委員会の報告・意見等

平成23年9月22日

平成22年度統計法施行状況に関する審議結果についての統計委員会委員長談話

(はじめに)

 統計委員会におきましては、本日の第49回会合において「平成22年度統計法施行状況に関する審議結果報告書」をとりまとめ、公表いたしました。今回は、昨年度に引き続き2回目の実施です。
 今回の審議においては、今年の3月11日に発生した東日本大震災に係る統計データの提供等を重要検討事項として選定・審議するとともに、昨年度の重要検討事項について、その後の措置状況をフォローアップいたしました。

(東日本大震災に係る統計データの提供等)

 東日本大震災への対応につきましては、今年の4月8日に私が委員長名の談話を発表し、大震災後の統計調査結果の集計・公表等を行う上で必要と思われる事項を明らかにさせていただいたところです。今回の審議においては、4月8日の談話で指摘した事項を念頭に置きつつ、各府省の対応状況について審議いたしました。
 各府省の対応状況は大きく2つの内容に整理できます。一つは、自らが保有する統計データ等を特別集計するなどして、被災した地域の人口や世帯数などに関するデータを公表しているものです。このような取組は、被災地の状況を把握する上での貴重なデータを提供するものとして、高く評価すべきものと思います。
 もう一つの対応は、調査が困難な地域を調査対象から除外したり調査票の提出期限を延期するなどの特別の取扱いをしているものです。被災地の住民の方々が長期にわたり避難所での生活を余儀なくされるなど、被災地が大変厳しい環境にあることを勘案しますと、このような対応はやむを得ないものと思われます。
 しかしながら、被災地の実態に関する統計調査結果は、復興のための施策の企画・立案に資する重要なデータですので、調査対象から除外された被災地の実態に関しては、何らかの形で補完的に把握するための措置が必要であると思います。また、一部地域の除外により全国集計値の時系列データが不連続になることなどについては、関連情報を適切に公表・保存することにより利用者の誤解を招かないようにすることも必要であると思います。このような認識の下、東日本大震災に係る統計データの提供等の在り方について、方向性を提示させていただきました。

 具体的には、

  • 調査対象地域の一部を除外するなどの特別の取扱いをした場合、被災地の状況を踏まえて、可能な限り補完的、補足的な調査や推計を行うなどの措置を講ずること
  • 特別の取扱いや補完調査等に関する情報については、全国集計値の時系列データの分析等において利用者の誤解を招かないよう、適切に公表・保存すること
  • 補完調査等の実施に当たっては、行政記録情報等の活用の可能性について、保有機関の協力を得なが ら検討すること

であります。

 東日本大震災からの復興のための施策は、国をあげて取り組む必要がある極めて緊急度の高いものであります。各府省が、ここに掲げる方向性に沿って、被災に係る情報提供等を適時・適切に実施し、今後の復興のための施策の企画・立案に資することを期待しております。