委員会の報告・意見等

平成24年9月25日

「平成23年度統計法施行状況に関する審議結果」についての統計委員会委員長談話

(はじめに)

 統計法に基づいて、平成21年3月に初めて「公的統計の整備に関する基本的な計画」、いわゆる「基本計画」が閣議決定されました。この基本計画には、公的統計の整備に関して講じるべき施策などが盛り込まれています。
 統計法第55条2項の定めによって、総務大臣は、この基本計画をはじめとする統計法の施行状況を毎年、統計委員会に報告することになっています。統計委員会では、統計行政の着実かつ計画的な推進を図るために、その報告内容について審議し、その結果を報告書としてまとめています。
 本日、統計委員会が公表いたしましたのは、「平成23年度統計法施行状況に関する審議結果報告書」です。現行の基本計画は平成21年度からおおむね5年間を計画期間としていますので、今回の審議対象である平成23年度はその中間年に当たります。
 今回の審議では、次期基本計画を検討する際の基礎資料を得ることを視野に入れ、中長期的な視点で取り組むべき基本計画の課題など、今後の公的統計の整備に関する施策の方向性等について、基本的な考え方をまとめました。また、23年度における東日本大震災への対応についても審議いたしました。
 さらに、各府省が施策の取組状況を「実施済」や「実施困難」などと自己評価した結果について、統計委員会としてその妥当性を精査しました。これは今回が初めてのことです。

(各府省の取組の進捗状況の評価)

 まず、各府省の取組の進捗状況の評価について説明します。基本計画に盛り込まれた事項について、各府省は真摯に取り組んでおり、総じて言えば、成果を上げつつあると評価しております。例えば、「実施済」と各府省が自己評価した79事項のうち妥当であると整理したものは52事項(66%)でした。また、東日本大震災に係る対応についても、被災状況の把握・復興等に向けて統計情報の提供が行われたことや、調査対象地域の一部除外などに伴う補完的・補足的な調査・推計が行われたことなど、適切な対応が図られたと判断いたしました。
 その一方で、各府省が「実施済」と評価しているものの、なお引き続き取り組む必要があると考えられる事項など継続的な取組が必要な事項も見られました。

(今後の施策の方向性等についての基本的な考え方)

 先ほど申し上げましたとおり、今回の審議では「重点的な審議課題」を中心に、中長期的な視点で取り組むべき課題を含めて、今後の施策の方向性等についての基本的な考え方を取りまとめました。詳細は報告書の「U 各ワーキンググループの検討結果」をご覧いただけたらと思います。
 また、特に、府省横断的な重要事項については、関係府省が協力して推進することが必要と考えられることから、政府一体となった取組を期待しております。具体的な例は、お配りしました「概要」にも掲げているとおり、「国民経済計算の整備と一次統計等との連携強化」、「ビジネスレジスター(事業所母集団データベース)の構築・利活用」、「企業活動の変化や働き方の多様化等に対応した労働統計の整備の充実」、「「政府統一ロゴタイプ」の定着・普及を通じた統計に対する国民・企業等の理解促進」、「行政記録情報の利活用」、「e-Statの利便性の向上及び二次的利用の促進」、「東日本大震災を教訓とする大規模災害時における統計の役割・対応の整理」等です。

(今後の展望)

 現行の基本計画はおおむね平成25年度までを計画期間とするものであることから、今後は次期基本計画の在り方も視野に入れて施策を推進する必要があると考えます。
 統計委員会は、この報告書に具体的に指摘した事項等について、次期基本計画も視野に入れた各府省の今後の取組と成果を注視したいと思います。
 また、統計委員会としては、国民の求める統計の一層の発展のため、次期基本計画の策定に資するべく、その役割を果たしていきたいと考えています。