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第4回独立行政法人評価制度委員会 評価部会議事録

日時

平成27年10月6日(火)15時30分から17時30分まで

場所

総務省第一特別会議室(中央合同庁舎第2号館8階)

出席者

(委員)
樫谷隆夫評価部会長、岡本義朗部会長代理、栗原和枝、関利恵子(テレビ会議出席)、橋伸子、土井美和子、原田久
(事務局)
上村進行政管理局長、長屋聡官房審議官、新井管理官、深澤管理官他

議事

  1. 平成27年度の組織・業務全般の見直し対象法人に対する点検の中間報告について
  2. 平成26年度業務実績評価等について
  3. 中期目標の変更について(諮問案件)
  4. その他
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議事録

【樫谷部会長】 本日はお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。ただいまから、第4回の独立行政法人評価制度委員会評価部会を開会したいと思います。本日の会議には、全委員がご出席の予定ですが、原田委員はおくれて、16時半ごろからご出席で、関委員はテレビ会議でのご出席でございます。前の画面で見えていると思います。
【樫谷部会長】 それでは、審議に入りたいと思います。各ユニットにおかれましては、9月以降、精力的に各府省ヒアリング等を行っていただきまして、ご議論、ご検討いただいたと聞いております。委員の皆様方、お忙しい中ご対応くださいまして、大変ありがとうございます。本日は、これまでの各ユニットにおける検討状況を踏まえた、「平成27年度の組織・業務全般の見直し対象法人に対する点検の中間報告について」、「平成26年度業務実績評価等について」及び「中期目標の変更について」の3点についてご審議をいただく予定にしております。
 それでは、議題1「平成27年度の組織・業務全般の見直し対象法人に対する点検の中間報告について」について審議を行いたいと思います。最初に、各ユニットにおける検討を踏まえまして、見直し対象法人の横断的な視点が明らかになってきておりますので、資料1−1について、事務局からご説明お願いしたいと思います。
【新井管理官】 1ページでございます。27年度に中期目標期間が終了する法人の組織・業務の見直しにつきまして、部会での議論、現地調査、それからヒアリングを行っていただきましたが、、今後は委員会としての意見を具体化していただくという流れになっております。その中で、各法人個別事項にあわせまして、共通的な指摘事項として取り上げられるものが見えてまいりましたので、それをご紹介したいと思っております。これらの事項につきましては、各法人個別事項とあわせまして、次の中期目標の策定に反映されるよう委員会としての注視をいただくという必要があるのではないかと思っております。
まず、統合効果の最大限発揮というところですが、これは独法改革の基本方針に示されました統合の考え方に従いまして、統合によるスリム化も図るということですが、シナジー効果が最大限発揮されるよう、事業部門、研究部門の統合再編、管理部門の合理化、一体的なマネジメント体制の構築、研究開発についてICTを活用した情報交換、あるいは施設の有効活用といった点を図ることとしております。
それから2点目は、国の政策における位置づけの明確化です。これは主務省の政策上の位置づけ、それから当該政策を実施する上でどのような成果を達成すべきなのか明らかにした上で、その政策の方向性に沿った組織・業務の見直し、それから達成すべき成果を的確に測定できるような目標の設定です。その際、民間部門、関連する他の法人の役割分担の明確化、それから適切な連携を図るべきということです。
3点目は、政策目標の明確化です。目指す政策目標の達成に向けまして、その達成に向けた業務の選択と集中、それから研究開発につきましては、工程表の活用といったところで、研究成果の達成水準・事務の段階的な明確化を行いながら、達成すべき成果が的確に測定できるような目標の設定を行うべきであるということです。
4点目は、組織運営・ガバナンスの適正化です。これについては内部統制システムの整備・確実な機能発揮というところと、それから情報システムの防御力強化・組織的対応能力の強化などのセキュリティー対策といったところが出ております。それから、法人トップがリーダーシップを発揮して組織運営を行うことができるような戦略的なマネジメント体制の構築とともに、達成すべき政策目標と整合的な人材育成・登用方針の明確化といったところも出ております。
それから財務内容ですが、これにつきましては業務の見直しや管理会計の活用などによります予算執行の効率化、それから累積欠損金の解消、今後の発生防止のための財務体質の改善、自己収入の増加に向けた措置の具体化、資産の有効活用、共同調達などに取り組むべきということです。
これらに関連しまして、別途頂いたご指摘を検討課題として、4点ほど整理しております。これらも各法人に共通的な指摘事項として示していく必要があるのではないかということで、あわせてご検討いただければと思っております。
まず、先進的な研究分野など、外部の知見が特に求められる分野については、外部人材の招聘ポストを設置するなど人事交流を計画的・積極的に行うべき。2点目は、法人の組織・業務運営を行うに当たっては、マネジメントに必要なデータの共通・活用を徹底すべき。3点目は、累積欠損金について、該当する業務の廃止等により、一定年限経過後に清算をするなど、処理ルールを設定すべき。最後に、出融資業務について、事前にその適否についてのリスク分析を行う部門・担当者を設置するなど、財務マネジメントを実施すべきということです。
以上、この後の個別論とあわせて検討いただけますよう、よろしくお願いします。
【樫谷部会長】 ありがとうございました。
ただいま、ご説明のありました見直し対象法人の横断的な視点につきましては、各ユニットからこれから見直し対象法人の検討状況をご報告いただきますので、その後にまとめて議論をしたいと思います。
それでは、見直し対象法人の個々の点検状況につきまして、ご報告いただきまして、議論していただきたいと思います。審議に当たりましては、対象法人数が多いために、前回同様、ユニットごとに3回に分けて行いたいと思います。出席していただく先生方のご都合もありまして、まず第2ユニットから、担当する見直し対象法人に対する点検の中間報告について、事務局からご報告いただきたいと思います。よろしくお願いします。
【砂山管理官】 総務省及び財務省等担当管理官の砂山でございます。
第2ユニットが担当する今回の見直し対象法人は12法人ございますが、まず私のほうから2法人、総務省と財務省の所管の法人について説明させていただいた後に、平岩管理官から国土交通省所管の法人についてご説明をさせていただきます。
それでは、資料1−3をご覧いただければと思います。総務省所管の研究開発法人、情報通信研究機構またはNICTでございます。本機構は非常に幅広い業務をやっております研究開発法人でございまして、まずは、こうした数多くの研究課題について、どのような事業のまとまりでガバナンスを行っていくかというのが最初の課題になります。
それにつきまして、政策本体に関するものでございますが、情報通信審議会が「新たな情報通信技術戦略の在り方」の中間答申を行っておりまして、それに沿った形で考えるのが適当であると思っております。そこでは、センシング&データ取得基盤分野、統合ICT基盤分野、データ利活用基盤分野、情報セキュリティー分野・耐災害ICT基盤分野、フロンティア研究分野という5つの分野がございまして、これらが重点的に研究開発を行うべき分野という形で答申をされていますので、これら5分野を「事業のまとまり」と認識した上で、それに沿って事業を推進するためのガバナンスの体制、すなわち電算システムなり責任体制を含む体制を構築した中期目標にすべきでないかという問題意識でございます。
続きまして、20ページをご覧いただければと思いますが、指摘のポイント(2)のテストベッドについてでございます。テストベッドと申しますのは、大規模なシステム開発を行うに当たりまして、実際の運用環境に近い形で試験を行うためのプラットフォームでございますけれども、この機構が行っております研究開発の特性に応じ、成果の社会実装の実現といった評価軸を検討すべきでないかといった問題意識でございます。
それから、21ページをご覧いただければと思います。項目といたしまして、研究支援部門の強化とございます。指摘のポイントとして、NICTがICT分野のオープンイノベーションの拠点となるため、産学官連携部門において専門人材を強化する必要があるのではないかということでございます。簡単に申し上げますと、研究者の皆さんが、研究に専念しつつ、成果を社会に応用していくに当たりましては、民間企業との間で調整を行うということはなかなか困難と思われるところもございますので、研究のマネジメントなり知的財産管理等を専門的に行う支援体制を強化することが重要ではないかという問題意識でございます。
それから、22ページをご覧いただきますと、これは先ほどの野路委員長のご指摘にもございましたが、繰越欠損金の解消に向けた取り組みの強化ということで、NICTが行っております事業のうち、繰越欠損金が出ております勘定として基盤技術研究促進勘定と出資勘定の2つがございます。いずれも新規の採択は終了しておりますが、中には引き続き回収が可能な制度となっているものもありますし、出資先の評価額がこの1年で上昇しているものもございますので、これらにつきましては、コスト意識を持って繰越欠損金の解消に向けた取り組みを引き続き行う必要があるのではないかということでございます。
それから、最後に、海外事務所の在り方ということでございますが、この機構はバンコク、ワシントン、パリに海外連携センターという出先を持っております。指摘のポイントのところにございますが、こうした海外事務所について、次期中長期目標において研究成果の最大化の観点を十分踏まえた目標を定めるべきでないかということで、これは海外事務所を廃止せよという趣旨ではなく、ガバナンス上、明確に位置づけるべきではないかという問題意識でございます。
以上が、総務省所管のNICTの関係でございます。
続きまして、23ページをご覧いただければと思います。財務省所管の中期目標管理型法人、酒類総合研究所でございます。酒類総合研究所は、名前は研究所ですけれども、仕事の中身といたしまして、国税庁では対応が困難な酒類に関する高度な分析・鑑定業務など、国税庁の行政事務の一部を担う法人であるという位置付けでございます。とはいえ、研究開発を行っている法人でございますので、指摘のポイントに書いてございますけれども、独立行政法人の目標の策定に関する指針における国立研究開発法人の目標策定を準用する形で目標を検討していただかなければならないということでございます。具体的には、国税庁、酒類業界等の法人内外から研究ニーズを組織的にくみ上げた上で、研究成果の最大化を図るということ、これが最も重要なポイントでございます。
その際、右の問題意識の欄に四角囲みで書いてございますが、地方の国税局にも鑑定官室というのがございまして、鑑定業務をやっておりますので、そことの違いですね。国税局なり国税庁ではできない仕事をこの研究所はやっているというところを明確にしていただく必要があるのではないかという問題意識でございます。
それから、2つ目の項目でございます。組織・業務の見直しということで、今般、この法人は東京の事務所を廃止いたしまして、広島の事務所に一本化いたしました。これは組織・業務の合理化・効率化であるという側面を持つとともに、地方創生の一環ということで、ある意味、積極的な意味もございます。そういうことも踏まえまして、広島に移転することによって、どんな政策効果があったのか、それから統合したことによってコストの削減効果がどのようにあらわれたのかということをきちんと検証していく必要があるのではないか、そしてそれがひいてはよりよいガバナンスにつながるのではないかという問題意識でございます。
それから、最後は、品評会あるいは講習の実施について、民間の負担を求めつつ、他の研究機関とも連携を強化すべきではないかということで、これは平成25年の閣議決定の独法改革等基本方針に沿った指摘となってございます。
以上でございます。引き続きまして、国交省所管の法人について平岩管理官からご説明申し上げます。
【平岩管理官】 よろしくお願いします。
そうしましたら24ページ、土木研究所の関係を説明させていただきます。1点目は研究業務の目標設定ということでして、こちらの法人では、社会的関心の高い課題に重点研究ということで予算などを充当してやってきているわけですが、それ自体が目的化してしまうというようなところもあって、そうすることによって具体的な効果が出るとは限らないというような問題があろうかと思っています。また、論文の数だとか外部研究員の受け入れ人数とか、土木研究所のミッションとは直接関係のない形式的な目標が多く設定されている。これは土木研に限らず、他にも共通してある話ですけれども、そうした反省を踏まえまして、4項目について指摘をしたいと思っております。
1点目が、ミッションに関係する一定の事業等のまとまり、これを定めていただきまして、それを踏まえた目標設定をしていただく。目標の見直しをすれば、研究内容等も、それに合わせて見直しをしていかなければいけないというのが2点目。それから3点目は、論文数とかではなく、もう少し適切な評価指標を設定していただきたいということであります。最後に4点目は、目標、せっかくいいものをつくってもかけ声倒れではいけませんので、実効性を上げるために、研究マネジメント体制を構築するといったようなことを指摘したいと思っています。この4項目につきましては、他の研究開発法人でも共通して求めていきたいと考えてございますので、よろしくお願いします。
2点目は、国総研や本省との役割分担ということですが、少しわかりづらくなっておりますので、ミッションの中で位置付けを明確にしていただきたい。
3点目ですが、寒地土木研究所でございます。こちらの法人は、問題意識に書いておりますけれども、18年度に統合されておりましたが、旧来から地域限定の研究を行ってきておられます。そろそろ形式的な統合という段階から中身の融合といった段階に進んでいただけないかなと思いまして、ミッションを改めて検討していただきまして、研究成果を国土全体で活用していただくということで、指摘の中ではミッション等、次期中期目標に具体的に記述してほしいということを書いております。
それから、25ページ、建築研究所でございますけれども、これは土木研とパラレルでございますので、説明は割愛させていただきます。
26ページ目です。こちらが交通研と、それから車検独法、自動車関係2法人になりますが、こちらは来年統合が予定されているところでございます。一番下の図のところにありますように、一連の業務を同一法人の中で実施することは可能となりますけれども、統合したからといって自動的にシナジーの効果が出るわけじゃございませんので、そうしたものを出すために、最初の2項目、指摘をしております。
1点目は、一連の業務を一元的に担当する理事を置くということ、例えば、整備してくださいと。2点目は、理事だけではなくて、部であるとか、課であるとか、そういう現場レベルでも連携ができるような仕組みを構築してくださいということです。3点目は、少し方向が違いますけれども、管理部門の合理化については、ずるずる先送りされてしまうといけませんので、時点と措置の内容を次期中期目標中に明記してくださいということをお願いしております。
次の27ページ目でございますけれども、2点目は、国から移ってくる適合性審査の調査・確認事務についてでございますが、これは他の業務も含めて、全体を効率的・効果的に実施できるような仕組みをつくってくださいという指摘をしております。
それから次の28ページ目ですが、3番の項目、これが研究目標の設定ということで、最初に説明しました例の4項目を指摘しておりますけれども、とりわけ交通研につきましては、指摘のポイントのところに書いてございますが、国際部門でかなり重要な役割を担うことになります。国際標準の獲得であるとか、インフラの海外展開といったところが重要ですので、そういったことを踏まえ、また、安倍総理からも最近、自動運転の自動車が2020年までに実用化というようなご発言もありましたけれども、革新的技術が非常に目覚ましく進歩している分野でありますので、検査手法の開発もそれに遅れないように対応していただく必要があるということも踏まえて、この4項目に対応していただきたいということで考えております。
それから4番目、車検独法のほうの本部の移転ですね。これは、方針はもう大分前に決まっておりましたが、なかなか進んでいないという状況ですので、期限を区切った議論が必要でございます。ということで、指摘のポイントの真ん中あたりですけれども、次期中期目標期間中の早期に結論を得るということを書いております。ただ、言いっ放しでは良くありませんので、隣接する法人ですね、そちらも国交省の所管の法人ですので、調整等もあろうかと思いますけれども、敷地の利用等も視野に入れて検討してくださいと言っております。
29ページになります。5番目の車検の話になりますが、こちらは民間能力の活用の観点から、指定整備率を上げていくという方針は引き続き進めていくということですが、それに伴いまして、(2)のところに書いてありますように、こちらの法人では新規検査であるとか、街頭検査、こういった民間では担えない検査に重点化をしていただく。それに伴いまして、検査コース数であるとか要員の配置、こういったものを見直していただくということであります。ただ、(4)のところに書いてありますけれども、過去に削減したコースがそのままになっているという例も見えますので、例えば新車の型式審査、こういったものに活用していただくなど有効な活用策を検討してくださいということを申し上げております。
次に、国立研究開発法人の海上技術安全研究所、港湾空港技術研究所と電子航法研究所についてですが、31ページ目をごらんください。こちらが3つの研究所の統合に関する話でございますが、1つ目が統合法人としての成果の最大化ということであります。こちらについては、(1)にございますように、研究企画部門の強化であるとか、(2)のリソースの柔軟な配分、そういったものの仕組みをちゃんと検討してくださいということを申し上げております。また、一方、自動車法人と同じですけれども、管理部門の合理化については、時点と措置の内容をしっかり中期目標等に明記してくださいという指摘をしております。
それから下のほう、(2)ということで、研究目標の設定について書いております。これも例の4項目を書かせていただいておりますが、こちらの法人につきましては次の32ページをごらんいただくと、問題意識のところに書いてありますが、第2期から第3期の中期計画期間に移るときに、ちょっと安易な目標を定めておられるのではないかというような例が散見されますので、そういったことがないように釘を刺しておきたいなと考えております。
次の33ページになりますが、こちらは船員養成の2法人です。海技教育機構と、それから航海訓練所でございます。(1)が統合後のあり方ということですが、一貫教育、それから一体的な運用、こういうのは進めていただいたらいいと思いますけれども、その前の段階で、資格の取得者をどれぐらい育成すべきなのかといった大きなビジョンが、これまでのところ示されていないという状況がございます。そういうことから入学定員の数、来期は390名から始めていくということですけれども、そういったものが妥当なのかどうかという検証ができないわけでございまして、そういったビジョンについては中期目標にしっかり記載できないものかというのが1点目でございます。
次の34ページに参りまして、問題意識のところに書いてございますが、問題意識のところの下から4行目のところの真ん中あたりですね。海技学校については、入学者の3割ぐらいの方が資格を取得できていない。中には中途の人もおられますし、中途退学するのではなく、資格を取得せずに部員という形で就職していく方もおられるということです。これも国がというか独法が養成をしているわけですから、指摘のポイントの2ポツの上から4行目のところ、真ん中あたりに書いてございますけれども、船長とか機関長といったような基幹的な要員、こういった人たちを育成していくのが本法人のミッションであろうかと考えますが、そうであるならば、もう少し資格取得の割合を向上させるために工夫とか努力が必要ではないかといった指摘をしております。
少し飛ばしますが、36ページの5)の海技教育機構のところをご覧ください。こちらについては入学料とか入学検定料、これまでも無料でしたし、今後も無料のまま続けていくという方針でございましたけれども、問題意識のところに書いてございますように、ユニット会議とか事務局とのやりとりを経まして国交省のほうが方針を転換してくれまして、29年度以降、こういったものを徴収していくという方向で検討していただけるということでございます。自己収入を拡大するという意味もございますし、先ほど申し上げた中退者を減少させるという効果にも期待できるかと思いますので、前向きに進めていただきたいと考えてございます。
それから35ページ目ですが、2)ということで、今回、統合することによって入学希望者の掘り起こし、こういったところ、練習船を活用するとか、そういったこともできますので、戦略的な広報活動を進めていっていただきたいと考えています。
それから37ページが航海訓練所の受益者負担の関係でございますが、指摘のポイントのところにございますように、訓練負担金については、30年度まで計画的に拡大をしていくという目標を設定されております。ただ、これで十分かという議論がまたございますので、31年度以降のさらなる拡大に向けて検討は継続していただきたいということを申し上げております。
最後に38ページ、航空大の関係です。1)法人のミッションの関係ですけれども、こちらの法人では従来から質の高い操縦士を輩出しておられますが、実はその点、あまり意識がされてきていなかったのかなと考えております。他との差別化を図る意味でも、機長であるとか、他のパイロットさんを指導するような指導的な操縦士、こういった基幹的な要員になるような人たちの養成というのが本法人のミッションであるということをより明確化して、多との差別化を図っていただきたいというのが1点目の指摘でございます。
2点目はガバナンスの強化でありますけれども、こちらの法人では3年連続して航空事故が発生しております。3つ目は特に死亡者も出ておりまして、運輸安全委員会などから組織的な問題といったものも指摘を受けておられます。そういう意味で、この法人は様々な考え得る限りの安全対策を実施されまして、26年の3月には中期計画も改訂されていますけれども、今後どうしていくのか聞いたところ、改訂した中期計画、これに沿って引き継いでやっていくということでございます。ただ、この中期計画の変わり目というのは非常に重要な時期でもございますし、見込み評価でC評価がついていることも考えますと、この時期に1度、効果や課題といったものを総括して安全管理の体制の不断の見直しといったものにつなげていく必要があるのではないかという指摘をしたいと思っております。
39ページ、こちらは就職率等の目標を設定してはどうかということでございます。この法人の最終的な目標ということでもありますし、ここら辺の数値目標が出ていないというのはどうかということで指摘をしております。
4番目、受益者負担のあり方ですけれども、国交省の審議会のほうで、27年度の水準を当面維持していって、33年度以降に改めて検討するという方針は示されておりますが、それまで何もせずに棚上げしておくのはいかがなものかということで、関係者の間で情報交換をするなり、必要に応じて調整をするといった努力を続けてほしいとまとめておるところでございます。
説明は以上でございます。
【樫谷部会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまご報告いただきました12法人につきまして、ご意見、ご質問ございましたらば発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
土井委員、どうぞ。その次、橋委員、どうぞ。
【土井委員】 28ページのところでご紹介いただいた交通研と車検等の話で、先回、発言させていただきましたけれども、シナジー効果を発揮するというのを指摘のところに書き込んでいただいてありがとうございます。特に気になりますのが、この間、フォルクスワーゲンのソフトウエアを使った不正の問題とか出ておりますので、そういう意味では、今までは、どちらかというと機械的なエンジンと、それに伴う安全性などが中心だったと思うのですが、今後ソフトウエアというかICTというところも入ってまいりますので、ぜひそういうところの強化もよろしくお願いしたいと存じます。
【樫谷部会長】 ありがとうございます。
【平岩管理官】 ありがとうございます。委員ご指摘の関係もございますし、先ほど述べさせていただいた自動運転とか、レーンキーピングアシストもかなりソフトウエアの比重が高まってきていると思いますので、その辺も十分に対応できるように求めていきたいと思います。
【樫谷部会長】 ああいうふうに、今のアメリカのように不正操作されたら、日本は見つけられていたんですかね。
【土井委員】 トヨタさんは、ちゃんと指摘されていた。
【樫谷部会長】 そうですか。わかりました。
橋委員、どうぞ。
【橋委員】 私は海技教育機構と航海訓練所についてご質問申し上げたいと思います。船員養成のイメージのところにも書かれておりますように、私が担当しています第3ユニットのほうの文科省系の学校とも接続していることもあり、疑問点をお伺いします。船員不足ということで、定員設定が妥当かを検証する必要があるということですが、これについては国交省のほうの船員養成だけではなくて、水産大学校とか、同じ文科省系でも、航海訓練所を経ないで海洋開発や水産系の東京海洋大学で実習をして国家試験に臨む人たちもいるわけです。海技試験自体は、商船なのか、営業船なのか、海洋調査船なのかで分かれているわけではないわけですね。ですので、現状の定員設定をどうするかは、この主務省だけの問題ではないと思います。今日最初にお示しいただいた、国の政策における位置付けというところで「主務省の政策上の位置付け」という表現がありましたけれども、各省横断しており、国交省だけではなくて文科省とか農水省とか、一部は経産省とかが関連する中で、船員をどのように育成していくのか、この組織の役割、人数とか教育内容を定めていく必要があると感じました。
なぜこんなことを言い始めたかというと、今、国防の問題とか、海底資源開発とかいろいろ言われているわけです。特に国交省は物流のところ、商船を主に管轄していると思いますが、私、独自に調べさせていただきましたけれども、物流では今、船舶輸送が99%を超えておりまして、空の輸送より圧倒的に多く、物流は海上交通に頼っているんですけれども、日本の自国の船を持っている率というのは2,000トン以上の船で9%しかない。非常に問題ではないかなという状況です。安全保障上、イギリスでは50%以上、自国船を持たなければいけないと法律で規定しているんですが、日本の場合、商船は登記費用とか税金の状況でパナマとかバハマとか外国船籍にしてしまっているので、国防上何か問題が起きたときには、オーナーは日本の船会社であっても、どこで登録したかによって運航が左右されてしまうので、食料自給率が非常に低い日本にとって、外国船籍の船が非常に多く、そこに乗る船員も外国人が多いということは非常にリスキーな状況だと思っています。そういうことも含めて、船員の養成をしていかなければいけないというのが今回、考えたことでございます。ですので、優秀な人材の確保に向けてどうするのかについては、もう少し詰めていただけるとありがたいなと思っています。海運会社の中には独自に船員を養成する動きも出ていると聞くのですけれども、この組織の動きと民間の動きとの関係ももう少し整理する必要があるのではないかなと思います。
【樫谷部会長】 関委員は、途中でご退席されますが何かご意見ございますか。
【関委員】 今回、ヒアリングを行いまして、それぞれの法人が目標・目的に基づいて、実際にその業務を遂行しているというのはよくわかったのですけれども、ただ、その目標が、いま一つはっきりと国民に伝わり切れないところがあるのではないかなという感想を持った法人も幾つかございました。
【樫谷部会長】 ありがとうございました。
 今、確かに橋委員がおっしゃるようにもう少し大きな視点で見ないといけないのではないかと。内航だとか何だとかいう論点だけじゃなくて、というとおりだと思いますけれども、まだそこは、また議論しなければいけないところですね。
【平岩管理官】 そうですね。委員のほうからご指摘のあったようなところまで実は行っていなくて、国交省と事務局でやっている中では、国交省として今後養成しなくてはいけない船員の数とか資格の取得者でさえも、結構、景気に影響されるものですから、なかなか将来のことは見込めないと。それでどれぐらい育てるべきかという目標設定がなかなかできないというところでまだとどまっておりまして、ですからそこら辺は事務方としてよく詰めた上で、今回、先生からご指摘がありました他省庁との関係であるとか、それから外航・内航で、世界で占める安全保障の観点とか、そういったことも含めて議論できる、まさにここに書いています大きなビジョンということを検討していただけるように調整を進めていきたいと思います。
【樫谷部会長】 関委員のおっしゃった、ちょっと目標が、もう一つ曖昧というかわかりにくいというところがありますけれども、そこはまた、次の議論の中で、また整理していただくといいと思いますが。
【平岩管理官】 わかりました。
【樫谷部会長】 よろしいでしょうか。
その次、時間もちょっと過ぎておりますので、議論を一旦区切らせていただきまして、次のユニットに入らせていただきたいと思います。それでは第3ユニットが担当いたします見直し対象法人に対する点検の中間報告につきまして、事務局からお願いしたいと思います。
【北川管理官】 第3ユニットでございますが、担当管理官の北川でございます。よろしくお願いします。
第3ユニットでは文部科学省さんの11法人、厚生労働省の1法人の計12法人と、あとちょっと位置づけは若干異なりますが、国立大学法人についてもご議論いただいておるというところでございます。資料でいきますと40ページ以降となります。総じまして前回ご報告したところから方向性は大きく変わっておりません。事実関係というのをよく確認しながら、最終的な出口である中期目標がより具体的なものになしていけるようにということで議論を深めていきたいというところでございます。
では、個別にポイントをご報告申し上げます。まず40ページの特別支援教育総合研究所でございますが、特別支援教育に関する国の施策がインクルーシブ教育だと。障害のある子、ない子というのがともに学ぶ仕組みだというところに、インクルーシブ教育というのを構築していくというのが政策の大方向性ですよといったものに、この政策実施機関たる独法として最大限貢献していくべく、インクルーシブ教育システム構築に向けて研究や研修の体系というのを再構築していくべきであろうと。次期の中期目標におきましては、具体的な研究や研修の内容、それからそれの成果の普及のなし方等々、まさに政策目的と関連づけた具体的な目標の設定を行っていくことが必要であると。
それから、41ページの個別の論点でございますけれども、4)で保有資産の有効活用というのがございます。保有資産、特に体育施設ですが、外部利用が低調であると。一般利用者を呼び込むというような意識というのがまだ醸成されていないようでございますので、これについても、施設利用に関しても目標管理して、有効活用を推進していく必要があるのではないかと求めるものでございます。
それから、次の42ページですけれども、6)の共同調達がございます。これは、一般的にも推進していくべきものであるとは考えますが、特に先般の独法改革の閣議決定におきまして、この特別支援教育と青少年教育振興機構、女性教育会館、教員研修センターの4法人につきましては、間接業務等を共同で実施すべく、費用対効果も勘案しながらやっていくと明示されておりますので、これをさらに推進していく必要があると考えます。
次に、44ページでございます。大学入試センターにつきましては、これはもう上位施策でありますところの大学入学者の選抜の方法につきまして、高等学校教育や大学教育含めて一体的に改革するという、非常に政策的に大きな転換期にございます。高大接続改革というのがまさに文科省において検討を進められておるというところでございまして、この高大接続改革で今のセンター試験というのも抜本的に改められ、大学入学希望者学力評価テストと高等学校基礎学力テストというものに、いずれも仮称ですけれども再構築されていくという、その制度設計というのがまさに途上にある、政策的にまだ確定していない状況でございます。そういった中で、現時点におきましては、もう次の中期目標期間中に、こういった抜本的な改革がなされます。導入というのは新テストというものを受けて、本省と連携を密にして、この政策の変わり目の中で、この法人の担うべき役割というのを具体的に盛り込んでいくべきであるということでございます。
その他、情報提供業務というのを、3)でございますけれども、これにつきまして、民間でも非常に充実してきております中で、この独法として担っていくべきものがどういうものなのかということを、これは新制度の検討ともあわせて抜本的に見直していくべきではないかということでございます。
【樫谷部会長】 すみません、ゆっくり聞きたいのですけれども、時間の関係もございますので、できるだけポイントを絞ってご説明いただきたいと思います。【北川管理官】  失礼しました。続きまして47ページの青少年でございますけれども、これについても1点目、青少年教育の振興、健全育成という政策目的の達成のために、文科省と連携を密にいたしまして、政策と関連づけた具体的な目標設定というのをしていくべきであろうと。特に青少年施設全体の利用者数が減少傾向にございます。そういった中で、法人本部も主導的に、各施設の増減の原因分析やニーズというものも把握して、広報、PR、もろもろの取組みをなしていくべきであろうということです。
それから、それぞれの地方施設が地域特有の課題に取り組む地域拠点となるように、この法人本部も全体的な観点から支援・助言を実施することを求めてございます。
それから、最後の4)のところは、先ほど申し上げましたけれども、共同調達の実施をさらに推進していく必要があるということでございます。
続きまして、女性教育会館、50ページでございます。これは女性教育という言葉、法律上もそうでございますが、女性教育に対する研修が主要な業務でございますけれども、まさに女性の活躍促進というのも内閣の重要政策になっておるところ、女性教育という言葉自体はちょっと法律の問題でございましょうが、実態の運用においては、より視野を柔軟に広げて、特に研修対象者も男性や民間企業、大学等々などにも広げまして、女性の活躍促進ということに貢献していくべきではないかということでございます。
それから施設の関係でございますけれども、4)にございますが、保有施設の稼働率も高いとは言いかねる状況でございます。これについても積極的なPRですとか、先ほど申し上げたようなウイングの広がりというものも活用して、有効活用を推進していくべきであるというご議論をいただいております。
続きまして科学博物館、53ページ。以下、美術館、博物館系3法人が続きますが、同じようなアプローチで臨んでおりまして、中で若干の濃淡があるという状況でございます。まず科博ですけれども、こちらは全国の自然科学系の博物館のナショナルセンターとして機能することを期待されているものでございますが、まず1点目、主要事業である展示事業ですけれども、これの目標管理というのが実効的にワークしているかということでございます。現行の目標値というのは実勢と比べますと非常に低い値になっております。目標650万に対して800万台で推移しているところでございます。この目標設定というのを、より目標管理というのがワークするように、安全ラインを引くのではなく、戦略的な入場者数の目標の設定が望まれるのではないかと。そう行きますと、なかなか一律の数字では難しいというようなご議論になってきます。そういう中で、例えば広く一般に観覧するような展示、それから専門的な、よりコアな展示ですとか、もろもろ展示の種別というのも分けて、どういったバランスで開催していくのか、それぞれについてどれほどを戦略的に目指していくのかというようなことを明確化していくべきではないかということでございます。
それから調査研究も、いつまでにどういう成果を目指すのか。それは政策との関連性においてどうなのかということを明確化していただきたいということ。
それから標本の収集・保管についてでありますけれども、これも美・博、共通する視点でありますが、一様に収納状況はもう100%を超えるような状況になっているということでありまして、ナショナルコレクションを構築するというのがこの美・博の使命でございますけれども、そのためにこの収集・収蔵・保管、どういう方針でやっていくのかを確立して、どう資源を振り向けるのか。事業全体のマネジメントの観点から適切な収納対策というのを講じていくべきであるということでございます。
続きまして57ページ、国立美術館でございます。こちらは全国の美術館のナショナルセンターということでございまして、アプローチの仕方は先ほどと同じでございますが、展示事業について、これはもう、そもそも現行の中期目標においては、入場者数の数値目標が設定されていないというところでございます。実績で見ますと、法人の5美術館全体で減少傾向にありますので、これも先ほどと同様、戦略的な入場者数の目標を掲げて、目標管理というのをワークさせていくべきであろうと。さらに自己収入の向上も目指しまして、入場者数増加のために経営努力を展開していく必要があるのではないかということでございます。
それから展示の話で申しますと、次の58ページですけれども、収集・保管について、こちらは非常にタイトの度合いが高いということでございまして、例えば京都の近代美術館は200%とございますけれども、収容能力が限界を超えているような状況でございますので、ナショナルコレクションをいかに確保していくかで方針を確立し、法人の事業全体のマネジメントの観点でスペースを確保していく対策を講じるべきだということを求めてございます。
自己収入、共同調達等、同じ視点でございます。
続きまして60ページ、国立文化財機構です。これも一緒でございますけれども、展示事業については入場者数に、現行、数値目標が設定されていないのですが、こちらは減少というわけではなくて、年度によりでこぼこがあるところでございますが、これについても展示目的のバランスを勘案して開催の方針を策定して、戦略的な入場者数の目標の設定、目標管理をワークさせていくように、そして増加のためのさまざまな経営上の工夫というのがやっていけるのではないかということでございます。
教員研修センター、63ページです。こちらも文科省の政策のほうが、教員の養成というのが非常に重要な課題になっておりますけれども、アクティブ・ラーニングという課題解決型の教育に舵を切っているということでございますので、それの実施機関として、今やっております研修・研究は、この政策に沿った再構築と、集中と選択を行って、アクティブ・ラーニングに係る研修プログラムモデル構築のプロジェクトを推進していくべきということ。
それから研修の実績をより的確に評価できるような指標の整理をしていくべきということでございます。
あと、64ページでございますけれども、こちらもナショナルセンターでありまして、この成果というのをシステマティックに各県、全国に展開していくために、大学や都道府県等の連携強化やICTを活用した研修の配信等を検討していくべきということでございます。
次の65ページでございますけれども、保有資産についても、稼働状況の把握も十分なされていないようでございますし、外部利用もほとんどないようでございます。これも有効活用するという視点で取り組む必要があるのではないかということでございます。
続きまして68ページ、物質・材料研究機構、以下研究開発法人が続きますが、まず物・材、こちらはご承知のとおり、物質・材料分野で世界的にすぐれた成果というのを幾つか上げておる法人でございますけれども、そういった世界最先端を争う研究テーマと、一方でそうでもないもの、いつまでに、どのように成果を得るかが明確になっていないものも混在しております。こういったことをメリハリつけて、法人全体の研究マネジメントを推進していくべきということでございます。
それから、新しい話といたしまして、次の69ページの下のほう、前から言っておりますけれども、特許収入が、物・材は珍しく黒字でございまして、これは産業界とのハブ機能という重要な機能を担っておられますが、一層推進して、成長戦略でも期待されているところでございますので推進していただきたいなと。
次の70ページが若干新しいのでございますけれども、論文不正等の研究不正が起きたときの対応方針、対策の内部規定が、まだ整備されていないと聞いておりますので、これは早急に整備する必要があるなと。
それから、本法人はつくばにありますけれども、SPring−8という施設は兵庫県にございまして、ここに監査に入れていない状況でございますので、内部監査を計画的に実施していただきたいということでございます。
次に71ページ、防災でございます。こちらにつきましては防災に関する総合的な研究機関という位置付けでございますけれども、なかなか一般から見るとほかの防災について、地震や耐震についていろいろな研究機関がやっているということで、他の研究機関との役割分担や研究成果の共有、分担と連携・共有、そして全体として成果が一番効果的に出るように具体的に目標化していただきたいということでございます。
それから、28年度から海洋研究開発機構から「地震・津波観測監視システム」が移管されますので、これについては的確にシナジーを出すべく、既存のシステムとの一元化によって、どのようにシナジーを生んでいくかを具体的に目標に記述していただくべきだということでございます。
続きまして73ページ、放射線医学総合研究所、放医研でございます。これは28年の4月から、原子力研究機構の一部と統合いたしまして、量子科学技術研究開発機構に衣がえいたします。そういう中で、まずはシナジーを出していただくというのがございますし、この法人が主力として進めておられます重粒子線がん治療についての研究で、これまでも全国展開・普及ということを推進すべきと言ってまいりましたけれども、なかなかこのままでは容易には普及しないということで、治療装置をより小型化していくこと、それから他の抗がん剤治療やX線治療と比較して、やはり優れている点を検証していくことを通じまして、普及・展開を図るということでございます。
それから原研からの一部移管ということで、施設が青森、群馬等に点在することになりますので、こういったものを有効にガバナンスできるような管理体制を構築していくこと、研究ユニットを機動的に再編できるような内部体制の構築ということを求めているものでございます。
続きまして75ページ、厚労省の労働安全衛生総合研究所でございます。これは来年の4月から労災病院等をやっています労働者健康福祉機構と統合されます。そちらのほうが数倍の巨大法人でございますけれども、ここと合体いたしまして、労働者健康安全機構になります。そういう中で、この法人の研究機能が新法人の中でどう活かされていくのかということでございます。
76ページをご覧いただきますと、先般の独法改革の閣議決定でこの統合についてございますけれども、この統合によって、5点ございます。過重労働やアスベスト、メンタルヘルス、(1)から(5)、こういった5つの分野で統合の、この法人が持っています基礎・応用研究機能と労災病院の持つ臨床機能というものの相乗効果を最大限発揮できるよう5分野の研究に取り組むとされておりますので、こういったところをより具体的に見ていきたいということでございます。研究部門の再編でも研究ユニットを機動的に再編できる仕組み、研究員を柔軟に配置する仕組みについて検討して、次の中期目標ではその辺を明らかにしていくべきではないかということでございます。
最後に国立大学法人というのがございます。77ページ。国立大学法人のほうは独法ではございませんので、私どものタッチする位置づけも異なります。国大法人については、大学評価学位授与機構が教育研究の内容面での評価をいたします。そして文科省の国大法人評価委員会が全体を束ねて評価を出されておられますので、私どもとして、個別の大学法人に対してではなく全体に通じて、例えば独法全体では今こういう流れになっているよと、こういう力点になっているところを国大さんどうですかというように、全体に対しての指摘があればするということでやっております。11月の下旬頃から文科大臣が各国立大学にいろいろ意見を申していくそうで、その中で私どもの視点というのも盛り込んでいくべくいろいろ調整させていただきたいというところでございます。
指摘の中身はこちらにございます。マネジメント面ですけれども、論文不正や研究費の不正ということ、それから個人情報の漏えいということ、なかなか後を絶たないという現実がある中で、コンプライアンス、監事機能強化といったことを明確化していっていただきたいというのが指摘のポイントです。
それから、次の78ページでございますが、経営基盤強化ということでございまして、文科省の政策面で、各大学の個性をより強く出していくとなされていまして、世界と戦うようなものと特定分野で生きるもの、それから地域貢献するものという類型を設けられていらっしゃいますけれども、それぞれの特色を生かしたマネジメントについて、具体的な内容・工程を各大学法人で、構築して明確化してくださいということでございます。
それから業務運営の効率化についても、独立行政法人の会計基準で言われているようなことを申し上げています。産学共同研究や共同の事務処理等、業務の改善・改革を一層推進すべきという内容になってございます。
駆け足で失礼いたしました。
【樫谷部会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまご報告いただきました12法人について、ご意見、ご質問等ございますか。
岡本委員、どうぞ。
【岡本委員】 ご説明ありがとうございます。資料の50ページ、国立女性教育会館ですが、私自身、こういう分野の専門家ではないので、ちょっと間違った発言かもしれませんが、ここに書いてある内容から、ちょっと違和感を感じまして、この法人の役割が、ミッションといいましょうか、どういうところにあるのかなと正直思いました。「『女性教育』から『男女共同参画』へのシフトを踏まえ」と書いてあるのですけれども、男女共同参画って別に最近言われている話ではなくて、もう十数年前から言われているような話だと私は認識しています。それからむしろ男女共同参画というのもその先、今どうしているかという議論が、おそらくその分野では言われているような状況の中で、例えば研修とか研究とか、その次のページの広報でも、今頃になってこういうところにおいてこの役割を見直すということを言わなければいけないような状況なのでしょうか。私自身、ここの専門家でもないし、実際に行ったわけでもなく、何かこの法人がやるべき役割というのはこういうところにあるのかなという素朴な疑問と、むしろこういうところで独立行政法人が、政策の実施機能としてやるのであれば、もっと積極的に男女共同参画の先にある、今言われているような議論のところでむしろやっていくべきだという方向性を打ち出すべきではないか。そこの具体的内容はわかりませんけれども、何かそういう印象を受けて聞いておりましたが、その点、いかがでございますか。
【北川管理官】 方向性は先生がおっしゃるとおりで議論させていただいていまして、男女共同参画や、さらに先にある女性の社会での活躍、まさに安倍政権の重要政策として掲げているものについて、こういったものにも貢献していくべく、ともすればちょっと保守的と言われがちな体制業務というのも見直していくべきということで、そういった方向で議論させていただいているところでございます。例えば民間企業への働きかけがちょっと現状低調だということで、そこをよりプッシュしていくべきということも指摘してございます。
【岡本委員】 そういうことであれば、こういう分野におけるこの法人の役割というものを、この指摘のポイントに問題意識で書かれているよりは、もうちょっと先のところにミッションを置いたような感じに、この委員会として出すべきではなかろうかなと、思います。
【坂井調査官】 すみません、背景について少し補足させていただきます。1点目の岡本委員のご指摘はごもっともで、第3ユニットの委員に見ていただいた感じも、岡本委員との温度差はないものと思います。基本的に主務省等の戦略性のなさ、プロモーションのなさというのが非常に大きな問題だというのが委員の共通認識でして、その原因が法人側にあるのか、主務省側にあるのか、そこのところが正直つまびらかではなかった。ここで少し弱目に見えるのは、いわゆる法人に対してというよりもまず文科省に対して、もう少し前向きに、きちんと時流を読んで対応すべきではないかということを書かせていただくとともに、法人としてのミッションについてはきちんと、そういう哲学のもとでこれまでの取り組みに加えて対応していただきたいという、いわゆる双方向けに書かせていただいたため、やや少し、読みようによっては弱目に見えたのかなと思います。今、北川管理官から説明がありましたとおりで、委員は、片側で法人には先を見越してほしいという気持ちを持ちつつ、片側でいきなりそこまで求め得るかという状況の下で、こういう書き方にさせていただいているものでございます。
【岡本委員】 今の坂井さんのご説明で、総論はそうだろうなと納得はしていますけれども、私が気になったのは、やはり国民の税金を使って活動している法人において、いわゆる民間ではできないことをやるために存在しているということを、一般論で言って恐縮ですけれども、であれば役所側に言っている内容であればということではわかるのですが、それでもし今、安倍政権で掲げている女性尊重ですか、そういう方針の中でできてくる新たなこの法人の役割がいろいろあると思いますので、そういう方向でなされているのならそれで構わないのですけれども、何でこの法人が存在しなければいけないんだということを全く情報もなく見た人にとってみると、この紙が外に出ていったときに、そこに疑問がやはり生じるのではなかろうかと思ったというだけです。
説明は、今ので結構でございます。
【北川管理官】 引き続き検討いたします。ありがとうございます。
【樫谷部会長】 よく議論をしていただいていますが、さらに議論をしていただいて、前向きに。確かにこれを見ると、何か10年ぐらい前の計画の目標のような気がしないでもない。
ほかに何かございますか。
土井委員、どうぞ。
【土井委員】 今のところ、企業は、もう男女共同参画、その次ダイバーシティーで、今LGBTにまで移っていますので、そういう意味では2世代ぐらい、3世代ですかね、遅れているような気はしますが、それはちょっとおいておいて。
質問が2点ございまして、1点目は、44ページの大学入試センターですが、気になりますのは、高大接続システム改革会議のほうの検討が遅れているのか、なかなか大学入試センターが、高校での、何ていうのですか、認定試験と、あと大学、今までの一般入試とどう接続させるのかが、今のところよく見えないので、ぜひお願いしたいのは、やはり入試、受験者、現役、浪人生含めて、そこに一番近いのは大学入試センターですので、受験される方及び親御さんが不安にならないような、ぜひそういう形で、受け身ではなく、ぜひ積極的に、どうやって自分たちでオペレーションしていくかという形で検討願えればと思います。すごくそこが心配で、本当にどうなるのかなというのが、今ここに書いてある指摘のポイントと問題意識でも見えないので、ぜひそれはよろしくお願いします。
2点目は、最後の大学法人のところの指摘にありました、ブランド力強化というお話があるのですが、企業にいた人間から見ますと、法人とはいいながら、運営費交付金、それも毎年1%ずつ10年間減らされるという中で、正直に言えばブランド力を強化する戦略を立てるのはいいのですけれども、そのためには、やはりプロモーションするためのお金が必要ですよね。ブランド力を高めるための。それを削られている中で、どうやって出していくかというのはすごく問題で、これが本当の法人であれば、そういうところは自分たちで稼ぐなり何なりして考えられるのですが、その辺りのところがすごく、経営として中途半端な気がいたします。なので、ぜひブランド力を強化するという意味で、運営費交付金を今までどおり減らすというのでは土台無理だと思うので、もう10年間かけて10%減っているわけですから、その影響なのかどうか、最近発表になったのでは、アジアの1位からついに、ではなくなってしまいましたので、ぜひそういうところも、せっかくブランド力強化と書いていただいているので、そういう運営費交付金のあり方なども、ぜひ再検討いただければというところまで言えるかどうかわかんないんですが、本当の法人であれば、そういうお金の使い方というのはもう少しフレキシブルですよね。ですから、そういうことも考えた法人としての経営というのをぜひ、書ければとは思うのですが、何らかの形でそういう方向に行くというのが望ましいのかなと。法人であるならば、やっぱりそういうことかな。大学だけには限らないとは思うのですが。特に今、一番苦労されているのだと思います。
【北川管理官】 ありがとうございます。その辺、運営費交付金以外でも外部資金の獲得努力というのを各大学が一層なしていくべきということは言葉に入っておりますし、運営費交付金自体もメリハリつけた配分方針に取り組んでおられると思いますので、そういうのが相まって。全体傾向については、いかほどのことが言えるのか、引き続き検討します。
【土井委員】 でも戦略を立てて競争的資金を持ってきても、その競争的資金そのものが使えず、それについてくる3割の間接経費でやりとりしなきゃいけないですよね。何かちょっと、間接経費ではなく直接経費でブランド力強化できるそういう運営費交付金、競争的資金があるわけではないので、そのあたりすごく、実際に資金繰りとしてはすごく難しいのだと考えます。
【北川管理官】 ありがとうございます。引き続き検討します。
【樫谷部会長】 岡本委員、どうぞ。
【岡本委員】 もう一つ、40ページです。特別支援教育総合研究所ですけれども、こちらも専門家じゃないので、ちょっと的外れかもしれない。特別支援教育に関するこれ、ナショナルセンターとして位置付けられている法人ですよね。
【北川管理官】 はい。
【岡本委員】 にもかかわらず、(1)のような指摘をしなければいけないような状態になっていると読めますので、やっぱり今回の、なぜこの独立行政法人の改革を行うかという意味合いにおいても、もう少しここは何か、どう言ったらいいのかな、やっぱり強くということになるんでしょうかね。もっと指摘をすべきかなという、これはあくまでも印象論ですけれども思いました。
【北川管理官】 ありがとうございます。
【樫谷部会長】 よろしいですか。ほかにございますか。
栗原委員、どうぞ。
【栗原委員】 せっかく土井先生が国立大学法人の運営費交付金ということを言っていただいたので、運営費交付金がずっと減少していて、いろいろ大学の運営がタイトになっているということは非常に大きな問題だという認識はいろいろなところであるということを一応補足させていただければと思います。そういう考え方についても、もちろん財政的には非常にタイトな中でですけれども、大学もきちっと運営に対しての指針を持つと同時に、予算の在り方についても見直していただけるのであれば幸いだと思います。ちょっと土井先生にきっかけをつくっていただいたので、大学の一員として補足させていただきます。
【樫谷部会長】 ほかにございますか。よろしいですか。時間の関係がありますので、ここで一旦議論を切らせていただきたいと思います。
次のユニットですけれども、第1ユニットが担当する見直し対象法人に対する点検の中間報告について、事務局からご説明をお願いします。
【斎藤管理官】 それでは、私から第1ユニットのうちで農林水産省の関係の9法人について説明を申し上げます。資料の1−2でございます。ちょっと戻っていただいて2ページをご覧ください。
最初に、平成28年4月に統合が予定されております農業関係の4法人についてであります。統合に関する項目として4つ掲げておりますが、最初の1)統合効果を発揮する研究部門再編成ということで、研究成果の最大化に資するということで研究部門再編、研究ユニットの機動的な再編の仕組み、研究員の柔軟な配置などについて検討すべきというものであります。
次に2)でありますが、国の政策目的に沿った研究の推進ということで、農林水産省が進める攻めの農林水産業、また、6次産業化の推進の実現に資する具体的な成果、アウトカムを見据えた目標を設定し、研究を推進すべきであるということであります。
さらに3ページをご覧いただきまして、こういった目標設定、また、研究活動の推進に当たって、ロードマップの活用を図るべきではないかというものであります。
4ページをご覧ください。統合後の研究評価体制の充実ということで、現在、それぞれの法人ごとに研究評価体制を構築しているところでございますが、統合後につきまして、これを一体化し、その法人で研究評価体制を構築していくべきであるというものであります。
それから、個別項目として3つございます。まず5)について、農研機構の繰越欠損金についてであります。この法人の民間研究促進業務勘定で、約25億円の繰越欠損金を計上いたしておりますが、委託先企業の売り上げ増に資する助言・指導を強化し、売上納付額の増加により、この解消を目指すべきであるというような論点であります。
5ページをご覧ください。6)でございます。ジーンバンク事業につきましても、6次産業化の観点から実施をすべきというものであります。
7)種苗管理センターの業務につきましても、具体的・定量的な、かつ、できる限りアウトカムに着目した目標設定をすべきであるというものであります。
農業関係の統合4法人の論点については以上でございます。
6ページをご覧ください。次に同じく平成28年に統合予定の水産関係の2法人についてであります。こちらも統合に関する項目といたしましては3点掲げておりますが、内容はおおむね先ほどの農業関係の4法人と同じようなものを掲げております。こちらについては、特に、この問題意識の中ほどに書いておりますが、水産総合研究センターが保有する9隻の調査船と、水産大学校が保有する2隻の練習船の効果的な相互利用、また、全国に拠点を有する法人として、ICTを活用した日常的な情報交換が重要であると考えております。
個別項目として、8ページをご覧ください。水産大学校の教育内容の充実についてでございます。こちらも6次産業化、あるいは水産日本の復活に資するような人材育成を推進するということで、水産業の現場への貢献を意識した取り組みを求めるものでございます。
9ページをご覧ください。水産資源の持続可能な利用のための技術の開発といたしまして、資源管理の技術開発のみならず、新たな国際的な資源管理ルールの作成など、国の取り組みに対する貢献(アウトカム)について、目標に明記すべきではないかというものであります。
次に、家畜改良センターについてであります。11ページをご覧ください。まず1)でありますが、この家畜改良業務につきましては、そもそもとして民間での実施の可能性や、この法人でなければできない理由の明確化がまずは必要であり、また、この法人で実施をするとした業務につきまして、その国の政策目的達成のための具体的・定量的なアウトカムに着目した目標を設定すべき。さらに、政府が定める家畜改良増殖目標の達成のために、この法人が何を担い、どのように貢献をしていくかということを種畜ごとに明らかにすべきというものであります。
次に2)でありますが、こちらは牛肉の食味に関する官能評価につきまして、日本人のそれのみではなく、今後、輸出が見込まれていく欧米等の味覚を意識した評価を実施すべきとするものであります。
3)でありますが、人工授精用精液や受精卵の配布価格について、生産コストを反映したものとすべきというものであります。
12ページをご覧ください。国際農林水産業研究センターについてであります。まず1)でありますが、この法人は、主に開発途上帰国における農業の技術向上のための研究を通じて、世界の食料問題の解決に資するというのが本法人のミッションでありますが、同時に、我が国の食料安全保障に寄与するという観点も非常に重要ということで、こうした視点を踏まえた目標設定をすべきというものであります。
次に2)でありますが、先ほどの農業関係の4法人との統合が決定された平成25年の閣議決定までは、この法人と農研機構などの統合が検討されておったところでありますが、これらの法人との統合に向けて検討した際に検討された事項、例えば物品・役務の共同調達でありますとか、研究分野におけるより一層の協力といった点を今後のこの法人の業務運営に生かしていくべきであるということ、また、この法人の研究成果のうちで、国内の産業に活用可能なシーズが得られた場合には、統合法人などとも連携をした中で、できるだけ早期に国内外における事業化に資するべきというものであります。
次に13ページをご覧ください。森林総合研究所についてであります。1)でありますが、こちら、研究成果の最大化ということでありますが、この法人が研究開発から水源林の造成、また、森林保険事業までも内包する林業に関する総合的な法人となっておりますことから、研究開発につきまして、林業現場への成果の普及、あるいは自ら行う事業への貢献など、できる限りアウトカムと関連させた目標を設定すべきというものであります。
2)につきましては、この水源林の造成事業につきまして、その財源のうちで出資金、借入金などの要償還額の中長期的な返済計画、また、将来にわたる事業の財源構造を明らかにした上で評価を行うべきというものであります。
14ページの平成26年度の評価書をご覧いただきますと、下線を引いたところでありますが、長期借入金や債券の償還実績を示し、事業の収支バランスに係る資産の見直しを行うとともに、資金の有効活用、適切な業務運営を行いつつ、長期借入金を確実に償還したことをもって大臣による評価はBと押されていますが、今後、評価に当たりましては、債務の返済計画と実績の対比について、例えばその差が生じる原因や分析なども含めて公表し、また、返済の見通しに関する根拠などについても公表した上で評価を受けるべきというものであります。
それから3)でありますが、森林保険につきまして、保険金の支払い事務の迅速化や情報公開など、被保険者また国民に対するサービスの向上を図るべきという点、さらに加入率の増加に対する取り組みを強化すべきという点も指摘をいたしております。
私からは以上でございます。
【倉重管理官】 経済産業省所管2法人と環境省所管の1法人について、ポイントをご説明いたします。
最初に経済産業省所管の経済産業研究所でございますが、同じ資料の15ページでございます。項目としては3つございますが、まず1)について、研究ロードマップを活用したアウトカム目標の設定でございますが、本法人は中期目標管理法人ということで、経済産業政策全般についての研究を実施しておりますけれども、研究ロードマップなどのツールを用いて、まずは限りある研究資源の適時・適切な配分を通じた研究業務の重点化を図るべきということと、目標の策定に当たりましては、目標はできる限り定量的であるということ、あと実現可能性に過度に考慮した水準としないこと、評価に当たっては評価指針にのっとり評価を行うべきということを指摘しております。
次の2)でございますけれども、毎年度の、前回も議論がございましたが、運営費交付金のうち未執行となっている金額の割合が高いということがございますので、真に必要な金額を予算措置すべきこと、当該プロジェクトの進捗と予算の執行状況を明らかにした上で評価を行うべきとすることでございます。
あと3)では、民間研究機関との連携により、さらなる成果の創出をすべきという指摘もしておるところでございます。
続きまして、同じく経済産業省所管の工業所有権情報・研修館でございます。16ページでございます。項目としては3つございますけれども、そのうち重要な2点についてご説明いたします。最初に1番目でございますが、世界最速・最高品質の審査の実現ということでございまして、本法人が特許庁の職員や民間の特許関係者に対する研修などを通じて人材育成業務を実施するに当たりましては、この目的である特許審査の迅速化に資する研修に重点化することと、次期の中期目標におきましては、研修業務の達成水準を図る具体的かつ定量的な目標を設定すべきというものでございます。
次に2)につきましては、知財の総合支援窓口に関する利便性の向上ということでございまして、来年度、特許庁のほうから知財の総合支援窓口が本法人に移管されるということでございまして、主な相談者である中小企業者等の利便性向上に資するべく、同じ経産省所管の独法の中小企業基盤整備機構との連携を強化すべきではないかということでございます。
最後に、環境省所管の国立環境研究所でございます。18ページでございます。項目として3つございますが、これも重要な論点2つについてご説明いたしますと、最初の1)については、持続可能な循環共生型社会に向けた研究ということでございます。現状、本法人は各分野を担当する研究組織を中心に研究業務を実施しているところでございますが、今後はこれに加えて組織横断的な課題解決型プログラムというものを導入ということが予定されていることを踏まえまして、中長期目標におきましては、研究ロードマップの活用による具体的な目標達成水準や達成時期の明確化等の指摘をしているところでございます。また、これに関連しまして、組織横断的な研究プログラムの実施に当たっては、報告体制の整備や責任者の明確化という研究管理体制の整備も必要という指摘をしております。
次に3)の福島支部の開設でございますが、来年度から福島県に、環境創造センター三春施設内に福島支部を開設することになっていますが、当該施設の役割を中長期目標に明確にすべきことと、同一施設に入居する日本原子力研究開発機構や県の機関など、異なる組織との連携、役割を意識した目標の設定をすべきと考えております。
第1ユニット担当の法人についての説明は以上でございます。
【樫谷部会長】 ありがとうございます。
ちょっと時間が押していますので、最初に説明がありました見直し対象法人の横断的な視点も含めまして議論をいただきたいと思いますが、まずご質問、いかがでしょうか。
土井委員、どうぞ。
【土井委員】 ただいまの管理官の説明に補足をさせていただきます。研究開発のアウトカムにつきまして、この第1ユニットでは7つの研究開発法人の見直しを担当させていただきました。次期中期目標の策定に当たりまして、目標指針にのっとり研究開発成果の最大化が第一目的であります。具体的達成水準や達成時期を明確化した目標、できる限り国や社会に対する効果、アウトカムの観点を十分踏まえた目標の策定が必要と考えております。特にアウトカムにつきましては、統合予定の農業4法人においては、攻めの農林水産業、6次産業化の推進という政策目的の実施に資する観点、水産総合研究センターにおいては、これらに加え、我が国が主導する国際的な資源管理に資する観点、国際農林水産業研究センターにおいては、我が国の食料安全保障という政策目的の実現に資する観点、森林総合研究所においては、自ら担う水源林造成事業や森林保険事業などを含め、行政や林業現場への研究成果の普及・貢献という観点、国立環境研究所については、低炭素資源循環など5つの領域として示された課題解決に資する観点を意識すべきであり、目標策定に当たってはこれらアウトカムについて具体的な記載が必要であり、評価に当たってはこれら成果、アウトカムの創出という観点が重要と考えております。さらに追加して、中期目標法人ではありますが、研究所という名前がついております経済産業研究所ですが、我が国の経済産業政策の立案に資する研究を実施するために、ぜひ担当省庁だけではなくグローバルな政策に資する観点を考慮して中期目標を立てていただければと考えております。以上です。
【樫谷部会長】 ありがとうございました。
原田委員、どうぞ。
【原田委員】 先ほど部会長が共通的な観点もとおっしゃったので申し上げますと、どうも研究開発法人は、やはり省の政策体系から、そういう意味で独立しているといいますか、そういう傾向があるといいますか、戦略的にきちっと結びつけられていないのではないかという印象があります。先ほど土井委員がご指摘になった点はいずれもそうした点にかかわるのかなと思いますので、やはり省がどこを向いているのか。政策手段としての独法だという意識が全般的に、研究開発法人全体に必要なのではないか。ですから、例えば攻めない農政であるとか、攻めない水産業とならないように、ぜひ攻めという観点が出てくるような結びつきを、やはり省の政策体系との関係の中で意識してほしいという気がしています。
【樫谷部会長】 ありがとうございました。
岡本委員、どうぞ。
【岡本委員】 第1ユニットの法人じゃない共通の話としての意見ですけれども、1ページで掲げていただいた資料の1−1で、ご説明いただいたときはそうだよなと思っておったんですけれども、よく見るとちょっと幾つか確認をさせていただきたい項目があって、まず最初は組織運営・ガバナンスの適正化ということで、1つ目の丸に関連する事項なんですけれども、これはこのとおりだと思うのですが、実際に今回の独立行政法人改革の目玉であるはずのガバナンスの適正化に向けて、各法人がどのような状況にあるのかを把握した上で、こういう指摘になっているかどうかが非常に重要なところだなと思うのですけれども、そのあたりの把握状況をまず確認させていただきたいのと、私の問題意識としては、多分それがいろいろなレベルがあるだろうと思っていまして、従来から言っているこの内部統制等々の指摘に関しては、樫谷部会長が座長を務められた委員会のときからずっと指摘をしているような議論だと思いますので、やはり本格的にちゃんとやっていくべき段階に既に来ているんだと思いますし、パブリックセクターにおける内部統制はそういう時期に来ていると思いますので、ここに向けての具体的な取り組みは、やはり必要だろうなと思います。なぜそんなことを感じるかは、例えば私が文部科学省の委員会でかかわった理化学研究所の研究不正の話、典型的な例だと思います。その後、どのようにして不正が生じないようにするかを研究開発法人全般に向けて、新しいこの委員会がどうしていくかというところの指摘、今のお二人の先生方にも関連すると思いますが、そういう取り組みも必要でありましょうし、再発防止をどうしていくかというような議論だけではなくて、やはり積極的に攻めの何とかという、今、よく言われましたけれども、しっかりそのためには守るものもしっかり守らないといけないので、そういう観点からやっぱり内部統制、あるいは今後マイナンバーというのが施行される。情報システムにしてもその危険性がいっぱいあると思うのですけれども、やはりそういう手当てをしていくべきだろうと思うのが1つ目の意見です。
それからもう一つ、その上の政策目標のアウトカムの明確化というところで、これもそうだなと思って見ていました。これはどこに対する指摘でしょうか。主務省というか主務大臣に向けてですか、これ。主務大臣に向けて政策目標を明確化しなさいと言われているのでしょうか。
【新井管理官】 中期目標を示すのは、まさに主務大臣になりますので、一義的に主務大臣に示すことになります。
【岡本委員】 主務大臣が……。そういう意味で政策目標を明確化。それはアウトカムだということでありますよね。
【新井管理官】 はい。一方でやはり法人サイドともよく協議しながら行う必要があります。
【岡本委員】 なるほど。そうすると最後の(3)が若干気になったのですけれども、(3)で書かれている「達成すべき成果が的確に測定できるような目標の設定を行う」、ここが言っている目標というのは、上で書かれている政策目標とは違う議論の目標ですか。細かい点で恐縮ですけれども。
【新井管理官】 ここで念頭に置いておりますのは、その上の国の政策との位置付けをイメージしておりまして、国として、いわゆる政策目標というのがまずあるわけです。これを実施する機関としての法人にブレークダウンするということになります。
【岡本委員】 法人の中期目標とか中期計画に書かれている、いわゆる管理的なものではないということですか、ここは。
【新井管理官】 一義的にはいわゆる中期目標で示される国の政策がその達成されるべき目標の大もとになるところという意味です。
【岡本委員】 わかりました。議論がいろいろあると思いますけれども、言いたかったことは、国としてやらなければ、政策目標としての、これはアウトカムだろうと思いますが、独立行政法人あるいは研究開発法人においてもそうだと思いますが、やらなければいけないものはアウトプットが非常に重要で、それをしっかりやってもらうということがあってのアウトカムという議論だと思いますので、何でもかんでもアウトカムという議論ではないとまず言いたかったということと、それからここで書かれている内容は研究開発法人を対象にしたら読めるのですけれども、そうではないのですよね。
【新井管理官】 研究開発法人だけではありません。
【岡本委員】 (2)の「研究開発については」というところが入ってくるものですから、(2)以降が何か研究開発にかかわっているということ、そうではないですね、これは。全ての独立行政法人に対して言われている内容と理解してよろしいですね。
【新井管理官】 基本的に全体です。
【岡本委員】 わかりました。
【新井管理官】 その中でも特に研究開発に特記すべきところは特記しています。
【岡本委員】 わかりました。そこもそういう理解であれば結構かと。内部統制に関してはやはり、もう少し何か今の段階で何か打ち出していくようなものが、あるべきではないかなという、これはあくまでも意見ですけれども、そう思いました。
【樫谷部会長】 橋委員、どうぞ。
【橋委員】 先ほど第2ユニットのところで食料安全保障とか海洋資源開発の問題を申し上げたのですけれども、まさにこのユニットの研究開発法人は、それに関連した重要なことをやっていらっしゃると思います。先ほど土井委員からもご説明がありましたように、その研究成果を広くグローバルに、それから国も省庁横断的にという視点で、これが活用されるような形の政策目標をきちんと掲げて達成していただくことが必要だなと思いました。
もう1点は、やはり先ほど水産のことを申し上げましたが、ここで水産大学校と水産総合研究センターに関してのことが書かれているのですが、この問題意識のところに、水産大学校が持っている船に関して、この代船建造に当たって「両法人の機能をあわせ持った共用船とする」と、ここまではわかるんですが、その後に「新技術開発等の基盤となる海洋・資源調査、モニタリング体制の強化を図るべき」という非常に建設的なご意見が書かれているのですけれども、これはどの政策を反映したものかを確認させていただきたいと思います。今、安倍政権の今後5年間、海洋開発技術者を現在の2千人から5倍の1万人に増やすとか、いろいろそういう政策が出ていまして、文科省所管の大学では新設学部をつくるとか、先ほどの海技師の免許ですけれども、それといろいろな海洋・資源とかの開発技術も持つ人を同時に育てていくということを今、模索していると聞いているのですが、水産大学校ではいかがでしょうか。突然、今の表現が出てきたのですが、同じような政策を受けての話なのか。水産という名前がついているけれども、海洋開発とか海底資源とか、そこまで及ぶ話なのか、これはお聞きしたいと思います。
【方企画官】 今のご質問ですけれども、「新技術開発等の基盤となる海洋・資源調査、モニタリング体制の強化を図るべき」ということは、一般的にこのようなことが必要であるという観点から書かせていただいたものでありまして、ヒアリング等で先方の方々もこのような話をしていたことを元にして書いてございます。このことについて、政府の決定等に、どこに該当するものがあるかということは、また調べた上、ご連絡いたしたいと思いますので、お時間いただければと思います。
【樫谷部会長】 この海洋・資源とかという、海洋とか資源調査というのは、これは魚のことですよね。
【方企画官】 魚のことです。
【樫谷部会長】 そこの地下に埋まっているものとかではない。
【方企画官】 そうではございません。
【橋委員】 それでは、関連で素朴な質問を兼ねて申し上げたいのですけれども、今、日本の水産業者は、昔は水産日本で、まさに船、内航船も含めて魚を捕っていたわけですが、今、水産会社というのはほとんど商社のような形になって、海外から輸入をしているということです。そういった状況、先ほどの食料安全保障の研究等、いろいろな課題と相まって、この水産大学校がやるべき使命というのはあると思うのですが、いかがでしょうか。そういうことをきちんと把握した上で進めていただきたいと思います。
【樫谷部会長】 日本の国内だけで完結しないでということですよね。
【橋委員】 はい。
【方企画官】 その観点は、ぜひ文章にあらわしたいと思います。
【樫谷部会長】 ありがとうございます。
【新井管理官】 すみません、先ほどの内部統制の点ですが、岡本委員の問題意識は重く受けとめさせていただきますし、ここでガバナンスについては4点目のところに内部統制の話として、これは内部統制の基本的な運用指針も、総務省から各省、法人に示させていただいていますが、特に今回の見直しでも、やはり法人のガバナンス、あるいは、例えば安全の問題ですとか情報セキュリティーの問題で、特記すべきところはそれぞれ示していただいていると思っております。それ以外についても、こういう形で一般的に示した上で、また今後の各年度、あるいはこういった中期目標期間終了時の組織・業務の見直しで活かしていくという位置付けにしていきたいと思っております。
【樫谷部会長】 ありがとうございます。
橋委員、どうぞ。
【橋委員】 冒頭でご説明のありました席上配付の検討課題のところに、やはり組織運営・ガバナンスの適正化に関して、指摘事項として示すことが必要でないかと書かれているのですが、この組織運営・ガバナンスのところの2つ目の丸のところに、「法人の組織・業務運営を行うに当たっては、マネジメントに必要なデータの共有・活用を徹底すべき」と表現してあります。ただ、現場に行って感じることは、必要なデータそのものの収集ができていないというか、そういうことが非常にあるので、これは「共有・活用」の表現のところに「データの収集・共有・活用」と「収集」を入れていただきたいと思います。以上、要望です。
【樫谷部会長】 必要なデータをまずつくらないといけないですね。
【新井管理官】 承知いたしました。
【樫谷部会長】 土井委員、どうぞ。
【土井委員】 今の橋委員のご指摘にも関連して、法人は、そういう意味では、非常にスケールに差がありまして、ここに書いてあるように「マネジメントに必要なデータの共有・活用」、収集と共有・活用だと思いますが、そういうシステムをつくろうとすると、スケールの小さい法人ではすごく負担になりますので、先ほど調達の共有というお話もありましたけれども、こういう内部統制システムも個別につくるのではなく、できれば共有することで、それぞれの負担が少なくなるような配慮が必要なのではないかと考えます。よろしくお願いいたします。
【樫谷部会長】 どうもありがとうございます。
栗原委員、どうぞ。
【栗原委員】 今のような点ですと、もう少し身近には、例えばバイリンガル化というような事務の、ほとんど同じようなスタイルで共有できるようなものというのはたくさんあると思いますので、データだけではなくて、いろいろな運営に関してのノウハウの共有は、なるべく進めていただけると、組織運営に対して効率的になるのではないかと思います。
【樫谷部会長】 ありがとうございます。そういうシステムの共有化というのも非常に、物品の調達まではいいかもわかりませんが、システムの共有化って非常に重要かもしれませんね。
【新井管理官】 ご指摘を踏まえて考えたいと思います。
【樫谷部会長】 ほかによろしゅうございますか。
あと例の今の4法人なり森林総合研究所などについていろいろ、先ほど土井委員からもお話があったのですが、ここはどうですかね。ちょっと中期目標が何か抽象的というか、アウトカムを意識していない。確かにアウトプットを意識してアウトカムも意識しなきゃいけない。アウトカムを意識しながらアウトプットをつくっていかなきゃなりませんね。アウトプットをどうやってアウトカムにつなげていくかというアクションも重要だと思うのですけれどもね。アウトカム、アウトカムだけでは確かにいけないかもわからないので、アウトプットとアウトカムと、そこが、アウトプットだけじゃだめで、何のためのアウトプットかということだと思いますので、その辺はよく、目標をつくるときにもそこを意識してつくるように何か明示したほうがいいのかもしれませんね。
【斎藤管理官】 承知いたしました。
【原田委員】 今の点で申しますと、どうしても研究者というのは、何か研究することはできるのですけれども、その先に何が見えてくるかということをあまり意識しなくなる傾向があるように、自戒を込めて思います。ですからやはりアウトカム、アウトプットというのは常に意識する。そういう意味では、ちょっと強調し過ぎるぐらいアウトカムを強調してもいいのかなというのが私の考えですけれども。
【樫谷部会長】 昨日でしたっけ、ノーベル賞の発表がありましたね。生理学でしたっけ。
【土井委員】 はい、大村先生です。
【樫谷部会長】 そうですね。本当にアウトカムを意識して何か一生懸命探されているような説明をされていました。何か役に立つようなものがないのかみたいな形の探し方をされていましたよね。ああいうアウトカム、原田委員がおっしゃったとおり、アウトカムを確かに意識しないと、何かアウトプットだけ意識しちゃうと、ちょっとずれたものが出てくる可能性は確かにあるかもしれませんね。
ありがとうございます。そのほかにございますか。よろしゅうございますか。
それでは、この議題1の審議はこの辺で終了したいと思います。本日ご議論いただきました内容につきましては、事務局で作成する意見案に反映させていただきたいと思います。意見案につきましては、事務局と各省の協議を経まして、各ユニットの委員の先生方にご相談し、取りまとめたいと思います。
次に議題2、平成26年度業務実績評価等について審議を行います。事務局からまず報告をお願いします。
【新井管理官】 資料2をごらんください。ここにつきましてポイントを申し上げたいと思います。26年度年度評価の状況報告です。年度評価、1番の基本的な考え方にありますように、総務大臣が策定した評価指針におきまして、SからDの評定のうちの真ん中、Bを標準とするとの方針を示し、そして各主務大臣が、この方針を踏まえて厳格に評価を行うことを基本的なフレームとしております。委員会といたしましては、この評価指針に照らしまして、適性を欠くという評価についての意見を述べるというところで適正化を図っていくという役割があります。また、年度評価の評定は退職役員の業績勘案率の算定にかかわるというところであります。今回特に最初の評価ということですので、きちんと対応する必要があろうかと思っております。
次に、本年度の全体的傾向ですが、(1)Bを標準とするという考え方の下で、A以上の評定が20.6%、逆にB以下の評定は約8割というところでありますので、この考え方が反映されたということが言えると思っております。一方、府省別に比較しますと、このA評定以上の割合が高い府省が見られます。A評定以上を全て否定する趣旨ではありませんけれども、経済産業省、厚生労働省、外務省が比較的高い状況にあります。
それから、法人の類型別に見ますと、国立研究開発法人がやや高いというところがあります。業務別のところでも、この「研究開発成果の最大化」、あるいは「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上」というところは高めになっているという傾向があります。
この3番ですが、A以上の評定につきまして、目下精査をしている状況でありますけれども、特にA評定以上になっているというところで、ある程度評定に改善が必要と思われるものも見られておりまして、例えば1点目として、定量的な指標が設定されていないというような事項につきまして、その根拠・理由等の記述がない、あるいは乏しいという中でA評定にしているというような例です。2点目として、複数指標がある中で、一部のもの、少数のものが120%以上というところで全体をAとしているような例、あるいは3点目として、法人の自己評価Bという中で、主務大臣サイドで難易度が高いということですが、これは後出し的になってしまっているというような例もあります。あるいは中期目標期間のほとんどの期間で120%以上と、達成度になっているというのは、やはり目標自体の見直しというところも必要ではないか。さらには財務内容で繰越欠損金の解消といったところだけでベンチマークなしにAとなっているような例もあるのではないかという点です。
4点目として、Bが標準という評価指針の考え方を徹底する観点から、根拠について明確に説明できないといった場合の評定の見直しですとか、その目標の達成水準の見直しといったところを行う必要もあるのではないか。それから業績勘案率というものが示された場合に、この年度評価に関します委員会の意見を最大限考慮いただく必要もあるのだろうというところでありまして、委員会として、各主務大臣の取り組みを今後も注視していくというところで、また次の委員会に向けまして、精査を進めてご相談をしたいと思っております。
また、年度評価以外に中期目標期間終了時の評価につきましても同様の視点でチェックをしてまいりたいと思っております。
以上です。
【樫谷部会長】 ありがとうございます。この議案につきまして、何かご意見ございますでしょうか。
原田委員、どうぞ
【原田委員】 管理官の説明のとおりだと私も思うのですけれども、やっぱり甘いか辛いかということももちろん大事なのですが、その途中のプロセスといいますか、ロジカルに説明ができているかできていないかは非常に大事なところで、やはりそこは業績勘案率にもつながってまいりますので、本当に、Aがあって、Bがあって、CがあるのだからDだというような説明がやはりきちっとなされるべきであろうと思います。ですから「著しく云々」という文言もありますけれども、初年度ということもありますので、そうしたロジカルな関係があるのかどうかというのは、やはりしっかり我々として見ていく必要があると思いました。
【樫谷部会長】 ありがとうございます。
それでは、この案件につきまして、本日ご議論いただきました内容を事務局で作成する意見案に反映させていきたいと思います。意見案につきましては、事務局と各府省の協議を経まして、各ユニットの委員の先生にご相談し、取りまとめていただきたいと思います。
次に議題3、中期目標の変更につきまして審議を行いたいと思います。諮問案件は、全独立行政法人に関係する調達関係と、個別独立行政法人の都市再生機構の案件があります。その諮問内容につきまして、事務局からご説明をお願いしたいと思います。
【深澤管理官】 制度総括担当の深澤でございます。
資料3−1、86ページをごらんください。こちらは全法人に共通します調達関係の中期目標の変更についてでございます。1枚おめくりいただきまして、1パラにもありますけれども、これまで、従来はとにかく随意契約をできるだけしないようにということで、随意契約見直し計画を各法人でつくって、それに従ってやってくださいという制度設計になっていましたが、この評価制度委員会でも4月、5月にご議論いただきましたけれども、独法における調達等合理化の取り組みの推進についてという総務大臣決定を5月に行っております。これが随意契約見直し計画に置きかわる形で、各法人で調達等合理化計画をつくっていただくという形での変更になりました。
ところが、各法人の中期目標におきましては、随意契約見直し計画に基づいてちゃんとやりなさいと書かれている。各法人、若干のバリエーションはありましたけれども、共通してそういう書き方になっておりましたので、今般、各府省のほうから中期目標の変更が提出されてきております。提出された各法人の中期目標の中身については、107ページ以降に一覧表の形で記載しておりますが、時間もありませんし、あらかじめ配付させていたただいておりまして、一々の説明は省かせていただきます。ただ、中身としまして、基本的には随意契約見直しをちゃんとやりなさいと書かれていた従来の目標に対して、新たな目標では調達等合理化計画に基づいてちゃんとやりなさいという書き方に変更されるわけですけれども、中身を見ていただきますと、定量的な目標を策定している法人というものが本当にごくわずかにとどまっていると。せいぜいコスト低減に努める等の定性的な書き方にとどまっておるという実態がありますので、この87ページの最後のパラグラフにありますけれども、こちらからの意見としまして、定量的な目標や具体的な指標を設定していく必要があるという意見を述べさせていただきたいと考えております。
URの中期目標の関係については平岩管理官からの説明になります。
【平岩管理官】 資料3−2がございます。132ページになります。都市再生機構に関しましては、今回、法改正が行われまして、いろいろな選択肢といったものを増やしながら、目的をより生かしながら課題に対応していこうということでございます。新旧対照表が載ってございますけれども、中央あたりに1番、政策的意義の高い都市再生の推進ということで、この1の(5)のところで都市再生実現のための具体の取り組み手法ということでございます。こちらについては、次133ページの真ん中より少し上のところに下線が引いてございますが、一言で申しますと、都市再生をしていく中で、民間事業者と共同事業を実施しやすくするために、開発型SPCという形を新たにとれるようにしようということでございます。ただ、これは民業圧迫にならないように、民間事業者から要請があった場合にという条件をつけて、共同出資による開発型SPCを活用しながら、政策効果の高い都市再生を推進していくというようなことでございます。
それから次、2番目の(2)のところに、こちらは団地のストック再生・再編の話でございます。こちらも法改正で選択肢が増えてございます。下線が書いてある最初のところ、近接地建てかえも活用してストックの再生・再編を加速していきなさいということですが、これまでは同じ場所とか隣接地でしか建替えができませんでしたので、そういう手段だけでは長期化してしまうという場合には、民間の開発の支障とならないように、すなわち民業圧迫とならないように留意しながら、居住者の安定にも配慮しながら、こういった新しい選択肢も使いながら加速をしていってくださいということが書いてございます。
先ほど深澤管理官のほうから説明がありましたけれども、135ページのところに、横並びですが、調達等の合理化の話についても、このURの関係、改正が加えておりますけれども、この3点を改正したいということでございます。
説明は以上でございます。
【樫谷部会長】 ありがとうございました。
この諮問案件につきましては、事前に各ユニットの先生方に、その内容を精査していただいておりますけれども、ただいまの説明につきまして何かご意見、ご質問、ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
ありがとうございます。それでは、本件については案のとおりとさせていただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
次に議題4、その他の今後の日程につきましてのご報告をお願いしたいと思います。
【新井管理官】 次回の委員会ですが、11月17日火曜日の15時半から開催予定です。場所等、詳細につきましては追ってご連絡をさせていただきます。以上です。
【樫谷部会長】 ありがとうございました。
それでは以上をもちまして、独立行政法人評価制度委員会評価部会の第4回会議を終了したいと思います。本日はご多忙の中、ご出席を賜りまして、大変ありがとうございました。

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