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第31回独立行政法人評価制度委員会 議事概要

日時

令和3年7月8日(木)14:00〜15:30

場所

ウェブ会議にて開催

出席者

(委 員)澤田道驤マ員長、梶川融委員長代理、天野玲子委員、金岡克己委員、栗原美津枝委員、島本幸治委員、高橋伸子委員、野ア邦夫委員、浜野京委員、原田久委員、南雲岳彦臨時委員、河合晃一専門委員、清水剛専門委員、横田響子専門委員
(審議協力者)樫谷隆夫 樫谷公認会計士事務所所長
(事務局等)白岩行政管理局長、阪本官房総括審議官、方管理官他

議事

  1. 令和2年度における独立行政法人の業務の実績に係る評価の点検等について
  2. 令和3年度に中(長)期目標期間が終了する独立行政法人に係る調査審議の状況について
  3. 準用法人に係る見込評価及び組織・業務見直しの検討の観点について
配布資料
参考資料1PDF 
参考資料2PDF 
参考資料3PDF

議事概要

(1) 令和2年度における独立行政法人の業務の実績に係る評価の点検等について、原田評価部会長より以下の発言があった。

○ 4月の委員会で示されたとおり、今年度も、評価部会を中心に年度評価等の結果について点検を行うこととしている。

○ 委員会では毎年、評価が実際に法人の業務運営やマネジメントに十分に活用され、法人の業務の改善につなげられていくことが重要であるという考えのもと、S、A、B、C、Dといった評定の結果自体ではなく、評定の根拠等が具体的に記載されているかどうかという観点から、評価書の点検を行ってきた。

○ 本年も同じ考えに立って点検を行っていきたいが、これまで、A以上・C以下の評定を付す場合における評定の根拠がどのように記載されていれば「具体的」といえるのかについて目安をお示ししたことはなかった。

○ 本年度は、具体的にどのような記載が求められるのかを明らかにするため、試行的に、次のような観点から評価書を点検したいと思う。

○ まず、A以上の評定を付す場合の根拠としては、基本情報として(1)評価対象とした事実・取組・成果を記載したうえで、事業部門において質的な評価をする場合であれば、(2)評価対象とした取組・成果が、目標における指示内容又は計画における取組内容、あるいは法人の使命にどう寄与するか、(3)当該取組・成果の一般社会へのインパクト、といった要素が説明の中に含まれている必要があり、また、(4) 評価結果を踏まえた今後の方向性についても言及する必要があると考えている。

○ また、C以下の評定を付す場合には、具体的な改善方策等を記載する必要があるため、その改善方策を導き出す前提として、(1)評価対象とした事実、(2)当該事実を引き起こした要因の分析、前年度もC以下の評定であった場合には、(3)従前の改善方策の実施状況の分析、といった要素を説明する必要があると考えている。

○ また、評価を法人の業務改善につなげるためには、主務大臣と法人が現状や課題の認識を共有していることが重要であることから、主務大臣評価において法人自己評価と異なる評定を付す場合には、評定の根拠が具体的に記載されていることが特に重要と考える。

○ 主務大臣と法人の評定が異なること自体は、制度趣旨に則ってそれぞれが主体的に判断をしている証左であり、全く否定されるべきことではないが、主務大臣と法人が、法人の現状について同じ認識を共有した上で毎年度のPDCAサイクルを回していくことが重要であるという観点から着目していきたいと考えている。

○ 以上、年度評価等について、評定の根拠等が具体的に記載され、評価が法人の業務運営の改善につなげられていることが重要なのではないかと申し上げたが、その趣旨は、見込評価を含む主務大臣評価全般に通ずるものと考えている。

○ 一方、本年度実施している独法制度改革フォローアップ調査の中では、こうした委員会の考え方が必ずしも主務大臣・法人と十分に共有できていないのではないかという課題も浮かび上がってきた。

○ 「独立行政法人がその能力を最大限発揮できるよう、主務大臣が策定する中長期の目標に着目した調査審議を行う」という従来からの委員会の基本的なスタンスは今後も変わらないものと思うが、フォローアップ調査の結果や、今年度の年度評価の点検結果等も踏まえつつ、改めて主務大臣評価全般について、委員会の視点や評価の意義などを議論し、その結果を取りまとめて発信することにより、委員会と主務大臣・法人との共通認識を形成していく必要があるのではないかと考える。

原田部会長の上記発言を踏まえて審議が行われた。審議における委員の主な発言は以下のとおり。

○ 年度評価は、中(長)期目標のモニタリングに主眼があり、A以上の評定を付すことについて極端にセンシティブになっていただく必要はないものと考えている。原田部会長の発言で示された要素も入れながらきちんと説明していただけば良いということであって、これらの要素がないとA以上の評定を付けられないというわけではないので、誤解がないようにしてほしい。

○ C以下の評定が付された項目については、真因分析をしっかり行った上で改善方策を立ててほしい。また、法人のみでは解決できない課題については、主務省と法人がコミュニケーションを取り合って、中(長)期目標の見直しも含めて検討してほしい。

○ 評価の段階で発生する問題の多くは、目標設定が適切でないことに起因する。よって、目標水準の適正さ、ベンチマークの設定等、中(長)期目標設定の在り方を再点検していく必要があるのではないか。

○ 目標を上回る業績を挙げやすい業務と挙げにくい業務等があるため、業務類型を踏まえた評価ができるよう、評定の持つ意味や評価の在り方について考えていく必要があるのではないか。

(2) 令和3年度に中(長)期目標期間が終了する独立行政法人に係る調査審議の状況について、原田評価部会長より説明が行われた。審議における委員の主な発言は以下のとおり。

○ 目標策定指針では、法人の置かれた状況や強み・弱みを目標の冒頭部分において分析したうえで、法人の強みは更に伸ばして能力を最大限発揮させ、弱みについては関係機関との連携を通じて対応させていくような目標を策定するよう求められている。指針の趣旨を踏まえ、今後目標策定を進めていくのに先立ち、主務省と法人でよくコミュニケーションを取っていただくようお願いしたい。

○ 骨太の方針等の国家戦略に共通して記載されている(1)高齢化による人材不足、(2)デジタル化、(3)コロナ対応、(4)気候変動やそれに対する国土強靱化、(5)官民(官)連携といったテーマを、目標設定における共通テーマとして設定しても良いのではないか。

○  国立研究開発法人においては、大学における取組も参考にして、技術流出対策を進めてほしい。また、人材の流出も問題となっており、各法人における高度人材確保に向けた取組を促していく必要があるのではないか。

○ 法人内での業務のスクラップアンドビルドが重要。各法人で似た業務を行っていることもあるため、主務省間で整理して重なりがなくなるよう工夫してほしい。

(3) 準用法人に係る見込評価及び組織・業務見直しの検討の観点について、原田評価部会長より以下の発言があった。

○ まず見込み評価は、委員会としては、独法については、主務大臣によるPDCAサイクルが的確に機能しているか、説明責任・透明性が果たされているか、という観点から確認しているところ。この趣旨は、準用法人の見込評価にも共通するものと考えている。したがって、準用法人の見込評価についても、「評定の根拠・理由、改善策が明確に示されているか」といった観点から検討していくこととしてはどうか。

○ なお、法テラスについては「日本司法支援センターの業務実績評価に係る基本方針」が、国大法人等については「国立大学法人及び大学共同利用機関法人の第3期中期目標期間の業務実績評価に係る実施要領」が、それぞれの評価主体となる委員会により定められている。法テラスの「基本方針」は、基本的に独法の評価指針を踏襲した内容となっており、国大法人等の「実施要領」においても、国立大学法人評価委員会は、各法人の自主的な改善に視する観点から、評定を付すに当たっては、優れた点や改善すべき点を併せて指摘することとされている。当委員会としては、先ほど申し上げた観点を中心に、これらの「基本方針」ないし「実施要領」に沿って適切に評価が行われていることを確認していくこととしてはどうか。

○ 続いて、組織・業務見直しについて、まず法テラスについては、ヒアリングにおける議論も踏まえ、法人の運営に係るPDCAサイクルが実際にきちんと機能し、改善につなげられているか、といった観点から確認していくこととしてはどうか。

○ また、国大法人等についても、PDCAサイクルの機能の状況を中心に見ていきたいが、大きく分けて2つの観点から内容を確認・検討していってはどうか。

〇 一つ目の観点は、法人の運営に係るPDCAサイクルが、国大法人制度の下できちんと機能するようになっているかどうかという観点。これまでの国大法人改革等への対応も含め、法人の業務運営上の課題が明確に示され、それを的確に反映したものになっているか、本年の通常国会で成立した改正国大法人法に基づく新たな目標策定・評価の仕組みにおいてもPDCAサイクルが機能するように取り組まれるようになっているか、といった点について確認・検討してほしい。

〇 二つ目の観点は、具体の運営上の観点。客観的・中立的な立場から法人運営の適正を確保するという当委員会の役割を踏まえ、ガバナンスや経営基盤の強化、運営の効率化といった観点からの確認・検討を行うというもの。具体的な論点としては、国立大学評価委員会が昨年12月に示した「組織及び業務全般の見直しに関する視点」も踏まえれば、関係機関等との連携強化の推進(産学連携等の推進)や、多用な人材の積極的な登用、(学長を中心とした)ガバナンスの強化、自律的な経営に向けた体制強化、効率的・効果的な業務運営に向けたデジタル化の推進、研究不正等への対策強化、情報セキュリティの確保といった点が考えられる。

原田部会長の上記発言を踏まえて審議が行われた。審議における委員の主な発言は以下のとおり。

○ 法テラスについては、常勤弁護士の採用・配置等に係る評価項目において、前期目標期間以来6年にわたって連続してC評定が付されており、PDCAサイクルが機能しているのか疑われるうえ、法人の担当役職員のモチベーション低下も懸念される状況。
目標の立て方、政策課題の解決に向けたアプローチを抜本的に見直す必要があると考えるので、今後こうした観点から更に調査審議を進めてまいりたい。

○ 国大法人のガバナンス強化については、これまで学長のリーダーシップが強調されていたが、今回の国大法人法改正により、学長選考会議の牽制機能の強化や監事機能の強化が図られるなど、内部でのチェックアンドバランスも重要になってきているのではないか。
以上

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