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平成25年度地方財政審議会(4月26日)議事要旨

日時

平成25年4月26日(金)10時00分〜12時10分

場所

地方財政審議会室

出席者

(委員)神野 直彦(会長)  中村 玲子  鎌田 司
    熊野 順祥  小山 登志雄

(説明者) 自治行政局公務員部公務員課 課長補佐 野口 壮弘

議題

東日本大震災に係る民間企業等からの人的支援について

要旨

 標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な内容)

○ 民間企業が被災自治体に従業員を派遣するのは出向という形態なのか。労働法制上、どういう勤務地でどういう勤務条件なのか等については、使用者と労働者とが契約を結ぶと思われるが、この場合、出向だと本人の同意は欠かせないのではないか。
→ 民間企業側での出向形態については詳しくは承知していない。法制上、民間企業と公務員の身分とを併せ持つことになるが、民間企業との関係では従業員は労働関係法令に従って勤務してもらうことになると思う。

○ 例えば民間企業の従業員が出向したことで他の従業員と比較して不利な待遇を受けるとか、出向後、派遣元の民間企業に復帰できる保証があるのかどうか等の問題があるのではないか。民間企業と従業員との関係がどうなっているのかという点に留意しないと、この仕組みがうまく機能するかどうか懸念がある。

○ 一般的には民間企業の出向は、「休職出向」と「現役出向」とに分かれており、「休職出向」の場合は給料負担は派遣先が行う。一方、「現役出向」の場合は、業務委託手数料といった名目で全て派遣元民間企業が受け取り、出向者の給料は従来の給与体系に基づいて、派遣元民間企業から支払われ、勤務評価等も派遣元民間企業が行うものと認識している。

○ 民間企業によって対応が異なり、被災自治体が必要としている人材を民間企業が派遣してくれるかどうか懸念があるのではないか。
→ 被災自治体への派遣に当たって、民間企業と従業員との間の労働契約や評価等のあり方については、民間企業側が適切に行っていただいているものと考えている。派遣する民間企業と従業員との関係については、留意したい。

○ 被災自治体が給料負担するなら、民間企業から人材を求めるのではなく、被災自治体が自ら人材を採用すればいいのではないか。
→ 被災自治体の多くは規模が小さく、任期付職員の採用試験を実施しても応募が少なかったり、また応募があったとしても能力等において一定の水準に達せず採用に至らなかったという話も聞く。

○ 現地で採用試験を実施しても人材が集まらないのであれば、都会で採用試験を実施すればいいのではないか。
→ 岩手県、宮城県、福島県の被災三県においては、県が任期付職員として採用したうえで県内の被災自治体に派遣するという取組を行っており、昨年度はいずれも東京でも採用試験を実施した。それでも被災自治体が必要とする人数を全て確保できているわけではない。

○ 現役出向の形態をとる場合、民間企業側からすると社会保険料負担などのコストを勘案すると、出向者の給料は一部民間企業側の持ち出しにならざるを得ないのではないか。人的支援の呼びかけは、民間企業の厳しい現状を認識した上で行うべきである。
→ 基本的には民間企業には迷惑をかけないというスタンスであるが、出向により民間企業が負う労働コスト全体を把握しているわけではない。

○ 民間企業による人的支援の取組は、ベースに「皆で支え合おう」というキャンペーンのようなものがないとなかなか進まないのではないか。企業イメージの向上に貢献するという点で、人的支援を行った企業名を公表することも有効と考えられる。

○ 被災自治体に勤務していたOBや他の自治体のOB職員を採用する方が、自治体の業務にも精通しており、現実的ではないか。被災自治体に勤務していたOB職員なら住み慣れた土地で働きやすいという利点もあるのではないか。
→ 被災自治体には再任用職員の活用についても助言を行っているところである。

○ 震災から2年が経過し、被災自治体での人材不足も風化しているのではないか。マスコミを上手く使ってPRし、例えば各自治体の派遣実績を知らせるなど自治体の競争心に訴えるようなやり方もあるのではないか。

○ 事業委託というかたちで物件費として被災自治体が民間企業に例えば支出することもあるのではないか。
→ 用地関係などの事業において、全て職員が行うのではなく事務の一部をアウトソーシングすることもあり得ると考える。

○ 民間企業に対して人的派遣を求めることはまったく問題ないが、実効あるものにするためのインフラ(条件)整備は考えておく必要がある。ただ、OB職員の活用も含めてまずは可能な限り公務員間で補う努力もすべきである。公務員も苦しいだろうが、民間企業はもっと苦しい。
→ 本日委員の皆様から伺った話は、今後、被災自治体への人的支援を進める上で、留意していきたい。

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