委員会の報告・意見等

平成20年8月20日

「経済構造統計の指定及び平成21年に実施される経済センサス‐基礎調査の計画の承認等について」の答申に関する統計委員会委員長談話

 本日の統計委員会において、「経済構造統計の指定及び平成21年に実施される経済センサス‐基礎調査の計画の承認等について」の答申を取りまとめ、総務大臣に提出した。

 経済センサスは、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」(平成17年6月21日閣議決定)において整備方針が示され、その創設は、政府関係者のみならず、学界など各方面から期待されてきたものである。

 これまで我が国の産業統計の整備は、基本的に産業ごと、所管府省ごとに行われていたこともあり、既存の統計調査の結果を突き合わせたとしても全産業分野の経済活動を同一時点で網羅的に把握することができない状況にあった。このように我が国の経済活動の実態を表す一次統計が体系的包括的に十分整備されていない状況は、経済分析のために統計を利用する際に問題が生ずるにとどまらず、経済財政政策その他の重要な政策決定の判断指標であるGDPの推計上も大きな制約となっていた。

 経済センサスの創設は、経済活動の実態を明らかにする包括的な産業構造統計が整備されることに加えて、他の諸統計の精度向上に資する母集団名簿も拡充されるなど、わが国の統計のために大きな意義を持つと思われる。

  このような意義を持つ経済センサスの実現に向けた今回の調査計画については、統計委員会としてもこれを積極的に推進する観点から答申を行ったところであり、統計委員会委員長としても、これが円滑に実施されることによりGDP統計をはじめとした諸統計の精度を大きく向上させ、国民のさまざまな意思決定や政策決定に有用な情報を提供し、ひいては国民生活の向上に資するものになることを確信している。関係府省、地方公共団体及び調査員の方々のご努力をお願いすることはもちろん、事業所及び企業の皆様におかれても、経済センサスの意義をご理解いただき、調査へのご協力をお願いしたい。