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第8回独立行政法人評価制度委員会 評価部会議事録

日時

平成28年5月18日(水)9時55分から11時10分まで

場所

中央合同庁舎第2号館8階 総務省第一特別会議室

出席者

(委員)
樫谷隆夫部会長、岡本義朗部会長代理、栗原和枝委員、土井美和子委員、原田久委員
(事務局)
上村行政管理局長、長屋官房審議官、新井管理官、深澤管理官他

議事

  1. 平成28年度における独立行政法人評価制度委員会の運営について
  2. 平成28年度の組織・業務見直しの対象法人について
  3. その他

配付資料  

議事録

【樫谷部会長】  それでは、少し時間の前ですけれども、皆さんおそろいになりましたので、ただ今から第8回独立行政法人評価制度委員会評価部会を開催いたします。
 本日は、今年度最初の部会であります。本日の議題は、議事次第にも記載されておりますとおり、一つ目は、平成28年度における独立行政法人評価制度委員会の運営についてであります。二つ目は、平成28年度における組織・業務の見直しの対象となります7法人の概要等でございます。
 一つ目の議題は、今年度の評価関係スケジュールと、「平成28年度における独立行政法人評価制度委員会の評価に関する取組みについて」に盛り込まれております事項の骨子案について、事務局から説明をお願いしたいと思います。
【新井管理官】  私、新井から説明させていただきます。改めまして、今年度もよろしくお願いいたします。また、昨年度1年間の御協力、ありがとうございました。
 本日、今年度最初の部会ということでありまして、ただ今部会長から御発言がございましたとおり、今年度のスケジュールを御紹介するとともに、委員会の運営方針の骨子案について、御説明申し上げます。
 それでは、資料1、スケジュールを御覧ください。当面、年末までについて記載しております。
 まず、委員会運営方針につきましては、本日の評価部会で、骨子をまず御議論をいただきたいと思います。その後、その指摘を踏まえまして本文を作成しまして、次回、6月14日の委員会において、方針として決定をお願いしたいと思っております。
 次に、見直し対象法人、本年度は7法人でありますけれども、後ほど各担当管理官から概要の御説明をいたしますが、その後、本日の部会での議論ですとか、あるいは今後、各委員にもお願いをして各法人の現地視察などを行っていただきます。そういったことを踏まえまして、各法人の論点整理を進めていただき、8月の委員会で、中間検討をしていただきたいと思っております。その後、各主務大臣による見直し案の提出が出てまいりますので、また秋口から、ユニットにおける各省のヒアリングや部会での議論を行っていただき、その結果を委員会に報告するということで考えております。
 それから三つ目は年度評価になりますが、年度評価の点検結果については、昨年度の委員会に報告させていただきました。これは新制度になって最初の点検ということでありましたが、今年度は2年目ということになりますので、各主務大臣においてきちんと適正な評価を行うというのが制度の本来の趣旨でありますので、これを徹底した上で、秋に改めて点検作業を行っていきたいと思っております。
 それから今年度は、一番下にありますように、横断的な課題に力を入れたいと思っております。これにつきましては、昨年度、各委員から問題意識をいろいろ頂戴しました。これらを踏まえまして、まずはここにあります内部統制、それからインセンティブの確保といったところから、各省の実態把握を行っていくことを予定しております。夏には委員会にその状況について中間報告を行いまして、秋にはその結果を取りまとめて委員会に報告するとともに、各省にも共有をして、参考事例の横展開ですとか、いろいろな検討を行っていく方針にしております。
 以上がスケジュールになります。次は2ページ目にまいりまして、委員会運営方針の骨子を御覧ください。
 新制度の初年度に当たりまして、昨年度は、この委員会において、最初の運営方針を定めていただきましたが、この骨子には、基本的な評価の枠組みについて盛り込んでおります。組織・業務の見直し、年度評価などの基本的な事項が掲げられております。そこで掲げられた取組事項は、平成28年度以降の取組においても同様に合致するものと考えております。
 したがいまして今年度は、平成27年度運営方針というものに所要の時点修正を行った上で、今までの委員会で出されました議論の結果や、昨年の委員会で出された意見を取りまとめたものなどを踏まえまして、ここに掲げております事項を新たに盛り込んでいく、追加をしていくという形での改正を考えております。
 具体的には以下の事項になりますけれども、本日、また議論を踏まえまして文章化をして、次回の委員会に案を示していきたいと思っております。
 まず1点目は、委員会と各省との関係でございます。委員会は主務大臣が行った評価に対して意見を述べることができる政府で唯一の第三者機関でありまして、各省と双方向での意見交換が重要であるという御意見をいただきました。それから、法人の類型、事業の特性、あるいは現場の実態というものをきめ細かく把握をした上で、この独法評価に関する業務を遂行していくことが必要であるという考え方を示しております。
 それから、組織・業務の見直し、目標チェックに当たりましては、政策全体の体系に留意しつつ、横断的な観点で、データに基づいて実証的に進めていくことを考えております。これらは、2月22日の前回委員会においても、今年度の取組課題として掲げられた事項になっております。
 2点目は、組織及び業務の見直し、それから目標チェックですが、組織・業務の見直し、あるいは目標案の点検におきましては、法人の長のリーダーシップの下で国の政策の実施機能の最大化を図るという、これは独法制度改革の趣旨ということになりますが、一層徹底されるように、委員会において、以下の事項に留意して点検を行うということです。
 まず(1)としまして、政府の重要政策を含めた国の政策の実施機能が向上するよう目標を策定するとともに、その目標を適切に達成できるように組織・業務を抜本的に見直していくこと。これは前回委員会での高市総務大臣の発言を踏まえて盛り込んだ事項になります。それから、その際、その後の(2)で述べる法人の長のリーダーシップ強化の取組とあいまって、その法人の長のリーダーシップの下で、当該目標を法人内部の隅々に貫徹した上で、個々の業務遂行ですとか組織管理の実践につなげていく。
 これは、野路委員長が前回の委員会において、TQM(トータル・クオリティー・マネジメント)といった民間企業における実践例として、トップの方針を現場レベルに展開し、それに従って組織業務・運営を行うことが重要であるという御発言をされておりますので、その趣旨を踏まえて盛り込んでいるものです。民間企業と異なり、独法につきましては、その法人の長の上に目標、さらにその上で国の政策が位置付けをなされておりますので、国の政策から目標、さらに法人の長のリーダーシップ、そして現場へと方針が展開するようにとの趣旨を込めております。
 次に(2)ですけれども、法人の組織管理及び業務遂行におきまして、管理会計の手法を活用してコスト管理を的確に行い、それから、情報セキュリティーを確保しつつ内部統制システムを機能させるなど、長のマネジメントが発揮される環境を整えること。管理会計につきましては、樫谷部会長をはじめとして、かねてから御指摘をいただいている事項で、昨年度から取り組んでおります。これをさらに広げていくという趣旨になります。
 それから(3)としまして、法人の目標における国の政策上の位置付け、それから法人のミッション、達成すべき成果を、国民にとって分かりやすく示すと。いわゆる暗黙知のような形にならないようにと、原田委員をはじめとする委員からいただいた御指摘を踏まえたものになります。
 次の年度評価、期間実績評価につきましては、主務大臣におきましては、昨年度の点検によって得られた知見を有効に活用した上で適正な評価を行っていただき、その上で、委員会においては、独法評価に係る取組課題を踏まえ、特に重要な事項というものを選定し、当該事項を重点的に点検するとともに、評価に至った理由の妥当性の確認などを行うこととしております。
 これは、年度評価というのは主務大臣の責任の下で実施するという制度改革の趣旨とも整合的になろうかと思いますし、どのようなテーマを点検するかについては、今後、部会あるいは委員会のご意見を伺いながら、選定に当たってまいりたいとは思っております。
 それから次、特定国立研究開発法人についてですが、特別措置法案が先週成立をいたしまして、10月1日の施行です。概要は51ページに参考としてつけております。この法案につきましては、評価の関係で申しますと、(1)としまして、特定研究開発法人による研究開発を促進するために、基本方針を内閣府が作成することになっております。これは閣議決定するものです。また、特定研究開発法人が目標を策定、あるいは変更するという際には、総務大臣決定である目標策定指針だけでなく、この閣議決定する基本方針に従わなければならないということになります。その際、主務大臣は、本委員会、それと総合科学技術・イノベーション会議から意見聴取をすることになっております。
 こうしたことを踏まえまして、この骨子では、特定国立研究開発法人の中長期目標の変更につきましては、目標策定指針とこの基本方針との関係がきちんと適切に整理をされた上で、それらを踏まえまして審議を行っていくことをお願いしたいと思っております。基本方針と目標策定指針の関係につきましては、内閣府とよく相談をしながら内容を詰めまして、今後、委員にも具体的な内容について御相談をしてまいりたいと思っております。
 それから、最後は横断的な検討課題ですが、これは、独法のPDCAサイクルが機能を発揮し、業務運営に対する国民の信頼を確保するためには、評価の制度に関する重要事項として当委員会として主体的に検討を進めて、可能なものから順次横断的課題に取り組んでいくこととしております。それから関係機関に取組を要請していくことが必要かと思っております。
 まず内部統制システムですけれども、これは、法人の長のリーダーシップの下でのPDCAサイクルを機能させていく上で、重要な基盤となるものであります。委員会において評価サイクルで点検をしていくことはもちろんですが、それに加えまして、横断的に法人における取組状況を把握し、各省との間で共有あるいは横展開を図りながら、これがより適切に機能するための方策について検討を進めていく必要があるのではないかと考えております。前回委員会での高市総務大臣の発言、あるいは委員会での課題ペーパーを踏まえて、これを盛り込んでおります。
 それから、社会や国民にとって重要な個人情報、研究情報を扱う独法におきましては、情報セキュリティの確立というものも重要であります。この点につきましては、内閣官房に置かれておりますNISCの下で、まず法人の中(長)期目標において情報セキュリティ対策を講ずるという旨を記載する。それから、主務大臣は実績評価において情報セキュリティ対策の実施状況について評価をするなどの取組みを政府全体で進めていくこととされております。
 前回委員会で高市総務大臣からも発言があったわけですけれども、委員会としては、こうした取組を踏まえまして、NISCと連携をして必要な対応を行っていくことにしたいと思っております。
 それから、法人が真に成果を挙げるための役職員の士気を高めることと、能動的・現場発生的な業務改善がなされるインセンティブを考慮する必要があろうかと思っております。特に業務遂行上の創意工夫ですとか、成果の最大化に向けた取組などの業務改善の事例を把握しまして、これも各省との間で共有・横展開を図るとともに、委員会にも御報告していきたいと思っております。これも2月の委員会で審議された取組課題、あるいは、委員長からも、そういった問題意識が示されております。
 最後、共通的な業務、内部管理的な業務に関しまして、これは既往の閣議決定などでも、共同調達ですとかいろいろな間接業務につきましては共同実施を行っていく、いわば業務を共同化していくという方針ですけれども、当面、既に先行実施されている取組については、一層推進していくという必要があろうかと思います。
 さらに業務の共同化ということを進める上では、法人側の要望・ニーズを把握した上でですけれども、独法の業務のICT化の推進ということも課題になってこようかと思います。これが効率的・効果的に進められるような方策について、検討課題として掲げたいと思っております。前回の委員会でも委員長からシェアードサービスの活用についての御発言がありましたので、そういったことを踏まえまして、今後、委員会としてどういうことができるか、よく御相談をしながら進めてまいりたいと思っております。
 私からは、以上でございます。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、皆様方から御意見、御質問いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
【岡本委員】  ありがとうございました。私からは、横断的課題の一つとしてとり上げられる予定である内部統制について、繰り返し申し上げておりますけれども、申し上げたいと思っています。
 基本的な内部統制をしっかりやるという方向性は、もう皆様も御承知のとおりなのですけれども、なぜ内部統制をやらなければいけないかというその趣旨を、独立行政法人の現場まで、きちんと浸透させていってやっていかなければいけないという問題意識を以前から持っております。
 独立行政法人の制度設計の趣旨とは、自主的経営を確立することにあろうかと思いますので、企業と違って、市場が存在しないという、そういう制約条件といいますか、そういう中で、どうしてそういうことをやっていかなければいけないかということを、腹に落ちるような形での検討といいましょうか、取組というのが必要かと思います。そういう意味では、当然、中期目標・中期計画を達成するということが必須なわけですけれども、そのツールとしての内部統制の整備の必要性ということは、十分考えた上で検討した上で、整備をしていくということが必要かと思っています。
 あえて1点だけ申し上げますと、最近よく感じますのは、よくPDCAサイクルを回すと言われまして、当然のように、パブリックセクターに導入されているわけですけれども、どうも「P」に当たる計画作り、これは当然重要なことなのですけれども、独立行政法人で言うと、3年から5年、研究開発法人は7年でしたか、中長期目標・中期計画の非常に長い期間を、まず「P」をやったあとは、世の中の環境変化もあまり意識しないところがある気がしていますので、最近は「C」と「A」というのが非常に重要かなと思っております。そういう意味でも、内部統制、その先にあるモニタリングとか不断の見直しというのは重要かなと、今、感じているところであります。
 とりあえず、以上でございます。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。まだほかにございますか。今の意見について。土井委員、どうぞ。
【土井委員】  今のお話に加えまして、目標チェックというところで、(3)のところに、達成すべき成果などを国民にとって分かりやすく示すことと書いていただいていまして、これはそのとおりなのですが、分かりやすく示すということで、数値目標の設定に安易に走ると、本当にミッションを達成している数値目標になっているのかが、ややも忘れがちなので、その辺りを、ここに書き記すのは難しいかもしれないのですが、ぜひ留意していただければと感じます。よろしくお願いいたします。
【樫谷部会長】  分かりました。ありがとうございます。原田委員、どうぞ。
【原田委員】  私からは2点ございまして、昨年の評価の場面でいろいろ発言もいたしましたけれども、私個人としては、個々の法人の評価に関わっているという意識は半分ぐらいしかございませんで、制度全体に、個別の法人を見ながら、その奥にある類型的に非常に似通った法人であるとか、同じような業務をやっていらっしゃる法人というものを見据えながら作業をしていたつもりでおりました。
 そういう意味で申しますと、今年度は法人の数というのは比較的少ないわけでありますけれども、その法人だけ見ているというよりは、その法人を通じて共通される問題みたいなものを析出していくということを、昨年に続いてやっていく必要があるのだろうと。 横展開のまず前提として、個々の法人だけを取り扱っているわけでは必ずしもないと。個々の法人のさまざまな業務や目標、いろいろな問題を見ながら、その奥にある独法全体をというところが常にあるのだろうという気がしています。
 そういう意味では、横断的な検討課題というものを、毎年度、それはアドホックかもしれないけれども、出していくということが大事ですし、今年度対象になっていない法人についても、引き続きメッセージを出していくということが非常に大事かなというのが1点目であります。
 2点目ですが、先ほど岡本委員が内部統制について発言なさったので、私はそれ以外のインセンティブについて発言をさせていただこうと思いますが、独法になったから、いろいろなところからあれこれ言われて嫌だ、つらいということだけではなくて、法人がパフォーマンスを上げていくためには、このインセンティブというものをどうやって法人の中で開発をしていくか、そして先ほど申し上げた1点目と絡むわけですけれども、それを横展開していくきっかけを、我々としてどうやって提供していくのかということですが、まず法人として、うまくインセンティブを使って業務を効率化したり、目標を達成している法人があるとすれば、そうしたものを、この場を通じて情報をシェアしていく、情報を引き出していくということが非常に大事かなと思っております。
 以上でございます。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。ほかにございますか。栗原委員、どうぞ。
【栗原委員】  部会長も繰り返しおっしゃっていることですけれども、今の原田委員の御発言とも関係するのですけれども、インセンティブを考慮して、なるべく評価が良いプラクティスにつながるというような、そういう事例の共有とか、それから、評価において、良いところを取り上げるという視点でも大事だと思いますので、その点は留意していったら良いのではないかと思っております。
【樫谷部会長】  ありがとうございます。ほかにございませんか。土井委員、どうぞ。
【土井委員】  あともう1点、追加させていただくと、情報セキュリティのところで、NISCと協力してやっていただくということで、これは非常に重要だと思います。そういう意味では、何か問題点とか、共通的にこういう施策をしているということを、今のNISC自身は対象にはならないのですが、どこかで、独法に対してどのように共通的な対策を取られるのかという御説明をいただける機会も必要かなと感じます。いかがでしょうか。
【樫谷部会長】  事務局、いかがでしょうか。
【新井管理官】  まず、いろいろご指摘いただきましたが、今のNISCとの関係につきましては、政府の情報セキュリティ対策は、先ほど申し上げましたように、NISCが全体として取りまとめを行っていて、これは各府省だけではなくて独法も、取組状況を評価することとなっております。その際に、先ほどの年度評価の情報も用いられていくということでありますので、今の御指摘も踏まえながら、そういう情報を共有するようなことについて、NISCともよく連携して検討していきたいと思います。
【土井委員】  よろしくお願いします。
【新井管理官】  それから、岡本委員からいただきました内部統制については、これまでいろいろ御相談をしてまいりましたが、そういったところも踏まえまして、さらに実態把握をきちんとやっていかないといけないかなと思っております。それから、原田先生からいただきましたインセンティブのお話も、これも委員会としての問題意識というものを各府省にも伝えながら、それから実態も把握して、また委員会に御報告をするということにしたいと思います。
 それから、個々の法人だけでなくて、横断的な課題としてそれを類型化といいますか、これは昨年度から共通的な取組事項ということで、総論をまず示すというスタイルを取らせていただきました。これは他の法人へのメッセージにもなるという位置付けにしておりますので、今年度も同様な形で行っていきたいと思っています。あと栗原先生からいただいたインセンティブの話も同様に、いろいろな事例の共有、改善点だけでなくて進んでいる取組も取り上げるというのも、これは個々の評価活動でもそうだと思いますが、そういったところも我々も意識したいと思いますし、先生方にもぜひお願いをいたしたいと思います。
 あと、土井先生からいただいた数値目標のところは、もちろんできる限り分かりやすくという意味では、数値化できるものはしていただくというのは当然必要なのですが、その際の考え方というのも、きちんと併せて示さないといけないと思いますので、そういった点で、それが妥当かどうかは、よくチェックをしながら、進めてまいりたいと思います。
【樫谷部会長】  よろしいですか。それでは、ありがとうございました。ただいま皆様方からさまざまな御意見いただきました。特に岡本委員、原田委員からも何度か御発言のありました内部統制とかインセンティブの話については全く同感でございますし、最初の資料2の、委員会と各府省との関係のところの最初のマルですよね。双方向で意見を重ねないといけないだろうと言っていまして、特に法人の類型とか特性とか、大事なのは、現場の実態もよくきめ細かく把握しないといけないと思っていまして、データに基づいて実証的と書いてありますが、このデータは単なる数字だけでなくて、いろいろなデータがありますので、そのデータの裏付けでこちらも判断しなきゃいけないのですけれども、独法のほうにも裏付けのあるものを出していただかないと、何か情緒的な、インセンティブがないと、というのではなくて、インセンティブがないことによって何ができないのか、どういうところが問題なのかということを具体的に言っていただくことが大事かと思いますので、是非そこは独法にも裏付けをしっかり出していただく要請をしていただきたいなと思っております。
 数値目標について、これは本当に安易に数字を作るということは、かえってミスリードすることがあるのですね。私も会計士だから数字にはよく接するのですけれども、数字が一旦出てしまいますと一人歩きすることがあるので、数字の意味も含めて、我々もよく認識しながら評価をしていかなければいけない。これもきめ細かな目標、目標はあまり細かくし過ぎてもいけないかもしれませんが、数字の裏付けが非常に大事かなと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。是非今までのような発言を踏まえて、事務局におきましては、内部統制とかインセンティブとか評価について調査していただきたいと思います。
 議題1につきましては、本日の御意見を踏まえまして、今後、事務局において、「平成28年度における独立行政法人評価制度委員会の評価に関する取組について」を作成いたしまして、事前に委員の皆様方にお配りした上で、6月の委員会に御報告させていただきたいと思いますけれども、御異議ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【樫谷部会長】  それでは、そのように取り扱いたいと思います。ありがとうございました。
 続いて、二つ目の議題であります。平成28年度の組織・業務の見直し対象法人のそれぞれの概要について、各担当管理官から説明をお願いしたいと思います。
【深澤管理官】  外務省担当の管理官の深澤でございます。よろしくお願いいたします。私からは、外務省所管の2法人について、概要等を説明させていただきます。
 部会資料の5ページを御覧いただきたいと思います。こちらは国際協力機構、通称JICAでございます。法人の目的及び業務の範囲の欄を御覧いただきたいのですけれども、JICAは政府開発援助、いわゆるODAの実施機関でありまして、業務の範囲の欄の(1)から(3)に記載されております、開発途上にある海外の地域に対する技術協力、有償資金協力、無償資金協力を行っております。そのほかに、(4)にあります青年海外協力隊の派遣や、(5)、次のページになりますけれども、中南米地域等への我が国からの移住者の支援、(6)としまして、開発途上地域等における大規模災害に対する緊急援助に必要な業務を行っているところでございます。これらの業務を行うことにより、地域の経済及び社会の開発や復興、または経済の安定に寄与することを通じて、国際協力の促進、我が国及び国際経済社会の健全な発展に資するということを目的とした法人でございます。
 5ページに戻りますけれども、組織体制の欄及び役職員数の欄にありますけれども、法人本部は東京都千代田区に所在しまして、国内に14か所の拠点、海外に65かカ所の在外事務所を有しております。常勤職員は、本年4月1日時点で1,864名となっております。
 部会資料の9ページを御覧いただきたいと思います。この資料は、平成25年12月の閣議決定「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」において示されました、法人の組織等の見直し事項に対する昨年7月1日時点の措置状況等を取りまとめたものであります。左から二つ目の列に措置状況という欄がございまして、数字が入っておりますが、1が措置済み、2が一部実施中、3が未実施ということを表しております。
 国際協力機構につきましては、「各法人等において講ずべき措置」というのが1ポツとしてございますが、一番左側に01から13まで項番号を振っておりますけれども、この02を見ていただきますと、国際交流基金やJETRO及び国際観光振興機構との海外事務所の共用化または近接化、03の番号としまして海外事務所の法令遵守体制の強化、04としまして研修施設の稼働率向上というものが指摘されております。
 これらへの対応状況でありますけれども、02の共用化・近接化については、パリにおきますJETROの事務所との近接化、ハノイにおきます国際交流基金及びJETROの事務所との近接化といったような措置が講じられております。項番03でありますけれども、海外事務所の法令遵守の体制の強化につきましては、海外拠点の法令遵守強化のためのリスクの洗い出し、コンプライアンス研修等の措置を講じております。番号04の研修施設の稼働率向上につきましては、民間企業、NGOとの連携促進によりまして、国内拠点の利用者数の増加を行っているところでございます。
 このほか、ページ下段の2ポツ、「法人の事務・事業の特性に応じた、ガバナンスの高度化等の制度・運用の見直し」につきましてでありますけれども、こちらにつきましては、独立行政法人が行う六つの業務の類型別に、制度運用の見直し事項が示されております。特に項番の09から11にあります助成給付業務に関する事項としまして、不正受給、不正使用防止のために、交付後の的確な調査や受給団体のガバナンス強化の支援、さらに、不正受給、不正使用を行った場合の制裁措置の導入等の取組を行うこととされております。これらの事項につきましては、資料にございますように、おおむね措置済み、または一部実施中となっているところでございます。
 以上が、国際協力機構JICAの概要でございます。
 次に、部会資料の12ページを御覧いただきたいと思います。こちらは国際交流基金でございます。法人の目的の欄にありますとおり、この法人は、国際文化交流事業を総合的かつ効率的に行うことによりまして、我が国に対する諸外国の理解を深め、国際相互理解を増進し、文化及びその他の分野において世界に貢献しまして、これによりまして、良好な国際環境の整備並びに我が国の調和ある対外関係の維持及び発展に寄与するということを目的とした法人でございます。
 具体的業務については、業務の範囲に法律を引用してあるのですけれども、次のページを御覧いただきたいのですけれども、13ページの下段の、次期中期目標期間において基金が果たす役割ということで、2つポツがございますけれども、上のポツのほうでありますが、日本の多様な文化・芸術を紹介するという文化・芸術交流事業の推進。二つ目に、日本語普及のための基盤や環境整備等を行うという、海外日本語教育学習の推進及び支援というもの。三つ目に、海外の日本研究の支援や知的交流の促進を行うという、海外日本研究、知的交流の推進及び支援といった事業を行っております。さらに個別政策課題ということで、平成25年に日・ASEAN特別首脳会議におきまして安倍首相が表明した、アジア文化交流強化事業などを実施しております。
 前のページに戻りますけれども、法人の組織体制のところでありますが、法人の本部は東京都新宿区に所在しまして、ほかに国内2か所の国際センターと京都支部を有しております。海外におきましては、23カ国24か所に、日本文化センターなどの拠点を設置しております。常勤職員は240名となっております。
 次に、14ページを御覧いただきたいと思います。先ほど申し上げた「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」の指摘と対応状況でございますが、この国際交流基金につきましては、このページ上段の1ポツ、「各法人等において構ずるべき措置」としまして、項番号02番の、JICA、JETRO、国際観光振興機構との海外事務所の共用化または近接化。項番03番としまして、国際観光振興機構との本部事務所を平成28年度までに共用化するための具体的な工程表を、26年夏までに策定するということ。項番号04でありますけれども、研修施設の稼働率向上というものが指摘されております。
 海外事務所の共用化につきましては、先ほどJICAのところでも申し上げましたけれども、共用化・近接化を進めているなど、適切に対応していただいているところであります。03番の、JNTO、国際観光振興機構との本部事務所の共用化でありますが、工程表は策定済みということで、現在進行中でございます。04、研修施設の稼働率向上につきましては、外部団体から日本語教師研修等を積極的に受け入れるなど、稼働率の維持・向上を図っているところでございます。
 このほか、下段の、ガバナンスの高度化等の制度・運用の見直しでございますけれども、おおむねJICAと同じ内容となっております。対応状況についても、2ということで、一部実施のものが多い状況でございます。
 以上が、国際交流基金の概要でございます。外務省所管法人の2法人の説明については、以上とさせていただきたいと思います。それでは、平岩管理官のほうに引き継がせていただきます。
【平岩管理官】  国土交通省担当の平岩でございます。私のほうから、国土交通省の2法人につきまして、説明をさせていただきたいと思います。
 資料の17ページを御覧いただきたいと思います。まず、自動車事故対策機構、いわゆるNASVAですけれども、こちらについて御説明をさせていただきます。まず、法人の目的のところでございますけれども、自動車の運行の安全確保に関する事項を処理するものと。これはバス会社とかタクシー会社とか、あるいはトラック会社、こういったところの運行管理者でございますけれども、こうした方々に対する指導であるとか、自動車事故の被害者に対する各種支援等を行うことによりまして、自動車事故の防止に資するとともに、自賠責制度とあいまって、被害者の保護を増進することを目的とした法人でございます。
 具体的な業務につきましては、業務の範囲のところに書いてございますけれども、法律の記載で、ちょっと分かりづらいものですから、19ページを御覧いただければと思います。一番下のところにございますように、こちらの業務、大きく分けますと三つに分けられます。
 一つ目が被害者援護業務でございますけれども、重度の意識障害が継続する状態、これを遷延性意識障害と申しますけれども、こういったような状態にありまして、治療と常時の介護が必要な被害者に対する療護施設の設置の運営であるとか、在宅の被害者の場合については、介護料を支給する、あるいは訪問支援をする。それから交通遺児等に対しましては、生活資金の無利子貸付けを行うと。あるいは被害者ホットラインを設置するといったような事業を実施しております。
 次の二つ目が安全指導業務でございますけれども、これは事業者に対する指導講習であるとか、あるいは実際にトラック等を運転するドライバーに対する適性診断、こういったものを実施していると。そのほか、運輸安全マネジメントに関するコンサルティングであるとか、シンポジウムやセミナーを通しまして、啓発活動なども実施をしております。
 それから三つ目が自動車アセスメント業務でございますけれども、こちらは特定の車種に対する衝突試験であるとか予防安全装置の性能評価、あるいはチャイルドシートの安全性能の比較試験、こういったものを実施しまして、その結果を公表しております。この業務につきましては、現在、自動車技術総合機構というのがありますけれども、そちらで基準適合性審査業務ということで、似たような業務を行っているのですが、本法人で行っている業務は、国の基準をクリアしているかどうか評価するだけではなくて、最低基準をどの程度上回っているかというのを評価するものでございます。
 恐縮ですが、17ページに戻っていただきまして、法人の組織体制のところでございます。まず、法人の本部は都内に所在しておりますけれども、そのほかに、地方に支所が50か所ございます。それから、先ほど申しました療護センター、療護施設ですね、これが全国に4か所ございます。それから常勤職員は、下の役職員数のところにありますように、334人ということになっております。
 続きまして、資料の20ページを御覧ください。こちらも先ほど、表の見方につきましては深澤管理官のほうから御説明ありましたけれども、25年の閣決の指摘と、それからその対応状況について整理をさせていただいております。先ほど申し上げた三つの主要業務に即して、項目を説明させていただきます。
 まず項番の02ですけれども、こちらは安全指導業務についてです。こちらにつきましては、工程表を作成して、運輸業の事業者団体等に重点を置いて民間参入等を促進すると、そういった指摘がされておるところでございます。これにつきましては、26年3月に工程表を作成していただきまして、各事業者団体に対して参入の要請文書を発出したり、認定基準を見直したりということで、適切に対応していただいているところでございます。
 次に、項番03の自動車アセスメント業務についてですけれども、かつて交通安全環境研究所、現在は自動車技術総合機構となっておりますけれども、そちらで行うべきという議論がございましたけれども、最終的には、閣議決定におきまして、引き続き本法人で実施するという整理がされております。現在も適切に実施がされていると考えております。
 それから被害者援護業務につきましては、項番の07から09にございますとおり、介護料等の不正受給それから不正使用の防止に向けた取組について、指摘がされております。これにつきましても、実施規程であるとか実施要領で各種の対策を定めまして、工夫しながら不正防止に取り組んでいただいていると考えております。
 以上が、自動車事故対策機構の概要になります。
 次に、資料22ページを御覧ください。22ページのほうが住宅金融支援機構でございます。本法人の目的でございますけれども、こちらも、住宅ローンに関する貸付債権の譲受けであるとか、資金調達等に関する情報提供、それから一般の金融機関の補完的な役割を果たすような業務、こういったことを行うことによりまして、住宅建設等に必要な資金の円滑かつ効率的な融通を図り、もって国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与すること、これを目的としているところでございます。
 主要な業務につきましては機構法13条に書いてあるとおりですけれども、大きく分けますと、これもまた三つに分かれると思っております。
 一つ目がフラット35ですけれども、最長35年、全期間固定金利の住宅ローンに関する証券化支援業務であります。買取り型と保証型というのがありまして、資料では漢数字の1番、2番に該当するわけですけれども、中心となる買取り型の仕組みといたしましては、民間の金融機関から長期固定住宅ローンを借受けまして、信託銀行等に信託した上で、それを担保として、MBS、資産担保証券、こういったものを発行しております。なお、耐震性であるとか省エネルギー性能等、一定の基準を満たす住宅を取得する場合には、住宅ローンの金利を引き下げております。
 それから、二つ目の大きな業務のくくりといたしましては、住宅融資保険業務であります。これは漢数字の3番に該当するところですけれども、民間金融機関の住宅ローンが貸倒れとなった場合に、あらかじめ締結しておいた保険契約に基づきまして、金融機関に保険金を支払うというものであります。この保険の対象なのですけれども、フラット35など証券化支援業務と連動して実施する必要のあるものであるとか、リバースモーゲージ型の融資、それから、子会社として保証会社を持っていないような中小金融機関が実施する融資といったようなものに限定して行っているということでございます。
 それから、三つ目の大きなくくりといたしましては、融資業務というのがあります。ただ、融資業務と申しましても、従来型の直接融資業務というのは、原則、既に廃止されておりまして、現在では、政策的に重要でありながら、民間では対応が困難な分野に限定して融資を行っているということであります。例えば被災住宅の再建であるとか、市街地再開発事業、あるいはマンション建て替えなどのほか、子育て世帯であるとか高齢者向けの賃貸住宅の供給促進を支援しているということであります。
 次に、法人の組織体制でございますけれども、上のほうにありますように、本店は文京区に所在しており、全国の主要都市に8支店がございます。それから、常勤職員は904人になっております。
 続きまして、資料の26ページをごらんください。こちらも、25年の閣決の指摘事項と、その対応状況についてまとめたものでございます。
 項目の02ですけれども、証券化支援業務につきましては、機構のMBSに対する市場の信頼を維持するために、中立的立場の外部有識者で構成する第三者委員会を機構に設置して、事業運営や財務条件に関する審議の内容を開示することが求められております。これにつきましては、26年4月に事業運営審議委員会というのを設置済みでございまして、公表等も適切に行われているところでございます。
 それから、項番の03でございますけれども、機構のMBSの発行額の平準化と、それからMBS発行を図る民間金融機関等のニーズ把握、この二つが求められているところでございます。資料にございますとおり、適切に対応いただいているところでございます。
 それから、項番の04では、北関東支店と南九州支店につきまして、他の支店と統合するよう求められておるところでございますが、それぞれ本年の1月と5月に統合済みでございます。
 以上が、住宅金融支援機構の概要になります。第1ユニット担当の4法人につきましては、以上でございます。
【砂山管理官】  引き続きまして、第2ユニット担当の法人について御説明申し上げます。総務省担当の砂山でございます。
 まず、資料の28ページを御覧いただければと思いますけれども、総務省所管の郵便貯金・簡易生命保険管理機構について、概要を御説明いたします。
 本法人は、日本郵政公社から承継をいたしました郵便貯金及び簡易生命保険を適正かつ確実に管理し、これらに係る債務を確実に履行していくことを目的とした法人でございます。例えば郵政民営化以前に預け入れをされました定期性預金の満期に伴う払戻しですとか、郵政民営化以前に締結されました簡易生命保険契約の満期に伴う保険金の支払いなども行っているということでございます。本法人の所在地は、ここからもほど近い港区虎ノ門でありまして、常勤職員数は40人程度となっております。
 業務の中身ですけれども、次のページの政策体系図を御覧いただいたほうがよろしいかと思いますので、29ページをごらんいただければと思います。
 国の政策体系ということの下に、法人の目的・業務がございまして、そこに業務と記載がございます。実は本法人が管理する郵便貯金や簡易生命保険契約に関する預金の払戻しですとか貸付業務、簡易生命保険料の保険金支払い等業務については、郵政民営化法などの規定に基づきまして、それぞれ株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険に業務委託をされております。本法人は、管理する郵便貯金や簡易生命保険契約に関しまして、貯金の利率等の決定、それから業務委託先の監督、これは委託している業務が適正に実施されているかどうかにつきまして、ゆうちょ銀行あるいはかんぽ生命保険に対して実地監査を行うことなどによる監督業務でございますけれども、それから、郵便貯金あるいは簡保契約に係る訴訟・苦情対応、それから、借入金の総務大臣への認可申請などを実施しております。
 次のページ、30ページに、平成25年に閣議決定をされました「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」への対応状況が記載してございます。こちらを御覧いただきますと、項目として3点ございます。
 まず、02とございますけれども、各法人等において講ずべき措置といたしまして、将来的には、管理する債務の減少の状況等を見据えた上で本法人の解散について検討を行い、必要な措置を講ずるということが言われております。これにつきまして対応状況でございますけれども、民営化前に預け入れが行われた定期性のある郵便貯金、それから民営化前に契約された簡保契約に係る債務は、依然として非常に規模が大きいということもございまして、引き続き独立行政法人という形で、これらの管理及び債務の履行を適正かつ確実に行っていただいて、機構の管理する債務の減少の状況等を見据えた上で、必要な検討を行い、措置を講ずるということとしております。
 それから、2点目、3のその他のところに03とございます。これは、効果的かつ効率的な業務運営のため、法人間における業務実施の連携を強化し、共同調達や間接業務の共同実施を進めるとされておりまして、これにつきましては、これまで例えば消耗品の調達については、業者との間で頻繁に見積り合わせを行いまして、最低価格単価での調達を実現できているということもありまして、他法人との共同調達は実施していないというのが現状でございますけれども、今後、他法人の取組事例を参考に検討するとしております。
 それから最後、04でございますけれども、自らの事務・事業の見直しを行うため、業務フローやコストの分析を行い、その結果に基づき、民間委託等を含めた自主的な業務改善を図るとされておりますが、これにつきましては、平成22年度に設置をいたしました、理事を長とする「業務実施体制の検証・効率化プロジェクト」におきまして、毎年度「業務フロー・コスト分析に係る手引」を参考にしつつ、業務・組織体制及びそのコストについて検証を行っておりまして、例えば、従来外部委託をしておりました国際ボランティア貯金寄付金配分事務に係る監査業務につきまして、平成27年度以降、職員が直接実施することによりまして、経費節減、平成27年度で予算削減額600万円でございますけれども、こういった取組をしているということでございます。
 総務省所管法人については、以上でございます。引き続きまして、文部科学省及び厚生労働省所管の法人についてご説明をいたします。
【北川管理官】  続きまして、管理官の北川でございます。第2ユニットの残り二つでございます。
 まず、文部科学省所管の科学技術振興機構でございます。資料の32ページでございます。ここにございますように、本法人は、一つ、新技術の創出に資することとなる科学技術に関する基礎・基盤的研究開発、新技術の企業化開発等の業務と、それからもう一つ、我が国における科学技術情報に関する中枢的機関としての科学技術情報の流通に関する業務、その他科学技術振興のための基盤整備に関する業務を総合的に行うことにより、科学技術の振興を図ることを目的としておるというものでございます。
 次のページ、33ページに位置付けがございますが、科学技術基本法に基づきます科学技術基本計画の総合的な実施機関であるということで、科学技術イノベーションに関する戦略の立案や創出の推進、創出のための基盤形成を担ってございます。具体的な戦略でございますけれども、5分野、グリーンイノベーション、ライフイノベーション、ナノテクノロジー、情報通信技術、社会技術・社会基盤の5分野について戦略プログラムパッケージというものを定めまして、さらに28年度におきましては、18の研究プログラムについて研究開発を行っております。
 その実施方法については、大学や民間企業、公的研究機関などの研究者をプログラムディレクター及びプログラムオフィサーとして配置しまして、各研究開発組織の枠を越えた時限的な研究体制でありますバーチャルネットワーク型研究所というような体制を構築しまして、研究のマネジメントを行っているというものでございます。
 32ページに戻りまして、この法人の所在ですが、埼玉県川口市に本部が所在しておりまして、このほか、日本科学未来館、情報資料館筑波資料センターというもの、それから、海外にもパリ、ワシントン、シンガポール、北京の4か所の事務所を有しておるということでございます。常勤職員数は、平成28年4月現在で1,227人となっております。
 続きまして、独法改革における指摘でございますが、34ページ、35ページとございます。まず34ページの03でございますけれども、本法人がこれまで実施してきた医療分野の研究開発に係るファンディング機能は、所要の人員も含めて日本医療研究開発機構に移管するということ。これは法律も措置しまして、実施されてございます。
 それから、次のページ、05でございますけれども、国からの運営費交付金や民間からの資金等を用いて大学等機関への委託を行う研究開発業務について、不正防止策を強化すると。また、委託先機関のガバナンス強化に対する支援を行うということが言われております。
 また、08番ですが、共同調達や間接業務の共同実施を進めることとされております。
 こういったことにつきましての対応でございますが、医療分野のファンディング機能を新設の日本医療研究開発機構に移管することは、すでに実施されております。それから不正行為防止策でございますが、これは文部科学大臣決定であります「研究開発における不正行為への対応等に関するガイドライン」というものを周知徹底し、また、研究倫理に関する教材の履修の義務付け等々の対策の強化を行ってございます。
 それから、共同調達、間接業務の共同実施の関連でございますけれども、09番、海外事務所を有する他法人との情報共有を行うということでございますが、具体的にはパリの事務所について、平成25年から、JAXA、日本原子力研究開発機構、情報通信研究機構の4法人で共用の事務所を借り上げて、4法人の共用化を完了しておるという状況になってございます。
 続きまして、もう一つ、厚生労働省所管の労働政策研究・研修機構でございます。資料37ページ以降となります。
 まず37ページですが、本法人は、内外の労働事情・労働政策について総合的な調査及び研究を行うとともに、その成果を活用して厚生労働省職員等に対する研修を行うということによりまして、我が国の労働政策の立案及びその効果的・効率的な推進に寄与し、労働者の福祉の増進と経済の発展に資することを目的とした法人でございます。
 具体的には、おめくりいただきまして38ページでございますが、要するに労働政策の研究と研修を行う機関でございますが、労働政策の研究としましては、我が国が直面します中長期的な労働政策課題に対する研究を行うプロジェクト研究や、厚生労働省からの要請に基づく研究を行う課題研究等々を実施しておるということでございます。プロジェクト研究というのは、例えば生涯にわたるキャリア形成支援ですとか、労働条件の決定システムということの研究をやると。課題研究としましては、多様な正社員制度の導入活用状況等々といったことをやってございます。また、研修としまして、労働行政担当職員に対する研修として、労働基準監督官や職業紹介等、専門性の高い業務に従事する職員などを対象とした研修を実施しております。
 1枚お戻りいただきまして、37ページですが、本法人は練馬区に所在します。研修施設として労働大学校が、埼玉の朝霞市にございます。常勤職員数は、平成28年4月現在で100人となっております。
 独法改革での指摘事項でございますが、39ページでございます。まず、03というところで、人員の削減の話がございます。現中期目標期間中に平成25年度の常勤職員数から5人以上削減するということと、法定理事数の1名削減ということが言われております。これについては実施されておるところでございます。法定理事数につきましても、先般、法改正が成立しまして、実施されておるところでございます。
 それから、なお、でございますけれども、02とあります。これは、先の政権のときに労働大学校の国戻しという議論がございましたが、現政権におきます改革の議論では、ここにありますように、研究と研修が同じ組織の下で一体的に運営されて相乗効果を発揮しているということを踏まえて、引き続き本法人でやっていくことが決定されまして、そのとおりになっておるという状況でございます。
 その他の指摘事項についても、共同調達や自主的な業務改善ということについて検討を行っていくとされておりますので、その状況をさらに注視していきたいと思っております。
 以上でございます。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。また今年度、この7法人をそれぞれ担当する第1ユニット、第2ユニットに属する委員から補足すべき事項がございましたら、御説明お願いしたいのですけれども、いかがでしょうか。特にございませんか。よろしいですか。
 では、私のほうから少し。例えばJICAの話がございましたけれども、昨日も第1ユニットでもお話をしたのですけれども、JICAの役割というのは非常に重要な役割でして、開発途上地域の発展を支援しているわけですけれども、我が国の安全保障だとか、あるいは特に再興戦略なんかもございまして、こういうようなものを十分に意識してやっていただきたいと思うのですね。
 私、海外に最近、時々出ることがあるのですけれども、JICAが一生懸命やっていただいているという話を聞いて、評価はしているのですけれども、もう少し突っ込んでもらいたいということで、何を突っ込むのかというと分からないのですけれども、もう少し突っ込むと、もう少しうまくいくと、もっと進むのだというようなことを言われたこともありますので、是非。
 それがどういうことにつながっていくのかということですが、それは当然、支援をしている国の発展につながっていくわけですけれども、それは結果的に日本の再興戦略というのでしょうか、我が国が少子高齢化で、今後はもっと人口も、ひょっとしたら増えていくかもわかりませんが、しばらくは増えないとしたときに、我が国が成長をしていくには、国内でも頑張らなければいけないけれども、そういう発展をする国の成長をどうやって取り入れていくかということが、極めて大事だと思うんですね。そういう意味では、それを、そのためにだけにやってはいけないと思いますけれども、十分意識した上でやっていただきたいなと、こういうことで、見直しするに当たっては、そういう議論もしていただきたいなと思っております。
 文化も同じだと思うのです。文化の外交というのもあると思いますけれども、これも今、日本国が文化についても極めて評価されておりまして、特に日本語の教育なんかにつきましては、イベント的にこういうところをやらなければいけないのですけれども、さらに発展するにはビジネス化していかなきゃいけないのですよね。ビジネス化していかないと、普及なんかそんなにしないのですね。そういう意味では、ここがもちろんビジネス化することが使命ではないのですけれども、でも、そういうことを意識しながら物事を進めていただきたいと思いますね。
 そんなようなこと、そのほかのこともいろいろ申し上げたいことがあるのですけれども、観点は、今言いました各法人、全てそうだと思うのですね。そんなような意識の中で、この見直しに当たって議論をしていただいて、各法人あるいは各府省はどう考えているのかということを議論していただけたら幸いだと思います。
 以上であります。
 岡本委員、どうぞ。
【岡本委員】  質問がございまして、今日の御説明の中で、平成25年12月の閣議決定を御説明されました。これは今回の見直しに当たってどう捉えるかということなのですけれども、措置状況と講ずべき措置と、1、2、3とご説明いただいているのですが、平成25年12月の閣議決定というのは、今回の見直しにおいて、必ず達成しなければいけないものだということを前提に見直していくのでしょうかというのが質問です。
 もう一つは、平成25年12月のそれが平成26年1月から動き出すとして、今の段階で2とか3というものは、一律には申し上げられないかと思いますけれども、どう捉えていらっしゃるのか。要するに、時間的にもう大分過ぎているのではないかということなのです。もう当然1であるべきなんではないかということを前提にするのかどうかという話を、お伺いさせていただきたいということです。
【樫谷部会長】  いかがですか。新井管理官。
【新井管理官】  参考資料として閣議決定をつけた趣旨は、独法改革がここ数年なされたまさに集大成という形での決定というのが平成25年12月にありまして、その上で法案の改正につながったわけですけれども、その改革の一つの成果として出たものなので、これについてはきちんと実施をしていただくというのは、まず基本だろうと思っております。それから、その際には、事業だけでなくて組織の見直しもなされておりますので、それは共通認識としては、まず持っておくと。
 ただ、当然、おっしゃったように、そこからまた時間も経過しておりますので、この委員会でのいろいろな御議論を経て、さらに深掘りですとか、新たな視点というのは、その後の状況で追加するというのは、当然ありえる考え方だと思います。
【岡本委員】  ちょっと言い方があれでしたけれども、今の段階で1になっていないといけないわけではないのですか。評価。措置状況の1フォローアップは、まだ昨年のフォローアップで、それから半年ぐらいたっていますので。
【新井管理官】  そうですね。これは、毎年度フォローアップをしてはいるのですが、閣議決定の中には、直ちに行えるものと、ある程度時間をかけるものが、内容によっていろいろありますので、当然、1になっていないものもあり得ると思います。
【岡本委員】  そういう目線で見てくださいということですか。
【新井管理官】  そういうことですね。
【樫谷部会長】  よろしいですか。ありがとうございました。そのほかに何かございますか。
 原田委員、どうぞ。
【原田委員】  先ほどの発言と関係するのですが、今年度の見直し対象法人の特徴というか、たまたまこの7つはどういう法人なのかという点で言うと、研究開発関係が法人の類型としては比較的少ないという印象があるのですが、それでも研究に関わる法人というのが幾つか含まれているように思います。
 その中で気になりますのは、先ほどの部会長の御発言と問題意識としては共通するのですが、主務官庁がどっちを向いているかというところを、どれぐらい研究を担う機関として意識をしていらっしゃるのかと、政策手段としてどれぐらい意識していらっしゃるのかということだろうと思います。
 もちろん私も研究者ですので、政府にやれと言われたことだけ研究するということは、研究機関としては決して良くはないと。そういう意味では、研究というのはリダンダントというか、冗長であるということは、これは宿命だろうと思うのですけれども、たまにはキラーパスを出して、これが政策のエビデンスにつながったというのが、科学技術にせよ、労働政策にせよ、あるべきかなと思います。
 そういう意味では、どういうキラーパスが、これまでの、現在の安倍内閣の政策につながったのかというところは、是非ともこれから1年間、見てまいりたい観点の一つであります。
 以上であります。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。ほかにございますか。
 土井委員、どうぞ。
【土井委員】  これ、確認なのですが、横長の項目対照表ですが、ここで、先ほど説明していただいた委員会の運営方針がここに加わっていくという考え方でよろしいのですか。ちょっと位置付けが分からなくなっているので、教えていただきたいのですが。
【新井管理官】  先ほど申し上げました方針は、全体の総論といいますか、どういう視点で委員会の審議を進めるかという、そういう視点ですので、それはそれでまた決定をいただくのですが、今、個別に7法人を御紹介したのは、もちろん全体の視点を踏まえながらではありますが、それぞれの法人にどういう論点があって、それをどういう方針で検討していくかという、いわゆる各論になりますので、両者は別の形になろうと思いますが、当然それを踏まえて、この各論を検討していくというような位置付けにはなろうかと。
【土井委員】  そういう意味で言うと、先ほどからの御意見にも関連すると思うのですが、要は、主務省庁の政策に対してどういう中期目標を掲げて、それがいかに達成されたかというところが、冒頭に分かりやすくまとめていただいたものがないと、今までのお話を分かりやすく理解していくことが難しいと思いますので、是非フォーマットも少し検討いただきたく思います。各論に入るときに共通項目をどうするかも検討が必要かと思いますので、よろしくお願いいたします。
【新井管理官】  わかりました。今度、8月に向けて論点整理に向けてやってまいりますときの共通事項として留意したいと思います。
【樫谷部会長】  少し総論の部分も整理していただいた上で、各論につなげる形で表を作っていただいたほうがいいかもしれませんね。よろしくお願いします。
 いずれにしましても、今年度は7法人で、数が比較的少ないので、少し深掘りができて、いろいろな議論ができればいいかなと、このように思います。ただ、そのときに、もちろん、政独委時代からの過去10年以上の経験と実績を否定するわけではないのですが、それを踏まえて新しいものを作っていくのだという観点で、各府省、独法、評価制度委員会、あるいは事務局も取り組んでいただけたらと思います。是非既存の延長だけではいけないということを、よく認識していただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。よろしいですか。
 それでは、ありがとうございました。ただいま皆様方から、様々な御意見をいただきました。本日の御意見や今後の現地視察結果などを踏まえまして、今後、事務局において、7法人ごとに論点を整理した上で、8月開催予定の委員会において、論点を提示させていただくことにしたいと思います。
 本日の審議は以上でございます。最後に、次回の審議日程等について、事務局から説明をお願いしたいと思います。
【新井管理官】  次回は、6月14日火曜日になりますが、13時半から15時半で、委員会をお願いしたいと思っております。案件としましては、本日御議論いただきました委員会取組方針の本文の決定に当たっての御審議、それから、今ご説明させていただいた7法人につきましても、引き続き、また御紹介させていきたいと思っております。場所は調整中ですので、また追ってご連絡をいたします。以上です。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。それでは、以上をもちまして、第8回独立行政法人評価制度委員会評価部会を閉会したいと思います。皆様方、お忙しい中、また、あるいは第1、第2ユニットで熱心に御議論いただきまして、大変ありがとうございました。

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