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  統計委員会

府 統 委 第 74 号
平成21年9月14日


総 務 大 臣
   佐 藤  勉 殿

統 計 委 員 会 委 員 長   
竹 内  啓


諮問第20号の答申 農業経営統計調査の変更について


 本委員会は、農業経営統計調査の変更について審議した結果、下記の結論を得たので答申する。



  1.  承認の適否
     統計法(平成19年法律第53号)第10条各号の要件に適合しているため、変更を承認して差し支えない。
     ただし、以下の「2 理由等」で指摘した事項については、修正が必要である。
     
  2.  理由等
     農林水産省は、平成22年以降に実施する本調査について、個別経営統計に係る調査で対象としている10種類の営農類型のうち、「花き作」、「採卵養鶏」、「ブロイラー養鶏」について標本数を縮減して「その他」に集約するとともに営農類型ごとの集計・表章は行わないこととしている。
     また、組織法人経営統計に係る調査については、10種類の営農類型のうち、「水田作」、「畑作」以外の8種類の営農類型の調査を中止することとしている。
     本調査では、総人件費改革に伴い農林水産省の統計担当職員が大幅に人員削減され、その対応策として郵送回収の活用の促進が図られたが、調査票の記入等において、専門的知識を有する職員の協力がないと適切に回答できない調査客体が多いことから、平成20年調査では十分な効果を上げていない。今回の計画は、このような実情を踏まえ、今後の人員体制では、これまでのような調査内容及び調査精度を維持することが困難であるとの観点から申請されている。
     こうした本調査を取り巻く厳しい状況や、その結果として、調査を簡素化せざるを得ないことについては、十分理解できるところであり、個別経営体に係る調査及び組織法人経営体に係る調査のいずれについても、標本数の縮減についてはやむを得ない措置であると認められる。
     しかしながら、「公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報である」とする統計法が掲げる目的の趣旨に則り、個別経営体に係る調査及び組織法人経営体に係る調査のそれぞれについて、今回の計画を、以下のように修正する必要がある。
     
    (1)  個別経営統計
     今回、「その他」に集約して営農類型ごとの集計は行わないこととしている「花き作」、「採卵養鶏」、「ブロイラー養鶏」の営農類型について、基幹統計として幅広い利用に供するため、標本数を縮減した後も、現行と同様の営農類型ごとに集計し結果表章を継続する必要がある。
     
    (2)  組織法人経営統計
     個別経営体と組織法人経営体の経営状況等について同一の営農類型ごとに比較を行うことを可能とする調査体系を維持することが望まれること、また、組織法人経営体の農業生産額全体に占める割合が小さくないことから、今回、調査を中止することとしている8つの営農類型について、標本数を縮減することはやむを得ないとしても、現行と同様、10種類の営農類型ごとに調査し、結果表章を継続する必要がある。
     
  3.  今後の課題
     本調査については、統計資源の厳しい制約に直面している中で、現行の調査内容に対して、総人件費改革に伴う限られた人員の下では、これまでのように対応できない状況になると考えられる。このため、今回の審議結果を踏まえ、公共財としての位置付け、調査精度の維持、データの有用性の確保に十分配慮するなど、本調査が基幹統計であることの十分な認識に立って、調査内容の見直しについて検討する必要がある。
     同時に、調査の効率化を目指して導入した郵送回収に関連して生じた問題への対処と、経営体の使用する会計ソフトの情報を効果的に調査票情報として利活用することを推進するための更なる方策を検討するほか、オンライン調査の導入による効率化の可能性についても検討する必要がある。
     また、調査客体に対して、集計結果や分析結果を迅速にフィードバックする等、調査への協力を促進する有効な方策についても検討する必要がある。
     こうした検討を速やかに行い、基幹統計としての役割を果たすべく、総人件費改革において削減された人員の下で、調査精度の確保を図り、統計の質を維持することに努める必要がある。


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