総務省トップ > 組織案内 > 審議会・委員会・会議等 > 独立行政法人評価制度委員会 > 第5回独立行政法人評価制度委員会議事録

第5回独立行政法人評価制度委員会議事録

日時

平成28年2月22日(月)14時00分から15時25分まで

場所

中央合同庁舎第2号館8階 総務省第一特別会議室

出席者

(委員)
野路國夫委員長、樫谷隆夫委員長代理、岡本義朗、梶川融、関利恵子、土井美和子、中村豊明、原田久
(事務局等)
高市総務大臣、上村行政管理局長、長屋官房審議官、新井管理官、深澤管理官他

議事

  1. 平成28年度から始まる中(長)期目標案についての意見
  2. 平成28年度における独立行政法人評価制度委員会の取組課題
  3. その他

配布資料

議事録

【野路委員長】  それでは、定刻となりましたので会議を始めます。本日はお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。ただ今から第5回の独立行政法人評価制度委員会を開催いたします。
 本日の会議では、栗原委員、橋委員が御欠席の予定です。
 また、本日は高市総務大臣に御出席いただく予定です。大臣の御出席は、公務の関係で2時20分ごろになりますので、到着され次第、御挨拶をいただきたいと思います。
 議事に入る前に、前回の委員会を御欠席されました中村委員が初めて委員会に御出席されますので、簡単に御挨拶をお願いいたします。
【中村委員】  御紹介いただきました中村でございます。今回初めての出席になります。ちょうど2月16日から日本もマイナス金利になって、いよいよデフレの世界が何か近くに見えるような感じもしてまいりましたが、こういうときこそコストとパフォーマンスを改善させることが大事だと思いますので、日本のQoL(Quality of Life)を向上させるように、そういった面で貢献してまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 それでは、審議に入りたいと思います。本日は、議題1「平成28年度から始まる中(長)期目標案についての意見」、議題2「平成28年度における独立行政法人評価制度委員会の取組課題」について御審議いただく予定としております。
 まず、議題1の平成28年度から始まる中(長)期目標案についての意見を、事務局から説明をお願いいたします。
【新井管理官】  管理官の新井です。よろしくお願いいたします。
 それでは、お手元の資料1、1ページをお開きいただけばと思います。これは28年度から始まる中(長)期目標案についての意見ということで、各主務大臣共通事項を整理したものです。
 前回、2月3日の評価部会で御説明いたしましたとおり、この審議は各省共通事項と法人別の個別事項に分けて御議論をいただいてまいりました。まず、その各省共通事項につきましては、前回の評価部会で方向性を御説明申し上げましたが、その線に沿いまして意見案を作成し、各省にも提示した上で、この資料1のとおり取りまとめを行いました。
 内容的には、各大臣から諮問された目標案につきましては、昨年11月の委員会共通意見や独法の目標策定指針、これらにつきましてはきちんと反映をされているところでありますが、今回新たに定められる目標に基づく組織運営・業務遂行や、今後、目標期間が終了する法人について、新たな目標を定める上で重要と考えられることから、各大臣共通的に意見を述べることとお願いしたいと考えております。
 まず第1に、昨年11月の委員会、共通意見に係る反映状況からご説明いたします。
 第1、独立行政法人の統合効果の発揮の最大化ですが、これは(2)にありますように、いずれの統合法人につきましても、具体的な目標は策定されております。今後の法人運営に当たりましては、統合法人としての一体的なマネジメントを強化し、法人の政策実施機能の最大化、業務の質と効率性の向上という、統合効果の最大限の発揮につなげることが重要であるとしております。
 次に2番、国の政策における位置付けの明確化ですが、これは2ページの(2)になりまして、いずれの法人におきましても、この目標策定指針に従いまして、国の政策における法人の位置付けや役割、民間部門との役割分担につきまして、目標案に明記されております。
 今後の法人運営に当たりましては、目標に明記された法人の位置付け、ミッションに基づき、これらを年度計画や現場の業務目標にブレークダウンした上で、個別具体的な業務を遂行するとともに、国の政策の方向性が変化した場合には、法人においても適時・確実に対応して、業務の重点化・効率化を図り、必要に応じて目標を見直すなど、法人の政策実施機能の最大化を図ることが重要であるとしております。
 次、3番、政策目標の明確化です。これについては(1)にありますように、昨年11月の意見では、アウトカムが的確に測定できるような具体的かつ定量的な目標を設定する、それから研究開発法人につきましては、アウトカムの寄与・実現への貢献を的確に測定できるような、具体的かつ明確な目標を設定することを指摘したところです。同様の趣旨は目標策定指針においても定められております。
 また、研究開発の事務事業につきましては、指針において、「できる限りアウトカムと関連させた目標とし、定量的な水準・観点について十分考慮した具体的かつ明確な目標を定める」、「目標策定時に適切な評価軸を設定する」、「定量的水準・観点を十分考慮した指標等を設定する」などが規定されております。
 3ページの(3)を見ていただきますと、今回いずれの法人につきましても、最終的に諮問された目標案におきましては、目標策定指針に基づき、アウトカムに着目した具体的・定量的な目標・指標が定められております。
 ただし、これは委員会への諮問に至るまでの過程で、一部の法人につきまして、定量的な目標が定められていないものや、評価軸などを、目標策定時ではなく評価の際に定めるとしていたもの、目標案と評価軸等の関係が不明確であったものなどが見られております。
 (4)にまいりまして、平成26年の独法制度改正の趣旨は、主務大臣による目標管理・評価の仕組み、これを徹底するものでありまして、指針に基づき、まず具体的・定量的な目標を定める、そして目標の水準は法人の努力を促す水準とし、その達成水準の考え方を明記する必要があるとしております。
 特に、研究開発法人につきましても、これはやはり運営費交付金により運営されている独法の一類型であるということを踏まえまして、指針に基づき、研究開発の事務事業について具体的、明確な中長期目標を策定するとともに、目標策定時に評価軸を設定する必要があります。
 加えて、設定した評価軸につきまして目標に書き込むこととしまして、評価軸を目標の別添として定める場合には、評価軸と目標の関連を目標に明記する必要があるとしております。
 次、4番目、組織運営・ガバナンスの適正化ですが、これは4ページの(2)を見ていただきますと、いずれの法人につきましても、内部統制システムの整備及び同システムが有効に機能するための取組について目標案に記載されております。
 今後の法人運営に当たりましては、法人の長が内部統制の実態を継続的に検証・確認し、必要な見直しを行い、内部統制を継続的、有効に機能させていくことが重要であるとしております。
 (2)の(2)ですけれども、いずれの法人につきましても、法人類型や業務の特性に応じ、外部人材の招へいや人事交流の計画的な実施、クロスアポイントメント制度の導入等の人事管理についての具体的な目標が策定されております。
 特にクロスアポイントメント制度の導入につきましては、大学及び公的研究機関等において積極的に導入することが求められていることも踏まえまして、今後の法人運営に当たっては、法人の長のリーダーシップを組織内で貫徹し、現場レベルでの業務遂行に着実に反映していくという観点で、組織・人事管理や業務遂行に当たっていくことが重要であるとしております。
 最後に、5番、財務内容の改善ですが、これは5ページの(2)を御覧ください。いずれの法人につきましても、収益化単位の業務ごとの予算と実績の管理体制の構築など、財務内容の改善に係る指摘を実施するための具体的な目標が策定されているところであります。これらの取組を引き続き推進していくことが重要であると出しております。
 特に管理会計の手法の活用によります予算管理の徹底につきましては、法人の自立的なPDCAサイクルの機能強化に不可欠であるということを踏まえまして、今後の法人運営に当たりましては、目標に規定された取組の着実な実施により、法人の財務内容の改善・適正化を図り、法人の長のリーダーシップに基づく、自主的・戦略的な業務運営を行うことが重要であるとしております。
 第2に、目標策定指針に基づく指摘について、御説明いたします。
 (1)としまして、「一定の事業等のまとまり」の設定ですけれども、ここは指針では、「適正かつ厳正な評価に資する一定の事業のまとまりごとに目標を策定する」とされております。
 「一定の事業等のまとまり」につきましては、「一貫した管理責任を徹底し得る単位」とされておりまして、これは(2)を見ていただきますと、今回、いずれの法人についても、最終的に諮問された目標案におきましては、目標策定指針に基づき「一定の事業等のまとまり」が設定されております。
 ただしこれも、一部の法人につきましては、委員会への諮問に至るまでの過程で、「一定の事業等のまとまり」が適切に設定されていない状況が見られておりました。
 今後については、5ページの(3)を御覧いただきますと、今後「一定の事業等のまとまり」というものを適切に設定することの重要性を踏まえまして、指針に基づき、一貫した管理責任を徹底し得る単位で「一定の事業等のまとまり」を設定する必要があるとしております。
 加えて、どの項目が「一定の事業等のまとまり」なのかについて、目標に明確に示す必要があるとしております。
 それから、6ページですけれども、重要度、優先度、難易度の設定であります。これについては、(1)にありますように、指針におきまして、重要度、優先度、難易度が高い目標につきましては、それらが高い旨、それからその理由を明確に記載することとされております。
 (2)にありますように、今回いずれの法人につきましても、最終的に諮問された目標案におきまして、目標策定指針及び評価指針の趣旨を踏まえまして、適切に重要度等が付されております。
 ただし、一部の法人につきましては、当委員会の諮問に至るまでの過程で、理由を具体的に明記しないまま難易度が高い旨を記載するなどの状況が見られたところです。
 今後については、7ページの(3)になります。主務大臣は、重要度等を考慮したメリハリのある評価、それから達成が難しいような「チャレンジングな目標」の設定、法人の長のマネジメント向上につなげるよう、理由を明記した上で、適切に重要度等を付す必要があるとしております。
 最後に、3番の定量的な目標・指標の水準の設定ですが、(2)にありますように、今回、大部分の法人につきまして、定量的な目標・指標の水準を、過去の業務実績等を基準として設定されております。
 一方、新たに事業を実施する場合や新たな目標・指標を設定する場合などについては、類似業務の業務実績等に基づき水準を設定するなどの法人もあります。
 (3)ですが、今後新規事業や新たな目標・指標設定など、過去の業務実績を参考にできないような場合や、それから期中で法人の予算、人員等の資源が大幅に変更されたような場合などは、当初想定し目標に明記した水準とその後の業務実績に大きなかい離が生じる可能性も考えられます。
 このため、適正かつ厳正な評価が行われますよう、評価の際に目標の妥当性の検証を行い、指針に基づき目標を適宜見直すなどの対応を行う必要があるとしております。
 以上、部会の後、またユニットとも御相談しまして、共通意見についてまとめたポイントであります。
 次に、個別事項についてのご説明に入りますが、重点調整事項に係る対応状況といたしまして、前回の評価部会で特に重点的に調整をするということで、事務局においてユニットと綿密に御相談しながら、各省とやり取りをすることにいたしておりましたが、その結果、いずれも11月の委員会意見が反映されまして、反映不十分としておりましたものも対応済みという整理がついておりますので、個別事項につきましては意見なしの方向で整理をしております。
 以下、それぞれのユニットごとの調整結果につきまして、各担当管理官から御説明をしてまいります。よろしくお願いいたします。
【斎藤管理官】  管理官の斎藤でございます。私からは、第1ユニットの農林水産省の所管法人の新中(長)期目標案の状況につきまして、御説明を申し上げます。
 まず、家畜改良センターについてでございます。本法人の家畜改良増殖業務につきましては、11月の委員会の意見では、本法人と都道府県及び民間との役割分担を明確化するとともに、本法人が担う業務については、種畜ごとにその理由を明確化することを求めていたところであります。
 当初、これに対し提出された新目標案において、都道府県や民間との役割分担を明確にしつつ、保有する多様な資源を活用し、民間では取り組みがたい技術を駆使し、全国的な改良を進めるということで、それぞれがどういう役割なのかということが具体的に明らかでない、法人が担う理由について種畜ごとに明記すべきであるという指摘がなされたところであります。
 この指摘を踏まえまして、修正案につきましては、例えば、乳用牛、肉用牛、豚につきましては、都道府県は乳用牛は行っていないが、肉用牛、豚については地域ブランドの形成などで、一部で行っている。また民間でも行っている。それを踏まえてセンターは、中立公平な立場から、全国規模での遺伝的能力評価をはじめ、これらのことを行っていくということで、都道府県、民間の役割、そしてそれを踏まえた本法人の役割、また理由について、具体的に明記がされたところであります。
 さらに、鶏、馬についても、飼畜別にこうした記載がなされたところでございます。
 次に、本年4月に統合が予定されております農業関係の4法人でございます。
 本法人の繰越欠損金についてでございます。員会におきましては、繰越欠損金の解消状況を随時把握し、この解消計画を定め、進捗状況を踏まえた計画の随時見直しを行うということで意見をいただいたところでありますが、これに対する目標案の記述が、繰越欠損金の計画的な解消に向けた計画策定と進捗状況を踏まえた計画の見直しをされておりまして、これに対し評価部会におきましては、その計画どおりにいかなかった場合、それを見直す前提として、まずはその解消の手法が適切だったかどうかということを十分検証することが必要だという点、また業績の評価に当たっては、計画額と実績との対比が重要であるといった点、こうした指摘がなされたところであります。
 これらの指摘を踏まえた修正案が、平成37年度までの解消計画の策定と計画の着実な推進、解消手段の効果の検証を踏まえた見直しということで、まず年限を明示するとともに、計画と実績の対比をするという意図、さらには計画の見直しに当たっては、効果検証を踏まえて行うといったことを明らかにしているところであります。
 次に、国際農林水産業研究センターにつきましては、産学官連携、知財マネジメント、研究成果の社会実相などの研究間接業務につきまして、一定の事業のまとまりとしてどのように整理されるかが必ずしも明確ではありませんでしたので、それを明確にすべきだということで指摘がございました。
 これを踏まえて、一定の事業のまとまりについては、五つを設定するということで明示されたところであります。
 次に、本年4月に統合予定の水産関係の2法人についてであります。こちらについて委員会からは、教育の高度化に向けた取り組みとして、水研センターへのインターンシップの充実を図るほか、センターでの研究開発に携わった学生に単位を与えること、また学生をセンターの研究プロジェクトに参加させる仕組みの構築について指摘をされたところでありますが、このうち目標案におきましては、単位を与えるということについての記述が必ずしも明確でございませんでしたので、そこを明確にすべきという指摘がなされております。
 これを踏まえて、研究開発に携わった学生に対する単位認定の仕組みの構築を検討という文言が追加されたところでありまして、以上いずれも指摘を真摯に受けとめた目標になっておると考えております。
 第1ユニットについては以上です。
【新井管理官】  ありがとうございます。あと数分で大臣が到着されますので、一旦説明を中断いたします。
(高市総務大臣 入室)
【野路委員長】  高市総務大臣が御到着されました。公務御多忙の折、ありがとうございます。それでは早速ですが、大臣から御挨拶を頂戴いたしたいと思います。よろしくお願いします。
【高市総務大臣】  失礼いたします。予算委員会の答弁時間が後ろにずれました関係で、大変遅くなり、失礼いたしました。
 本日の委員会では、独立行政法人の目標案の点検結果について御議論いただけるということでございます。委員の先生方におかれましては、1年間の精力的な調査、審議に心より感謝を申し上げます。今後も主務大臣が行います目標策定、評価のPDCAを政府で唯一チェックできる第三者機関として、委員会が十全に機能を発揮していただくという上でも、精力的な取り組みをお願い申し上げます。
 そして本日、来年度の取り組み課題についてご議論いただくと聞いておりますので、私からも、今から申し上げる3点につきまして、委員会の取組をお願いしたいと存じます。
 一つ目は、法人運営に対する国民の信頼確保でございます。一部の法人につきましては、ガバナンスや会計経理の在り方について批判をされているところでございます。国費が投入され、公的な業務を遂行するという独立行政法人に係る制度については、やはり国民の皆様の信頼の上に成り立つということが不可欠でございます。これは内部統制ですとか、調達合理化など、法人運営の信頼性向上に資するものについては、委員会におかれまして積極的な取組を進めていただきたいと存じます。
 二つ目ですが、法人の情報セキュリティ対策の強化でございます。現在、社会全体のICT化というものが進んでおりますけれども、やはりサイバーセキュリティについては、国を挙げて取り組んでいるところでございます。独立行政法人につきましても、社会や国民の皆様にとって重要な個人情報ですとか、研究情報を扱っておりますので、これらのセキュリティが一層強化されるように、委員会としてもPDCAサイクルの中で重点的にチェックをお願いしたいと存じます。
 三つ目ですけれども、政府の重要課題を後押しする評価活動でございます。現在政府におきましては、一億総活躍、経済再生、地方創生、社会全体のICT化といった重要政策に取り組んでいるのですが、委員会におかれましても、法人の業務実績を厳正にチェックしていただきつつも、目標設定や組織業務見直しに際しまして、これらの政策の実施機能を高めていくという観点に御留意をいただきたいと存じます。
 野路委員長をはじめ、委員の先生方には、事務局への御指導、それから叱咤激励をいただきますとともに、これからも精力的な御活動を心よりお願い申し上げます。
 本日はありがとうございました。
【野路委員長】  大臣ありがとうございました。
 高市大臣は公務のためご退室されますが、大臣から御指示のありました方針に基づいて、今後審議を行ってまいりたいと思います。
(高市総務大臣 退室)
 それでは、説明の続きに戻ります。続いて、砂山管理官。
【砂山管理官】  砂山でございます。
 第2ユニットの見直し対象法人、総務省、財務省、国土交通省の3省12法人のうち、まず私から、総務省、財務省所管法人の計2法人について御説明をいたします。結論から申し上げますと、どちらの法人も最終的に適切な目標設定となっております。ポイントのみ御説明をいたします。
 まず総務省所管の情報通信研究機構(NICT)でございますが、研究業務の目標設定に関しまして、評価部会で御審議いただいた時点では、評価軸の設定に当たって適切ではない注書きがございましたが、今回その部分が修正をされております。
 それから、テストベッドに関する目標ですけれども、先ほどの研究業務の目標設定と同様、適切な形で注書きが修正されております。
 それから、海外連携センターの評価についてでございますけれども、センターそのものの評価という形ではないのですけれども、研究成果の最大化の観点から、国際的な成果が上がっているかどうかという点に着目した評価軸及び指標の中に位置付けられております。なお、会計基準の改訂を踏まえた記載もきちんなされておりまして、全体に適切な目標設定になっているものと考えられます。
 引き続きまして、財務省所管の酒類総合研究所でございますけれども、研究開発の内容等につきまして、評価部会でご審議いただいた時点では、具体的な記載がありませんでしたが、今般、達成時期や目的等が記載されました。
 それから、国税局鑑定官室が行う業務との関係につきまして、国税局鑑定官室が行う業務について、役割分担を明確にする観点からの記述が追加記載されました。また、NICTと同様、会計基準の改訂を踏まえた記載もきちんとなされております。
 総務省、財務省所管法人については以上でございます。
 引き続き、国土交通省所管法人について、担当管理官からご説明いたします。
【平岩管理官】  平岩でございます。国土交通省所管の法人を説明させていただきます。
 まず、土木研究所でございますけれども、研究業務の目標設定等につきましては、一定の事業のまとまり等、4項目お願いをしていたところでございます。評価部会でご審議いただきました点について、おおむね三つのまとまりに分けて、それも研究開発プログラムを構成しながら、必要に応じて見直しながら行っていくということで、おおむねできていたのですが、内容が少し具体性に欠けるところがありました。
 例えば一つ目のまとまりの安全・安心ですと、エッセンスだけ見てみると、河川の災害とか、土砂の災害を見据えた研究開発を行うというようなことしか書いていなかったものですから、より具体的に書いてくださいということで調整をした結果、もともと書いてあった安全・安心な社会への実現の貢献というところは、柱書きとしてほぼ維持をしつつ、より具体的な記述をしていただきました。
 残りの二つ目、三つ目のまとまりについても同様の形式ですが、内容をちょっと御紹介しますと、例えばゲリラ豪雨とかああいったものがかなり、最近になって頻発しているということを踏まえまして、極端な雨の降り方とかいったものを踏まえて、水災害に対した防災施設、こういったものに焦点を当てた研究開発を行っているとか、そういったようなキーワードを入れていただきながら、方向性等を書いていただくということで、具体化を図っているところです。
 次の建築研究所につきましても同様に、具体性を高めていただくということをお願いしまして、そちらのほうも対応がされているところです。
 次の海上・港湾・航空技術研究所につきましては、研究業務の目標設定等ということで、先ほどと同じ4項目お願いしまして、こちらも六つのまとまりに対応していただき、それぞれ今後7年間に取り組む課題を書いてもらっていましたけれども、評価部会の段階では、研究内容の見直しとか重点化を不断に行う旨明記していなかったとか、あとは、研究マネジメント体制の充実ということで、研究所全体で統制管理を行う体制を構築するということは書いていただいていたのですが、その中身が少しよくわからないところがありましたので、それについては、経営戦略担当理事を中心とした組織体制をつくるということも含めまして確認がとれましたので、こちらは対応済みとしています。
 次に海技教育機構の意見の一つ目ですが、統合法人としての船員教育の高度化ということで、こちらは指標を定めていただいたところです。海技士国家試験の合格率、それから海事関連企業への就職率というのを、本科、専修科、それから海上技術コースということでそれぞれ定めていただいていましたが、こちらの次期目標のところにつきましては、今期の実績と過去の状況に比べて少し甘いところがございました。
 ということで、一応ここにあります六つの目標につきましては、本科の合格率の部分、これは前回の実績から見ても妥当だろうということですが、そのほかの項目については85%とか90%とありますが、全て95%に引き上げていただくということで、より厳しいチャレンジングな目標へと修正がされています。
 それから、航空大学校については、就職率等の目標設定を行ってくださいとお願いをしていましたが、評価部会の段階では資格取得率を平均90%以上とするということで、就職率に関する数値目標が設定されていませんでした。
 これについては、景気の変動等に左右されやすいということでしたが、その辺は評価部会でのご意見等も国土交通省にお伝えしまして、前向きに検討していただいた結果、航空会社等への就職率について、中期目標期間の最終年度末時点において92%以上とするということで、前中期目標期間までの実績を踏まえて定めていただいたところです。
 ちなみに資格取得率の話につきましても、過去の実績を踏まえて、わずかですが、91%以上ということで引き上げをしていただきました。
 それから次、自動車技術総合機構は、統合法人としての体制整備を行ってくださいという意見をお願いしていました。これにつきまして、理事長及び全理事からなる技術戦略本部を設置するといったことを書いていただいてましたが、本部の位置付けとか役割が、必ずしも明確ではないのではないかという問題意識をお伝えしたところ、この本部においては、技術戦略に特化をして、各部門が保有する情報を機構全体で共有する機能、それからあとは機構内の技術に関する企画立案を一手に担う機能、こういったものを担ってもらうということを明記していただき、対応がなされました。
 それから最後ですが、研究業務の目標設定ということで、一定の事業のまとまり等を適切に定めていただきながらやっていただくということですが、前の段階では、まとまりがどういう形になっているのかが、一部不明確なところがございまして、読み方によっては10以上あるように読めてしまうということでしたので、全面的に整理をしていただいて、書きかえていただきました。
 その結果、道路運送車両法に基づく執行業務と、それから研究業務ということで二つに分けまして、それぞれ書いてある項目ごとに、どこがどちらに当てはまるのかといったものも整理をしていただきました。中身については、具体的な目標、指標等を定めていただいていますので、こちらも対応済みという整理にしております。
 第2ユニットにつきましては以上でございます。
【北川管理官】  続きまして、管理官の北川でございます。第3ユニット、文部科学省所管の11法人、厚生労働省所管の1法人、計12法人の点検を行いました。
 全体的に昨年の委員会意見を踏まえたものになっていますが、さらにその目標策定指針も踏まえまして、より充実した内容となるべく、第3ユニットでご協議いただきながら、点検を行ってまいりました。結果、全12法人とも、委員会意見や目標指針の趣旨を踏まえた目標案となっていると考えます。
 では、これらの12法人のうち、これまで確認、点検を行いました主要な法人についてご説明申し上げます。 まず、物質・材料研究機構ですが、昨年の委員会意見におきましては、実施する個々の研究開発について具体的なロードマップの策定、いわゆる評価軸、指標について目標案に記述すること等を求めていたところです。これにつきまして、当初から研究ロードマップを策定する旨、記述されていましたが、さらにその目標指針も踏まえまして、さらなる記述の充実のための作業を行いました。
 その結果、研究の領域ごと――例えば機能性材料領域ですとか、構造材料領域等です――に評価軸及び評価手法、モニタリング指標を設定すること。評価指標としましては、例えば大学、産業間との連携の実施で、モニタリング指標としましては、国際シンポジウム等への発表件数や知的財産の出願権利還元数等です。こういったものを設定するようになったということ。
 また、個々の研究開発について、目的や目指すべき成果、達成時期等含め、基本的には公表することが明記されました。
 続きまして、防災科学技術研究所です。こちらも委員会意見におきまして、個々の研究開発について具体的なロードマップの策定、それから評価軸、関連指標について目標案に記載することを求めていたところです。
 当初目標案におきましては、どのような研究をつなげていくために実施するかという、そのアウトカムを見据えた目標を掲げていましたが、さらに評価を行う際、より具体的に達成状況を判断できるよう、記述の充実、具体化というのを求めてきました。
 その結果、研究開発の種類、例えば災害の観測予測や社会基盤の強靭性の向上、災害リスクの低減といった種類ごとに、評価軸及び評価指標、モニタリング指標を設定するというような答えを。それから個々の研究開発について早急にロードマップを作成して、公表することが明記されました。
 続きまして、量子科学技術研究開発機構でございます。こちらも同じように委員会意見におきまして、個々の研究開発について、ロードマップの策定や評価軸の記載を求めてきました。
 当初の目標案におきましても、この原研の業務の一部が移管されるということで、その融合による効果を念頭に置きつつ、アウトカムを見据えた目標が掲げられていたところですが、さらにその評価を行う際に、より具体的に達成状況を判断できるよう、記述の具体化、充実を調整してきました。
 その結果、研究領域ごとにその評価軸及び評価指標、モニタリング指標を設定すると。評価指標といたしまして、優れた研究技術シーズの創出実績やすぐれた成果の創出課題数など、モニタリング指標としましては、各種の論文数ですとか知的財産の実績ですが、こういうことを設定いたしました。
 さらに個々の研究開発について、ロードマップを用いて達成目標及び時期を明確に示すこと、そして研究開発に指標が生じない範囲で公表することが明記されました。
 最後に厚生労働省所管の労働者健康安全機構です。本法人は現在の労働安全衛生総合研究所が労働者健康福祉機構と統合され、4月から労働者健康安全機構としてスタートします。
 委員会意見としましては、安全衛生がやっています基礎・応用研究と労災病院等の臨床研究が、効果的に融合できる分野の研究について、具体的なロードマップを策定、公表することを求めていました。
 当初の目標案においても、アウトカムを見据えた記述、工程表を作成し、公表すると記述がありましたが、一層積極的な取組を促していくため、具体的な工程表の策定時期など、更なる記述の具体化に向けて作業してきまして。
 その結果、統合される機構の発足後、できる限り早期に工程表を策定することを明記しました。それから具体的な指標を設定し、考え方を示したところです。例えば労働安全衛生法令への貢献30件以上、学会発表、講演、論文数の総数を1,000回以上等といった、具体的な数字を掲げていただきました。
 簡単ではございますが、第3ユニットにつきましては以上でございます。
【野路委員長】  ありがとうございました。本件については、2月3日の評価部会で御審議いただいたものを、事務局と各省で調整してもらって、各委員の方々の調整を行いました。各委員の方々は特段の御意見、問題等ございませんでしょうか。ただ今の説明について、御意見、御質問等ありましたら、どなたからでも御発言お願いいたします。
土井委員どうぞ。
【土井委員】  質問ではないのですが、先ほど高市総務大臣のお話の中でも、法人の情報セキュリティの重要性というのを触れていただきましたが、この点に関しまして、東京オリンピックを控えて、担当している日本スポーツ振興センター、またそのセキュリティに関して担当されているIPAなど、ぜひ独法間で協力し合って、いろいろなサイバーセキュリティに関して、適切な対処がされることが非常に重要かと考えております。
 あわせて、先ほど大臣のお話の中にもありましたけれども、研究情報を守ることも大事ですけれども、政策の重要課題を後押しするためには、研究情報を単にアーカイビングするだけではなく、それをイノベーションに向けて活用していくということも非常に重要であると思いますので、そういう点もぜひ考えていただきたいと思います。
 今回、そういう意味では、通則法が変わった後で、対象となる独法も数多くあり、私たちもいろいろ現地を見させていただき、なおかつたくさん対話をさせていただきましたが、その成果と言うとちょっとおこがましいですが、対応させていただいたので、お互いに納得できる中(長)期目標になっているのかなと思っております。ありがとうございます。
【野路委員長】  ありがとうございました。事務局、よろしいですか。
【新井管理官】  最初のお話にありました情報セキュリティについては、もちろんそれぞれの法人の年度評価でも、そういった視点で見ていただくことも大事だと思いますし、また来年度以降の中(長)期目標期間終了時の業務、組織の見直しにおきましても、特にこの委員会の一つの重点としても掲げていけるというところもあると思いますので、また御相談しながら推進していきたいと思います。
【野路委員長】  普通、企業だと、情報セキュリティについてはかなり難しいですよね。こういう小さい法人でできることではないと思うのです。我々みたいな会社でも、1か所で集中して、全部チェック機能だとか対応策を決めるわけなので、情報セキュリティについては、特に総務省関係だと思うので、別途事務局のほうで議論していただいて、どういう具合に各法人の対応状況を確認できるようにするか、あるいはシステムの対応が要るのだったらもう、どこかで決めたやつをそのまま使えという形になるのだろうと思います。
 だからその辺は少し、個別にやっています、やっていますと言っても、結果が悪いともう大変なことになっちゃうので、ぜひ別途事務局のほうで少し議論していただいたほうがいいのではないか思うのですが、いかがですか。
【新井管理官】  来年度に向けての課題と受け止めましたので、また御相談をしたいと思います。
【野路委員長】  そうですね。お願いします。
 あとは研究情報のイノベーションを世の中の役に立つようにするというのは、非常に大事なことなので、是非そこの観点は、一部入っていると思いますけど、よろしくお願いします。
 ほかにご意見ありますか。岡本委員。
【岡本委員】  第2ユニットのほうからですけれども、前回の評価部会のときにいくつか私ども、あるいは関委員のほうから、もうちょっとという話をさせていただいたと思います。その点につきましては、例えば土木研究所、建築研究所、あるいは航空大学校等、事務局の御説明の中にもございましたけれども、よくその趣旨を踏まえて対応していただいたと私どもは思っておりますので、どうも御苦労さま、ありがとうございました。
 やっぱり今回思いましたのは、例えば土木研究所の中でもあったと思いますけど、暗黙知という御発言がありまして、その中で、やはりそれを「見える化」していくということが非常に大事でしょうし、あるいは航空大学校のほうでは、外部要因がありますから難しいですというお話が一時あったかと思いますけど、それを言ってしまいますと評価ができませんので、やはりその辺を「見える化」していただいたということが、今回努力していただいた結果だと思いますので、それは非常にありがたかったなと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思いますし、独立行政法人の方についても、また引き続きよろしく御協力いただきたいと思っております。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 樫谷委員、どうぞ。
【樫谷委員】  本当に今回については個別意見はなしということで、個人的には、ちょっと意見もないのも寂しいような気もしないでもないのですが、これは冗談ですけれども。多くの委員の先生方の御努力と事務局、それから各府省に対応をしていただいて、本当にすばらしい中(長)期目標ができたのではないかと思っております。
 今回は中(長)期目標なのですけど、これから中(長)期計画や年度計画、それから実施という形になるわけですけれども、是非その政策目的の達成に向けて頑張っていただくということと、我々はそれをどうやって評価していくかというより、まず一義的には大臣が評価されることになるんですね。
 大臣の評価がしっかりできる形が、中(長)期目標という形で第一義的にできたと思うんですけれども、評価を実際大臣がするというより、やはり各府省ですると思うのですけれども、大臣が責任持って評価するのだと意識して実施をしていただきたいなと思っております。
 それから、共通事項の中で、管理会計についても述べていただいていて、特に予算管理の話だとか、書いていないのですけどコスト管理とか、全ての独法について記載していただいておりますので、是非その今後の取組などについて評価をしていきたいなと、私は個人的には思っております。どうかよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 中村委員、どうぞ。
【中村委員】  先ほど野路委員長が言われたように、非常にきちっと練り込まれた中計の目標があると思います。民間企業でも、この中計目標は非常に高いストラテジックなプランになるんですけれども、これを実際に実行するためのオペレーションプランとしっかりつながっている必要があります。この財務目標の数字だけをフォローしても、施策がうまくいっているか分りません。このPDCAを回すサイクルがまだ理解できていません。誰がいつ何をどこまでにやるというスケジュールがあって、そのチェックを各所管省庁だけでなくどこかでまとめて行うのか、PDCAがしっかり回るような仕掛けがつくり込まれているのか、これを実行できたときにステークホルダーに何が起きるのかという点が、よく理解ができていません。実行している人や国民等に、どういうリターンがあるか。
 リスクとリターンの関係が明確になっていないと、やった人とやらない人との差がよく見えず、大企業病のようにモラルハザードが起きて、適当にやっておけば良いということになりかねません。その辺りが見えるようにしていただけると、非常にいいかなと思います。
【野路委員長】  はい。
【新井管理官】  先ほど樫谷部会長からありました管理会計、コスト管理含めまして、今回このように共通意見に位置付けましたので、横串的に徹底してまいりたいと思います。
 それから、今、中村委員のほうからいただきました中(長)期目標案について、我々は今回の委員会でチェックをいただいたわけですけれども、今後のPDCAサイクルといたしましては、基本的に主務大臣がこの中(長)期目標を示すと。で、指示を各独法に出します。具体的には法人の理事長になさるということだと思います。それを受けまして、法人側が中期計画、これは3から5年、あるいは研究開発ですと最長7年になりますが、これを策定しというのが一つ。
 それから、年度ごとにまた年度計画ということで、その年々の課題というものをブレークダウンした形で定められることになりまして、それぞれを打ち立てた上で、それがPlanningですが、今度はDoとしましては、まず年度で実施しました業績評価は、毎年度各主務大臣がまず一義的責任を持って行う。この委員会でも、そのやり方ですとか適正性については点検をするということになります。
 それから、また中期計画と申し上げましたけど、3から5年。これは大きな単位になりますので、その終了時にこの委員会で組織業務の深掘りの見直しをいただきまして、次期の新たな目標策定に向けて、どういう組織業務の見直しを行うのかというような流れになります。
 いずれもオープンにしながらやっていくわけですけれども、当然その利害関係者としましては、法人の中では、業績を上げた部門については、予算配分ですとか人事管理にいかしていくことになりますし、対外的には、この法人というものがどういう成果を挙げていくのかということを、ミッションなりそういった中で明らかにしていくことになりますので、これは法人の内外の関係者に対しての一番基本的なサイクルというのが、毎年度と3から5年の中期目標期間の単位と位置付けられております。それがローリングで回っていくというのが基本的な設計になっております。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 梶川委員、どうぞ。
【梶川委員】  少し皆様の御意見とも重複する部分がございますけれども、今回この目標段階での明確化というのは、非常にこちらの事務局、また各府省、それなりに御理解をいただいて、努力していただけたのではないかと思います。
 この目標の客観的かつ明確化というのは、従来から評価のもう基本、1丁目1番地のところでございますので、こういった形で進展されているということは、今後の評価等にも非常に有益なのではないかと思って、それを前提で、今後実際に独法に指示が出て、年度計画等に落とし込まれて実施されていくわけですけれども、この評価という観点で、やはりこれは府省自身の主体的説明責任というのも、すごく今回の仕組みの中では強い話があると思います。
 もちろん独立行政法人自身がそういう説明責任を意識し、かつ政策全体の中で府省がその説明責任を果たしていただく。やはりこういう過程がきちんと整備されていく中で、結局一番重要なのは、国民がこういう政策行為に関して、公費を投入することに納得感を持っていただけるという形の目標であり、最後のPDCAサイクルであり、評価につながる、そこの部分の説明的発信。これは今、私の場合、会計部会のほうで、財務的なことの中期的な在り方もあるのでございますけれども、いわゆるアウトカムに関する説明と、その財務会計的な表現とが相まって、国民が本当に分かりやすく、納得感のある説明になっていくという方向性を、是非この制度が本格的に始まる中(長)期計画になると思いますので、御努力いただいて欲しいと思います。
 やっぱり何しろ独法というのは、国民が納得してもらうということがすごく重要な点だと思いますので、技術論的な評価もあるのですけれども、全体のストーリーとしての国民への納得感というものを、御留意いただければと思う次第でございます。
 長くなって申しわけございません。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 ほかにございませんか。では、よろしかったら、指摘事項も踏まえてということで、この件については、私が樫谷部会長と相談の上、一部については対応させていただくということになるかと思いますが、基本的には本件の案につきまして、提案どおり承認させていただきたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【野路委員長】  ありがとうございました。それでは、そのように取り扱わせていただきます。事後処理につきましては、委員長、私に御一任していただきたいと思います。
 続きまして、次の議題2の平成28年度における独立行政法人評価制度委員会の取組課題について、御審議をお願いいたします。まず、事務局から説明をお願いします。
【新井管理官】  それでは、お手元の8ページ、資料2をごらんください。平成28年度における独法評価制度委員会の取組課題についてということです。
 これは前回、2月3日の評価部会におきまして、樫谷部会長のほうから、来年度に向けた取組課題を、この年度末最後の委員会で提示をしまして御議論いただき、それをまた来年度の委員会での取組課題のほうに反映させていくことにしてはどうかという御指示をいただきまして、整理をさせていただき、あらかじめ委員の皆様にお送り差し上げたものであります。
 本日のこの委員会では、新たに中(長)期目標を策定する36法人の目標案を御審議いただきました。これは昨年11月の委員会で述べた組織業務見直し意見の「出口」ということになりまして、改正通則法施行後初めて、この独法評価の1年間の業務サイクルを回した区切りになります。
 今後、この独法制度改革というものの着実な実施を図りまして、先ほど出てきておりますPDCAサイクルの定着を図っていくという観点からは、以下のような課題に取り組むことが重要ではないかと考えております。
まず1点目は、主務大臣の責任徹底と、委員会との双方向の議論の充実です。
 各省においては、新制度のもとで、PDCAサイクルにおける主務大臣の責任が強化されまして、これを踏まえまして、法人の類型、事業特性、現場実態をよく把握した上で、目標において、法人の果たすべき役割を、国の政策の位置付けに沿って国民にとって分かりやすく記載し、評価を行うことを徹底するということ。
 それから、委員会としましても、政府で唯一の第三者機関といたしまして、政策全体の体系に留意しつつ、各省と双方向で意見交換を行いながら、横断的視点で組織業務見直しや目標のチェックを実証的に行うことを重視していくとなっております。
 2点目は、法人が国民から信頼を得ることのできる業務運営です。
 法人の情報セキュリティ対策、調達の問題、会計検査院の決算検査報告(不適切な経理処理)などを鑑みまして、上記課題の趣旨が全うされる前提としまして、法人の業務運営に対し国民の疑念を招くことのないよう、法人における内部統制の取組がますます重要となっております。
 委員会としても、法人トップのリーダーシップのもとでPDCAサイクルを自律的に機能させる観点から、内部統制に関する取り組みの実態把握をした上で、これがワークする方策について検討し、実施に移していくという点です。
 最後、3点目は、甘い評価ということではなくて、頑張る法人を後押しするような「温かい」評価としております。
 これは法人が真に成果を上げていくためには、現場で働く職員の士気・意欲を高めまして、法人の能動的・自発的な業務改善や、成果の最大化に向けたインセンティブを考慮する必要があります。
 このため、法人における組織運営・業務遂行上の創意工夫や業務改善の好事例について横展開を図るために、委員会において、この各省・法人の取組を把握し、各省との間で共有をしていくことを考えております。
 それから、特定研究開発法人に係る法案も提出が予定されておりますが、こうした中で、研究開発やその他の業務で先駆的・意欲的な取組を行っている法人については、適切に評価を行うということになります。
 これらの課題につきましては、委員会といたしましても、「28年度の委員会業務運営方針」に反映して、重点的に取り組んでいくこととしてはどうかと整理をいたしております。
 御議論よろしくお願いいたします。以上です。
【野路委員長】  ありがとうございました。本件について、ご意見、ご質問等ございませんか。樫谷委員、どうぞ。
【樫谷委員】  まとめていただいたとおりなのですけれども、今回の独法改革については、私個人的には、少子化・高齢化の中で日本が、下手したら縮小均衡、沈没するという可能性もあると。その中で前向きの改革をしていこうということで、十何年かけて独法改革ができ上がったわけです。
 先ほどの高市大臣の御発言の中でも、独法の政策の実施機能を高めていくという観点に留意してくれというようなお話がございましたけれども、そういう観点の中で、ここの我々、この評価制度委員会の役割が、非常に重要だと思っております。
 もちろん評価制度委員会だけではなくて、各府省、独法も腹を決めて実施していただいて、何としてでも成果を出していただくという覚悟の中で、我々評価もやっていきたいなと思っておりまして、評価部会としてもそのような考えを持っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
【野路委員長】  ほかにございますか。岡本委員、どうぞ。
【岡本委員】  先ほどの資料2の中でおっしゃっている3点、それから今日大臣がおっしゃった3点、全くそのとおりだと思います。先ほど中村委員から、オペレーショナルな計画ということもおっしゃっていただいたかと思いますが、実際に、それをどうやっていくかというところをやはりちゃんと、我々が見るのか、あるいは一緒にやるのか分かりませんが、していくことが大事かなと思います。
 特に、資料2で言えば3番目です。後押しとか、温かい評価というのをやるという趣旨はよく分かるのですが、実際どうしていったらいいか。ここの要点はおそらく、現場で働く職員の方々の士気や意欲を高めるような仕組みをどうビルドインしていくかということではないかなと思っています。
 先ほど樫谷先生から独法改革の10年間という話があって、いわゆる市場に接していないパブリックセクターが、いかに士気を高めていくかというのは、大きな課題ではないかなという、多分これは実際の経験としてもわかってきていることではないかなと思うときに、そういう市場の規律が働かない中で、いかに厳しい、甘いと、そうではなくて、モチベートしていくような仕組みというのを、やはり作り上げていくようなところが、今求められているのではないかなと思います。
 したがって申し上げたいことは、こういう精神論とかお題目は全くそのとおりだと思うので、いかにそれを具体的に、いわゆる仕組みをビルトインしていくか。
 世の中を何かちらちら見ていますと、こういうことを書いている書物とか、結構あると思います。特に最近ではパブリックセクターで、我々もちょっと思うところがありますので、もしそういうこともあって事務局の方とお話ができればいいなと思うし、やはりそういう制度を作り上げていくところが、もうそろそろ10年たって、次のステップとして求められている、いわゆる法的にどうするという話じゃなくて、いかに運用を回すかというところの課題があるのではないかなと強く感じますので、そういう観点から、私も委員としてやっていきたいと思っています。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 原田委員、どうぞ。
【原田委員】  私から2点ございます。1点目は、旧政独委時代から感じることなのですが、やはり法人にも非常に大きな法人から小さな法人、一つの法人格を与えられている中で、大分違いがある。先ほどの委員長の話が大変示唆的でございましたが、例えば情報セキュリティであるとか、管理会計をやりなさいといっても、マンパワーもそうですし、ノウハウもそうですし、なかなか規模が小さいと、そこまでうまく手が出せないということは、実態的にあるのではないかということを、今後も心配するわけであります。
 そういう意味では、単純に我々としても出されてきたものをレビューして批評するというのではなくて、おこがましい言い方ですけど、積み上げていくというのでしょうか、それが多分最初に書かれている「双方向の議論」というのでしょうか、岡本委員がおっしゃった暗黙知みたいなものをお互いに、こういったことをあなた方は考えて、こういったことを目指しているのねということを出していく中で、形成的に評価をしていく、そういう仕組みが必要なのかなという気がいたします。
 今申し上げた、規模についてどういうふうに見ていくのかということと、単純にレビューするだけではなくて、コミュニケーションの中で評価を積み上げていく、プロセスを大事にしていくという評価が要るのかなというのが、私からの2つのコメントです。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 ほかにございませんか。では、私からちょっとこれに意見を少し言わせてもらいますと、この三つの点なんですけど、まず一つ、一番上の双方向の議論の充実というのはこれでいいのだと思いますが、いわゆる各独法のミッションというか、目標というのは、やはり上部の各省の国策、政策から来るわけですよね。それを普通TQMでは方針展開と言います。方針展開というのは企業の社長方針があって、事業部長方針とか、部長方針があって、それに基づいて各部が方針を出すわけです。この方針展開がうまくできていないと、つながらないわけです。
 例えばいつも言っていますが、農水省関係で言うと、米の生産性2分の1とか言って、農水省がぶち上げている。それについてそれぞれの独法は、その中の米の生産性2倍ということに対して、この独法の研究法人は何をする、ここの独法は何をするというように展開していくわけです。そういう官僚がキーマンをやっているわけです。TQMをやっている会社というのはそういうことです。だからそこの因果関係というのを、一遍にはできないと思いますけど、それぞれ逐次進めていくことが、私はまず大事だと思います。
 そのときに、この1番目について、そこの方針展開をしっかりするということが1つと、二つ目は、方針というのは、環境によって政策がどんどん変わっていくわけです。変わったときに、問題は人の能力ですが、要するに、変わったときにそのままの組織だとか、そのままの陣容ではできないわけです。
 例えば農水省で言うと、私がいろいろ今、石川県で応援しているのですが、今の農水省の研究開発法人の中で、化学だとか、そういうところは上手なのですが、工学系のところは非常に弱いのです。それはもともと人材がいないからなのです。昔1億3,000万、4,000万の国民を食べさせないといけないというので、いかにたくさん米をつくるか、いかに面積当たりの生産性を上げるかというのが主目的だったわけです。
 その時代はそれでよかったのですが、今は海外に勝たなければいけない、海外に輸出できなければいけないという時代になってしまうと、そういう化学だけの技術者じゃ無理だということになっているわけです。そうすると、そこで組織を変えるのか、新しい人を入れるのか、あるいは外部の血を借りるのか、あるいは産業界に一部を回すのかとか、そういう構造改革というのを企業はやっているわけです。
 だから環境変化とともに、企業は組織の構造改革をやるわけで、そこら辺が、一遍にできませんよ。できないけど、逐次そういうことも、この1番の双方向の議論の中で、進めたほうがいいと思います。
 二つ目は、先ほど言いましたけど、このガバナンスです。ガバナンスというのは、今、原田委員とか土井委員もおっしゃいましたけど、小さい企業、子会社の場合はできないわけです。子会社はどうしているかというと、子会社の決算は全部本社で一括です。とてもではないけど、これだけ変化の激しいときに、各100人しかいない、50人しかいない子会社がガバナンスを守れといっても無理なのです。
 そうすると、これは全部シェアードサービスです。だからうちの会社の場合もそうですけど、全部本社で一括してやるわけです。そうすると決算に漏れはない。そうすると、累損をちゃんと消してあるかとか、借金がどうなっているかとか、不良債権はどうしているかとか、そういうのを一々言わなくても専門家が全部やりますから、ルールどおりきれいにやるわけです。
 それと、私意が入らない。いや、今期はちょっとこんなことやると赤字になるから大変だといって、前ちょっとありましたよね。そこでずっと3年も先送りしている経過がある。シェアードサービスしたら、そんなことはないです。もう第三者もかかわって、ルールどおりやるわけですから、そこにトップの意思が入らないわけです。
 このように、2番目の話については、情報セキュリティなんて全くそうですけど、ここに書いてあるように、調達とか情報セキュリティとか決算なんていうのは、いずれ段階的にどうやってシェアードサービスするかということを、考えたほうがいいと思います。だからこの辺りについて少し、議論してもらってはどうかと思います。
 3番目、これは現場の士気を上げることで、非常に大事なことで、私はやるべきだと思います。そのときに、先ほど梶川委員もおっしゃったように、国民に理解されるというのはどういうことなのかというと、基本的には、もっと産業界だとか世の中と交流するような独法でないといけないと思うんです。
 一部の独法なんか、年齢構成を見ると年寄りばかりですよ。ほとんど人事交流がなされていない。そういう閉ざされたところで、せいぜい大学の一部とクロスアポイントをやる。こんな閉ざされたところで国民が理解できるかといったって、なかなか理解できないと思います。
 そうすると、やはりそこのトップは、もっと現場の意見を聞きながら、産業界だとか世の中とか、そういうところと人事交流するようなことを踏まえる。その中の第一歩として、例えば、うちの会社なんかどんなことやっているかというと、QCサークル活動、あるいはTQM活動です。現場の活動を民間の人と一緒にやりながら、まずスタート段階でお互いに交流を深めていく。そうすると進むわけです。
 あるいは、産総研とかああいう研究法人みたいなところは、もう産学連携だと思います。産学連携をもっともっと活発にやっていって、お互いに研究法人の中身を理解してもらう。例えば土木研究所だったら、そういう産業界のゼネコンだとか、中小の建設会社だとかとやる。
 クロスアポイントについて、研究法人を見ていると、ほとんど産業界とされていない。もう大学とは、一部やっとやっている状況です。だけど大学とは前からやっている研究法人はいっぱいあります。しかし、産業界とはほとんどされていない。お互いに理解し合うというのは何かというと、やっぱり国民から理解されるためには、産業界などとの人事交流がないと、前へ進まないのじゃないかと思うわけです。
 だから是非その辺りも議論してもらって、どんな形から現場と話し合いをして、士気を上げながらローテーションへ結びついていくかということを考えてもらって、特に私が心配しているのは人員構成です。人員構成が本当に偏っていないかと。40歳か45歳過ぎた人たちばかりいて、若い人はほとんどいない。それでいいのかということ。
 当然、年寄りでも中には優秀な人はいっぱいいますけど、やはり会社というのは、そんなこと絶対なっていないのです。会社の研究法人だったら、もうほとんど32、33歳がピークです。我々の会社で40歳過ぎたら研究できません、設計できません、開発できません。だから、そういうところを考えれば、おのずと答えは決まっている。
 そうかといって、ある比率では50歳、60歳の人も必要ですよ。だからそういう形でしっかりと見ていただいて、特にこの1と3の話については進めていくということを、一遍にはできないでしょうけど、やはりそういう方向に持っていかないと、国民から信頼されるとか何とか言われても、ほとんど知らない人たちが多いところでは、私は無理ではないかと思うわけです。是非その辺り、少し今後の課題として議論していただくと、非常にありがたいと思います。
 私からは以上ですが、ほかにございませんか。
 樫谷委員どうぞ。
【樫谷委員】  大変有意義な御意見いただきましてありがとうございました。マネジメントをちゃんとやっているかどうかということだと思います。そういう観点で、是非、本当に具体的、個別的に見ていきたいと思います。ありがとうございました。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 事務局どうぞ。
【新井管理官】  いろいろいただきました御指摘につきまして、来年殿の委員会でも、また中(長)期目標の見直しを行う法人が出てまいります。その際のチェックにおいていかしていくものもあると思いますし、それから、やはりこの委員会の御議論自体を、各省にもよく伝えていって、共有をする、更によろしければここにもフィードバックする、まずそういうことも行って、各主務大臣や各主管省庁で自主的にやっていただく課題もあるかと思います。
 我々総務省としては、独法評価制度、評価の取りまとめを行っている立場から、また委員会の事務局として、双方向で議論ができるような形でバックアップしていくことが課題だと思います。いただいた御指摘は種類ごとに、仕分けをしながら進めるべきだと思いますし、いずれも貴重な御指摘だと思いますので、整理をしまして、また御相談できるように進めてまいりたいと思います。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 今、新井管理官からありましたように、事務局のほうで整理した上で、また来年度の委員会等で議論して進めていきたいと思います。
 最後に、議題3のその他の今後の日程について報告をお願いします。
【新井管理官】  本日は御議論ありがとうございました。本日で年度最後の委員会ということでありまして、1年間大変精力的なご審議ありがとうございました。
 次回の委員会、新年度になろうかと思いますが、先ほどから出ておりました評価に関するさまざまな重点課題につきまして整理をいたしまして、こちらを御審議いただくということにし、準備がまた進みましたら、その段階で御連絡をしてまいりたいと思っております。
 以上です。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 それでは、今お話がありましたように、本日の委員会は本年度の最後の委員会になります。委員の皆様には、昨年の4月9日から委員会発足以来約1年間、部会、ユニットでの活動などを精力的に御審議いただきまして、まことにありがとうございます。来年度につきましては更に有意義な審議を行っていけるよう、委員長としても取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして、第5回独立行政法人評価制度委員会を終了いたします。ありがとうございました。

ページトップへ戻る