事務連絡
各都道府県財政担当課
各都道府県市区町村担当課 御中
各指定都市財政担当課
総務省自治財政局公営企業課
東日本大震災に係る地方公営企業施設の
災害復旧事業等に対する地方財政措置等について
東日本大震災に係る災害復旧事業等については、「東日本大震災に係る地方公営企業施設の災害復旧事業等に対する繰出金について」(平成23年6月1日付け総財公第65号総務副大臣通知)でお知らせしたところでありますが、その詳細及び地方財政措置の内容については下記のとおりですので、各地方公共団体におかれては、地方公営企業の実態に即しながら適切な運営を期するよう配慮願います。
なお、各都道府県財政担当課及び各指定都市財政担当課におかれては公営企業関係部局及び自らが構成団体となる一部事務組合等に、各都道府県市区町村担当課におかれては貴都道府県内各市区町村及び一部事務組合等に、周知をお願いします。
記
第1 災害復旧事業
1 対象団体
本地方財政措置の対象となる地方公共団体は、特別財政援助法第2条第2項に規定する特定被災地方公共団体及び特定被災地方公共団体が加入する一部事務組合等とする。
2 対象事業
対象団体において実施される東日本大震災により被害を受けた地方公営企業施設の災害復旧事業(以下「公営企業災害復旧事業」という。)とする。
3 地方財政措置
(1)公営企業災害復旧事業に要する経費のうち、次に掲げる額の合計額について、一般会計から繰り出すことができるものであること(別紙)。なお、公営企業型地方独立行政法人の扱いもこれに準じるものであること。
ア 国庫補助負担金を伴う公営企業災害復旧事業
繰出しの対象となる額は、事業ごとに次に掲げる額の合計額とする。
(ア)国がその事業費の一部を補助又は負担する公営企業災害復旧事業の事業費の額(以下「国庫補助負担基本額」という。)から国庫補助負担金の額を控除した額に、通常の建設改良において一般会計から繰り出すこととされている割合に相当するものとして定める次の率を乗じた額
a 水道事業 1/10
b 簡易水道事業 55/100
c 下水道事業
(a)合流式の公共下水道 6/10
(b)分流式の公共下水道
次に掲げる処理区域内人口密度に応じた率
・25人/ha未満であるもの 7/10
・25人/ha以上50人/ha未満であるもの 6/10
・50人/ha以上 75人/ha未満であるもの 5/10
・75人/ha 以上100人/ha未満であるもの 4/10
・100人/ha以上であるもの 3/10
(c)公共下水道以外 7/10
d 病院事業 1/2
e 市場事業 1/2
(イ)国庫補助負担基本額から国庫補助負担金の額及び(ア)の額を控除した額の2分の1
イ 国庫補助負担金を伴わない公営企業災害復旧事業
繰出しの対象となる額は、事業ごとに次に掲げる額の合計額とする。
(ア)公営企業災害復旧事業に要する額に、通常の建設改良において一般会計から繰り出すこととされている割合に相当するものとして定める次の率を乗じた額
a 水道事業 1/10
b 簡易水道事業 55/100
c 下水道事業
(a)合流式の公共下水道 6/10
(b)分流式の公共下水道
次に掲げる処理区域内人口密度に応じた率
・25人/ha未満であるもの 7/10
・25人/ha以上50人/ha未満であるもの 6/10
・50人/ha以上 75人/ha未満であるもの 5/10
・75人/ha 以上100人/ha未満であるもの 4/10
・100人/ha以上であるもの 3/10
(c)公共下水道以外 7/10
d 病院事業 1/2
e 市場事業 1/2
(イ)公営企業災害復旧事業に要する額から(ア)の額を控除した額の2分の1
ウ 上記ア及びイについて、企業負担が当該地方公営企業の収益に対し一定程度を超える場合については、繰出しの対象となる額は次のとおりとする。
(ア)企業負担が当該地方公営企業の収益に対し一定程度を超える場合とは、地方公営企業ごとに次の算式により求めた値が100分の50を超える場合をいう。
α÷β
α: 上記ア及びイの公営企業災害復旧事業に要する額の総額から国庫補助負担金の額並びにア(ア)及びイ(ア)により繰出しの対象となる額を控除した額
β: 平年度の営業収益から受託工事収益の額及び下水道事業の雨水に係る負担金の額を控除した額(平成20年度から平成22年度までの当該地方公営企業の決算等の平均によるが、経営規模の適正化を実施することその他の事情がある場合は、当該地方公営企業が定める収支計画における額等)
(イ)上記算式による数値が100分の50を超える場合、αを次の表のとおり区分し、それぞれ右欄に掲げる額が繰出しの対象となる。
区 分 |
繰出しの対象となる額 |
βの100分の50までに相当する部分 |
左の2分の1の額 |
βの100分の50を超え、100分の100までに相当する部分 |
左の4分の3の額 |
βの100分の100を超える部分 |
左の10分の10の額 |
(2)公営企業災害復旧事業に要する経費については、「平成23年度国の補正予算(第1号)等に係る地方債の取扱いについて」(平成23年5月19日付地方債課事務連絡)によることのほか、次の地方債の取扱いによるものとする。
ア 上記(1)アによる繰出額については、一般会計において補助災害復旧事業債(充当率100%、償還期間20年以内(うち据置期間5年以内))を起こすことができるものであること。
イ 上記(1)イによる繰出額については、一般会計において一般単独災害復旧事業債(充当率100%、償還期間20年以内(うち据置期間5年以内))を起こすことができるものであること。
ウ 公営企業災害復旧事業に要する経費から上記(1)による繰出額を控除した額については、公営企業会計において地方公営企業災害復旧事業債(充当率100%、償還期間25年以内(うち据置期間5年以内))を起こすことができるものであること。
(3)上記(2)の補助災害復旧事業債、一般単独災害復旧事業債及び地方公営企業災害復旧事業債の協議については、すべて平成23年度地方債同意等基準(平成23年総務省告示第190号による改正後の地方債同意等基準をいう。以下同じ。)第二の二の1(3)エ(地方公営企業災害復旧事業)によるものとする。
第2 資金不足等に係る対応
1 対象団体
上記第1に同じ。
2 対象事業
東日本大震災による収入の減少等に伴い建設改良費及びこれに準ずる経費以外の財源に充てるため公営企業債を発行する事業とする。
3 地方財政措置
東日本大震災に伴う料金の減免や事業休止等により資金不足額(法適用事業は地方財政法施行令(昭和23年政令第267号)第19条第1項第1号の額から同項第3号の額を控除した額とし、法非適用事業は同令第20条第1項第1号の額及び同項第2号の額の合計額とする。また、平成21年度決算で資金不足額が生じている場合はその額を控除した額とする。)が発生又は拡大すると見込まれる団体は、地方財政法(昭和23年法律第109号)第5条第1号の規定により当該資金不足額に係る資金手当のための公営企業債(以下「震災減収対策企業債」という。)が発行できるものであること。
なお、震災減収対策企業債については、個別に協議を行うものとするが、その協議においては、平成23年度地方債同意等基準第二の一の2(1)等に基づき、事業継続の可能性や当該震災減収対策企業債の償還の見込み等収支計画を踏まえて行うものであること。
また、発行済の震災減収対策企業債の償還利子の2分の1の額を一般会計から繰り出すことができること。なお、当該繰出しに係る所要の特別交付税措置を講じる予定であること。
第3 被災地域の応援等に要する経費
地方公営企業の会計と他会計との間では、事務の性質又は事業の責任の帰属等に応じ費用を分担することが適切であり、東日本大震災に係る被災地域の応援等に要する経費についても、以下のとおり取り扱うことが適当である。
(1)一般会計又は他の特別会計に係る災害応急対策等について地方公営企業が応援等を行った場合には、それに要する経費を一般会計又は他の特別会計が適切に負担すべきものであること。
(2)被災した他の地方公共団体に対する企業職員の派遣、地方公営企業の物資の提供などの応援等に係る経費については、一般会計が公営企業会計に繰り出すことが適当であること。
また、災害により被災した都道府県又は市町村の要請等により行った被災団体の応援等に要した経費で公営企業会計に繰り出した額(災害救助法(昭和22年法律第118号)により災害救助費の対象とされる経費を除く。)については、所要の特別交付税措置を講じることとされていること。