちょっと今お触れになりましたゼロエミッションなんですが、その中でRDF、私ども実はRDFの専焼炉、そして製造施設を整備いたしました。総額約300 億円を超える形で一般廃棄物の処理施設としてRDFの整備をしたわけであります。能登半島は実は24の市町村がありまして、それぞれ小規模な市町村、従来のごみ処理施設も大変小規模でございました。ですから、ダイオキシンが基準を大幅に上回る形で出たりという問題が多発をいたしまして、これを解消するためにどうすればいいかということで、国の方もRDF化をし、そして広域的処理をするということがダイオキシンの発生抑制につながるんだという方針が示されましたので、一般廃棄物の処理は基本には市町村の仕事でありますけれども、24の市町村が参加をするということになるとなかなか調整ができないので、県が積極的に関与して、RDFの専焼炉を1基つくり、そして9か所あった小規模なごみ処理施設を5か所のRDFの製造施設に集約化をいたしまして、つい先月までは順調に稼働しておったんですけれども、10月に突然、RDFのサイロが20度前後の温度であったものが40度まで温度が上がるという状況になりました。これは三重県のように爆発までには至らなかったんですが、今窒素ガスを注入して温度を下げておりますけれども、この原因がどうもよくわからないというところがございます。これは科学的な解明も必要なんじゃないかというふうに思いますので、ぜひこれは環境大臣に後から申し上げようと思ったんですけれども、せっかくのご指名ですので、ぜひこのRDFの管理の基準をきちんと明確にしていただく、そのことが住民の皆さん方の安全・安心につながるんじゃないのかなと、こういう思いをしておりますので、ぜひこれは環境大臣にも申し上げたいというふうに思ったんですけれども、総理の方もぜひお心にとめていただいて、その辺の方向づけをしていただければありがたいというふうに思います。
○総務大臣 ありがとうございました。それでは、知事でご出席の方には総理との懇談ということで一応全知事さんにご発言いただいたと思いますので、総理の方から、ここでご発言をお願い申し上げます。
○内閣総理大臣 またいろいろご提案を伺いまして、難しい問題もあり、また政府としても一体となって取り組まなければならない問題、両方あると思います。いわば「官から民へ」、「中央から地方へ」というこの考え方について異議はないと思っております。そういう中で具体的な各論の改革を小泉内閣として進めているわけでありますので、地方の皆さんとこのような意見を交換するというのは予算編成を控えて大変よかったと思っております。
  地域の再生でありますが、特区構想と地域再生、組み合わせで行く必要があると思っております。これは観光振興もそうです。ビジット・ジャパンの話もありましたし、観光の振興においては、一地域一観光という発想を持って取り組むべきだと、一村一品という大分の運動もありましたけれども、一地域一観光、それぞれの特色をいかに発揮していくかということも重要だと思っております。
  また防災対策、これは火山対策も地震対策も共通の面があると思います。先日も原子力の安全の問題についても、佐賀県等とのテレビ対談もありましたし、今回の今の意見においても原子力対策のお話もありましたが、原子力の問題につきましては、たしか昨年の臨時国会だと思います。原子力安全に対する強化のための原子力安全委員会、これが法改正されましたし、今年の10月から既に新体制をスタートさせております。今の知事の皆さんの意見を聞いて、原発立地県の意見もよく聞きながら、エネルギーと安全対策の両面をしっかりとやっていかなきゃならないと思います。
  風力発電とか太陽光発電とか自然環境にやさしいエネルギーのことも大事でありますが、これだけはどうしても足りません。やはり、これからの快適な生活を維持するために原子力発電は欠かせないものですから、自然エネルギーの環境面でも配慮したエネルギー開発を進めていきますが、同時に原子力というものも今後も重要な役割を果たさなきゃならないものですから、その点については地域のこと、環境面のこと、安全の面、よく考えていきたいと思います。
  それと沖縄での基地の問題、これは沖縄県にとってみれば最大の関心事であり、これは沖縄間だけの問題ではありません。基地の整備縮小、なかなか思うように進んでおりませんけれども、これは地域の方々のご理解を得るためにも今後ともアメリカ当局とも協議を進めて、どのように負担軽減、整備縮小を進めていくかということについては常に政府としても国民全体の問題として考えていくこともご理解いただきたいと思っております。
  ごみの問題ですが、これは小泉内閣として最重要課題の一つに取り上げているところであります。ゴミゼロ作戦、それから環境保護と経済発展を両立させる、これは私は就任当初から掲げて進めていかなきゃならない問題であると、その鍵を握るのは科学技術だろうということで、これは三重県だけでなくて、各県の方がお話しされたように、再生利用にも力を入れております。今、随分再生利用が進んでいますね。たとえて言えば、ペットボトルにしてもそうであります。あるいはバイオマス、愛知県では万博が行われますが、この万博も「愛・地球博」ですか、自然との共生。今、政府では自動車は全部低公害車しか購入しないということで、来年はそれが実現しますが、自動車だけでなくて、最近、食器もトウモロコシのでん粉から、捨てても土に返るという食器を開発したというから、これも積極的に活用していくということも、現実にどうやって進めていくか、実施に移していきたいと思っております。
  今まで捨てて公害の原因になっていたという問題についても、最近は自動車にしても、テレビにしても、さらに再生利用できるような科学技術の振興にも努めております。ゴミゼロ作戦、これはぜひとも進めていきたい。環境保護と経済再生の両立を図るということは小泉内閣としても最も力を入れている政策の一つであります。
  先ほど防災対策の中で消防団の活用という話も出てきたと思います。確かに警察官とか、役所の公務員だけの対応では無理な点がありますし、民間の協力をいかに得るかという点については、消防団のみならず、いろんな地域の方々、市民の方々の積極的な参加意欲、協力体制をとっていくことが極めて重要だと思っております。
  これは地域の問題とは関係ありませんが、子育ての問題も話に出ましたけれども、これは年金の問題にもかかわってまいりますし、少子化対策、高齢化にもかかわってきます。これは地域、県知事だけの問題じゃありません。国全体の問題であると思っております。
  スポーツは、これはワールドマスターズゲームという非常に元気の出てくるいい話だと思っています。97歳、92歳でスポーツに参加するというのも大変いいことだと思いまして、これは2009年ですか、確かに、ただ長生きするということではなくで元気で長生きできるということを考えても、スポーツ振興、マターズゲーム、いいことだと思います。政府としてどういう点で協力できるのか、よく意見を聞いて協力していきたいと思います。
  さらに、思いがけなく、私にもっと休養をとった方がいいというご意見をいただきまして感謝しております。どっちかというと聞くのは、東京で公邸で休んでいるのだったら、もっと地方に回れという意見の方が強いんですけれども、やはりいい仕事をするためにも休養も重要だと思って、そういうお言葉だと思ってありがたく受け止めておきたいと思います。
  要はこの知事会の皆さんは、地方にできることは地方に、地方の勇気を持たせるためには地方分権を率直に進めていけということだと思います。役割分担が先だという議論もありました。なかなかできなかったんです。補助金とか交付税とか税源移譲なんて、役割分担が先じゃないかと。役割分担するにも何をやってくれるのか、これでずっと進まなかったんですから、これをやろうという各論に入ってきたんですから、この三位一体の改革を進めていくためには、役割分担もしなきゃならないんです。どっちがどっちでも問題ありますが、両方進めていく。その各論に動き出したという、この機会を皆さんとともに活用して一緒に進めていく、この姿勢を堅持して各論に芽を出していく、中長期的な展望をにらんでこれからの予算編成に生かしていきたいと思いますので、今後も格段のご理解とご協力をいただければありがたいと思います。
  長時間にわたりましてまことにありがとうございました。(拍手)
○総務大臣 ありがとうございました。
  それでは、これにて総理との懇談を終わらせていただきます。
  引き続き、各閣僚との懇談会を開催させていただきますが、約10分間休憩をとります。2時20分から再開をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
(休憩)

○総務大臣 それでは時間になりましたので、各閣僚と知事との懇談会を始めさせていただきます。引き続き総務大臣が座長を務めてさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。
  各大臣いずれも、在京の方々にはご出席をいただいておりますが、各大臣の挨拶等々、時間の都合もありますので、お手元に配付してあります資料にて代えさせていただきます。
  懇談は先ほどと違って一問一答とさせていただきます。ご発言につきましては、私の方から、あらかじめいろいろご質問いただいております点もありますので、その順に従って発言をしていただきますが、他の知事さん等々、ご発言をいただければと思っておりますので、ぜひ簡潔にお願い申し上げ、各大臣の答弁もそれに合わせて簡潔お願い申し上げればと思っております。
  それでは最初に埼玉県、青少年の健全育成につきましてご発言をお願い申し上げます。上田知事。
○上田知事(埼玉県) 埼玉県の上田でございます。立たないと調子が出ない傾向がありますが、今日は座って失礼いたします。
  青少年の健全育成条例につきまして、実は首都圏で、例えば古物の買い入れが自由な県もあれば、そうでないところがあると。古物というのは、わかりやすく言えば女性の下着であります。こういうものの売り買いができるところもあれば、できないところもある。こんなことがあっていいわけがない。これから古物の売り買いができれば、その後はいろんな意味での犯罪行為につながるような話が多くなると。こういうことは、もちろん条例でそれぞれの県が乗り入れしながら、全部均一化することも必要かと思いますが、むしろ、文部科学行政の中できちっとすることではないかというふうに思っております。
  例えば夜の興行関係でも、深夜のカラオケボックスなんかも県によってはオッケーのところもあれば、オッケーでないところもある。そうすれば、業としてオッケーのところへどんどん流れてしまう、こういう問題をある程度そろえなければならない時期が来たのではないか。一方で緩やかな措置をとっているところに業として流れてしまう。ポルノ関係の雑誌なんかもそうでありますが、県によっていいところもあれば悪いところもあるという状態で本当にいいのかどうか。最小限度首都圏はそろえるということで今後すり合わせをすることを決めました。しかし、首都圏から逃れて関西圏に行ってしまったということであれば意味がありません。総量として減ったことになりませんので、そういう意味でぜひ文部科学行政の中でこの問題で取り上げていただければ大変ありがたい、このような問題提起をさせていただきます。ありがとうございました。
○総務大臣 多分、この問題は青少年の健全育成と思いますので、小野大臣並びに河村大臣、どちらからでも。では、小野大臣お願いします。
○青少年育成及び少子化対策・食品安全担当大臣 ただいまご指摘、感じている一人でもございます。青少年の健全育成に関する規定につきましては、その背景となる事情、あるいは、それは地域ごとに異なるわけでございまして、基本的には条例によるべきであると私も考えさせていただいておるところでございます。基本的にこのように考えるところでありますけれども、県条例に含まれていたものでも、それから、国の法律で規定すべきものについては、法律によって対応してきているところでございます。例えば、平成13年6月にテレホンクラブに関する規制が風俗営業法の規制及び業務の適正化等に関する法律に盛り込まれました例もございます。今後とも青少年をめぐります実態を見据えまして、国としても必要な対策、検討を行っているところでございます。
  以上でございます。
○総務大臣 河村大臣。
○文部科学大臣 今のご指摘の点ですが、今、小野大臣の方からありましたように、青年健全育成条例については各県でお持ちになっておりますが、それをできるだけ全国に合わせていただくということは私も必要なことだろうと思います。それから、教育面からこれをどういうふうに指導していくかというのも大きな課題になっております。特に最近は、携帯電話等々の普及によって類が類を呼ぶような格好にもなっておりまして、そういうところへどんどん引っ張っていかれるという傾向がございます。そういうものを一体どうすればいいのか、学校現場としてどう対応するのか、これは小野大臣とも十分協議をさせていただいて、やはり全国的な一つの基準というものにはならんだろうと思いますが、教育現場でこれにどう対応するかというのはしっかり考えていかなきゃいかん課題だとしっかり受け止めさせていただきまして対応を考えさせていただきます。
○総務大臣 ありがとうございました。次に、福井県西川知事から北朝鮮の拉致問題、どうぞ。
○西川知事(福井県) 拉致問題、つまり国民の保護について申し上げます。国民の保護の議論が今ありますが、既に国民は保護を受けていないという状態が今続いております。拉致問題であります。これは外交問題である以上に人道上の問題でございます。この解決は即時かつ無条件になされるべきであります。一刻も早く解決をお願いしたいと思うのでございます。
  11月24日、先月、1週間ほど前でございますが、県主催の地村さんご夫妻を励ます福井県民集会を開きました。ご夫妻、ご家族、そして県民の強い声をぜひ総理をはじめ政府の皆様方にお伝えしてほしいということで、私、今日代表して申し上げるところでございます。県議会においても、二度にわたり拉致問題の真相解明、早期解決を求める意見書を決議しており、拉致問題の議員連盟もつくると、こういう状況でございます。現在6か国の協議がなされて、これからさらに進められるところでございますが、政府もあらゆる努力を傾けられまして、正式外交ルートあるいは非公式のルートなどいろんな方法があると思いますが、我々知事の立場としても、今日は新潟県知事もお見えでございますが、どんなことでもやれることをやりたいと思いますので、いろんなご指示も願いたいと思います。
  戦後最大の外交課題でございました沖縄返還、これは佐藤内閣の大きな課題でございましたが、その際、正式外交ルート、それから、福井県出身の若泉敬さんという政治学者がまた別のルートで全力で取り組まれて、この問題を解決したわけでございます。そうしたあらゆる方法を尽くして、この問題を取り上げてほしいと思います。
  併せて国民保護のこれからの問題でございますが、これまで地方団体は、国がいろいろお決めになったことに不十分であるとか、問題だというようなことを言うことが多うございましたが、そういうことがあってはいけないということで、我々中部圏知事会議で福井県が事務局になりまして、本法制の検討をし、要請もいたしました。国への対象措置の要請でございますとか、住民避難などの方法も今回法案の要旨では入っておりますが、さらに具体的に国へのいろんな要請事項、あるいは県の警察や教育委員会への必要な措置などについても、知事が本当の意味で住民を守るために必要な具体的策を動きやすいように明らかにしてほしいという願いがございます。
  そして併せて、国民を保護するためには鉄道や道路など基本的なものがなければ、これは画餅に帰すと思います。先ほど総理にも新幹線の問題、あるいは高速道路の問題を申し上げましたが、これはそういう意味でも日本の国にとってぜひ必要なことでございますので、併せて問題の解決を急いでほしいと、このように思います。
  以上です。
○総務大臣 川口大臣。
○外務大臣 拉致問題でございますけれども、これが一日も早く解決をすることが大事な問題であるということは私どもも強く認識をいたしておりまして、ただいま現在、北朝鮮政府に対しては、いろいろなありとあらゆる手段とおっしゃられましたけれども、できる限りのルートといいますか、手段といいますか、それを活用いたしまして、事実関係の究明、そして今、日本に戻ってきている5人の被害者の家族の方々の一日も早い帰国、これが何にも増して重要であるということを伝えてきております。今の時点で、そのことにつきまして具体的に回答がないという状況でございますけれども、これは粘り強く引き続き頑張っていきたいと思っています。
  それから、拉致問題の解決には国際社会の理解が重要でございますので、これにつきましては、国連関係の委員会をはじめといたしまして、それぞれの多国間の会議の場、あるいは二国間の会議の場において、この問題についての理解を求めるための働きかけをしてきているということでございます。引き続き、この問題は重要でございますので頑張っていきたいと思っております。
○総務大臣 国民保護法制につきましては、京都府からも同じように、国民保護法制にかかわる財政上の処置についてのご発言があると聞いておりますので、山田知事。
○山田知事(京都府) 本当は次の保護法制のときに発言すべき話なのかもしれませんけど、目の前に我が谷垣大臣がいらっしゃいますので、ちょっとこの場で発言させていただきますけれども、私どもも国民保護法制につきましては、補正予算も組みまして、これからどういう形で都道府県または市町村が対応できるかという点について、協議、検討を進めているところなんですけれども、そうやってまいりますと、いろいろな機器の問題とか、人の問題とか、費用がかかる問題が出てまいります。
  ところが、今の国民保護法制の体系では、何か起きたときの費用負担については非常にクリアに書かれているんですけれども、そういう、これから準備的を整え、そして備えていくための費用ということにつきましては、どうもはっきりしないどころか、何となくなし崩し的に地方団体に押しつけられるのではないか。やはり、この点は国民保護、特に防衛の問題ですから、きちっと役割分担を明確にしていただきまして、そういう平時の体制につきましても国としての役割を果たしていただきたいなということをお願いをしておきたいと思います。
  それから、ちょっとこの際ですので、せっかく今、小池環境大臣と麻生大臣がいらっしゃいますので、これは要望ということで結構なんですけれども、最近、京都府でも各地で硫酸ピッチというものが出てきております。これは不正軽油をつくるときに出てくるものでございまして、つくられてしまうと環境に対して非常に大きな影響を与える。私も現場を見てまいりましたけども、口の中が苦くなるような、そういった状況でございました。それだけに不正軽油を流通段階ではなくて、製造段階が硫酸ピッチという重油の中に含まれているクマリンを取り除くために硫酸を使ってしまんですけれども、そういったことをきちっと規制できる方策を講じていただかないと費用にも大変なお金がかかっております。そういった面で何とか製造段階、そして保管への一連の規制を強化していただきたいということを、この際要望させていただきたいと思います。
○総務大臣 まず、国民保護法制につきましては、今ご指摘のありましたとおり、この問題につきましては、職員の経費等々を別にして、その他かかりますものは、基本的には国の財政措置というものを具体的に検討していかねばならん問題だと思っておりますので、総理からもそのように言われておりますし、私どもとして、これは非常に大きな問題で、第二次世界大戦で学ばねばならんのは、多分これが一番大きかったかと思うほど、国民をいかに避難させるかというのをうまく、日本の場合は、その法律を持たなかったがためにドイツの10分の1の爆弾量にもかかわらず、ドイツも日本も同じ300 万人というのは、木造建築だけの問題ではなくて、避難等々の法制がきちんとできていなかったというのが第二次大戦から学ぶべき大事なところだと思いますので、この点につきましては、国民保護法制につきましては、大事な問題でありますので、次の通常国会にこの問題を出すべく、現地で消防団を含めますいろいろな指示、また緊急避難等々は各県市町村等々にお願いするところもあろうかと思いますので、それについてぜひ意見をというご意見は、知事会、全国市長会からもそれぞれ伺っておりますので、法案をつくりますまでの間に、きちんと対応させていただきたいと思っております。
  財務の必要につきましては財務大臣、財務大臣ともう一人質問されていましたね。
○山田知事(京都府) あとは硫酸ピッチの話です。
○財務大臣 国民保護法制については、今、麻生大臣がおっしゃったとおりでございますので、大きな方針は、この間のあれに書いてございますが、山田知事がおっしゃるように、まだクリアでないところがありますので、よくご意見を聞いて詰めてまいりますので、よろしくお願いします。
○総務大臣 環境大臣。
○環境大臣 先ほどご指名でしたのでお答えさせていただきますけれども、硫酸ピッチの問題は、その後の処理のコストと、それからうべかりし税金ということではダブルのマイナスになろうかと思います。取り締まりなども含めまして、関係省庁ともしっかり話をして、システム的にどうやって食い止めることができるか、現在、私どもの方でも対応策を考えているところであります。よく受け止めます。
○総務大臣 今の点につきましては、石油流通業界からも同じように総務省に対して、これは税金の話ともからんでおりますので、その点からもご要望が上がっておりますので、検討してまいりたいと思っております。
  次にまいらせていただきます。兵庫県、齋藤副知事から住宅再建支援制度の創設についてお話がまいっております。同じく、宮城県、柿崎副知事さんからも被災者の復興支援についてのご質問があると伺っておりますので、ご発言をお願い申し上げます。齋藤副知事。
○齋藤副知事(兵庫県) 兵庫の齋藤でございます。先ほどの総理との懇談の場でもございましたけれども、石川静岡県知事からご発言がございましたが、住宅再建支援制度の制度化に当たりましては、住宅が地域社会の基盤であり、被災地域の早期再生に不可欠であるなど、住宅再建には公共性があることを考慮していただきまして、被災者の住宅再建が早期に促進できる効果的な制度としていただきますようご提言を申し上げたいと思います。
  制度化に向けました動きの中で、住宅の建築費用や補修費用を対象とせずに、被災住宅の解体撤去費や住宅ローン利子を支援するとの方向性を仄聞いたしますけれども、そのようなことになりますと、例えば、阪神・淡路大震災の場合のように全焼した家屋では、解体撤去費が全く必要ない。したがって、解体撤去費だけでは支援対象経費が出てこない。あるいは高齢者被災者にとりましては、様々な制約からローンが組めずに、ローン利子が対象経費となっても補助が受けられない、あるいは半壊家屋の補修には支援対象となる周辺経費がほとんどないことなどを考えますと、被災地や被災者の実態からいたし、建築費用や補修費用など支援対象経費としなければ、被災者間で支給額に大幅な格差が生じるというふうな混乱を生じるのではないかと思うわけであります。真に効果的な制度となりますように、そして多くの国民が理解を得られるような制度にぜひしていただきたい、こういうふうに思います。阪神・淡路大震災の被災の経験の中から切実なお願いとしてご提言を強く申し上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○総務大臣 柿崎宮城県副知事。
○柿崎副知事(宮城県) それでは、宮城県から今年2回の大きな地震を体験した経験に基づいて少しお話をさせていただきたいというふうに思います。
  特に、7月の地震では大変な被害がありまして、政府に対しても、それぞれ要望をさせていただいたところでございます。現在、相応の対応、また現在進行形のこともありますが、おかげさまで復興については着々と進展しているところでございます。まずは御礼申し上げたいというふうに思います。
  今回の地震を経験して考えさせられたことでございますが、今回の地震は非常に幸いなことと言ったらいいんでしょうか、地方でございました。したがって、被災者の手助けに地縁、血縁の方々がすぐ駆けつけていただいた。瓦礫の撤去、あるいは室内の片づけを行ったり、地域の方々が老人世帯を回っていただいた、そんなこともございました。いわゆる地域のコミュニティが大きな力となったという具合に理解しております。これが都市部が発生した場合、このようなことはなかなか難しいのかなというふうに思っております。そこで地域ぐるみでサポートする共助、あるいは共同体制、これの確立が都市部においては、これからは再構築する必要があるのかなという感触を持ちました。
  そして、被災者の復興支援についてでございますが、被災者生活再建支援法、これを活用させていただきました。そのほかに地域や被災者の復興再建に被災住宅の再建が大変不可欠、重要であります。まずは、住むところが非常に大事なわけでございますので、住居の全半壊の被害を受けたのが4,000 ございました。この世帯を対象といたしまして、宮城では県独自で100 万の住宅再建資金制度、これを設けました。厳しい財政状況の中であったわけでございますが、まさに政治的判断で行ったわけでございます。
  今回、局地的な災害ということもございまして、県独自の支援も可能であったわけでございますが、これが大規模災害となると、対応はほとんど不可能でございます。そういう中で、個人の資産形成というのは、基本的には個人の力でということもありますが、被災者が早期に自立できるような社会システム、例えば、自助対策として国が今再保険をしておりますが、地震保険、これの一層の普及促進、そのためには保険料が現在割高感がございます。これを引き下げるシステムを国において考えていただけないのかなというふうに思います。
  また、公助として先ほど来お話がございますが、知事会を通じまして国に要望しております住宅再建支援制度、これの早期創設をぜひお願いしたいというふうに思いますし、それから生活再建支援制度、先ほど活用させていただいたと申しましたが、いろいろな隘路がございます。交付対象品が限定されているというようなこともございます。そんなこともさらに拡充していく必要があるというふうに思っております。これらに対する国の積極的な取組みをお願いしたいと思います。
  併せて、現在、宮城沖地震も含めてでございますが、日本海溝、千島海溝の特措法、議員立法で今法案化しようという動きがございます。そういう中で具体に私どもお願いしているのが、地域指定と具体の財政支援をその特措法の中に盛り込んでいただけないのかというお願いをしております。側面からのご支援をぜひお願いしたいというふうに思います。
  以上でございます。ありがとうございました。
○総務大臣  井上防災担当大臣。
○防災担当大臣 私に関係しておりましたのは2つだと思いますが、まず、宮城県の方からお答えさせていただきますと、地震の後の応急対策、これについて地縁組織が非常に大事だということをお聞きしましたが、そのとおりであります。私の選挙区は神戸市が一部入る選挙区でありまして、確かに被災しましても、あのおばあさんいないぞというようなことから、それを救出なんていうことが現にあったわけでありまして、そういう意味でも、小さな地域社会の協力というのが対策としては非常に大切だと思いますので、これは田舎の方では大体ありますけども、特に大都会ですね、東京なんかの場合に必要だというふうに考えておりまして、ぜひ、そういったことにつきましても、我々推進していかなくてはいけないと、こんなふうに思います。
  もう一つは、今あります被災者の支援対策ですね、これは100 万円限度になっておりますけれども、支給の条件につきましてももう少し弾力的に考えるべきじゃないかというお話がありましたけれども、具体的にその点については検討させていただきたいと思います。
  それからもう一つ住宅の支援対策で、これは知事会の方でも決定いただいておりますけれども、200 万円を限度にして、国と都道府県が折半で助成をしていくということでありまして、これは兵庫県の方からもっと使いやすくしないと本当の対策にならないんじゃないかと、こういうことでありました。これはなかなか難しいところでありまして、従来の補助体系からいきますと、個人の資産に対しては助成をしないという建前がありまして、ここをどういう具合に調整していくのかというのが最大の問題だと思います。確かに住宅が全壊したんだから、住宅を建てる場合に幾らぽんと出せと、こういう要求はわかるのでありますけれども、やはり、これまでの補助体系がありますので、そこはやはりきちんと整理をしないといけないということであります。とは言いましても、予算化したけれども、なかなか使えないということになりましても、これまた困ることでありますので、できるだけ使い勝手のいいような、そんなことを考えて、この制度をつくりました趣旨にできるだけ合いますように努力をしていきたい、そんなふうに考えております。
○総務大臣 ありがとうございました。次に三位一体の改革につきましてご発言があります。鳥取県、片山知事。
○片山知事(鳥取県) ありがとうございます。私は三位一体改革について、財務大臣にお伺いとお願いをしたいんですが、先ほどの総理がおいでになるときに、実は三位一体改革については随分議論がありました。私以外にも何人もの知事さんから総理に対して発言がありました。総理の三位一体改革、国と地方に通ずる財政改革の基本的な考え方と理念について、総理の考えを改めてお伺いして確認をした、そして安心をしたわけであります。なぜ、骨太方針で既に基本方針が決まっているのに、こういう場でまた改めて総理の考え方を確認しなければいけないのかというところが実は今最大のポイント、問題でありまして、なぜならば、総理の考え方と違うような、そういう情報が今来年度の予算編成に向けて作業をしておられる中から出てくるのであります。総理がおっしゃっていることと随分違うなと。それは例えば、曲解なのか、ねじ曲げなのか、歪曲なのかと思わざるを得ないようなこともあるわけであります。それは、これからの議論がありますから、そういうものは全部整理をされるのだろうと思いますけれども、例えば、去年やられたことを見ても、これは谷垣大臣おられなかったことですから、大臣の責任ではないんですけれども、義務教育費の国庫負担金の中で、教職員の共済年金を一般財源化したわけであります。これが政府の説明は分権時代の財政の芽出しだと、こういう触れ込みだったんです。我々から見たら何が芽出しだろうかと思うんです。共済年金の掛け金というのは法律上決まっているわけです。これを地方の自主性だとか、個性だといっても何もそういうのはないのであります。単に払うだけです。今まで、それは割り勘で政府が半分出していた。ところが、これから政府は出さないよ、地方で全部やってねと。若干の財源措置はあるにしても、地方の持ち出しは増えるわけです。改革のしようもないし、自主的な運用のしようもないんです。決められたものを払うだけなんです。こんなものは分権時代の芽出しでも何でもなくて、単なるツケ回し、割り勘を払わないという、それだけのことなんです。
  そういうものを芽出しというふうに認識されているのであったら、私は国の財政当局は全く認識違いだと思うんです。総理のお考えと実際に事務当局でやられていることとの間の隔たりというのは、ああ、こういうことであるんだなと思わざるを得ないのであります。したがって、ぜひ、新しく大臣になられた財務大臣に、この三位一体改革の基本的な考え方と理念、意義というものを、ぜひ知事の前にご披瀝していただきたいということで1つであります。
  それからもう一つは、三位一体改革を本当にやろうと思ったら、私は国の予算編成のあり方を変えられないと無理だと思うんです。それはなぜかといいますと、もう政府自身がばらばらで予算編成されているわけです。各省単位のシーリング、税制は税制でまた政府税調があったり、自民党税調があって決められる。一体的にやらなければいけないものが全部ばらばらされているわけであります。しかも、来年度のことをこれからの短期間のうちにやっつけ仕事でやろうとされるわけです。税制についても予算についても国の根本のあり方を変えようという改革でありますから、もっとじっくりと本当に真剣にやらなきゃいけない。ところが、この数か月の間にざざざっとドタバタドタバタで決まってしまう。こんなので本当にいい改革ができるはずがないのであります。結局は総理が1兆円と言われたら、1兆円を集めなきゃいけないからというので、あれもこれも、あれもこれも集めて変なものが集まってきて、質が悪い量だけ賄ったような改革になってしまう。厚生労働大臣おられますけれども、生活保護費の負担金を4分の3を3分の2ですか、何の改革になるんでしょうか、こんなものは。生活保護費の水準の見直しをして、生活保護費全体をスリムにしようというのなら改革になると思いますけれども、それは何にも手をつけないで、地方の負担を増やせば、地方の方が何かもがいて減らすんじゃないかということを考えられておられるとしたら全く間違いであります。こういうのは本当につじつま合わせのその場しのぎだと私は思うのであります。それは今、厚生労働省の内々の案でしょうから、財務省の方でそういうものは見識を持って切られるんだと思いますけれども、そんなことも含めて、ぜひ財務大臣のこの問題に対する基本的な認識をお聞かせいただきたいと思います。
○総務大臣 谷垣財務大臣。
○財務大臣 先般、総理から1兆円を目指して国庫補助負担金の廃止・縮減等を行う。それから、税源移譲についても16年度に確実に行う。それから、交付税改革にも着手するというご指示がございまして、これは必ずやりたいと、こう思って今頑張っているわけですが、この哲学と今ご質問がございまして、やはり補助金の場合は一つ一つを、性格等を踏まえて見直していくということが大事だと思いますが、それは地方の権限と責任を拡充していくという視点がまず第一に必要だろうと思います。
  それから第二に、今もちょっとお触れになりましたけれども、それと同時に地方と中央を通じて行政のスリム化を図っていくことも併せて考えていく必要があるのではないかと思っております。今のご質問は国の負担を地方に転嫁していくんじゃないかということのご懸念だと思いますが、国と地方、両方にわたっての非効率な事業を減らしていくという観点は、我々は見直しの際に十分頭に置いておかなければならないのではないかと思っております。
  それから、廃止される補助金のうち、引き続き地方が主体となって実施する必要のあるものについては、所要額を見極めた上で税源移譲をするなど必要な財政措置を行うこととしておりますので、地方の財政運営に支障のないように組んでいきたいと思っております。
  それから今、厚生労働大臣のお考えもちょっとお触れになりまして、これは厚生労働大臣からお答えいただくのが筋かと思いますが、今朝、厚生労働大臣と総務大臣、それから私と3人でいろいろこの問題では議論を行ったところでございますが、今の点も一律ないし単純な補助率カットということであれば、地方へのつけかえというご意見もあるんだろうと思います。しかし、予算を組んでいきます場合に、増大する社会保障給付をどうしていくのか、とりわけ国・地方を通じた給付の適正化、効率化という視点がありませんと、これはどうしてもなかなか予算は組めないわけでございますので、国が法制度の企画・立案を行うわけですけれども、制度の執行はそれぞれ地方公共団体でやっていただいているわけでございますので、この国の制度改革と地方の執行面での改革というのは、いわば車の両輪のようなものではないかというふうに思っております。
  1兆円改革、それから次年度以降の補助金改革というかつてない大規模な改革を実現させるためには、現実問題として補助率を議論せざるを得ないということが、今日の三大臣の折衝での坂口大臣のお考えでもあったように思いますし、それは十分、中をまたどうしていくかということは議論しなければなりませんけれども、選択肢として考えていかなきゃならないのかなと思います。
  それから、坂口大臣に対しましては、生活保護制度の見直しとして、地方に責任と自覚を促すというようなことだけじゃなくて、国の方でも老齢母子加算の廃止であるとか、あるいは生活扶助基準の引き下げといった思い切った施策の見直しにも取り組んでいただく必要があるんじゃないかということを議論させていただいておりますが、今後さらに議論を詰めてまいりたいと思っております。
○総務大臣 それでは、次に大阪府から出ていると思いますが、SARS対策の充実強化について。高杉副知事。
○高杉副知事(大阪府) 副知事の高杉でございます。その前に今、三位一体のことでちょっとおっしゃったことがもう一つよく理解しにくいんですが、単なる補助率の改定だけで地方がのむというようなことに関しては、先ほども総理大臣との懇談でかなり議論のやり取りがありました。そんなことも含めて十分お考えをいただきたい。特に、生活保護費及び児童扶養手当の負担金の問題については、単に地方に転嫁だけになるのではなかろうかという懸念を非常に強く持っておりますので、このあたり、制度のあり方そのものをどう考えていくかということはあるのだろうと思いますけれども、単に、来年度予算で補助率をカットするというようなことについては十分再考をしていただきたいというふうに思っておりますので、ちょっと今、おっしゃられたことをもう一回復唱させてもらいましたが、よろしくお願いしたいと思います。
  それから、私のSARS対策の充実ということでのお願いでございます。今年の春、実は大変つらい批判のある対応の仕方ということで、いろんな方面からSARSの問題、台湾のドクターの入国に関しましていろいろとお騒がせを申し上げました。情報及び対応のまずさということで大変我々も反省をしながら、今年の冬の流行に対しては、絶対にこのようなことがないようにということで、いろんな状況を想定しながら訓練を今やっておるところでございます。その中で、2つばかり国の方にぜひお願いしたなという部分がございます。
  我々としてできる限りの、都道府県としての手立ては講じておるんですが、大量に発生した場合、やはり国の援助といいますか、特に収容先、国立病院あるいは療養所等での収容ということを、大量に発生したときには、その部分のご協力というのをぜひお願いしたいなというのが1点でございます。
  それから、2点目は防疫検査、搬送あるいは患者の受け入れ、こういった部分について、体制整備を都道府県はやっているわけでございますが、この部分に対しての補助というのは、体制整備のためにはぜひよろしくお願いしたいなということでございますけれども、実はその中で特に第一線でやるところの、例えば防御服とか具体的ないろんなグッズ、防御のための器材に関しましては、使ったものは補助するという現体制でございまして、あらかじめ必要だから、もし万が一起こったらいけないからというので都道府県は用意しているんですが、その部分に関しては一切補助が出ないんですね。使ったものだけを補助するということになると、とてもじゃないが、その後追いというわけにはなかなかいかない。我々としては事前に用意をしておるものでございますので、ここら辺の補助の仕方というのもちょっと考えていただきたいなという部分がございます。それと来年度以降も、ぜひ補助というのは続けていただきたいなという部分でございます。
  以上でございます。
○総務大臣 厚生労働大臣。
○厚生労働大臣 SARSにつきましては、大変なお骨折りをいただいておりますことにまず感謝を申し上げたいというふうに思います。
  今、大きく分けまして2点のお話がございまして、一番最初の方のお話につきましては、これはご指摘のとおり、私たちもそういうふうにしたいというふうに思っております。都道府県知事さんが適当と認められる病院には入院させることができるようになっておりますけれども、それだけではなくて、国の方といたしましても、国立あるいは療養所といったようなところに対しまして、積極的に対応できるように我々もしなければいけないといふうに思っております。
  それから、2番目の方の助成の話でございますが、補助対象といたしましては、運搬をいたします搬送用のものにつきましての助成、それから、病院の中に特別な診療所をつくったりいたしますときの助成、それから、新しい陰圧装置の病室を整備いたしますことに対する助成、こうしたことにつきましては、全部対象にしたいというふうに思っております。
  また、もう一つありました住民が一般医療機関を受診することも限られますことから、一般医療機関での院内感染防止のために、診察に必要なガウンでありますとか、マスクでありますとか、そうしたことに対しましての、いわゆる購入経費に対する各自治体に対する補助というのもできるようにしたいというふうに思っているところです。大体今ご指摘をいただきましたことは、やる体制で来年度の予算を組んでいるところでございます。
○総務大臣 次の和歌山県、中山副知事から地方型子ども園構想について。
○中山副知事(和歌山県) この度の特区認定におきまして、幼保一元化が一番多かったと聞いてございます。しかし一方、本県などにおきましては、幼児が集団生活を学ぶ場として機能する公的施設としまして、幼稚園がなく保育所しかない市町村が20ございます。4割でございます。しかし、保育所は両親とも就労しているなどの保育に欠ける要件に該当しないと児童の入所が認められません。少子化・過疎化が進む中、地域で児童が孤立する等のケースが発生してきてございます。核家族化が進行しまして、また地域の結びつきが弱まる中、幼児に対する社会的涵養の場を提供する必要性がますます高まってきてございます。
  このような理由及び背景から、構造改革特区のアイディアとして保育所入所要件の緩和を提案したところでございますが、新たに発生する財政措置は講じられないとの理由で特例措置として認められるには至ってございません。しかし、上記のようなケースは児童健全育成の観点から保育を要する児童として、ぜひとも構造改革特区認定により保育所への入所状況を緩和していただきまして、全員入所できることを認めていただきたいと思います。
  なお、三位一体の改革につきましては、先ほど鳥取県、大阪府からご意見がありましたとおりでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
○総務大臣 厚生労働大臣。
○厚生労働大臣 今お話のございました地方型の子ども園構想でございますが、これは17年から、どことどこでおやりいただくかわかりませんけれども、スタートをさせていただいて、本格的には18年度、手を挙げていただくところの何か所かは17年度から実施をさせていただけるように鋭意整備を急ぎたい、こういうふうに思っているところでございます。
○総務大臣 ありがとうございました。次に福岡県、整備新幹線の建設促進について、武田副知事。
○武田副知事(福岡県) 福岡県副知事の武田でございます。新幹線の整備につきまして申し上げたいと思いますが、その前に一言、先ほど来お話が出ております生活保護費負担金等の負担率の引き下げにつきましては、単なる地方への負担転嫁であり、地方の自主性の拡大に全くつながらないものとして、地方団体としては到底受け入れがたいものと考えております。どうか今回の国庫補助負担金の見直しの中で、このようなことが行われることがないよう、強くお願いしたいということをまず申し上げたいと存じます。
  それでは、新幹線につきまして国土交通大臣にお願いを申し上げます。
  整備新幹線は我が国全体の活性化を図るため、最優先で推進すべき国家プロジェクトであると認識をいたしております。また、環境対策の面からも、その早期建設が強く望まれているものでございます。しかしながら、現段階におきましては、全国の整備計画路線のうち、既に供用又は着工している区間は約半分にとどまっている状況にございます。北海道、東北、北陸、また九州の鹿児島ルート、長崎ルート、これら整備新幹線の全線建設の早期実現を目指し、安定的な事業実施のための財源の確保を図りつつ、国として格段の取組をぜひお願いをしたいと思っております。特に、九州新幹線鹿児島ルートにつきましては、来年の3月に新八代−鹿児島間が開業することとなっておりますが、九州の大動脈として、その機能を十分に発揮するためには、博多−鹿児島間の全線開業が必要不可欠であり、一日も早い全線開通を強くお願い申し上げたいと思います。石原大臣よろしくお願いいたします。
○総務大臣 石原国土交通大臣。
○国土交通大臣 整備新幹線はご承知のとおり、従来より政府与党間の申し合わせ等に基づき、整備の推進を図ってきたところでございます。ただいまご指摘のございました九州新幹線、鹿児島ルート、博多−新八代間については、この政府与党の申し合わせ、平成12年12月において、概ね12年後の完成を目指すこととされており、その達成のために、これもご存じのことだと思いますが、地元協議の整った用地の買収、大体面積ベースで34%を買収されておりますし、トンネル区間がこの区間は大変長うございまして、36.6キロのうち、掘っている部分が4割ぐらい、トンネルを中心に鋭意工事を進めさせていただいているところでございます。
  新幹線はこれでございますけれども、先ほど来ご議論のあります三位一体改革に関連いたしまして、今日お集まりの知事会の皆様をはじめ、市長会等の皆様方から公共事業関係の補助金について廃止すべきである、こういう提言がなされておりますが、公共事業の国庫補助負担金、補助金はほとんどが、ご存じのように下水道を見ましても建設国債で賄われておりますで、補助事業を廃止したからと申しましても、直接財源移譲には結びつかないことも多いと思います。したがいまして、これは総理が1兆円削減しろということで、国土交通省として3,000 億円ぐらいのものを削減しなければならなくて今、四苦八苦しているんですけれども、公共事業費は当初の予定より大幅に削減する、純減を進める一方で自由度をもっと知事さんたち、あるいは市町村長さんたちになるんでしょうか、自由度をもっと増していくようにする改革を併せてやっていかなければならないということを、この場をおかりいたしましてご報告させていただきます。
  以上でございます。
○総務大臣 次にコイヘルペスウイルス用の対策について、新潟県、平山知事からお願いします。
○平山知事(新潟県) コイヘルペスというのは、コイがかかると9割方死んでしまうという大変恐ろしい病気でありまして、外国で発生して、いずれ日本に入ってくるということが危険視されていたわけです。私は実を言いますと、錦鯉の全国の会長もやっていますけれども、ついに11月に日本に発生いたしました。夏前からこの問題について水際で防ぐことを業界からも言われていたんですけれども、当時から最大の問題は、9割方死ぬということと、水を介してきますので蔓延が早いということ。冗談半分で当時言っていたんですが、コイの病につける薬はないと言っていたんですが、SARSと同じようにないんですね。しかも、かかっているかどうかということを見極めるためには、そのコイを殺して内臓のものをすりつぶして見なきゃわからない。生きたまま判定ができないという非常に面倒くささがあって、あっという間に全国の真鯉、錦鯉等に広がったわけです。このことについてどうするか。やはり、国内外の売買を当面、今、禁止しているわけですけれども、そうすると業界は全く売り上げが上がらないという形で困ってしまう。それから13度以下の冬場になりますと、かかっていても死なないという形で発病しませんので、わからない。春になって温度が上がってくると、症状として死亡という形で出てくる。非常にそういう意味で対応が難しいんで、各県とも今のところ、この対応について決め手がないまま、移動させないという措置だけをきちんととろうということでやっているという状態であります。
  したがって、このことに伴って起こりますいろんな意味での低利融資とか、経費の軽減措置等に伴う支援ということを国に当然お願いしなきゃいけなくなるんですが、同時に、コイの病に効く薬を早急に発見しなきゃいけない。世界のほかの国でもやっているようですけど、まだ見つかっていない。SARSの方は合成洗剤が効くとかという話が出ているんですが、コイの方はまだ見つかっていないということでありますので、ぜひともお願いしたいのと、やはり全国的な防疫体制をきちっととっていただきたいということでお願いを申し上げる次第であります。
  それから、今日は役割分担で北朝鮮の問題は福井県知事さんにお願いしたんですが、先ほど川口外務大臣から一言お答えを聞いた中で、一言、私も言わなきゃいかんなと思ったんですが、1年経って蓮池さんも曽我さんも内心では相当いらいらしているわけです。この間も3人とじっくり話してみたんですけれども、相当心配しています。しかも、曽我さんと蓮池さんでは子どもさんの置かれている状況が違います。したがって、その差もあることも事実でありますが、もう一つは北朝鮮側からいろんな情報が出るんですけれども、日本の外務省は何をやっているかということについての情報の不足ということについても、その背景に一つあるとすれば、やはり外務省の、全部しゃべらないとしても、大筋のところでこうやっていくんだ、あるいは、こうしているんだということで、もう少し情報を流してほしいという声はありますので、ぜひともお願いしたいと思います。
  それから、1年経ったということの重みについて、やはり家族が別れ別れになって一日一日が積み重なっていくことの不安感と、子どもはその間にどう思っているかということを含めますと、日本人です。蓮池さんのところは明らかに日本人である子どもたちに対して、政府としてもう少し毅然としてやることがあるのではないかということも、私としては、じゃ、どうしたらいいかと言われると非常に困るんですけれども、万景峰号の問題と併せて、そういうことをやっている国の船が平気で入ってくることをなぜとめられないのか。毎回入る度に全国からこんなたくさんのメールが私のところに来るのも、そういう意味での説明がやはり納得いかないという感情だろうと思いますので、そのことも含めてお伝えだけさせていただきたいと思います。
○総務大臣 それでは、コイヘルペスにつきましては農林水産大臣、あとの拉致の問題につきましては川口外務大臣からお願いします。最初に農林水産大臣。
○農林水産大臣 コイの悩みについてお答えさせていただきます。今、茨城県をはじめ、21都府県に広がっておるという実態がございます。こういった対応の中で何とかして、このコイヘルペスウイルスをどうやって阻止するかということで、いろんな技術検討会なんかを複数回にわたって農林省の中で検討させていただいております。蔓延防止措置としまして、コイの移動を禁止したり、焼却措置をお願いしたりというようなことをやっているわけでありますが、感染経路の究明について、いわゆる原因究明、どうやって入ってきたのか、そういったことについても技術的な専門的な検討が必要でございますので、そういったことの究明をしっかりとやってまいりたいというふうに思っているところでございます。
  また、予防法だとか治療法はまだ開発されておりませんけれども、水産総合研究センターを中心に関係機関の皆さん方と連携しながら、その対策、予防措置について研究開発を進めてまいりたいというふうに思っております。
  また、養殖業者も相当な損害を被ったというようなことでございますので、そういった養殖業者等への支援措置として、漁業近代化資金だとか、あるいは沿岸漁業経営安定資金等の活用が低利で可能だというふうにしておりまして、そういったことを活用するように指示しておりますので、そういったことで、これからの原因究明、いろんなわけのわからない病気がやたらに近ごろはやってくるものですからいろいろ大変でございますけれども、一生懸命に取り組まさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
○総務大臣 それでは、次に川口外務大臣から外務省の対応、そして石原国土交通大臣からは万景峰号、よろしくお願いします。
○外務大臣 拉致の問題について、先ほど福井県知事に申し上げたことと重なる部分については繰り返しませんけれども、情報をできるだけ家族の方に伝えるようにしてほしいと、これはおっしゃるとおり重要なことだと思っています。家族の方との窓口は内閣の支援室でございますので、家族支援室等の関係の政府内のところと連携をいたしまして、引き続き迅速に情報が伝わるように努力をしていきたいと思っています。1年経ってまだいい結果が出ないではないかということは、本当におっしゃるとおりでございまして、引き続き強力に強力に働きかけていきたいと考えております。
○総務大臣 石原国土交通大臣、万景峰号、港の話だと思います。
○国土交通大臣 政府全体で入港制限等々は考える問題であると考えておりますが、中川経済産業大臣がお話があるそうでございます。
○総務大臣 それでは、中川大臣の方から。
○経済産業大臣 先ほど福井、それから新潟の知事さんからお話がありましたが、これは5人の方々の問題だけではなくて、全国の都道府県の県民、あるいは都民の皆さん方等が拉致と認定され、あるいは拉致の可能性が高いというふうに言われているわけでございます。
  そういう中で政府といたしましては、拉致の問題にかかわらず、この北朝鮮問題は、対話と圧力で臨むというふうに言っておるところでございますので、経済産業省といたしましては、外国貿易の管理省庁という立場で、水際でのものの出入りということに関しまして、ご承知のとおりキャッチオールというもので強化をしているところであります。海底から引き揚げた工作船の中から出てきた日本製の携帯電話でいろんな不法行為が行われている、あるいは日本から輸出された部品でもってつくられたミサイルが日本を向いている、日本に飛んできている。こんな馬鹿なことがあっていいんだろうかということで、私どもといたしましては、この北朝鮮に向けてのものの輸出についての強化、現在、キャッチオールは、ご承知のとおり大量破壊兵器に関するという条件がついておりますけれども、これに限らず、北朝鮮に向けてのものについては厳しく制限をしていきたいというふうに考えておりますので、各知事さん方と連携をとりながらやっていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
○総務大臣 それでは次の問題に入らせていただきます。三重県知事、愛媛県知事、それぞれから高速道路関係についてのご発言があります。最初の野呂三重県知事。
○野呂知事(三重県) ありがとうございます。私の方から高速道路の整備につきまして、今回、都道府県に対しまして、意見をいろいろ求められておるところでございますけれども、重要な観点が抜けていると強く感じておりますのでご意見を申し上げたいと思います。
  今回、区間ごとにおきます総合評価というのが高速道路の評価として出されたわけでございます。そのことは一つの参考になるものでありますが、それだけでは非常に不十分である。特に、国家戦略的に必要性の高いそういった路線であるとか、それから大規模地震対策として必然性のある道路、こういったものがあるわけでございますから、そういう意味では区間ごとの評価というだけではなくて、路線全体の評価をぜひあわせてやっていただかなきゃならんのではないかと思います。
  三重県を例にとって申し上げますと、当県は今後の対象として第二名神と近畿自動車道の既成線がございます。第二名神につきましては、申すまでもなく日本の大動脈でございます。ところが残念なことに、この第二名神で唯一施行命令が出てない区間、これが三重県にあるわけでございます。これができないということになりますと、東名阪自動車道に一気に集中をいたしまして、今でも満杯なところ、これはとても機能を果たし得ないというようなことになってきまして、これは地域だけではなくて、国家経済にとっても由々しい問題であろうかなと、こういうふうに思っておるところでございます。したがって、こういう区間ごとではなくて、路線全体を見た国のグランドデザインというようなものが大事ではないか、こういうことが1つございます。
  それから、近畿自動車道既成線につきましては、紀伊半島の方に走っていく高速度道路でございますけれども、ここにつきましては、ご承知のとおり東海地震だけではなくて、東南海地震、南海地震、これが同時発生したときには、10メーターを超える津波が予想されるというようなことでございます。ちょっとした雨でも寸断されておる今の国道42号線の状況、こういったことを考えていきますと、今日午前中にも徳島県知事から総理に意見としてありましたように、「命の道」という大事な路線でございまして、そういう意味で、私ども和歌山県とか徳島県、高知県、こういったところを一緒に強く命の道については、やはり防災というようなこと、あるいは国道管理ということから、ぜひ別のもう一つ大きな評価というものが大事ではないかとお願いしておるところでございます。
  地方でできることは地方でやれ、これは当然の一つの流れであります。しかし、逆に言えば、国が選んだことは、しっかり国がやってもらわなきゃ困る。こういうことでございますので、こういった点を踏まえて、今後の高速道路整備につきましては、十分お考えあわせいただきたい。石原大臣にぜひご尽力方、特に中心になっていただきたいと思います。
○総務大臣 加戸愛媛県知事。
○加戸知事(愛媛県) 今、野呂知事のおっしゃったことと基本的に同じでございます。先般、A、B、C、D、Eという路線の事業評価が報道されまして、四国にとって非常に辛い立場というのは、基本的に四国が一体的に発展いたしますためには、本四3橋はできましたけれども、新幹線はございません。言うなれば道路の幹線ネットワークの早期整備こそが四国発展の基本だと思っております。特に、愛媛県、高知県を結びます四国西南地域、これは過疎地帯に近づきつつありますけれども、八の字に連結してこそ四国の発展、あるいは四国の命がある。そういう意味で高速道路に期待しておっただけに、現下の状況は大変懸念いたしております。
  同様に徳島県知事がおっしゃった「命の道」、救急医療等の問題もそうでございますし、あるいは災害の代替路線の意味合いもございます。そういった点の評価がどうなるのかなというのが基本的にございます。現在のところ、A路線が行きそうで、D路線は新直轄方式で、B、Cがそのグレーゾーンというような報道がなされておりますけれども、正直、今、愛媛県にとっての関心事の区間がC路線と位置づけられております。こういった場合に、単純に採算がとれるかどうか、Aでいくのか、あるいは新直轄でいくのかということだけではなくて、例えば話ですけれども、1,000 億円かかる区間は600 億円でないとそろばん勘定が合わないならば、残り400 億は国と県が出資負担することによって採算に乗り得るというケースもあり得ると思います。現在の道路公団法では、自治体の負担が禁止されておりますけれども、いずれ改革でございますから、その辺がどういう形にすれば、ネットワーク完成に効率的なのか、あえて愛媛県の立場で言うならば、自治体の負担があっても有料道路として建設する道があってもいいのではないのか。そういう死活問題という意味で、ぜひとも従来のスピードが落ちない方向での対応を国土交通省も真剣にお考えいただきたいと思っております。
  以上です。
○総務大臣 同じく静岡県石川知事さんからも道路四公団民営化と高速道路の整備についてのご質問があると伺っておりますので、石川静岡県知事、その後福島県知事。
○石川知事(静岡県) 三重県知事と愛媛県知事と共通する部分がございますが、全国高速自動車国道建設協議会会長を仰せつかっておりますので、そういう立場も踏まえて発言いたしたいと思います。
  高速道路は、国民生活、国家経済を支える国の根幹施設であることは言うまでもありません。救急医療や災害時にも必要不可欠である。加えて、広域物流の視点からもネットワーク化されて初めて最大限の効果を発揮するわけであります。そういうことになってまいりますと、きちんと高速道路のネットワークが完成いたしますと我が国の経済再生にもつながって、例えば、道路関係特定財源の増収すら期待もできるわけであります。したがって、現在の税収を固定的に考えて、その範囲内でしか道路を建設しないとか、そういうことでなくて考えていただきたい。現在、整備計画として確定しております9,342 キロは責任を持って早く整備する。加えて法定予定路線である1万1,520 キロメートルも整備を着実に推進する。そのための仕組みとして今いろいろと議論されております四公団民営化、あるいは、そのもとでの高速道路の建設のスキーム、これもそういう視点でぜひ知恵を出しながら進んでいただきたい。
  愛媛の知事からも提案がありましたけれども、我々も必要ならば応分の負担をするということも前提にしながら、9,342 キロや1万1,520 キロを段階的にでもいいですから整備するような、そういう展望の持てる案をぜひ決めていただきたい。加えて、高速道路は国民共有の財産ですので、他の道路と一体となって機能するわけであります。したがって、新会社による道路資産の買い取りは行わずに、償還後は国等に帰属させるという、そういうスキームをぜひ今回決定していただきたい、そう思います。よろしくお願いします。
○総務大臣 関連して福島県知事。一括して、その後で石原大臣からご答弁をお願いします。
○佐藤知事(福島県) 国土交通大臣と中川経産大臣がちょうど並んでおりますので、道路をつくるのは国土交通省なんでしょうが、原子力発電所の防災を先週金曜日に訓練をやりました。今でも電力会社さんの社員の車で朝晩は渋滞して6号国道はどうしようもない。万が一の事故等の場合、その地域の住民はまさに逃げる道路、避難道路がございません。避難道路の意味も含めて、この道路は当然Aになると思っていたんですが、Bでございました。国策で原子力と言っている割には道路はまた別でございまして、そういう意味では縦割りなのかどうかわかりませんが、ぜひ隣の経産大臣にも応援していただいて、よろしくお願いしたい。
  麻生政調会長時代にも申し上げたんですが、常磐線の鉄道は明治30年前後に4年で水戸から仙台までできています。東北本線は大宮から青森まで7年でできております。あの経済的に大変な時代に、そういう状況でございますので、先ほど私、総理にも申し上げたんですが、国の役割の中の骨格的な、あるいは基幹的な交通網についてはぜひ、これはどこでつくろうといいんですが、しっかりと整備していただきたい。特に原子力発電所地域については、ぜひお願いしたいと申し上げておきます。
○総務大臣 今、それぞれ4県の知事からご質問が上がっております。いずれも道路関係と思いますので、石原国土交通大臣から一括してご答弁をお願いします。
○国土交通大臣 今後の高速自動車道の整備についてのご質問であったと存じます。野呂知事、また福島知事のご提言は大地震の話と原子力発電所の国家戦略に関係するものであるから、こういうものを配慮せよというようなご指摘でございましたし、あとのお二人の知事さんのご指摘は応分の負担をしてでも整備すべきものは整備しろというようなご意見ではなかったかと存じます。基本的な原則は無駄な高速道路はつくらない。民営化推進委員会で示されました判断基準、中村英夫先生の判断基準を踏まえて、整備区間9,342 キロの未供用区間について、今、70路線に細かく切らせていただきましたけれども、厳格な事業評価というものを行わせていただきました。その結果につきましては、去る11月28日に開催されました政府与党協議会にお示しし、公表もしたところでございます。
  この事業評価に当たりましては、まず最大のポイントになりますところは、社会便益と費用、これが「1」を必ず上回るということが大原則であります。もちろん各知事の皆様からご意見がございましたように、採算性だけではなくて大規模地震の対応策、あるいは国家戦略的な原子力発電所の位置づけ、またこれも市町村長たちから大変多く意見が出されるところでございますけれども、高度な医療施設、中核医療基地への輸送時間の短縮等々の社会的な外部評価というものも今回は無駄か無駄じゃないのか、必要か必要じゃないのかの指標の判断に含ませていただきまして、総合的かつ客観的な評価になっております。そこで今後、ただいま地方公共団体の皆様方のお話もお聞かせ願いましたが、また別の機会を設けさせていただきまして、十分にご意見をお聞きし、必要性の精査というものを行うこととしております。その中で、先ほどどなたかの知事様からお話が出てまいりました新直轄方式について整備を行うこととする区間については、国土交通省の方で原案を取りまとめまして、年内に開催を予定しております国幹会議の議を経て決定をさせていただきたいと思います。
  また今回の事業評価、いわゆるA、B、Cという言われ方をされましたが、これは相対評価でございますので、Aが一番よくて、Dが悪いというよりも、4分類にするとこういうところに入りますよというイメージでぜひ見ていただきたいんですが、事業評価を見ますと、高速道路をつくったとしても、その指標で見てその効果というものが費用わずか、「1」よりちょっとしか上回らないというものが実在していることも事実だと思います。現行整備計画すべてをそのまま直ちに建設することには、この結果、私はならないのではないかと思っております。しかしながら、これらについては、先ほどご提言がございましたように、かなり各知事の具体的なご提言、1,000 億かかるんだったら、それでペイできないなら600 億円国が出して、400 億を県と国で折半するというような、例えばというお話でございますが、ご提言がございましたが、その企画構造、あるいはそのコスト削減のことだと思います。かかる費用が減りましたはB/Cは必然的に高くなりますので、新直轄方式による無料化で医療の促進を図るなど様々な工夫もこれからしていかなければなりませんし、どういうふうにつくるかという話は、実は今日お集まりの地方公共団体の皆さん方とともに検討していく必要があるとも考えております。
  いずれにしましても、高速自動車国道の整備が地域に対してどのような効果をもたらすのかというしっかりとした、また客観的に判断して、どのような地域の課題の解決に役立つのかといった個々の事情も十分に考慮しなければ、数字だけで判断するだけではいけないものだということも認識しているということを最後に申し述べさせていただきたいと思います。
  それと石川知事からのご質問でございましたが、どんどこつくれるスキームを選びなさいというようなご指摘だったと思いますが、11月28日の政府与党の協議会には、公団民営化の基本的な枠組み、すなわちスキームにつきまして3つの案を提示させていただいたわけでございます。今後の公団民営化の基本的な枠組み、いわゆるスキームについては、政府の方で閣議決定をさせていただいておりますけれども、民営化委員会の意見を基本的に尊重するという方針のもと、平成17年度中に民営化するということに向けて、来年の通常国会に法案を提出すべく政府与党協議会にも諮りながら、年内に民営化の具体案をまとめるということにさせていただいているところでございます。しつこいようですけれども、その過程におきましては、現場の状況を一番ご存じある皆様方をはじめ、各方面の意見を十分に聞かせていただきたいと考えているところでもございます。
  以上でございます。
○総務大臣 それでは、次にごみ固形燃料の管理基準の早期整備について、谷本石川県知事。
○谷本知事(石川県) 環境問題、とりわけごみの問題は私ども自治体にとっては大変大きな問題であります。発生あるいは排出抑制、さらには再資源として活用する循環的な利用、さらには法の基準に合致した適正処分、こうした一連の対応を私どもも懸命な取組みを進めておるわけでありますけれども、実は能登半島、日本海に突き出た半島なんですけど、ここに24の市町村がございまして、9か所の焼却施設を持っておりました。このうちの2か所から基準を大幅に上回るダイオキシンが発生をするという事態が生じまして、どう対応していいのかということで大変苦慮したわけでありますけれども、国の方でダイオキシンの法規制をさらに強化するという動きがありましたし、それに対応するには広域的な対応が必要だという方針も示されたものですから、我々もこれはひとつ広域対応をやっていこうということで、そのためにはRDF化が一番よいのではないかという結論に達したわけでありまして、9か所ありました焼却施設を専焼炉1か所にこれを集約いたしまして、そしてRDFの製造施設を5か所整備するという形で、このRDF化計画というのを促進をしたわけであります。これは24の市町村が関連をしております。一般廃棄物の処理は基本的には市町村の責任なんですけれども、24も市町村がありますとなかなかまとまらないので、県も一枚そこに加わりまして、こういった集約化の作業を進めてまいりました。
  この4月から稼動しているわけでありますけれども、このRDFはダイオキシンの発生については、法基準の100 分の1以下に抑えるという形でやっております。そしてもう一つは、余熱が当然出ますので、その熱を利用して発電もやる。出てきたスラグについては、路盤材、舗装材として活用するということになれば、ある意味ではゼロエミッションを実現することになるのではないかということで、市町村は大きな期待を持って、この4月からスタートをしまして、10月までは順調に稼動していたんですけれども、10月の15日になりまして、専焼炉にあります貯蔵サイロ、2つあるんですけど、そのうちの一つから非常に温度が上昇しまして、通常は20度前後なんですけれども、それが40度以上に上昇するという事態が起きまして、急遽、このサイロへのRDFの搬入を中止するという事態が発生をしました。今は窒素ガスを注入して、温度は大体正常値に戻っておるわけなのでありますけれども、このことによって、非常に地域住民の皆さん方の不安感とか不信感が増幅をいたしまして、私どもも地域の皆さん方に安心をしていただく、そういう施設でなければいけないということで、この原因というんでしょうか、そして対策、そういった委員会をこれから立ち上げるということにしておるわけであります。このRDFが水分を吸収して、発酵して、それがまた異常発熱につながるというのは、正直言って最初は国の方でも想定をされていなかったというようにお聞きをしております。環境省を中心にして、このRDFの適正な管理とか、施設の安全対策について、今、検討を行っておられるというふうにお聞きをしているわけでありますけれども、早急にやはり結論を出していただいて、その管理基準をきちっとお決めいただきたいというふうに思うわけであります。
  我々はごみの単純焼却、そして残った焼却灰を単純に埋立てするという処理よりは、やはりダイオキシン規制に対応した適正な焼却と、それから余熱利用による発電ですとか、今、申し上げたスラグの有効利用を進めるというRDFの方式は、ごみ処理方式の一つの方式だというふうに理解しておりますし、これに専焼炉も含めて我々は300 億円ほど建設費を既に使いましたので、これはぜひ、これからもこの適切な運用をやっていかなきゃいかん、こういう思いでございますので、石川県だけじゃなしに、全国のRDF施設で同じようなトラブルが起きているというふうにお聞きをしておりますので、ぜひ、この原因究明と、それに対応したRDFの管理基準というんでしょうか、それを早急に策定をしていただきたい。そして、住民の皆さん方に安心できる施設として我々も運用していきたい、このように思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○総務大臣 環境大臣。
○環境大臣 ごみがエネルギーにかわるということになりますと、まさに一石二鳥と言いましょうか、皆様方には積極的に各地でRDFの方に取り組んでいただいているところでございます。そしてこの夏以降、各地で問題が発生しているわけでございまして、既に各都道府県に対しては、固形燃料の性状の管理、性状というのはノーマルという意味じゃなくて、その形とかがうまくいっているのかどうか。それから保管整備での温度監視の徹底などをお願いしたところでございますけれども、せっかくこのようにゼロエミッションを実現できる新しいシステムでございますので、皆様方にも安心して取り組んでいただけますように、まず、なぜそういうことが起こるのかといったような調査研究、他の省庁との報告などもあわせて、今月中にまとめて皆様方の方にお伝えをしていきたいと思っております。早急に取り組んでおりますので、よろしくお願いいたします。
○総務大臣 それでは、続きまして栃木県、福田知事から2点。教育基本法で1つ、もう1個は、先ほど総理との話でありました足利銀行につきましてご発言をお願いします。
○福田知事(栃木県) 栃木県の知事でございます。まず1点は教育基本法改正についてでございますが、現在の教育の混迷、これはどこにあるのかということを考えてみますと、やはり、私は文部科学省と日教組をはじめとする教職員組合との長い間の闘争の不幸な歴史がある、このように考えています。そういった中で、残念なことながら、日の丸を掲げたというだけで校長が自殺をしなくちゃならない。そのような状況があったり、あるいはある地方では、学校を通知文を出すに当たっても、教職員組合と協議をしないと学校に通知文を出せない。そのような市町村の教育委員会があるということなどを考えますと、こうした不幸な歴史は、既に米ソの冷戦構造がなくなってしまった現在、一日も早く解消すべきだというふうに思っています。そして、そのためには教育基本法を改正をして、その中で地方分権を明確にすべきだと思います。そうすれば、今、課題になっているような愛国心の問題なども地方に任せて、郷土愛、祖国愛、そういった形で進めていくことも十分可能だと思っておりますので、教育の地方分権を進めて地方の任せる。そのためには、教育基本法の改正に当たっては、教育基本法の第1条教育の目的がございますけれども、その教育の目的の中に第2項を設けて、教育の目的を実現するために、教育の地方分権を推進すると規定をしていただく。そしてさらに三位一体の改革を踏まえて、5か年の教育進行計画を策定する中で、着実に地方へ権限と財源の移譲を図っていく。そういうことを計画して進めていくことが非常に重要だと考えておりますので、ご検討をいただければありがたい、そのように思っております。
  次に足銀の問題でございますけれども、これは竹中大臣の方に質問を1点、そして要望を3点させていただいています。
  私、「分度推譲立県・栃木づくり」というのを進めておりますが、まさに足利銀行も規模を縮小し分度を小さくして、まさに利益が出るような体質にしたわけであります。1年に500 億程度の利益が出るような、そういう体質になってまいりましたので、あと2年6か月あれば私は自力更生ができたのではないか。このように考えているところでございますが、そういったことを大前提としてご質問をさせていただきますが、今回、足利銀行を預金保険法に基づく3号処理、破綻処理をする理由と根拠はどこにあるのかということをお伺いしたいと思っています。1号処理、りそなと同じような処理であれば、足利銀行は体力を回復しつつありますので、あと2,000 億円もあれば十分に、竹中大臣が考えているような2005年4月のペイオフの完全解禁にはしっかりと健全体質になって間に合うと考えておりますけれども、しかし今回は3号処理、破綻処理ということであって、1兆円を超えるような公的資金を使うということでございますが、費用対効果からいっても、私は今回、りそな型1号処理の方がずっとベターではないかというふうに思っておりますので、そういった意味で、今回なぜ足銀をりそなと違って3号処理、破綻処理をする理由と根拠を明確にしていただきたい。それが質問でございます。
  要望が3点でございますが、1点は地元経済界の皆さんの心配、これは竹中大臣の考えとは違いまして、貸し渋りや貸しはがしが一層強化されるのではないか、あるいは連鎖倒産や関連倒産などがどんどん起きてしまうのではないかということを心配いたしておりますので、そういった心配がなくなるように、ぜひ関係省庁の連絡会議も今回初めて設けていただけるようでありますが、そうした連絡会議、あるいは政府系の金融機関を挙げて強力なご支援をお願いしたい、こう思っております。
  それから2点目は、今回はりそなと違いまして、株主を責任を問うということでございますけれども、地域に欠かせない金融機関として、足利銀行を支えるために借金までして増資に協力をしたり、あるいは都銀から貯金をわざわざ下ろして増資に協力をしたり、そうした善良の株主の責任まで問うつもりなのかお伺いしたいと思っています。株価の価値が0になりまして借金だけで残ってしまうような人に対して、今回特別を救援措置がとれないのかご検討をお願いしたいというのが2点目でございます。
  それから3点目は、これは栃木県の知事だけじゃなくて、全国の知事さんに関係のあることでございますが、まさに金融のことについては、国の専管事項ということで今回の足銀の処理については、栃木県の統括権限のある知事でございますけれども、知事の意見を聴取するという機会は全くございませんでした。結果しか知らされなかったわけでありますが、そういった意味では本店のある、少なくとも地元の知事の意見を事前に聴取する、そういう機会が制度として私はあってもいいのではないかというふうに考えております。ぜひ、これは全国の知事さんに関係することでございますので、地銀をこのような預金保険法に基づく処置をしたりする場合に、都道府県知事の意見をしっかりと事前に聴取をする。そういうのを仕組みとしてぜひつくってほしい。将来のためにそのようなお願いをしたいと思っております。
  以上でございます。
○総務大臣 最初の質問に関しまして、河村文部科学大臣。
○文部科学大臣 栃木県の福田知事さんから、教育法の改正についてご提言とご指摘をいただきましたありがとうございました。教育基本法の改正については、歴代の内閣が教育の構造改革の一環として熱心に取り組んできたところでございます。今年の3月に、遠山大臣のときでありますが、中央教育審議会の方から、この教育基本法の改正についての答申がなされたところでございます。教育基本法の改正の必要があるという答申をいただきました。今、知事さんのご指摘の点について、特に地方分権を明確に打ち出すべきだという話でございますが、この答申の中で教育の行政の役割については、地方分権の観点から、国と地方公共団体が適切に役割分担をしていくことが重要になっていくことを踏まえて、教育における国と地方公共団体の責務について規定することは適当であると、こう書いてありますので、これを踏まえながら、教育基本法の改正に当たらなきゃならんと、このように思っております。
  この問題については、与党におきましても、既に5月に与党教育基本法に関する協議会を設けまして、与党内で今協議会を進めておるところでございまして、これは教育の根本に関する法律でございますから、国民の広いご理解もいただかなきゃなりません。こうした議論も踏まえながら、この問題にしっかり取り組んでまいりたいと考えておりますし、今の三位一体論のことにつきましても、やはり、これはひとえに、国がどこまで教育に責任を持ち、地方、いわゆる地方自治体等がどこまで持っていただくかという根本に関する問題でございまして、これは単なる財政論だけではなくて、問題もありますが、教育論としてしっかり議論する必要もあろうと、このように考えておるところでございます。ただいまご指摘を踏まえて、教育基本法の改正にはしっかり取り組んでまいりたいと、このように思っております。
○総務大臣 竹中金融担当大臣。
○金融・経済財政政策担当大臣 福田知事からご指摘のありました地銀について、知事及び県民の方々のご心配、ご懸念、大変よく理解できることでございます。私たちにとっても大変残念な結果であったというふうに思っております。
  まず、ご質問の件でありますけれども、どうしてこのような措置が適用になったのかということであります。銀行というのは信用を基礎にしたビジネスを行っているわけですから、その意味では大変厳しい状況の中で常に仕事をしなければならないと思っております。それゆえ、法的な枠組みがしっかりと実は整備をされております。今回、銀行は自らの判断において、15年9月期の決算において債務超過であるというふうな報告を行いました。その上で、これは債務超過であっても、知事がおっしゃるように、これは極めて一時的なものであって、すぐ回復できるということであれば、そのような措置をとれるわけでありますが、これまた銀行の判断でそういう措置はとれないということで、債務超過を解消することはできないという判断で破綻の申し出がなされた。銀行が債務超過であるということを認めて破綻の申し出をしたというのがまず事実関係としてございます。
  そうなった場合に我々金融当局としましては、これが地域に及ばないようにどのような措置が講ぜられるのか。それとの関連でセーフティネットとしての預金保険法第102 条というのがございます。債務超過である場合にはその1号措置はとれない、2号か3号ということになるわけでありますけれども、今回の場合、地銀が県において50%に達する高いウエートを占めているということを勘案しまして、極力地域に対する影響を小さくするという観点から3号措置をとったということでございます。この3号措置について、ぜひご理解をいただきたいのでありますけれども、これはしっかり管理をして営業を続けるということを意味しています。再生をして新しい経営に引き継ぐということを意味しております。預金は全額保護されます。地域の影響を最小限に食い止めるという趣旨でございます。そうした観点、今、質問に対するお答えとして申し上げますが、同時に、この3号の趣旨を知事からもぜひ県民の皆さんにしっかりとご説明をいただきたいと思います。
  要望に関しそれぞれ3点ございました。地域への影響に関しましては、我々としても総理のご指示を踏まえまして、関係省庁や栃木県と連携して地域の金融経済の安定に万全を期したいと考えております。既に、本日午前に関係省庁との連絡会議の準備会合を開催したほか、各政府系金融機関においても、足利銀行特別相談窓口が設置をされております。この協議会には、ぜひとも県にもオブザーバーとしてご参加をいただきたいと思っております。
  あと2点、株主についてどのように考えたらよいのか、善良な株主に対してどう対処できるのか。その何らかの救済措置はあるのか、さらに、その意見をいう機会を県にもつくってはどうなのか。この3号措置というのは今回初めての適用であります。これは今後の一つの教訓としまして、できるだけリアルタイムでいろんな情報をお知らせしまして、同時に、影響を小さくできるような措置として、どのような仕組みが考えられるか私たちも検討したいと思います。県におかれましても、ぜひ前向きにいろんな点のご協議をいただきたいと思っております。
○総務大臣 よろしゅうございますか。それでは次に、岩手県、増田知事から雇用対策における地方分権と雇用促進策についてご発言があります。
○増田知事(岩手県) 岩手県知事でございます。今、雇用対策は公共団体の最優先課題となっているわけでございますが、その多くは国が主体となって行う形になっております。この点については、ぜひ地方公共団体との連携をさらに強めていくという観点で、いろいろと公共団体の役割、いわゆる地方分権を推進していただきたいということ、以前もこの場で申し上げたところでございますが、幸いにいたしまして、坂口大臣の方で大変ご努力をいただいて、職業安定法が改正をされて、来年の3月までに職業紹介業務の一部を公共団体が取り扱われるようになる、こういった形になるというふうにお伺いしております。法律の内容については決まっていることでございますので、ぜひこれがうまく機能するように我々も努力を進めていきたいというふうに思っているところでございますが、この点についても、これは第一歩だというふうに考えております。
  法律の内容については、地方公共団体が自らの行う行政施策を実施する上で付帯的に必要となるものについては、届出により実施できるということで、一般的に公共団体が行うのではなくて、かなり限定を付けた上で、一部公共団体に開放するということでございます。私ども公共団体のところには県内企業の経営の診断とか相談、それから融資の相談、また誘致企業のフォローアップなど事業主の生の声というもの、生の情報が公共団体のところに多数蓄積をされております。それから、県の保健福祉施策の展開を通じて知り得た求人情報に基づいて職業紹介を行うという必要性が高い場合もございます。こうした場合に、こうした職業紹介業務というのは、我々が行うことが最近喫緊の課題になっています若年者の雇用対策を効果的に推進する上でも、非常に有効であるというふうに考えられる場合が多いので,ぜひこの法改正をさらにこれから公共団体により広く門戸を進めるような形で考えていただきたいというのが1点でございます。
  それから、労働関係の各種雇用関係の助成金等がございます。給付金や助成金はそれぞれ事業主体が細かく分かれておりまして、雇用能力開発機構が行う場合ですとか、日本障害者雇用促進協会が行う場合ですとか、21世紀職業財団が行う場合ですとか、厚生労働省のいわゆる外郭団体が直接取り扱い、申請を受けて交付するような仕組みとなっている場合が多いんですけれども、どうも見ておりますと、やはり、取扱う窓口がかなり細分化をされている場合がある。あるいは、例えば岩手県の場合もそうなっておりますが、その団体の所在地が県内で県庁所在地だけに限られて、地方の住民が、事業主などがなかなかその利用に不便を来す場合があるといったようなことがございます。したがって、こうした窓口の一元化ですとか、それから、公共団体におけるそうした事務の一部の取り扱いということが実施されますと、特に職業紹介業務とセットで相談に応じることができるようになりますと、効果的な求人の開拓や地域の視点に立ったきめ細かなサービスの提供が期待できるのではないか。こういうふうに考えられまして、これをぜひ窓口の、いわゆるワンストップサービス化を進めていただければと、こういうことでございます。
  なお、就労関係について、例のジョブカフェについて、岩手県の方で県単でぜひ早くやりたいということで、県単で措置をしまして、今年の12月にこうしたジョブカフェを盛岡市内に開設をしようと思って今、準備を進めておりますが、もう今月でございます。こうしたことを行いましたところ、就労関係の窓口については、岩手労働局の方でも、そこに一本化しようということで、今一本化のための場所を確保していろいろ動いてくれていまして、こういったサービスの向上についても、いろいろお考えいただいている部分が出てまいりましたけれども、特にこうした雇用関係の助成金の窓口の一元化について、今後ともぜひ前向きに取り組んでいただくように、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○総務大臣 質問は、窓口を一本化しようということですか。
○増田知事(岩手県) 窓口をぜひ一本化して、それでサービスの向上を図るということと、それから行く行くは、こうした関係について、地方公共団体が職業紹介業務とセットで相談に応じられるように、そういう形で行く行くはその内容を拡大していっていただきたい、こういう2つのお願いでございます。
○総務大臣 坂口厚生労働大臣。
○厚生労働大臣 雇用対策につきましては、既に法律も通っておりますので、少し遅れて申し訳なかったんですが、来年の3月1日からは地方自治体においておやりいただけるようにしたいということで今準備を進めているところでございます。
  その中で先ほどからお話がございましたように、都道府県におきます企画・立案でございますとか、そうした実施方法につきましても改善いたしまして、できるだけ都道府県におきまして, そういう立案をしていただいて、実行していただけるようにしたいというふうに思っております。また、ワンストップサービスのお話が出ましたけれども、これも整備をさせていただいて、そういうふうになるようにしたいと思っております。
  そのほか、地元の経済界と協力していただいて、創意工夫をしていだたいて、そして雇用の創出をしていただくというようなものがありますときには、それに対する支援事業の創設というのも考えておりまして、そうしたものにもご支援をできるようにしたい。
  それから、この国の雇用関係助成金につきましても、この地方自治体が行います無料職業紹介事業によって、労働者を雇い入れていただくような事業主に対しましても、民間事業者と同様に支給対象としたいというふうに思っているところでございます。
  先ほどお話がございましたように、ワンストップサービスはできるだけ早く、そして各地域でできるようにしていきたいというふうに考えております。
○総務大臣 ありがとうございました。以上にていろいろご質問等々、あらかじめいただいていた分を終わらせていただきます。
  ちょうど12時から丸々4時間、いずれにいたしましても、最後に法務大臣と厚生労働大臣からそれぞれ発言がありますので、それをもって終わらせていただきます。法務大臣。
○法務大臣 本日は司法ネット構想について説明させていただきます。国民の目から見ると、司法は非常に縁遠い存在だと言われています。法的な問題に直面しているにもかかわらず、身近に弁護士がおらず、誰に相談したらいいかわからないことなど、そのまま泣き寝入りする国民が少なくないと言われています。この問題については、これまでも地方自治体の皆様や弁護士会などが法律相談窓口を設けるなど様々な取組みがなされてきました。しかし、このような各団体のご努力にもかかわらず、関係機関の連携が不十分なために、ある相談窓口に行っても、結局、紛争解決への道筋がわからずじまいということもあります。あるいは依然として相談する弁護士がいない地域が少なくないといった問題があります。
  そこで、このような問題を抜本的に解決して、国民が全国どこでも法律上のトラブルの解決に必要な情報やサービスを受けられるようにするための総合的システムをつくろうというのが司法ネット構想であります。司法ネット構想では、中核となる運営主体をつくって、弁護士会や地方公共団体や各種相談機関等とネットワークをつくり、法律のトラブルに巻き込まれたらどこに行けばよいのかわからないという人のために、司法ネットの事務所に来さえすれば、適切な担当機関の紹介を受け、解決の糸口がつかめるようにすることが考えられています。弁護士がいない地域では、運営主体が雇った弁護士が適正な料金で直接法律サービスを提供することも検討されています。皆様方におかれましても、この司法ネット構想について、ぜひともご理解とご協力を賜りますよう、お願いを申し上げます。
  以上です。
○総務大臣 厚生労働大臣。
○厚生労働大臣 片山知事さんはじめ、皆さん方から生活保護のお話が出ましたので、一言触れさせていただきたいというふうに思います。
  この補助全体で20兆円と言われておりますけれども、その55%は厚生労働省の関係でございまして、大変大きな分野を占めているわけでございます。その中で一番大きいのが国保、そして高齢者医療というのがその半分以上を占めておりまして、その残りが介護と生活保護と、そして施設整備運営、この施設整備運営の中には、保育所とそして障害者の問題が入っております。精神障害者の問題はいよいよこれから整備というところが含まれているわけでございます。したがいまして、どれを出しましても、喜んでいただけるようなものは一つもないというふうに思うわけでございますが、我々もその中から努力をして、これから3年間で4兆円という話でございますので、今年だけではなくて、来年、再来年のことも考えながら、一応スケジュールを今つくらせていただいているところでございます。
  これは先ほども谷垣大臣からお話がございましたとおり、今日初めて総務大臣等も交えてお話をさせていただいたところでございまして、まだ決まった話ではございません。これからお話し合いをさせていただきたいというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、どういう形で財源が流れるかは別にいたしまして、総枠では変わらないという考え方のもとに我々も提起をしていることを、ひとつご理解をいただきたいというふうに思っております。ここのところにつきましては、これからまた財務大臣や総務大臣ともよくお話を申し上げて、ここで決まらんことを皆さん方に申し上げることはございませんので、了解の得られるところでやりたいというふうに思っております。
  現在のところ、そういうことでございますので、ひとつご理解をちょうだいしたいと思っております。
○総務大臣 それでは最後に、知事会を代表して梶原知事会長。
○梶原全国知事会長(岐阜県)  本日はまことに貴重な時間をいただきまして、意見交換させていただき誠にありがとうございました。ただ一つ、三位一体についてお話ししたいと思うんですが、この問題に対しては、私ども全国知事会のみならず、地方自治六団体、なみなみならぬ決意で臨んでおります。安直な補助率のカット、あるいは目先の数字のつじつま合わせ、そういうようなことになれば、我々として意に反して反対運動を立ち上げて、全国的にキャンペーンを張らなきゃいけない、こんなふうに思っております。そういうことにならないように、政府側の賢明なご選択をお願いしておきたいと思います。ありがとうございました。
○総務大臣 それでは、これをもちまして、全国知事会を閉じさせていただきます。長時間のご協力ありがとうございました。(拍手)

(了)



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