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  統計委員会

府 統 委 第 140 号
平成20年12月22日


総 務 大 臣
   鳩 山  邦 夫 殿

統 計 委 員 会 委 員 長   
竹 内  啓


諮問第10号の答申
造船造機統計調査及び鉄道車両等生産動態統計調査の改正について


 本委員会は、国土交通省が実施を予定している造船造機統計調査(指定統計第29号を作成するための調査)及び鉄道車両等生産動態統計調査(指定統計第71号を作成するための調査)の計画について審議した結果、下記の結論を得たので答申する。



  1. 承認の適否とその理由等
    (1) 適否
     計画を承認して差し支えない。
     なお、計画の実施に際しては、以下の理由等に留意することが必要である。
     
    (2) 理由等
    ア 両統計調査の意義
     造船造機統計調査及び鉄道車両等生産動態統計調査は、船舶、鉄道車両等の生産活動の実態を明らかにするとともに、いずれの統計調査も国民経済計算や鉱工業指数の作成に係る基礎データを提供する役割を担っている。また、その結果は、 業界における業務計画策定の基礎資料等にも用いられており、両統計調査は幅広く活用される、重要な統計調査であると認められる。
     
    イ 調査周期
     造船造機統計調査における造船調査及び鉄道車両等生産動態統計調査における鉄道車両(新造)に係る調査については、調査周期はこれまでと同様に月次を継続するが、造船造機統計調査における造機調査並びに鉄道車両等生産動態統計調 査における鉄道車両(改造・修理)、鉄道車両部品・鉄道信号保安装置及び索道搬器運行装置に係る調査については、平成21年度以降、調査周期を月次から四半期に変更する計画である。これについては、現行の利用状況から見て特段の支障はなく、報告者負担の軽減等の観点から適当である。
     
    ウ 調査方法
     鉄道車両等生産動態統計調査における鉄道車両部品・鉄道信号保安装置及び索道搬器運行装置に係る調査票の配布及び回収について、平成21年度以降、これまでの地方運輸局等を経由する手順から、すべて本省直轄の方式に変更する計画である。
     これについては、鉄道車両等生産動態統計調査の調査対象事業所の総数が100に満たない現状にかんがみ、調査の効率的な実施を図るものであることから、適当である。
     
    エ 調査事項
    (ア)  平成21年度調査から、造船調査の「船質」欄から「木船」の表示を落とし、木船の製造があった場合には備考欄にその旨を記入するように変更することを計画している。また、索道搬器運行装置に係る調査について、「需要先」を調査事項から削除することを計画している。
     これらについては、近年の調査結果において、造船調査の対象となる一定規模以上の木船はほとんど製造されないこと、また、索道搬器運行装置は全て観光目的で製造されていることが明らかとなっていることを踏まえたものであり、いずれも適当である。
    (イ)  しかし、造機調査における「価格」欄については、より実態に即した表記にするため、調査事項の名称を「価格」から「金額」に改めることが必要である。
     
    オ 調査対象品目
     造機調査の調査対象品目について、28品目から13品目に簡素・集約化することを計画している。
     これについては、報告者負担の軽減の観点から適当であると考えるが、今後、集約した各品目の製造高が造機調査の対象品目全体の中でどの程度の割合を占めているか、工業統計調査の結果も参考にしつつ、常に検証を行っていくことが必要である。
     
    カ 集計事項及び結果の公表
    (ア)  両統計調査の集計事項は、調査周期や調査事項の変更に対応して変更する計画である。これについては、統計需要に即したものとなっており、適当である。
    (イ)  造船造機統計調査の結果については、月報を調査月の約3か月後以内から調査月の翌々月末日までに公表する等の公表の早期化を計画している。また、鉄道車両等生産動態統計調査の結果については、月報を調査月の翌々月末日までから翌月末日までに公表する等の公表の早期化を計画している。これらについては、利用者ニーズに応えるものであり、適当である。
     
    キ 調査票情報の保存期間
     調査票情報の保存期間については、調査要綱(申請事項)において2年と規定されているが、統計データ・アーカイブの整備に向けて的確な対応を図る観点から、要綱上の保存期間を永年保存とすることが必要である。
     
  2. 今後の課題
    (1)  両統計調査の調査対象は、現在、地方運輸局等が保有する行政記録情報、ヒアリング等によって把握している。
     このような調査対象の把握方法については、造船調査は造船法(昭和25年法律第129号)に基づく届出義務のある工場(事業所)を調査対象としていることから、問題がないと考える。しかしながら、これ以外の調査については現行の調査対象の把握で十全であるか明確ではないところがあり、調査対象名簿を工業統計調査及び事業所・企業統計調査等の名簿と照合し、本調査の対象とすべき事業所が網羅的に把握されているかを検証し、現行の把握方法の妥当性について検討する必要がある。
     併せて、両統計調査(造船調査を除く。)の調査対象を「常時10人以上の従業員を使用する事業所」としていることの妥当性について、統計需要及び報告者負担の両面から検討する必要がある。
     
    (2)  船舶及び鉄道車両は生産に長期間を要するものであることから、鉱工業指数の算出等の基礎資料として、生産活動の進捗状況を的確に把握することが必要である。そのため、特に鉄道車両について、仕掛品在庫、完成品在庫等を把握することの可否及び現行の調査事項の「手持」を「受注残」に改めることについて検討する必要がある。


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