会議資料・開催案内等



郵政行政審議会総会議事次第



開催日時 平成18年8月9日(水)
午前1000分から午後1200分まで

開催場所 総務省 第1特別会議室(8階)



議事次第

  1.  開会

  2.  総務副大臣挨拶

  3.  分科会及び部会報告

  4.  日本郵政公社の平成17年度財務諸表の承認について〔総務大臣諮問第262号〕

  5.  日本郵政公社の平成17年度業績評価について〔総務大臣諮問第263号〕

  6.  郵便の業務等に関する日本郵政公社に対する措置について〔総務大臣諮問第265号〕

  7.  閉会


* 配布資料一覧

資料1−1 日本郵政公社経営・評価分科会報告
資料1−2 郵便・信書便サービス部会報告
資料1−3 貯金・保険サービス部会報告
資料2−1 日本郵政公社の平成17年度の財務諸表の承認及び業務評価について
資料2−2 日本郵政公社の平成17年度の財務諸表等の概要について
資料2−3 諮問書(総務大臣諮問第262号)
資料2−4 諮問書(総務大臣諮問第263号)
資料3−1 諮問書(総務大臣諮問第265号)
資料3−2 郵便の業務等に関する日本郵政公社に対する措置
資料3−3 審査結果
資料3−4 日本郵政公社法第58条第1項の規定に基づいて行った郵便の業務等に関する立入検査の結果及び同法第60条第1項の規定に基づく経営改善命令について(案)





出席委員の氏名及び出席委員数



会長 森下 洋一
会長代理             田尻 嗣夫
委員 岩原 紳作
委員 上原 恵美
委員 牛尾 陽子
委員 大田黒 昔生
委員 梶川   融
委員 神津 十月
委員 國井 秀子
委員 斎藤 聖美
委員 篠塚 勝正
委員 柴田 昌治
委員 下和田   功
委員 杉山 武彦
委員 高橋   温
委員 野並 直文
委員 針ヶ谷 照夫
委員 松ア 陽子
委員 三宅 純一
委員 村本   孜
委員 吉野 直行
委員 米澤 康博
委員 若杉 敬明


出席委員数 23





出席した関係職員の所属・氏名



 総務副大臣 義偉
 総務大臣政務官 古屋 範子
 事務次官 松田 隆利
 総務審議官 有冨 寛一郎
 郵政行政局長 須田 和博
 郵政行政局総務課総合企画室長 鈴木 信也
 郵政行政局郵便企画課長 佐藤 克彦
 郵政行政局貯金企画課長(併)保険企画課長          淵江   淳
 郵政行政局信書便事業課長 杉山   茂
 郵政行政局検査監理官 大高 光三
    ほか
(事務局)    
 郵政行政局総務課長 原口 亮介





審議内容

開会
○原口総務課長 定刻がまいりました。まず初めに、事務局からご報告がございます。
 本日は、冒頭、このとおりカメラ撮りが入っておりますけれども、審議に入ります前にはご退室いただくことになっておりますので、ご了承いただきたいと思います。
 それでは、会長、よろしくお願いいたします。
○森下会長 ただいまから、郵政行政審議会第7回総会を開催いたします。本日は、大変お天気の悪いところ、ご多用のところご参集いただきましてありがとうございます。
 最初に、会議の定足数の関係でございますが、本日は、委員総数30名中23名が出席をされておりますので、定足数を満たしております。本日は、菅副大臣、古屋大臣政務官がお見えでございますので、まずごあいさつをいただきたいと存じます。
 菅副大臣、よろしくお願いいたします。
○菅副大臣 ご紹介にあずかりました菅でございます。第7回の総会に当たりまして、一言ごあいさつをさせていただきます。
 日ごろ、委員の皆様方には、郵政行政に対しまして大変温かいご理解をいただき、またご協力を賜っておりますことに、心から感謝と御礼を申し上げる次第でございます。既に、皆様ご承知のとおり、昨年、郵政民営化法案が成立をされ、本年1月からは、いよいよ本格的始動とも言えます日本郵政株式会社が設立をし、今スタートいたしているところであります。また先月の31日には、日本郵政公社の業務等の承継に関する実施計画の骨格、いわゆる承継計画の骨子も提出されるなど、郵政民営化に向けて順調に進んでいるところであります。
 そして、この民営化を成功させるためには、かつての国鉄が民営化をして変わったと、国民の皆さんに分かってもらえるように、私どもも、経営基盤の強化はもちろんでありますけれども、やはり利便性の向上も極めて大事なことであると思っております。どうぞ、これからも、皆さんの忌憚のないご意見を私どもに頂戴していただいて、郵政事業改革の一層の糧にしてまいりたいと思っています。
 どうぞ、本日、ご出席いただいています森下会長はじめ、委員の皆様方のご支援、ご協力をお願いいたしまして、一言ごあいさつを差し上げます。ありがとうございました。
○森下会長 大変ありがとうございました。
 続きまして、古屋大臣政務官、よろしくお願いいたします。
○古屋大臣政務官 総務大臣政務官の古屋範子でございます。
 本日は、日本郵政公社の平成17年度財務諸表の承認及び平成17年度業績評価等についてのご審議をいただくものと伺っております。忌憚のないご意見を頂戴し、郵政行政に反映させてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 各界において重責を担っておられる皆様には、ご多忙の中、何かとご負担をおかけいたしておりますが、今後ともご支援、ご協力をいただきますようお願い申し上げます。
○森下会長 ありがとうございました。
○原口総務課長 ここで、副大臣及び大臣政務官には、所用により退席させていただきます。よろしくお願いいたします。
(菅副大臣及び古屋大臣政務官 退室)
○原口総務課長 マスコミの方も、ご退室をお願いいたします。
(カメラ退室)
○原口総務課長 審議に入ります前に、事務局からご報告がございます。去る7月21日、当省の人事異動がございました。この異動により交代した者につきまして、順次、自己紹介をさせていただきたいと存じます。
○松田事務次官 今般、総務事務次官を拝命いたしました松田でございます。森下会長はじめ委員の皆様方には、大変お世話になるかと存じますが、よろしくお願い申し上げます。
○有冨総務審議官 総務審議官の有冨でございます。国際を担当しておりましたが、今度、郵政・通信を担当することになりました。4年前に、郵政事業庁次長をやっておりまして、以来関わりを持つことになりました。引き続きのご指導、ご鞭撻、よろしくお願いを申し上げます。
○須田郵政行政局長 郵政行政局長を拝命いたしました須田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○大高検査監理官 このたび検査監理官を命ぜられました大高でございます。よろしくお願いいたします。
○原口総務課長 それでは、会長、よろしくお願いいたします。
○森下会長 それでは、これから審議に入ります。
 前回の総会以降、分科会及び部会が開催されておりますので、その審議概要等につきまして、それぞれご報告をいただきたいと存じます。
 まず、日本郵政公社経営・評価分科会につきましては、若杉分科会長代理からご報告をお願いいたします。
○若杉委員 おはようございます。若杉でございます。
 資料1−1をご覧になってください。この分科会は、3月20日、4月21日、7月27日に、それぞれ第8回から第10回までの会合を開催いたしました。
 第8回の審議事項は、日本郵政公社の重要な財産の貸付けの認可でございます。これにつきましては、持ち回り審議ということになりましたけれども、郵政行政審議会議事規則第10条第2項の規定により準用する第8条の規定により、その内容から合理的に判断して、分科会を招集して審議する必要がないと認める場合に該当するためということでございます。そういうことで、持ち回り審議となりましたが、その審議の結果、諮問のとおり答申することが適当といたしました。諮問事項につきましては、資料1−1にあるとおりでございます。
 第9回の審議事項等は、1つが日本郵政公社の重要な財産の譲渡しの認可。第2点が、日本郵政公社平成18年度経営計画について。第3点、平成17年度日本郵政公社の業績評価の考え方について。第4点、日本郵政公社の国際物流への進出についてでございました。
 重要な財産の譲渡しについては、審議した結果、諮問のとおり答申することが適当といたしました。これも、資料1−1に諮問事項があるとおりでございます。
 続きまして、日本郵政公社平成18年度経営計画等3件につきまして、総務省から説明があり、議論をいたしました。
 第10回の審議事項でございますが、これは7月27日に開催されましたけれども、そこでは、(1)として、日本郵政公社における中期経営目標の達成に向けた平成17年度の取組に対する評価について(2)日本郵政公社の平成17年度財務諸表の承認について(3)日本郵政公社の平成17年度業績評価について(4)日本郵政公社の重要な財産の貸付け及び譲渡しの認可(5)郵便の業務等に関する日本郵政公社に対する措置についてということでございました。これについても、資料1−1の2ページ目からありまして、第10回分科会ということでありますが、最初の説明事項につきましては、日本郵政公社生田総裁から、同公社における中期経営目標の達成に向けた取組に対する評価について説明を受けました。
 続いて、諮問事項に入りましたが、資料1−1の(2)から(5)まであるわけでございますが、それぞれについて諮問をいたしまして、(4)にあります重要な財産の貸付け及び譲渡しにつきましては、諮問のとおり答申することが適当といたしました。
 そして、残り3件、ここで言いますと(2)(3)(5)でございますが、これについても審議をいたしました。つまり、財務諸表の承認、業績評価及び郵便の業務等に関する日本郵政公社に対する措置についてでございますが、分科会としては諮問のとおり答申することが適当と判断しましたが、これは本審議会で審議することでございますので、その審議の内容につきましては、後ほどご報告させていただきたいと存じます。
 とりあえず、以上でございます。
○森下会長 ありがとうございました。
 次に、郵便・信書便サービス部会につきまして、田尻部会長からご報告をお願いいたします。
○田尻会長代理 田尻でございます。遅れまして、大変失礼申し上げました。
 1020日、1116日、2月28日、4月18日、7月6日に、それぞれ第15回から第19回の郵便・信書便サービス部会を開催させていただきました。なお1116日の第16回につきましては、持ち回り審議で行っております。
 お手元の資料1−2でございます。審議事項は、日本郵政公社関係といたしまして、平成18年用寄附金付お年玉付郵便葉書等に付加されました寄附金の配分団体等についての認可についてでございます。今回の寄附金の配分団体数は334団体であり、配分総額は約7億2,000万円でした。また、郵便約款の変更の認可が合わせて4件ございました。
 次に、信書便事業関係としまして、57社の特定信書便事業の許可、信書便約款及び信書便管理規程の認可並びに17社の事業計画等の変更の認可についてでございます。今年に入りまして、4社の事業廃止がございましたけれども、今回の57社を加えますと、特定信書便の参入事業者の合計数は175社を数えることとなりました。
 それぞれの審議事項につきましては、審議いたしました結果、いずれも適当と認め、諮問のとおり答申いたしております。
 以上でございます。
○森下会長 ありがとうございました。
 次に、貯金・保険サービス部会につきまして、村本部会長からご報告をお願いいたします。
○村本委員 村本でございます。
 前回総会後1回だけ、6月23日に、第8回の貯金・保険サービス部会を開催いたしました。
 資料1−3が諮問事項でございます。2つの点を審議いたしまして、1つは保険料の算出方法書について、平成17年度決算の状況に基づき、平成18年度に分配する契約者配当に関し変更を行うものでございます。これは、現在の算出方法書では、死差配当、利差配当などに係る分配基準についてゼロと記載しておりますところ、それぞれの保険契約と最新の保険契約の保険料の計算基礎の差をもとに定めた基準に変更するというものでございます。
 2番目は、国際ボランティア貯金関連でございまして、国際ボランティア貯金に係る配分団体及び配分額を決定し、配分団体が守らなければならない事項について定めることを内容とする国際ボランティア貯金に係る配分団体等の認可でございます。
 今回の配分団体数は38団体、配分総額は7,026万円でございました。また、配分地域はアジア12か国、中南米3か国など17か国でございます。
 それぞれの審議事項について審議した結果、いずれも適当と認め、諮問のとおり答申しております。
 以上でございます。
○森下会長 ありがとうございました。
 ただいま、3部会からそれぞれご報告いただきました。皆さん方のほうから、ご質問なりご意見がございますでしょうか。どうぞ、発言の時間にいたしたいと思います。どうぞ、ご自由に発言いただきたいと思います。特にございませんでしょうか。
 特段ないようでございますので、報告は以上で終わらせていただきたいと思います。
 それでは次に、本日の審議事項でございます、日本郵政公社の平成17年度財務諸表の承認及び日本郵政公社の平成17年度業績評価につきましての審議に入りたいと存じます。この2つの審議事項は密接にかかわりますので、まとめて審議することといたしたいと存じます。なお、この2つの審議事項につきましては、7月27日に開催されました分科会での審議を踏まえ、本総会で最終的な結論を得ることとするものでございます。
 まず、省側から諮問事項の概要をご説明いただき、次に、若杉分科会長代理より分科会での審議内容等につきましてご報告をいただいた後に、質疑を行いたいと存じます。
 それでは、鈴木総合企画室長よりご説明をお願いいたします。
○鈴木総合企画室長 総合企画室長の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速でございますけれども、財務諸表の承認と業績評価の2件を併せまして、お手元の資料2によりましてご説明いたしたいと思います。資料2のほう、大変大部になってございますが、黒いクリップをお外しいただきまして、資料全体の概要ですけれども、資料2−3が財務諸表承認の諮問書と財務諸表の本体になってございます。それから、資料2−4が業績評価の諮問書と業績評価書の本文になってございます。
 諮問書の読み上げについては、省略させていただきまして、お手元の資料2−1の説明資料によりましてご説明させていただきたいと思います。
 資料2−1の1ページをご覧いただきたいと思います。今回の財務諸表の承認と業績評価につきましては、真ん中あたりにございます、塗りつぶされております 3)と 4)のところの財務諸表、それから毎事業年度終了後の業績評価ということで、公社法26条、30条に基づき行いまして、左にございますとおり、公社法66条に基づきまして審議会に諮問させていただいているものでございます。ここでは、今回の位置づけをご確認いただきたいと思います。
 続きまして、2ページをご覧いただきたいと思います。決算と中期経営目標各指標との比較ということで、積立金等について見てまいりたいと思います。
 まず、左上の郵便でございます。郵便の利益の積立金でございますが、こちらの棒グラフは、左から年度経営計画、決算、決算の累計値について記載してございますが、17年度のところをご覧いただきますと、年度経営計画では208億円の利益を見込んでおりましたけれども、実際の決算では26億円ということでございました。累計といたしましては573億円となってございます。4年間の中期経営目標では、この黒い太線にございますとおり500億円以上という目標を立てております。18年度につきましては、民営・分社化経費等もございまして56億円の赤字の計画になってございますので、4年間の累計で見ますと、18年度末の見込みとして517億円ということで、4年間の目標達成に向けては予断を許さない状況ということが言えるかと思います。
 続きまして、右上の郵便貯金の積立金でございます。こちらのほうは、17年度、1兆181億円の計画に対しまして、1兆9,304億円の利益を上げております。また、累計でも5兆4,155億円ということで、中期経営目標の3.9兆円以上を超えて達成している状況でございます。18年度末を見ますと6兆円を超えておりまして、4年間の目標を大きく超える見込みとなってございます。
 続いて、左下の簡易保険の内部留保の積増額でございます。こちら、17年度は、550億円の年度計画に対して9,318億円の決算でございました。累計でも1兆4,877億円ということで、18年度末を見ても1.7兆円ということで、目標を大きく超える見込みとなってございます。
 続きまして、3ページをご覧いただきたいと思います。17年度計画と17年度実績の比較についてでございます。3事業それぞれの利益につきまして、公社の経営努力によるものなのか、あるいは株式市場の影響等外部要因によるものなのか等の要因分析を行ったものでございます。
 まず、郵便の当期純利益でございますが、17年度計画では、先ほど申し上げましたとおり208億円でございましたが、実績としては26億円でございました。これは、年度計画の策定時には見込んでいなかった事項として、右側にございますとおり、民営・分社化経費の8億円ですとか減損会計導入、ふみカード廃止に伴う特損等がございました。ただし、仮にこれらを除いたといたしましても百五十数億円程度の黒字ということでございますので、年度計画どおりに実施できたとは言えない状況かと思います。
 続いて、郵便貯金の当期純利益でございます。これは、1兆181億円の計画に対して1兆9,304億円でございましたが、このうち、再掲の下のほうでございますが、金銭の信託運用益、こちらはすべて株式運用でございますが、計画では355億円でございましたけれども、1兆2,402億円ということで大きな利益が出ております。この部分を除いてみますと、その上の段ですけれども、金銭の信託運用益以外について見ますと、年度計画では9,826億円に対して、実績は6,902億円となってございます。計画時に見込んでいなかった事項といたしまして、民営・分社化経費3,020億円、減損会計995億円がございます。これらを除きますと、金銭の信託運用益以外についても約1,100億円の増ということが言えます。特に、この3,020億円のうちの3,000億円は、民営化法によりまして日本郵政株式会社に公社から金銭出資をいたしまして政府に無償譲渡した結果、特別損失の譲渡損となったものでございます。
 次に、簡易保険の内部留保の積増しでございます。550億円の計画に対して9,318億円の実績でございました。三利源合計の基礎利益を見てみますと、計画では2,800億円の赤字を見込んでおりましたけれども、697億円のマイナスということで、計画に比べますと大きく改善しているところでございます。
 下から2つ目のキャピタル損益のところをご覧いただきますと、年度計画では500億円、それに対しまして実績では8,459億円ということで、こちらのほうは株式の運用で8,399億円、債券で60億円でございますけれども、このキャピタル損益を除いた利益で見ましても、年度計画を上回る実績を上げております。
 続きまして、4ページをご覧いただきたいと思います。今回の決算に当たりまして前提とした外部環境でございます。黒い太線の中の17年度計画の策定時と17年度末ということで、18年3月の実績値をご覧いただきたいと思います。この中でポイントを申し上げますと、下から2つ目の株価のところでございます。外国のほうはそれほど差が出ておりませんが、国内のTOPIXで見ますと、年度計画策定時には1,149ポイントございましたけれども、年度末、18年3月には1,728ポイントということで、約1.5倍上がっております。先ほどご説明いたしました、貯金・保険の利益のところで、株式運用で計画以上に大きな利益が上がった要因が株価の上昇でございます。
 続いて、5ページをご覧いただきたいと思います。民営・分社化経費についてでございます。これは、17年度、18年度、19年度は民営化までの半年でございますが、これまでと含めまして2年間半の民営・分社化経費の支出について取りまとめたものでございます。
 17年度実績のところ、黒い太線の下の大きな数字のところをご覧いただきたいと思います。17年度は3,148億円ということで、その2つ上のところにございますけれども、このうち、先ほどご説明いたしました日本郵政株式会社への金銭の出資が3,000億円含まれております。18年度は2,376億円、19年度の半年で1,437億円ということで、2年半で合計6,962億円ということで、7,000億円弱を見込んでおります。7,000億円弱のうち3,000億円が、先ほど申し上げた日本郵政株式会社への金銭の出資でございます。
 具体的な経費の内容につきましては、主なものとして、下のほうの枠内に記載してございます。ポイントで申し上げますと、分社化によりまして業務の流れですとか資金の流れが変わりますので、郵便、貯金、保険、共通的な財務、人事それぞれ、情報システムの設計、開発がございます。それから、訓練経費もございます。また、郵便局や本社・支社の建物に別々の会社が同居することになりますので、一番下の共通のところでございますが、郵便局のセキュリティ対策としての間仕切りですとか電気錠の設置、本社・支社の社屋の模様替えを見込んでいるところでございます。
 続きまして、6ページをご覧いただきたいと思います。郵便の業務関係の数値でございます。左上でございますけれども、中期経営目標にも目標として定められております事業経費率についてでございます。こちらは、黒丸の太線の折れ線グラフが累計の推移となってございます。4年間の目標につきましては、この黒い横の太線にございます98.5%以下でございますが、18年度末の見込みといたしましては98.6%ということになっておりますので、このままでは目標を達成できないという見通しでございますので、公社において取組を強化していただく必要があると考えてございます。
 次に、右上の送達日数の達成率でございます。これは、新郵便日数表に定められております配達日数どおりに届けられた割合でございまして、年度計画では計画値は設定しておりませんけれども、4年間の目標でございます97.0%以上に対して、過去3年の実績を見てまいりますと、いずれも、過去3年とも目標値を超えているという状況にございます。
 下のほうの郵便物の種類別引受物数の推移でございます。まず、手紙、葉書などの通常郵便物につきましては、白い四角の折れ線グラフでございますので、減少の傾向が続いております。一方で、白い棒グラフのほうでございますが、これは小包、ゆうパックですとか冊子小包等でございますが、増加が続いているところでございます。
 7ページは省略させていただきまして、8ページをご覧いただきたいと思います。郵便貯金業務関係の数値でございます。まず経費率でございますけれども、こちらも黒丸の太線の折れ線グラフは累計の推移でございまして、18年度末においても、4年間の目標であります0.52%以下を下回る0.50%となっておりますので、4年間の目標を達成できる見通しとなってございます。
 下のほうのグラフは、先ほどご説明した経費率算定の前提となります郵便貯金の平均残高の推移でございます。15年度は230兆円でございましたが、17年度の実績として206兆円ということで、減少の傾向が続いております。
 続きまして、9ページを省略させていただきまして、10ページをご覧いただきたいと思います。簡易保険業務関係の数値でございます。左上の事業費率についてでございます。こちらも、黒丸の太線の折れ線グラフが4年間の目標の5.1%以下で推移しておりまして、18年度5.09%でございますが、これも5.1%以下という目標の達成の見通しとなってございます。
 右上のほうの失効解約率でございますけれども、保険、年金ともに過去3年間、4年間の目標を達成できているという状況でございます。
 下のほうの保険の資金量の推移でございます。15年度は、実績として118兆円でございましたが、17年度は115兆円ということで、緩やかに減少してございます。
 次に、11ページをご覧いただきたいと思います。簡易保険の契約状況でございます。左下のグラフのところをご覧いただきたいと思いますが、特に、保険の契約数、契約金額ともに大きく減少している状況にございます。
 続いて、12ページをご覧いただきたいと思います。人件費についてでございます。左上の公社全体のグラフのところをご覧いただきたいと思います。17年度のところでございますが、網かけになっております棒グラフの決算値が、計画値を上回っております。貯金と保険について見てまいりますと、計画以下に抑えられているという状況ですけれども、右上の郵便のグラフのところが計画値を超えたということで、公社全体についても人件費が増加したという形になってございます。
 その要因としては、左下の枠内にございますような、さまざまな機械化、効率化等の人件費抑制の取組を行ったわけでございますけれども、それ以上に、右下に書いております人件費増の主な要因といたしましては、郵便について、その競争力強化のために、営業・集荷体制の強化ですとか、労働市場が逼迫してまいりましたので、非常勤職員の雇用単価の上昇という影響を受けまして、超過勤務手当の増として、17年度計画比、約150億円の増、非常勤職員の給与につきましても、17年度計画比で238億円の増となりまして、これらが影響したものでございます。
 続いて、13ページをご覧いただきたいと思います。物件費についてでございます。公社全体のところでございますけれども、17年度は、網かけのほう、やはり計画よりも大きく超えた状況になってございます。郵便業務と保険業務については計画以下に抑制できておりますけれども、貯金業務のところが大きく増えている状況で、公社全体としても増えた形になっております。この要因といたしましては、右下の欄にございます日本郵政株式会社への金銭の出資3,000億円の影響でございます。これは、法律によりまして政府への無償譲渡が定められたものでございますので、公社の物件費抑制の経営努力が及ばない部分かと思います。この部分を除きますと、貯金業務につきましても、また公社全体につきましても、物件費抑制という観点での取組が進んでいると言えるかと思います。
 続きまして、14ページをご覧いただきたいと思います。ここまでご説明いたしました中期経営目標の各指標の達成見込みを1枚にまとめたものでございます。黒い太枠の中で、塗りつぶされた部分がございますけれども、郵便の事業経費率のみが中期経営目標の達成が厳しい見込みですので、取組の強化が必要なものでございまして、その他については達成の見通しとなっているものでございます。
 続いて、15ページをご覧いただきたいと思います。ここから、17年度の取組の個別分野の取組についてご説明させていただきたいと思います。
 昨年、コンプライアンスの徹底につきましては、審議会でもご議論いただきまして厳しい評価を行ったところでございます。公社におきましても、同様の問題意識を持って、過去1年間の部内犯罪すべてについて、その要因を調査いたしまして、どうすれば犯罪を防げたのか徹底的に分析を行いました。その結果としまして、左のところにございますが、実施すべき施策を実施しなかったために起きた犯罪が62%ということで分析をしております。それを踏まえまして、実施すべき施策を防犯職務指針、レッドシートという形でまとめて、管理者に徹底を図っております。
 また、追加して新規施策を策定・実施すれば防止の可能性が高い犯罪が27%あったということで、防犯カメラの全局設置等の新規施策を取りまとめました防犯アクションプランを新たに策定いたしまして、それを実施いたしております。
 また、下の欄にございますように、郵便、貯金、保険それぞれの業務におきましても、事故防止、犯罪防止のための取組を進めたという報告を受けてございます。
 続いて、16ページをご覧いただきたいと思います。部内者犯罪の件数の推移でございます。左上のグラフでございますが、16年度は127件、一方17年度については134件ということで、先ほどご説明申し上げましたようなコンプライアンス徹底の取組を、昨年の評価を踏まえまして、公社のほうでも強化をしたということでございますけれども、実際に部内犯罪の件数は増えている状況にございます。また、郵便の不適正収納ですとか現金過不足事故、保険の不適正営業が依然として見られる状況もございまして、公社のほうでは、平成18年度に入りまして、さらに内部統制強化本部を立ち上げまして、全社一丸となって、全社横断的に抜本的な取組を開始しているところですけれども、その取組をさらに強化していただく必要があると考えております。
 続きまして、17ページでございます。公社における懲戒処分でございます。16年度は、公社において2,669件、17年度は2,273件ということで、件数については減少しているものの、依然としてかなりの件数でございますので、これも一層のコンプライアンスの徹底が必要と考えております。
 続きまして、18ページをご覧いただきたいと思います。国際的な協調・連携の関係でございます。左側のところですが、昨年度、16年度の総務省評価におきましては、審議会でもご議論いただきましたけれども、公社において国際分野の役割や体制強化について具体的な検討が不十分であると指摘しております。また、国際分野における公社の新たな役割を積極的に検討することを期待するとともに、国際活動体制の強化ということで、職員の海外事業体等への派遣については、効果分析等を適切に行いつつ推進していくことを期待ということで評価を行っておりまして、昨年は、取組の強化が必要という厳しい評価を行ったところでございます。
 こういった評価、課題等の指摘を踏まえまして、公社においては、国際戦略を検討いたしまして、17年度の取組状況といたしましては、ANA等との間で共同出資会社の設立等に向けた戦略的提携について合意、ANAの貨物航空子会社への出資について、総務大臣に認可申請をし、18年度に入って、本年4月に認可されております。
 また、中国事務所の開設準備を17年度に実施し、18年4月に事務所も開設されたということで、一定の国際的な役割の検討、国際戦略、特に国際物流に関する戦略の検討が見られたと考えてございます。ただ、オランダのTNTとの国際物流に関する提携につきましては、18年度に入りまして困難になったと発表されておりますので、さらに取組が必要と考えております。
 下のほうの国際活動体制の強化といたしましては、公社の国際物流戦略の推進体制の強化を主目的に、職員の海外派遣を実施しておりまして、派遣先を民間物流企業に絞り込むとともに、帰国後については国際物流部門を中心とする業務において活用するという取組が行われております。
 以上のとおり、取組が完全に順調とまでは言えないにせよ、昨年の状況より比べますと改善が図られて、おおむね順調な状況になってございます。
 続きまして、財務諸表の承認についてでございます。今のところまでが、17年度の取組のご説明でございましたが、19ページから22ページまでは、ただいまご説明いたしました利益等の数値が入りましたP/L、B/S等を添付しておりますので、23ページをご覧いただきたいと思います。
 財務諸表の承認に当たりまして、法令上の提出書類、記載事項といたしましては、まず財務諸表としてB/S、P/L等、添付書類といたしまして、 1)として事業報告書、下のほうでございますが、 2)として監事及び会計監査人の意見を提出することとしております。これらが、定められた様式によりまして必要な記載事項が記載されているかどうかが、承認に当たっての審査のポイントになります。
 続いて、24ページをご覧いただきたいと思います。審査結果でございますが、私ども事務方のほうで、財務諸表等をチェック、確認いたしまして、法令に定められた書類が省令で定められた様式により作成されていること、法令に定められた記載事項が記載された事業報告書が添付されていること、監事及び会計監査人の適正であるとの意見が付されていることから、今般、提出のございました財務諸表については、承認することが適当と考えてございますので、よろしくご審議のほどお願いいたします。
 続きまして、業績評価の関係でございます。資料の25ページをお開きいただきたいと思います。今回の17年度の業績評価につきましては、4年間の中期経営目標期間の3年目に当たるものでございます。この点をご確認いただければと思います。
 続きまして、26ページをご覧いただきたいと思います。平成17年度業績評価の基本的考え方ということで、こちらにつきましては、先ほど若杉先生からもご紹介がございましたけれども、今年の4月の分科会におきまして、ご審議、ご承認いただいた基本的考え方でございまして、この考え方に従って、今回、評価をいたしております。
 ポイントとして2点申し上げますと、まず 1)のところでございますけれども、昨年度と同様、まず公社内部での自己評価を踏まえて実施することといたしております。
 2点目でございます。 2)のところにございますが、今回は4年間の中期経営目標期間の3年目の評価であるということでございますので、平成18年度に特に取組の強化が必要と認められる項目が生じた場合には、それらが18年度計画においてどのように取り組むこととされているかを確認し、中期経営目標の確実な達成に向けた具体的な取組を進めるよう促すこととするものでございます。
 この観点から、先ほど、年度での達成状況とあわせまして、4年間の目標達成の見通しについてもご説明させていただいたものでございますし、また業績評価につきましても、その観点で行っているところでございます。
 評価結果のイメージ、下のところでございます。これは、継続性を重視しておりますので、昨年、一昨年と同様の5段階の評価を行っております。Aが中期経営目標の達成に向け、順調に取組が進ちょくしている。Bがおおむね順調、Cが取組が遅れている、取組の強化が必要であるということでございます。Dが目標の達成に向け取組が著しく遅れているということで、取組を見直すことが必要であるというものでございます。Eは目標の達成が不可能というものでございます。ここのCとDの違いでございますけれども、取組の方向性は合っているけれども、さらに取組を強化していくことが必要というものをC、現在の取組を見直す必要があるものをDとしているものでございます。
 続いて、27ページをご覧いただきたいと思います。今回の評価結果の概要を1枚にまとめたものでございます。こちらに、アルファベットで例えばB・A・Bとあるものは、15年度、16年度、17年度の評価結果を記したものでございます。黒塗りの矢印がございますけれども、これが16年評価から17年評価の推移でございますので、全体的な傾向としてご覧いただきますと、矢印が下がっているということで、より厳しい評価となっているという点がご覧いただけるかと思います。
 今回の評価の概要について、ポイントを3点ご説明いたしたいと思います。1点目といたしましては、郵便の経営の健全性の関係でございます。これは、左から2列目の上から1行目と2行目のところ、AからCになっているところでございます。郵便の利益の積立金については、4年間の目標500億円に対して517億円の見通しと、達成に向けて予断を許さない状況であるということ。また、単年度で見ても、年度計画どおりに達成できていないという状況を踏まえまして、AからCと2段階下げた厳しい評価を行っております。
 次に、郵便の事業経費率につきましても、目標達成に向けて取組強化が必要な状況でございますので、同じように2段階下げた評価を行っております。これが1点目でございます。
 2点目といたしましては、コンプライアンスの徹底の関係でございます。これは、下から2段目のところをご覧いただきたいと思いますが、公社全体については、コンプライアンスの徹底という項目が立ってございます。郵便、貯金、保険それぞれにつきましては、中期経営計画、年度経営計画の項目に分けて評価を行っておりますので、それぞれ郵便サービスの維持・向上ですとかお客様満足を高めるサービスの充実、といった項目の中に郵便、貯金、保険についてはコンプライアンスが含まれております。貯金、保険につきましては、昨年に引き続きましてCという評価を行っております。郵便につきましては、料金不適正収納の件もございましたので、BからCへということで1段階下げております。公社全体でもCという評価をいたしております。
 3点目といたしましては、右下の国際的な協調・連携の部分でございます。この部分は、昨年より、唯一評価が上がった項目となってございます。先ほどご説明申し上げましたとおり、昨年の評価の指摘を受けて、公社のほうでも国際戦略について検討を行い、一定の成果が出たということで、完全な順調とまでは言えないにしても、おおむね順調という評価をいたしております。
 続いて、28ページでございます。評価結果の推移でございます。15年度評価につきましては、Aが5項目、Bが14項目でございました。16年度につきましては、15年度に比べてAが増えて9項目、Bは減って6項目、Cは4項目に増えておりました。今回の17年度評価でございますが、Aが減って4項目、一方でCがさらに増えて6項目ということで、過去3年で見ると一番厳しい評価になってございます。Cにつきましては、先ほどご説明しました郵便の経営の健全性の観点で2項目、コンプライアンスの徹底の部分が、郵便、貯金、保険、公社全体、合わせて4項目、合計6項目がCとなっているものでございます。
 続いて、29ページをご覧いただきたいと思います。業績評価結果の概要ということで、端的な評価結果と課題を記載しているものでございます。これは、先ほどご説明したものをまとめたものでございますので、ポイントを絞ってご説明させていただきたいと思います。
 まず、財務内容の健全性の確保でございますが、一番上、公社全体のところはBということで、課題として、郵便損益の大幅な悪化、保険新契約の著しい減少等を踏まえ、郵便利用の拡大と一層の効率化、保険契約数の減少への対応等を図ることにより、恒常的に利益を生み出すことができる体質の確保に努めることが必要との課題を指摘してございます。
 次に、上から2番目の郵便業務のところは、評価結果としてCといたしまして、一層の郵便利用の拡大、一層の生産性の向上及び費用の削減を指摘してございます。
 下のほうの業務運営の効率化でございますが、公社全体としてはBでございますが、課題として、郵便業務における各効率化施策を人件費の抑制につなげる取組が必要と指摘してございます。
 一番下の郵便業務についてはCといたしまして、一層の生産性の向上及び費用の削減に努めていくことが必要と指摘してございます。
 続いて、最後のページ、31ページをご覧いただきたいと思います。サービス水準の維持・向上の関係で、上から2番目、コンプライアンスの徹底のところでございます。公社全体としてはCとして、課題として、犯罪の防止、現金過不足事故、簡易保険の不適正募集及び郵便料金不適正収納の問題を経営の最重要課題として改善に向けた取組を強化することが必要と指摘してございます。郵便、貯金、保険それぞれにつきましても、そこから下3項目について、コンプライアンスについての課題を指摘しているところでございます。
 一番下の枠のところでございますが、国際的な協調・連携につきましてはBとした上で、課題として、TNTとのジョイントベンチャーの設立に係る出資については、17年度内の認可申請には至らなかったところであり、国際物流事業進出に関するさらなる取組が必要と課題を指摘してございます。
 以上でございます。
 財務諸表の承認と業績評価結果の概要につきましては、以上のとおりでございますので、よろしくご審議のほどお願いいたします。
○森下会長 ありがとうございました。
 それでは、若杉分科会長代理からご報告をお願いいたします。
○若杉委員 先ほどご報告いたしましたように、7月27日に日本郵政公社の平成17年度財務諸表の承認及び業績評価に関して、公社経営・評価分科会で議論をいたしました。その際、特に議論になりましたところが、皆さん、お手元の資料の2−4を見ていただきたいのですが、これは総務大臣からの諮問書ですけれども、日本郵政公社の平成17年度の業績評価ということですが、それの7ページをご覧になってください。今の事務局の説明にも詳しくありましたけれども、7ページから8ページにかけてコンプライアンスの徹底という項目がありますが、その評価がCとなっているわけです。中期経営目標の達成に向けて取組が遅れている(取組の強化が必要である)という諮問が出ておりまして、これについての活発な議論が行われました。
 各委員からの主な発言内容をご紹介いたしたいと思います。
 一、コンプライアンス関係の評価について、「C:取組の強化が必要」というのは厳しいとは思えない。今後の取組を強化してもらうためには、期待を込めて、「D:取組の見直しが必要」という低い評価をつけたほうがいいのではないか。
 一、広くコンプライアンスと言っても、オペレーショナルリスクに属するミスも含まれており、これらの事務ミスは民間でも課題となっているものである。
 一、犯罪行為と内部統制の不整備から起こるミスは分けて考えるべき。例えば、現金過不足をゼロにするには大きなコストがかかり、聞こえはよいが、現金過不足ゼロは経営の目標になり得るのか、議論の余地がある。ミスをゼロにするという目標を立てるのは、かえって危ういのではないか。
 一、例えば、工場でも、事故をゼロとする目標を掲げると、事故が起こってもそれを隠そうとすることもある。
 一、「D:取組の見直しが必要」と評価すると、現在行っている取組が不適切だから見直さなければならないことを示すことになるのではないか。取組は行っていても、その効果があらわれるのに時間がかかる面もあり、Dと評価するのは酷ではないか。
 一、客観的なバックデータに基づいて評価を行うことが重要。
 一、Cを支持したい。取組のベクトル、方向性は間違っていないと思う。
 以上のような議論がありました。非常に活発な議論が行われたわけですが、経営・評価分科会としましては、このような意見を総合的に勘案いたしまして、平成17年度の財務諸表及び業績評価に関する総務大臣の諮問内容を適当と判断し、総会へご報告するものでございます。
 以上でございます。
○森下会長 ありがとうございました。
 ただいまの2件の審議事項につきまして、皆さん方からご意見なりご質問をお受けいたしたいと存じます。どうぞ、ご自由にご発言いただきたいと思います。ご意見なりご質問、ございませんでしょうか。
 柴田委員、どうぞ。
○柴田委員 ただいまのコンプライアンスの問題なんですけれども、今、若杉委員から分科会の議論のご紹介があり、CだDだというご意見があったようでございます。私もCでいいと思いますし、取組自体の方向や、先ほど鈴木室長からご説明のあった内容についてもそれでいいんですけれども、重要なのは働く人の意識改革でありますので、それについて指導するだけで本当にうまく、きちっと機能していくのかという問題があると思います。つまり、内部努力がどこまで染み通っていくかということについては、懲戒などの件数が非常に多いことを見ても、なかなか難しいのが実態ではないか。そういった意識改革について、ただ単純に通達を出せばいいという問題ではなく、もう少し総務省としてもきちっと話し合いをした上で、なんらかの形で意識改革に向けての取組をさらに強化するという方向性を打ち出すことが必要だ、と私は思いますので、その辺について重ねて要望をしたいと思います。
 以上でございます。
○森下会長 ありがとうございました。
 ご意見としてお受けしたいと思います。
 どうぞ、室長。
○鈴木総合企画室長 ご意見、どうもありがとうございました。コンプライアンスの徹底については意識改革が重要ということは、ご指摘のとおりだと思います。公社におきましても、先ほど申し上げましたような内部統制の強化本部を立ち上げていまして、今まで、どうしても郵便、貯金、保険、それぞれの業務別ですとか、本社、支社、郵便局、ばらばらで取り組んでおりましたのを、これは、ある意味、危機的な状況であると公社は認識をいたしまして、社内横断的に抜本的に取組をしようとしているところでございます。総務省といたしましても、このあたり、日ごろから、公社の関係各部門とよく話をしておりますし、それぞれ個別の事案について報告を求めて、どういった実態があったか、理由はどうであったか、どういう改善を図ろうとしているのかについて逐次報告を受けております。また、後ほどご説明いたします郵便については、経営改善命令ということで、改善措置の報告を求めることとしています。総務省としてもご指摘と同様の問題意識を持っておりまして、公社の取組を後押しして改善を図っていこうと考えているところでございますので、今のご指摘を受けまして、さらに意識改革に向けて取組を進めてまいりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○森下会長 ありがとうございました。
 他にございますでしょうか。
○吉野委員 よろしいでしょうか。
 質問も含めてなんですけれども、中期経営目標の場合に、いろいろな経費率とか事業費率ということがあると思うのですが、これから、分子と分母で両方見ていただきませんと、分母が下がっているところは経費率がすごく悪く見えますので、中期経営目標でこれを立てたことは結構だと思うんですけれども、分母が非常に下がっているところは低く見えてしまうように思いました。
 それから、出資金についてちょっとご質問させていただきたいのですが、これが物件費として計上されていまして、普通、物件費というと物の費用のように思うんですけれども、それから、資料2−1の13ページのところに計上されているわけですけれども、郵便貯金事業だけから出資されたということになっているのでしょうか。ですから、ほかの事業から全体に出資したんじゃなくて、郵便貯金事業ですね。その理由を教えていただければと思います。
○森下会長 ありがとうございました。
 それでは、省側のほうからご回答ください。
○鈴木総合企画室長 まず経費率等の関係につきましては、今、先生がご指摘のとおり、例えば貯金残高ですとか保険の資金量が減りますと、それによって数字の影響も受けますので、分母、分子ともに要因分析を図るように努めてまいりたいと思います。
 それから、物件費の部分につきましては、13ページの郵便貯金のグラフのところにございますとおり、5,881億円ということで、収入・支出ベースで見ますと、3,000億円の出資の部分も含まれております。ただ、括弧内にございますが、損益ベースになりますと出資の部分は外れてきまして、2,779億円ということになります。一方、収入・支出ベースで見たときには、出資した後に、政府へ無償譲渡を行った結果としての株式譲渡損は、会計ルールに従いますと、物件費に該当することになるものでございます。このあたりは、ここで物件費の計画値を立てたのは、物件費の効果的な抑制によって、いかに効率的な経営ができているかという観点でございますので、今、先生がおっしゃったように、物件費抑制の取組ができたかどうかという意味では、収入・支出ベースのみでなく、3,000億円の部分を除いた損益ベースで見た物件費抑制の取組についても、要因分析を行った上で見てまいりたいと思ってございます。
 それから、貯金事業から3,000億円全額が支出されている理由につきましては、郵便、貯金、保険3事業に分計する基準が総務省令において定められておりまして、そのルールに従って公社が分計した結果、3,000億円を貯金が負担するという形になったものでございます。省令に定められたルールの概要でございますけれども、まず資本合計の額の比に応じて各事業が負担することとし、その負担については各事業ごとの利益剰余金の額を限度とするというルールになってございまして、その省令のルールに従いますと、貯金が3,000億円全額を出資するという形になったものでございます。
 以上でございます。
○森下会長 ありがとうございました。
 よろしゅうございますでしょうか。
 牛尾委員、どうぞ。
○牛尾委員 ちょっと、1つ気になる部分があったのですが、資料2−1の12ページで、人件費ということで、非常勤職員を活用するという基本的な方針が出されているんですけれども、それにもかかわらず、16ページ、部内犯罪者のところで、これは平成17年度の一時的な傾向なのかどうかわかりませんけれども、非常勤職員の部内犯罪が増えている、かなり数が多くなっているわけで、いわゆる私たち消費者にとっては、本務者であろうと非常勤職員であろうと郵政公社の職員であることには変わりはないわけです。そうしますと、今後、人件費抑制のために非常勤職員を活用していった場合、コンプライアンスにおいても、非常勤職員の資質、適性の問題が出てくると思うんです。ですから、非常勤職員の教育ないしは研修をぜひ強化していっていただいたほうがいいんじゃないかということは、ちょっと、今回の数字から私が感じさせていただきました。
○森下会長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○鈴木総合企画室長 非常勤職員の活用につきましては、特に労働集約性の高い郵便業務において非常勤職員の活用を積極的に図っている結果、非常勤職員数が増えていると認識しております。しかし、非常勤職員が増えたからといって犯罪が増えていいかというと、そういうことは全くございませんで、ご意見をいただきましたとおり、利用者の皆様から見ましたら、常勤職員であろうが非常勤職員であろうが公社の職員でございますし、経営の観点で見ても、常勤職員であろうが非常勤職員であろうが、きちんと経営者として職員管理を行っていく必要があるということでございますので、教育、研修等も含めまして、非常勤職員、常勤職員を含めてきちんとした職員管理を行うよう、公社に対しましても申し伝えたいと思います。ありがとうございました。
○森下会長 ありがとうございました。
○上原委員 私も、拝見して同様のことを思っておりました。先ほど副大臣から、民営化が大変効果があったとJRの例をおっしゃいましたけれども、民営化によって合理化あるいは効率化が図られた結果、郵便に対する信頼が損なわれる事態になるとしたら、民営化の陰の部分が大きくなると思いますので、その点についても、ぜひ十分によろしくお願いしたいと思っております。
○森下会長 ありがとうございました。
○鈴木総合企画室長 今、重ねてご指摘いただきましたので、しっかりと公社に対しても伝えてまいりたいと思います。
○森下会長 他に、ご意見ございますでしょうか。
 それでは、皆さん方からご意見もいただきましたので、総務大臣諮問第262号「日本郵政公社の平成17年度財務諸表の承認」及び第263号「日本郵政公社の平成17年度業績評価」につきましては、適当と認め、諮問のとおり答申することといたしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○森下会長 ありがとうございました。それでは、そのように決定をさせていただきます。
 ただいま決定いたしました答申書の取扱いにつきましては、事務局で所定の手続に従って取り運んでいただきます。
 なお本日、ただいま有益なご意見を多数いただきました。事務局を通じ、公社のほうに伝えることにいたしたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○森下会長 ありがとうございます。では、公社のほうへ必ずお伝えいただきますようにお願いいたします。
 それでは、次の審議事項でございます。郵便の業務等に関する日本郵政公社に対する措置について審議に入りたいと存じます。なお、審議事項につきましては、7月27日に開催されました分科会での審議を踏まえ、本総会で最終的な結論を得ることとするものでございます。まず、省側から諮問事項の概要をご説明いただき、次に、若杉分科会長代理より、分科会での審議の内容等につきましてご報告をいただいた後に、質疑を行いたいと存じます。
 それでは、まず佐藤郵便企画課長よりご説明願います。
○佐藤郵便企画課長 佐藤でございます。それでは、ご説明させていただきます。
 本件は郵便の業務等に関する日本郵政公社に対する措置、具体的に申し上げますと、日本郵政公社法第60条第1項の規定に基づきまして、日本郵政公社に対し経営改善命令を行うことについての諮問でございます。
 まず、資料全体についてご説明いたします。資料3と表紙についているものでございます。めくっていただきまして、資料3−1が諮問書、次に資料3−2、横書きでございますけれども、措置の概要について取りまとめたものでございます。資料3−3は、日本郵政公社法の規定に基づきます審査結果、最後、資料3−4が日本郵政公社に対する経営改善命令案でございます。
 以上でご説明させていただきます。
 諮問書の読み上げ等は省略させていただきまして、早速、資料3の横長のものに基づきまして、措置の概要についてご説明をいたします。
 資料3−2をご覧いただきたいと思います。1枚めくっていただきまして、1ページ、郵便の業務における不祥事案と書いてあるものでございます。1ページの左側に不祥事案等と書いてございまして、3つほど、大きく報道された事案について書いてございます。千葉BeeOne内郵便局事件は、千葉BeeOne内郵便局という特定郵便局の局長が、およそ12億円、業務上横領したという事件。これは、10年ぐらいにわたって犯行があったということでございます。
 2つ目が、長岡郵便局事案。これは、郵便物の引受け時に通数検査を適正に行わなかったために、およそ19カ月の間で27億円の郵便料金の収納漏れが判明したということでございます。
 3つ目が、福岡渡辺通郵便局事案ということなのですが、これは、福岡渡辺通郵便局という特定局の局長が、郵便物の発送代行業者、たくさん差し出される業者の方に対して不適正な割引率を提示して、どうぞ使ってくださいという営業をやってしまいまして、実際に差し出された料金後納郵便物の料金を実際よりも過少に収納したということで、正しくもらえばもらえたであろう額との差が6億7,000万円に達したというものでございます。これについては、前の局長を相手取って損害賠償請求訴訟を、公社は既に起こしておりまして、今、福岡地裁で訴訟中と聞いております。
 真ん中にございますけれども、これは、公社自身も大変重要な問題ととらえて、発生時期も近いですし、問題点、通数検査がちゃんと行われていなかったといった点が類似しています。そういったことから、公社自身として防犯指導の徹底であるとか引受郵便物の検査体制の改善を行いました。その下に書いてございますけれども、小口のものについても通数検査を実施するとか、わかりやすいマニュアルをつくって、それを現場で実施することをやってきております。また、そういうことをやることについて、私ども総務省にも報告をいただいております。
 そうは言いながらも、後ほども少しご説明しますが、その後もこういった事案が続いて起こっているということがございまして、今年、私どものほうで立入検査を行いました。その結果、郵便法令とか関係通達・マニュアルへの重大な違反というところまでは行かないんですけれども、検査責任者によるチェックが形骸化しているんじゃないか、本社の支持が現場まで徹底されていないんじゃないかということが認められまして、やはり内部管理態勢が不十分であるということでございます。
 2ページ目へまいりまして、こういうようなことがあるときに、一般的にどういう措置を行政としてとれるかを整理いたしました。公社法には、61条に法令違反是正命令というのがありまして、法令その他業務方法書に違反しますと、法令違反是正命令がかけられることになるのですが、今回の場合には、公社が内部でつくった通達・マニュアルどおりにやっていなかった疑いがあるということなものですから、 1)には当たらないだろう。そうは言いながらも、 2)にあります公社法60条に定めております公社の経営の健全性を確保する上で特に必要があるということは、やはり認められるのではないかということで、 2)の経営改善命令を実施したいと思います。 3)、 4)のように、口頭、文書で行政指導をするというやり方もあるかと思いますけれども、やはり、より重い措置が必要ではないかということで、今回、ご審議をお願いしているわけでございます。
 3ページ目にまいりまして、経営改善命令の発出について整理をしたのが、この黄色い紙でございます。総務省は、これまで郵政公社に対しまして、いろいろな不祥事が起こるたびに、別後納郵便物に係る料金の適正収納とか信書の秘密の確保といった郵便の適正取扱いの徹底について要請をしてまいりました。それに対して、公社からも報告を受けております。
 ちょっと飛んでいただきまして、同じ資料の5ページをご覧いただきますと、公社から受けた報告について簡単に書いてございます。
  1)は、先ほどの千葉BeeOneの事件を受けまして、再発防止策について、平成16年に報告を受けております。再発防止策というところに書いてございますけれども、無集配局で受けた大口郵便物について、きちっとした監査をするといった指示事項の徹底。また、職員向けのわかりやすいマニュアルをつくって、そのとおりにやらせるということを、公社から聞いております。
 また、 2)のほうの信書の秘密の確保関係ということで、今年の4月の報告でございますけれども、これは、今年の春にマスコミで大きく取り上げられた件でございますが、北海道の島松郵便局というところで、市内の新入生のために教育委員会が差し出した入学通知葉書の裏側をコピーしてしまいまして、それを簡易保険の営業のために使ってしまったということで、まさに信書の秘密を侵害する事件でございました。これについても、指示文書を出して、さらにもう一度、教育を徹底しますという報告を受けておりますけれども、その後も、北海道の別の郵便局で、コピーではないんですけれども、郵便物の住所を見て、それを保険の営業に使ってしまったという件が起こっております。
 こういったことが引き続き起こっていることも受けて、先ほどの3に戻っていただきまして、総務省としては、こういった改善策について、その適正な実施が確保されていることを確認するために、日本郵政公社法58条において認められております立入検査を、5月に実施いたしました。真ん中のところですが、立入検査を行ったところ、責任者によるチェックが形骸化していると疑われるなど、内部管理態勢が不十分であることが認められました。また、これは公社が自ら報道にも明らかにしておりますけれども、長岡郵便局で、先ほどの27億円の収納漏れという事件が起こりまして、それに対して対応策をとったんですけれども、対応策をとった後でも、別後納郵便物に対しての料金不適正収納の事案は根絶に至っておりません。
 めくっていただきまして、同じ資料の6ページをご覧いただきますと、これは、公社が自ら明らかにしているものでございますけれども、日本郵政公社が設立された平成15年から、15年度、16年度、17年度の3年間にわたって、差し出された郵便物の通数確認がきちっとできていなかった不適正収納事案が9件。それから、 2)のほうにありますが、不適正な割引率を適用してしまったということで、収納が適正に行われなかった件が10件。さらに、中身等、まだ調査中のものが9件ということでございまして、対策を講じた後でも、不適正収納事案の根絶には至っていないというのが実態でございます。
 そこで、もとの3ページに戻っていただきまして、 3)のところですが、以上のことから、公社においては、別後納郵便物に係る料金、不適正収納事案の再演防止の取組、先ほど申し上げました信書の秘密関係等も含めて、コンプライアンスの徹底の取組がまだ十分とは認められないということでございます。
 また、「なお」のところですけれども、国会でも、この点が取り上げられまして、参議院の決算審議における決議において、これについては、同じ資料の7ページにつけてございますけれども、警告決議というのが政府になされておりまして、これは政府についていろいろな点での警告がなされているのですが、そのうちの1項目として、この別後納の不適正収納が取り上げられ、再発防止に向けた具体的な取組を、政府は強く求めるべきであるという決議がなされております。
 以上の点を踏まえまして、公社に対して経営の改善に対して必要な措置を命ずることが、公社法60条に基づく経営の改善、経営の健全性を確保する上で特に必要があると認めるべきということに該当すると考えられます。
 そこで、発出しようといたします具体的な命令の内容が、次の4ページでございます。5項目ございますけれども、最初の1項目目は、別後納郵便料金収納に係る二重チェック体制を実効あらしめるようにするための内部管理態勢の充実・強化。2項目目は、本社及び支社において、現場の実態を的確に把握して、適切な対応指示を行うことができるように、内部管理態勢を充実・強化させるということでございます。
 先ほど、検査の関係を簡単にご説明しましたが、例えば、私ども現場に立入検査をいたしまして、郵便局でいろいろ不備が見つかります。その郵便局を管轄する支社へ参りまして、この郵便局では、こういう不備があったけれども、支社としてはどういうふうに把握しているかと聞きますと、支社としては、点検はしたんだけれども、一応そこの局ではちゃんとできておりましたということで、支社では丸がついていたりするわけでございます。そういったところで、やはりまだ支社なり、さらに言えば本社なりが現場の実態をきちっと把握していないのではないかということが考えられますので、そこについての内部管理態勢も強化していただきたいということでございます。
 3番目については、検査の過程で判明したマニュアル自体の不備について見直す。4番については、もっと一般的に、先ほどの信書の話も含めて、コンプライアンスの抜本的な見直し、改善を図るということでございます。
 以上4項目について措置をとっていただいて、それについて具体的にどういうことをやったかを、一月以内に総務省にご報告をいただくというのが5番目でございます。
 一応、ご説明したのが事案の内容、概要、及び命令しようとする内容でございます。
 その後、資料3−3というのがございまして、審査結果ということで、法律の条文に該当するかどうかを審査したものでございます。
 資料3−3ですが、公社の経営の健全性の確保をする上で特に必要があると認めるかどうかということですが、右の事由に該当しますように、内部管理態勢が不十分である。さらに、大きな収納漏れが生じて、それについて対策をした後でも根絶には至っていないことから、経営の健全性を確保するために、再演防止の取組を徹底していただくことが必要だということで該当することになる。そして、下のほうですが、経営の改善に必要な措置であるかということについても、右側にありますように、二重チェック体制の実効をあらしめるようにすることが経営改善に必要だということで、いずれも該当するということで60条の規定は満たすと考えております。
 最後、3−4の資料は、具体的に大臣から発出させていただこうと考えております命令の内容でございまして、「記」の前の部分は、ただいまご説明申し上げた内容、「記」の後の部分は、具体的な命令の内容として今ご説明申し上げた内容でございます。
 以上、簡単ではございますけれども、公社の経営をこれからしっかりやっていただくために、ぜひとも必要な措置であると考えておりますので、どうかご審議、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。ありがとうございました。
○森下会長 ありがとうございました。
 続きまして、若杉分科会長代理より、ご報告をお願いいたします。
○若杉委員 ご報告させていただきます。ただいまの郵便の業務等に関する日本郵政公社に対する措置、すなわち総務大臣による経営改善命令ですけれども、これについても、7月27日に経営・評価分科会において審議をいたしました。
 そこで委員から出ました主な発言内容をご紹介いたしますと、民営化まで1年2カ月となり、公社から民営化会社への移行が、円滑、正確、適正に行われるかどうかが問題であり、移行過程を監督当局がしっかりモニタリングすることが重要という意見が出ました。その他にもいろいろな意見が出ましたが、そのような意見を踏まえまして、経営・評価分科会としては、郵便の業務等に関する日本郵政公社に対する措置に関する総務大臣の諮問内容を適当と判断し、総会へご報告するものでございます。
 以上です。
○森下会長 ありがとうございました。
 ただいまの審議事項につきまして、皆さんのほうから、ご意見なりご質問をいただきたいと思います。
 三宅委員、どうぞ。
○三宅委員 今ご説明があってよく分かったのですが、相当、日本郵政公社の規律が緩んでいるとしか考えられません。総務省として必要な措置をとられることは、私は当然だと思います。私がむしろ、より懸念するのは、来年10月に日本郵政株式会社が発足いたします。そうすると、おそらく、より収益重視の経営姿勢がとられるのではないかと私は考えます。収益重視ということは、それはそれで結構なんですけれども、一般顧客に対して十分な配慮がいかないというリスクを伴っている点が多いと思います。
 収益至上主義をとっている会社が、最近、不祥事を起こしていることは、昨年郵政民営化法案を審議した国会の後の総選挙後、具体的には、今年に入って、民間でいろいろな事例が出ていることでも、もう皆さん、ご承知のとおりだと思います。日本郵政がそういう方向性をとらないという保証は全くないわけであります。また、信書の秘密という――これは我々が、葉書に書いても絶対にそれが読まれないことを信用して葉書を出しているわけですから――ここのところは、先ほどの郵政公社に対する命令と、でき得れば、日本郵政に対する倫理規定をより厳しくするように総務省のほうから指示していただきたいというのが、私の希望でございます。
 以上です。
○森下会長 ありがとうございました。
 じゃ、佐藤さん、どうぞ。
○佐藤郵便企画課長 貴重なご意見ありがとうございます。三宅委員がおっしゃるとおりであろうと思います。ただいまご説明申し上げましたように、今、国営公社でございますけれども、非常に問題点があるということで、来年の10月の民営化以前に、国営公社の時代に、しっかりとした内部管理態勢を当然ながら構築していただくことが重要であるということで、今ご審議願っている命令を出すわけなのですが、そもそも郵便事業、信書の秘密についてのご指摘もいただきましたけれども、民営化後も、郵便法に基づいて適正なサービスの提供が求められるということで、そういう意味では、私どもも引き続き監督をしていくということでございますので、信書の秘密の侵害など言語道断な話は、仮に民間企業が提供しているということでも、絶対に起こしてはいけませんので、引き続き、その監督については、私どもとしても厳正に取り扱っていきたいと思いますし、今日いただいたご意見については、公社と新会社と言いましょうか準備企画会社にも、きちっとお伝えをしたいと考えております。ありがとうございました。
○森下会長 ありがとうございました。
○原口総務課長 今これから民営化までの期間が、公社自身もそうですし、その後、民営化をきちんとやるためにも、特に重要だと思っておりまして、これまで以上に、そういうコンプライアンスについての徹底と言いますか、本当にこの最後、民営化前の残る期間、これまでと同じようにではなく、これまで以上に、こういう点をしっかりやっていくことが、私どもの責務だと思っております。そういう対応をとりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
○森下会長 ありがとうございました。
 篠塚さん、どうぞ。
○篠塚委員 先ほどのお話の経営改善命令が出されるということは、基本的によろしいのではないかと思うのでございますけれども、先ほどのご意見で、ちょっと僕、意見が違うところがあるのですが、収益を追求することとモラールを維持することは、背反ではないと僕は思っております。やはり収益追求と企業のモラール、社会的責任を並行させて経営することが基本だと考えておりますので、収益追求イコール悪いこととならないような指導をぜひお願いしたいと思っております。
 それで、先ほどのお話の4ページのところで、命令の内容で、単なる意見なのでございますけれども、先ほど不祥事等にありますように、本来、17年度、208億円の当期純利益、それが26億円しか出なかったというのが実態。そういった中で、先ほどのような問題があるということは、やはり利益面で数字的にも非常に問題があったといったことでございますが、1つご意見としてお話しさせていただくと、内部管理態勢の充実は、もうご指摘のとおりだと思いますが、ある程度、企業を運営していくためには、内部監査的な機能、自分たちの機能の中に三権分立的な機能を持った上で、よそからチェックされる、これはこれで大事なことだと思いますが、内部的に監査機能をもう少し経営の中に取り入れるように、何かされたらいかがかなと思いますことが1点。
 もう1点は、特定郵便局等あって非常に難しいことかもしれませんが、同じ部署に同じ人が何十年もいるのは、僕は、人事上異常であると思います。局長さん、どうするんだというのは、難問があるのはわかりますけれども、いろいろなトラブルを防ぐためには、ある定期的な人事異動を仕組みの中に入れていくことは、牽制を含めて大事なことかなと思いますので、何かご検討していただく場面があったらありがたいと思います。
 以上です。
○森下会長 ありがとうございました。貴重なご意見だと思います。
 どうぞ、佐藤さん。
○佐藤郵便企画課長 ありがとうございました。まさにおっしゃっていただいたことのとおりだと思います。最初の収益とモラール、両方必要でございます。やはり、きちっとした利益を出していきませんと、日本全国の郵便局の郵便のネットワークは維持していけませんし、民営化した郵便事業が、収益を出しながら、かつモラールと言いましょうか内部管理もきちっとできている、両方追求していかなければいけないということで、この点については、公社なり新しい会社自身もよくわきまえていることだと思います。
 内部監査機能についてのお話がございまして、今回のいろいろな事例も、必ずしも内部監査で発覚したわけではございませんので、そういう意味では、そこで発見し切れなかったところがあるかもしれません。それについては、公社自身も、監査機能を充実しなきゃいけない。また、新しい会社のほうも、新会社になるに当たって、監査機能の充実は深く考えていると聞いております。この話も、公社、会社にお伝えしたいと思います。
 最後におっしゃった人事異動の話も、なかなかご理解いただくのに非常に難しいところがございますけれども、特定局長とかの人事の関係も含めてどうするかというのは、公社内部で、また会社も入っていろいろと今考えているところだと聞いておりますので、これについても、公社、会社に議論をお伝えした上で、考えに入れていただきたいということを強く申し上げたいと思っております。ありがとうございました。
○森下会長 若杉委員、どうぞ。
○若杉委員 ちょっと繰り返しになって恐縮ですが、今、篠塚委員が言われた、利益と間違ったことをしないということは両立することですので、これは強調し過ぎても、し過ぎることはないと思いますので、改めて、私からも賛同の意を表したいと思います。
 もう一つ、郵政には、郵政監察という厳しい内部統制の仕組みがあるわけですが、これが、この間きちんと機能していたかどうかは非常に大きな問題であると思いますので、その点の評価をできるだけ早急にやっていただきたいというのが、私の希望でございます。
 以上です。
○森下会長 ありがとうございました。
 三宅委員、どうぞ。
○三宅委員 ちょっと誤解がないようにつけ加えておきますが、私が収益主義と言ったのは、収益至上主義です。アメリカ的な収益至上主義というものの過度の追求が、いろいろな事犯を起こす種になり得るという意味で、資本主義社会である以上、収益を追求しないことは考えられないわけですが、バブルのときに、収益至上主義で日本経済が15年の不況に追い込まれた歴史を忘れてはいけないという趣旨で申し上げた次第でございます。
 以上です。
○森下会長 はい、どうぞ。
○神津委員 1つ質問と、1つちょっと意見なんですけれども。
 別後納郵便の制度を悪用しての不正というのは、郵政省時代からずっと眺めていて、どのぐらいの数の推移があったのか。そういうものが、例えばほかのいろいろな宅配であるとか、ああいうのが出てきてから増えたものなのか、あるいは公社化してから特別にそういうものが増えたのかという、ちょっと数的な推移を知りたいということが1点と、それから今、篠塚委員や三宅委員のお話の中にもありましたけれども、横領というような犯罪行為の場合は、これは全然論外な話なんですけれども、いわゆるマニュアルとかチェック態勢の形骸化であるとか、そういう管理態勢の部分で何とかできるものと。それからもう1つは、やはり先ほどから出ている競争収益追求というようなことで、ちょっと事例を見ていてもよくわからないんですけれども、不当な値引き率を適用するというものが私腹を肥やすということに入っている部分と、そういう引受量を多くするという部分と分けて考える部分というのも存在していると思いますし、信書のコピーも言語道断ですけれど、学資保険のためにということを考えると、これはまた何かそういう圧迫を背負っていたのかというようなこともちょっと考えると、収益の追求というのは当然のことだともちろん思いますし、競争の中にもっとこれから入っていくわけだと思うんですけれども、そういうことへの教育体制というんでしょうか、社会の中に、本当に今までわりと守られていたものが入っていくという中で、民営化されたらそれはそこがやることなんですけれども、その辺の意識改革というか、そういう教育というか徹底というようなものも、どちらかというと必要なのではないかなと。管理態勢や犯罪行為の抑止ということだけではないものをここに含んでいるような感じが多少いたしました。
○森下会長 ありがとうございます。もう1人、どうぞ。
○大田黒委員 今の、要するに本件の原因が何かという、収益追求との関係でどのように関連しているかという点は、やはり十分に分析して今後も対応すべきであるという今のご意見については私も賛成です。本件につきまして経営の健全化を期するために本命令を発するという点については私も賛成なんですが、ただ、この立入検査の結果、こういうふうにこういう問題が把握された結果、やはり内部管理態勢の充実・強化が中心になろうかと思うんですが、ちょっと私がよくわからなかったのは、命令の内容の4項ですね。「法令等遵守態勢の抜本的な見直し・改善を図ること」と、このように表現されているんですが、まず法令等遵守態勢というのはどういう趣旨なのか。それから、先ほどコンプライアンスの徹底についての業績評価では、一応その取組の方向としては間違っていないと。ただ、その強化・改善が必要であると。こういうCのランクに先ほど位置づけだと思うんですが。そうしますと、抜本的な見直しという趣旨がどの点をどのように見直すのか、ここがちょっと意味が、やはり注釈がないと十分に理解できないという感じがいたしましたので、その辺の質問も含めまして意見として申し上げます。
○森下会長 ありがとうございました。
 それでは、佐藤課長から。
○佐藤郵便企画課長 各委員の先生方からいろいろご意見をいただきました。若杉委員から、監察の仕組みの評価が要るということ、おっしゃるとおりでございまして、これは私どもの監察が、先ほど挙げた3つについてはいずれも監察が最初に見つけたということではなかったということもありますので、これについてはきちんと検証をして、公社とも話をしていきたいと思っております。
 三宅委員からおっしゃったように、やはり収益を適正に上げながら、郵便のネットワークを先ほど申し上げましたように維持していくということは、やっぱり両方、二兎を追うといいましょうか、2つのことをやっぱり同時に追求していかなきゃいけないというのは、これからの郵便事業としても変わっていけないかと思います。
 それから、神津委員からもご質問ございました、郵政省時代からどういうふうになっているのかということについては、ちょっと手元に資料がなくて、そういう資料があるかどうかもちょっと私にはわかりませんけれども、例えば千葉BeeOne事件のようなものは、まさに郵政省時代の平成5年からずっとあったわけで、おそらくその郵政省時代からそういった件は、やっぱりそれなりの数存在していたと思います。ただ、実際の統計等が特にはないといいましょうか、公社が発表しているのは、公社後こういうのがあったということを洗い出したということでございまして、公社としてはやはり基本的に、体質的にこういったものがあったということは自ら認めておりますので、そこはやはり、これを機会に抜本的に見直していただくべきであろうと思っております。
 意識改革の話もいただきまして、これもまさにおっしゃるとおりなんですけれども、私腹を肥やすのはもちろん悪いんですけれども、やはりやるべき営業をやる中でも、やってはいけないことをして、不正な割引料金まで提示をして営業してとってくるというのは、当然やってはいけないこと。これは仮に民営化をしても、やっぱりやっていいことの範囲というのはあって、その中を超えては、やはり幾ら頑張らなくてはいけないといってもいけないわけで、それについての意識改革というのがやはりまだまだ、本社から見ると、通達1本出して「教育しなさい」ということで終わっていたというところがまだまだ、まま見受けられますので、やはり本社、支社なりが現場までしっかりと把握をして、個々の職員に至るまで意識改革をさせるというのが重要なことではないかなと思います。
 それから、大田黒委員から最後にご指摘がございましたけれども、法令等遵守態勢の抜本的な見直し改善を図ることというのは、先ほどの業績評価の中でもCということになっているんですが、見直し改善、まさに遵守態勢ですので、コンプライアンスをきちんとやりましょうというスローガンを言い、通達1本を本社から出してということではやはりだめだろうと。やはり、個々にいろいろな機会をとらえて、いろいろなやり方で――これはまさに公社が経営の中で考えていくことだろうと思いますけれども――コンプライアンスに取り組んでいただくということで、ここに抜本的な見直し改善、要するに、単に通達を1本出すような今までのやり方ではだめですよというような意味で、見直し改善を図ることを求めているということで、コンプライアンスをやるという取組の方向性は合っているということで、先ほどのC評価にもなっているわけですけれども、それを、まさにやり方としてきちんと実現していただきたいと。今までできていないことをやっていただきたいという趣旨で4番は書かせていただいています。
 一応、以上でございます。
○森下会長 ありがとうございました。
 ほかに。
 柴田委員、どうぞ。
○柴田委員 質問も含めてなんですが、やはり内部監査の充実というのは当然やっていただくべき大事なことだと思います。これは篠塚委員、あるいは若杉委員からもご指摘がありましたのでよろしいと思うんですが、問題は、その内部監査なり監査システムをきちんとしても、今こうやって特別に立入検査を総務省でおやりになってみると、どうも形骸化している部分があることが分かってきたという点。今回は非常に異例であり重要な問題だということで立入検査をなさったと思いますし、本来であればやっぱり自主的に、特に民営化された後は当然のことながら、自分たちできちんとやることが第一義なんですが、このような例を見ると総務省が時々刺激的に監査をする、あるいは特別検査をするということも必要なのではないか。その辺についての今後のご方針というのは、佐藤さん、どういうふうにお考えなんでございますか。
○森下会長 はい、どうぞ。
○佐藤郵便企画課長 民営化した以降も、監督命令ということをやれることに、一応はなっておりますけれども、やはりご指摘をいただきましたように、基本的には会社がやはり自らの経営の中身として当然やらなければいけないことであろうと思ったわけです。そうは言いながらも、やはり郵便法に基づく郵便事業という非常に公益的な事業をやるわけですから、それは随時、まさに公社なり新しい郵便会社の取組を見ながら、必要な措置を私どもは考えていかなきゃいけないと思ったんです。基本的には、まずおっしゃるように郵便会社がやるべき話で、そのやるべき話がスタート時点でちゃんとできているために、今、公社の時代から必要な命令をやって、きちんと出させると。それが引き継がれていくということに、とりあえず諮っていただければいいなと思いました。
○原口総務課長 今の件で、もう1点よろしいでしょうか。
 今の件の関係で言いますと、ご指摘、我々は全くそのとおりだと思っておりまして、これまで、例えば貯金・保険ですと検査監理官というのがいて、そういうことをやっております。ただ、そういう意味では今、郵便はどちらかと言うと、いわゆる企画の部分が検査も一緒にやるような体制になっておりまして、まだまだ体制としては弱いと。もちろん、今はいろいろな定員の問題とか、なかなか厳しい状況の中ではありますけれども、今後、できる範囲で、そういう郵便につきましても検査の部分というのは拡充していければなと、できる範囲でそういう方向でやっていきたいと思っております。
○森下会長 ありがとうございました。どうぞ。
○針ヶ谷委員 先ほどの三宅委員さんと同じようなことになってしまうかしれませんが、民営化になって心配することがあるんですよね。といいますのは、どうしても利益追求はやむを得ないと思うんですが、特に地方に行けば行くほど、郵便配達されている方、こういった人たちの存在というのは非常に大きいと思うんですよね、一軒一軒回って歩くというのは。それが、人件費を抑制するという意味で、ちょっと過度な状況になって、そういった一軒一軒回って歩くのがおろそかになりやしないかという心配があるんですよね。それと、地方自治体が大変期待しておりますワンストップサービスですか、こういったものも、民営化になった場合にどうなのかなという心配があるんですが、その辺はどうなんですかね。
○森下会長 どうぞ、佐藤さん。
○佐藤郵便企画課長 郵政民営化に当たって、ほかの事業も含めて、やはり郵便事業サービスレベルは全体としてダウンさせないというのが基本的な進め方でございますので。もちろん、仮に今の公社のままで民営化がなくて行ったとしても、やはりいろいろ、きっぱり合理化、効率化という図る部分はあって、今までとはちょっとサービスの仕方が変わる部分はもちろんあるかとは思いますけれども、基本的には全体としてのサービスレベルは落とさないということで公社も進めているし、新しい会社もそれを引き継いでいくと聞いております。
 ご指摘のあったワンストップサービスというのは、やはり地域においては大変貴重な、頼りにしていただいているサービスだと思うんですけれども、公社・会社から聞いている限りでは、少なくともそれも今までどおり引き続き提供すると聞いておりますので、ご心配のようなことにはならないと私どもは理解しております。
○針ヶ谷委員 サービスが落ちないように、よろしくお願いいたします。
○森下会長 ありがとうございました。他にございますでしょうか。
○松ア委員 戻ってしまうんですが、命令の内容の、「法令等遵守態勢の抜本的な見直し・改善を図ること」という命令が行きますね。そうすると、そのセクションごとでおのおのが抜本的な見直し・改善を図るんですか。それはおのおのに任せる。それをフィードバックして、例えば不祥事があった3つの局では、個別に局員たちがどのように見直したらいいのか、どういう改善策があるのかを現場の一人一人が意見を出して、それをフィードバックしてというようなことはないんですか。ただ上から命令して、「改善しなさいよ」「見直しなさいよ」「はい」「はい」で終わるんでしょうかね。いつもこういうのは思うんですが、やはり現場の、特に問題を起こしたところの一局員が、本当にどうしたらいいかを考えて、うちはこうしたいというものを出して、それを上げてくる。それを全体で討議して、いいと思ったものをすべて取り入れるというようなことをしない限り、いつもトップダウンで、上からきて「はいはい、わかりました」と言って終わってしまう気がするんですが、そういうフィードバックのありようとか仕組みとか、そういうものはどうなんでしょうか。
○森下会長 佐藤さん、どうぞ。
○佐藤郵便企画課長 基本的には、これを受けて、公社が中でどういうふうに現場までの指導なり、逆に現場からの、今おっしゃっていただいたような考え方をうまくフィードバックさせるということをやるか、その辺はまさに公社が、自らの経営の中で考えていただくべき仕事であって、こういうふうにやりなさいよ、ああいうふうにやりなさいよということを細かく総務省が指導することではないかと思いますけれども、今回感じましたことは、やはり上からこう言われて、今おっしゃったように、「こうやられたから、こうやることにしなさいよ」、「はいわかりました」と。でも、実際は何かほかのことにかまけて、やったことにしておきましょうみたいなことが見られましたので、そこのところは、おそらく公社自身も、実際に現場がどう動いているかということを考えながら、本当に今おっしゃったような、現場で話し合いをして上に上げるということをやるかどうかは公社の判断だと思いますけれども、そこまで巻き込んで対応をやっぱり考えていくだろうと、私どもとしては期待をしたいと思っております。
 繰り返しになりますけれども、本社は通達を出して終わり。支社は、これまた現場に通達だか何かをつくって終わりと。あとは現場でちゃんとやれよというのでは済まないよということを、今回の命令の内容では特に表現したつもりでございます。
○森下会長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○梶川委員 皆様の意見と多少重複もしてしまうんでございますが、特に民営化に向かってというところで、ここは1ページに書かれている不祥事案というものなのでございますが、これは、ここは一括りになって書かれているのでございますけれども、これ、一つ一つ、やはりかなりある意味では意味合いの違うものなんだと思うんですね。それに対する対策、立入検査の結果のところでも、郵便法令違反というものと並んで、通達マニュアル等まで並んでいるんでございますけれども、私の場合はこういう問題を、実態組織運営上考えていかれますと、本当に法に違反するというものと、今の場合には、多分公的企業体でいらっしゃいますので、組織内のマニュアルというのもほぼ法に準ずる規範性の高いものだと思うんでございますが、あえて誤解を恐れずに言いますと、例えば最後の割引率みたいなものに関しましては、これは組織内の承認関係が不適切に行われていたと。例えば、もし民間で値引きについてある種の承認関係を得れば、こういったことは将来民営化した場合にどの程度まで可能になるかということはあり得るんだと思うんですね。やっぱり、その辺の規範性に対する位置づけ、もちろん今はこれ、独占企業でございますから、一方的に値引きというのは法令というか法律違反で、どの規範性も高いと思うんでございますが、これ、民営化という組織論理になった場合、実際にこの割引を行ったほうが売上高が上がるというケースもないではないと。ただ、もちろんこの郵便局長が1人の見識でやっていいということではないので、組織論上のきちんとした承認関係を得て、価格弾力性を考えながらおやりになるということなんですが。やっぱりちょっと、民営化に向かいまして、その辺まできちんとしたあるレベルの方に対する教育というのは含めてやっていきませんと、法令関係通達、マニュアルを全部守らなきゃいけないというのは当たり前のことなんですが、そもそも、そのマニュアル等以下の部分というのは、組織運営上どういう意味があるんだということをきちんと管理監督者にお伝えになられながら行いませんと、逆に言えば非常に硬直的な組織運営ということになりまして、それが反対に不祥事を生じさせてしまう。意味のわからないルールを守らせるというのは、どこかの部会の中でも議論があったんですが、どこかと事実関係の齟齬が出ますので。ましてや今後民営化になって経営目標が非常に二面性のあるといってはおかしいんですが、今言われた業績管理及び社会的責任という両者のほうからくる場合、やはりきちんと本来の意味をお伝えになりながら、この不祥事対策を含めたきちんとした対応を練っていかれませんと、何か実効の上がらない、総花的な業務改善という形になりかねないような気がするものですから、ちょっと逆の立場からおっしゃられる場合は非常に誤解を生じる意見だったと思うんですけれども。
 だから、真ん中の通数検査が適正に行われなかったというよりも、実は私なんかから見ると、この1番と2番と3番は、どうも本来的な意味は全然違うような気もするものでございますので、これを本当に組織外が意識して、なおかつ全体が防止される対策を本当に練っておられるのかなと、むしろ気になるぐらいでございまして、よろしくご処置いただければと思います。
○森下会長 はい、ありがとうございました。
○佐藤郵便企画課長 梶川委員のおっしゃったこと、まさにそのとおりでございます。
 まず、絶対にやっちゃいけない、例えばBeeOne事件のように、私的に横領してしまうというのはどんな組織体でも絶対にだめなわけですけれども、やはりおっしゃるように、経営が柔軟に運行できるようになったときに、じゃあどういうことは、例えばそれぞれのレベルで判断できる範囲、それから、それは絶対に本社まで上がってもだめなこと。その辺はやはり意識をして、例えばマニュアルであるとか、そういったものにもきちんと書いて、そこは組織管理なり運営管理をしていかないといけないというのは、まさにおっしゃるとおりであろうかと思います。そうは言いながらも、やはりそれ以前の話として、やはりそういったことがあるといったこと自体を現場の職員まで理解していませんと、何か上のほうが判断すれば変えていいんだから、自分で変えてもいいんだろうと、そういったレベルの、まさに野放図な、管理とは言えないことになってしまいかねませんので、そこは今のご意見もよく公社、会社にもお伝えして、新しい民営化に向けて、うまく二面性を追求することができるように配慮していくべきであろうということです。
○森下会長 ありがとうございました。数々の意見をたくさんいただきまして・・・・・・。
○須田郵政行政局長 会長、ちょっとよろしいでしょうか。
○森下会長 はい、どうぞ。
○須田郵政行政局長 いろいろ貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。冒頭、副大臣からごあいさつさせていただきましたけれども、私どもとしましては、やはり民営化を成功させるために経営基盤はしっかりしていかなければいけない。収益性は確保しなければいけない。しかし、同時に国民の利用者の方に本当に喜んでいただけるような形での見え方じゃなければいけないだろうと思っているわけでございまして、そういう中でコンプライアンスの重要性ということは、各方面からも指摘されていますから、十分考えていかなければいけないと思っています。その際、コンプライアンスを考えるに当たりまして、コンプライアンスは大事だ、あるいは法令遵守をしろというだけでなく、現実に法令遵守が守られるようにするために、まさにご意見がございましたような、どういう背景で、どういう原因で、どういうことでこうなっているのかということを、もう少しよく分析、見極めながら現実にこうした問題点になるような事態が生じないように、その際、我々は行政なものですから、経営とはまた違う立場にありますけれども、その経営の責任は経営の責任。そこで行政としてどのような形でお手伝いができるんだろうかということを考えながら対応していきたいと思っております。
○森下会長 ありがとうございました。
 委員の皆さん方から数々のご意見をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、総務大臣諮問第265号「郵便の業務等に関する日本郵政公社に対する措置」につきまして適当と認め、諮問どおり答申するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○森下会長 ありがとうございます。それではそのように決定させていただきます。
 ただいま決定いたしました答申書の取り扱いにつきましては、事務局で所定の手続に従って取り運んでいただきたいと思います。
 なお、ただいま各委員から有益なご意見をたくさんいただきました。事務局を通じ公社に伝える、また先ほど須田局長からもコメントをいただきましたように、今後もそういう意を体してお進めいただきたいと思います。
 以上をもちまして、本日予定いたしておりました議事はすべて終了いたしましたので、閉会とさせていただきたいと思います。なお、この後、私が記者会見を行い、本日の議事の模様を公表いたしたいと存じます。各委員の皆さん方、大変お忙しい中をご出席いただきましてありがとうございました。
 以上で閉会といたします。
閉会



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