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会見発言記事

新藤総務大臣閣議後記者会見の概要

平成25年5月28日



冒頭発言

 おはようございます。それでは、本日の閣議後会見を開始させていただきます。

【地方分権改革推進本部(第2回)の開催について(1)】
 まず、地方分権改革推進本部、この第2回会合を本日開催いたしました。
 本部長である総理からは、安倍内閣における地方分権改革の基本的な考え方、そして取組の方向性を検討し共有しようと、こういうお言葉を頂戴しました。
 国から地方への事務・権限の移譲について、これまでの経緯や地方の声も踏まえ、今後とも着実に推進していかなくてはならないと。関係大臣は、所管する分野における改革に、リーダーシップを発揮して取り組んでいただきたいと、こういう趣旨がありました。
 続いて私の方から、この地方分権改革有識者会議の5月15日の取りまとめを踏まえまして、個性を活かし自立した地方をつくると、こういうミッション、それから、それに続くビジョンやアプローチ、こういったものについての報告をさせていただきました。
 それから、国から地方への事務・権限の移譲等について、関係府省から、措置済みの事項を除く約100事項のうちの8割について、移譲等の見直しを行うとの回答をいただいていることを報告いたしました。
 さらに、これまでの議論の成果や各府省の回答、地方の意見等を踏まえまして、この地方分権改革の有識者会議において、まずは無料職業紹介と、更に、自家用有償旅客運送等について検討する、この2つの専門部会を設置することを報告いたしました。
 国から地方への事務・権限の移譲等につきましては、今後、各府省の回答の精査を行いまして、有識者会議や専門部会での論議を経た上で、移譲等の対象とする事務・権限について、本部において夏頃を目途にですね、一定の結論を出すことを目指したいと考えております。そして、その関係大臣には、重ねてですね、御協力をお願いしたというところでございます。

【統計におけるオープンデータの高度化について】
 それから、もう一つ。統計におけるオープンデータの高度化についてでございます。この度、政府統計のポータルサイトであります「e−Stat」で広く公開しております政府統計データについて、より高度な利用を可能とする取組をまとめました。
 現在、政府全体で、このオープンデータへの取組を推進しているわけでございますが、これらの取組をまず先導するためにも、総務省としてですね、政府統計の情報提供、これを更に高度化すると、このような取組を行いたいと考えています。
 まず第1に、「API機能」と申しまして、Application Programming Interfaceです。このAPI機能による統計データの高度利用環境の構築ということであります。これは、政府全体の統計ポータルサイトであるe−Stat、このe−Statにですね、入っている統計データが更新されると、それは、ユーザー側のシステムにその内容が自動的に反映されると。そして、統計データの高度な分析を可能とすると、こういう仕組みを入れるということであります。
 それから、第2にですね、「統計GIS機能の強化」と言いまして、これは、ユーザーが指定する任意の地域において、この統計GIS、これは地理情報のシステムですとか、その統計GISの提供情報、例えば、人口、それから世帯数などの世帯情報、それから企業数ですとか、従業者数ですとか、そういうですね、様々なデータございますが、それを地域を区切って、その中にどのぐらいのデータがあるかということを使えるようにすると。この高度な分析を可能とさせるということであります。
 それから、3つ目といたしまして、「オンデマンドによります統計作成機能・方策の研究」ということで、これはユーザーが、画面上で調査項目を選択するだけで、任意に自分たちの必要な統計表を加工・作成して、そして、それらの提供を受けられるようにすると、こういう仕組みを取り入れようということであります。
 まず、第1のAPI機能の導入を、6月上旬から試行運用を開始すると。更に、第2の統計GIS機能強化につきましても、今年の秋をですね、目途にこの試行運用を開始予定したいと思います。
 それから、統計データの高度な利活用を促進することで、これによってビジネスの活性化、それから、新規事業開発などの支援を行いたいと、このように考えておるわけです。
 それから、この統計の活用というのは、これは国家の、国家社会の基盤となる情報インフラだと思っておりますから、私とすれば、こういった統計をですね、より便利に、しかも高度に使えるような、そういう形を、総務省としてまず姿勢を示そうではないかと、こういうことで、今後もいろいろとですね、取り組んでまいりたいと思いますし、それが電子行政、政府の電子化のまず一弾としてですね、本格的な取組ができるのではないかと、このように考えているわけであります。

 私からは以上であります。

質疑応答

共通番号制度法の成立

問:
 幹事社の朝日新聞の永島です。一つ、共通番号制度についてお伺いしたいのですが、税や社会保障といった個人情報を把握しやすくする共通番号制度なのですけれども、この制度法が先週成立しました。これについての御所感を一つ。もう一つはですね、この制度では、事務の効率化で利便性が期待できる反面、個人情報の流出や不正利用の懸念といったものも指摘されていますので、どのような対策をお採りになるのか、それをお聞かせください。
答:
 まず、この個人番号制度がですね、成立したことは、誠に意義深く、喜ばしいことだと思います。国民が共有できる情報基盤というものを構築して、その中で行政の効率化を図る、そして、国民の利便性の向上を図ると。この意味においてですね、大きな展開ができるのではないかというふうに、大いに期待をしております。一方で懸念のような、このプライバシーやですね、セキュリティに関すること、これについての対策をいかにきちんと採っていけるか、また、そういった問題が発生するときに、スピーディに対処できるかという体制を整えなければいけないと、このように思っておりまして、それは制度の面ですとか、システムの面でですね、いろいろな対策を行っていきたいと。また、それはずっと続いていくわけですね。制度の運用が始まれば、更にそれに対する攻撃があると思いますし、それをまた防御してですね、対策を打つと、この繰り返しになっていくわけですので、それは情報社会の、これは、もうずっともっている問題だと思いますから、これに国民の不安がですね、出ないように、我々は取り組まなければいけないと、こういうことだと思いますし、何よりもまず、内閣官房と協力して、政府全体の取組にすること、それから、各自治体とのですね、連携を深めて、この安全性を高めて、また利便性を向上させていきたいと、このように考えています。

地方分権改革推進本部(第2回)の開催について(2)

問:
 共同通信の今井ですけれども。冒頭の分権の関係なのですけれども、国の出先機関からですね、都道府県に対して、こう事務・権限を移していくということは分かるのですけれども、一方では大臣は、都道府県をですね、廃止する道州制も推進することだと。一見すると、こう非常に矛盾しているようにも見えるのですけれども、その辺、大臣はどのように整理されていらっしゃるのでしょうか。
答:
 現状のですね、この取組、地方への権限移譲であるとか、広域規制緩和ですとか、こういったものは現行の地方制度を前提にして、その中で今、何が改善できるかということを作業していくと。これは私、明確にそう思っています。その上でですね、そういった現状における分権というものが進んだ結果と、それらを踏まえた上で、この道州制なり新しい統治のですね、制度が導入されるとするならば、それは当然、それらが入っていることを前提にした制度設計になっていかなくてはならないわけであります。ですから、この分権、権限移譲をですね、進めた、その効能というものもチェックしていくわけですから、そういったものを、現状をとらまえて、その上で、この将来のですね、新しい国と地方の形というものをつくるために取り組んでいきたいと、このように思っています。

投票率について

問:
 日本経済新聞の天野と申します。投票率について、お伺いします。ここのところ、地方選挙でですね、前回の投票率を下回るような低投票率の選挙が続いています。同列には扱えないとは思いますが、小平の住民投票でもですね、やはり低い投票率ですし、開票しないということになりました。こうした投票率の低さについてですね、御地元やですね、あるいは全国各地回られて、何か大臣として、何かこう国民の変化とかですね、有権者の変化が、変わっているなというようなのがもしあれば、お感じになっていることがあればお願いします。それで、昨日ですね、与野党の国会日程の合意で、参議院選挙が7月21日にほぼ固まりました。この投票率に関してですね、どういったことを進めていかれたいのか、お考えをお願いします。
答:
 投票率の低下傾向がずっと変わらないというのは、これ、由々しきことであって、残念だと思っています。制度を変えたりですね、それから、広報をいろいろ工夫したりして、努力をしているわけですが、しかし残念ながら、全体としての投票率が下がる傾向を止めることができないと、こういう状態があります。しかし一方で、私も自分で経験している各種の選挙でですね、争点が明確化して、しかも関心が高いものについては、当然のごとく、投票率が上がるわけであります。したがって、制度や広報面に加えて、やはりそのときの政治の問われている内容というもの、選挙の、何のために選挙をやるのかと、ここが非常に重要になってくるのではないかというふうに思うわけなのであります。したがって、今、私が感じているところでは、一般の方々の政治に対する関心というのは、すごく高まっていて、それは従来の政治、関心層もですね、随分変わったのではないかと。若い人たちもそうですし、これ、高齢者の方々もそうです。また、家庭の主婦も含めてですね、今までよりも関心は高まっていると。そういう個人的な興味をもって、この関心をもって、政治にこう参加したい、また、政治を見ている人たちは増えているのですね。それは一番の顕著な例が、ネットユーザーだと思います。ですから、私はそういうふうに、その方たちと接しているのですが、しかし、全体としては下がってしまうということであります。昔のような、ある特定の層ですとか、それから、企業活動を行っているとか、そういう、昔の投票に行く、行かないという枠は、随分変わってきているのですね。ですから、よりですね、広く国民に関心を頂けるよう、頂けると言うよりも、国民のこれ、権利ですから。もう勝ち得た権利なのですね。普通選挙を得るまでに、我が国において、この100年ちょっと、大変な努力があって、先輩方のですね、また、先人たちの思いというものがあって、今、当たり前のように誰でもが選挙権を得ているわけなのですけれども、やはりそういう意義をきちんと我々も皆さんに伝えていかなくてはいけないのではないかと。この投票率がきちんと上がった上で、そして、皆さんが参加してもらった中から選ばれて政治活動を行うと。これは、政治家、議員の基本なのですね。ですから、まず一人一人の議員が政策発信力を高めていくということが、制度やこれまでの取組に加えて重要なところではないかなと、このように思います。

モバイル通信の在り方について

問:
 時事通信の片川と申します。先週、LTEの報告をめぐって、KDDIが消費者庁から措置命令を受けた件なのですけれども、KDDIに限らず、モバイル通信の報告をめぐっては、性能とか、つながりやすさについて分かりにくいという声が出ています。大臣として、どのようになっていくのが望ましいとお考えなのか、あるいは所管官庁として、消費者庁と連携しながら、こういった取組をしていきますよというお考えがあれば、お伺いしたいと思います。
答:
 その問題はですね、やはりどんどん、この新しい技術が入ってきて、それに対してどういう対処をしていくかと。問題が発生する場合にですね、我々とのこの取組というようなものが、まだ想定してない部分であったり、新しいものが出てくると、なかなか対応がうまくいかない場合もありますね。ですから、それは不断の見直しを行うというか、そういう必要があるのかもしれません。ただ、とにかくまずは、第一に当事者からのお話を聞く、それから、当事者というのは申請する方と、チェックする方ですね、双方からのお話を聞いた上でですね、必要があれば、それは、何かの改善をしなければいけないと思いますし、そもそも、きちんと相手に情報が伝わってないという場合にはですね、その内容の周知を図ると。この両方から取り組まなければいけないと、このように思います。

郵便局について

問:
 通信文化新報の園田です。先般、全国郵便局長会の総会が行われて、大臣も代表として御参加されていらっしゃったのですが、郵便局ネットワークの将来像について、郵政グループと郵便全局の間で協議をするという話が出ていたのですが、大臣として郵便局ネットワークの将来像についてのお考えがあれば教えていただきたいというのと、後、先般の地域金融機関との意見交換会を開催されましたが、郵便局等と地域金融機関が競合するのではなくて、何か協力をしていけるような方策というのを今後お考えいただける可能性というのがあるのかということについてと、後もう一点、共通番号制度で、郵便局の将来の業務というか仕事を増やして、サービスを増やしていただけるような方向性になっていけるのかどうかということについて、お考えを聞かせてください。
答:
 何だって、一番最初が何でしたっけ。
問:
 一番最初は、郵便局ネットワークの将来像というものをどういうふうに、お考えなのか。
答:
 郵政のですね、ネットワークの将来像につきましては、これは、郵政グループが民営化をして、そして企業の価値を高めるとともに、国民から郵政民営化の実感を得ると、こういう面において、非常に重要なことだと思います。先般、沖縄に参りましてですね、本年度は沖縄県と、それから郵政グループが初めて連携協定を結びまして、そして沖縄の物産やですね、いろいろな商品をまた、それを全国展開すると、そういうふうなことを始めました。それから、私、旭川に行ったときもそういったことで、旭川の皆さんも、自分たちの特産をですね、全国に展開したいと、こういうような取組をやっています。それから、先日、週末にですね、対馬に行ってまいりまして、対馬の郵政の皆さんが、やはりいろいろな工夫をして、地元の産品を全国展開しようとしていると、こういうようなことがあるわけであります。ですから、郵便を届けるとかね、そういうユニバーサルサービスを進めつつ、全国に2万4,000の拠点があって、同じように取組ができるというこのネットワークをですね、いろいろな意味で使っていただきたいなと思っています。それは、3番目の質問であります、郵政の行政との連携。これも同じことが言えるわけなので、いろいろな工夫をしていきたいと思います。そのキーとなりますのは、ユニバーサルサービスという名の無償の奉仕でね、事業の一環としてサービスで今やってるわけなのです。そのサービスを高めていこうと思っているのですが、私は、それを基礎としながら、もう一つですね、事業として、そういうことをできませんかということを検討したらいかがかというお話をしているのです。これは、郵政だけではありません。これから日本のですね、いろいろな地方に対して、それぞれの地方が求めるサービスというのがあります。それから、それは社会的課題の解決というものが、その地方にあるわけなのですね。過疎であったり、高齢化だったり、様々だと思いますけれども、そういう、それぞれの地方の自立を支援するような、そういう社会的課題に取り組む、そういう活動を仕事にできないかしらと思っているのですね。それは、要するにNPOですとかいろいろな団体ができて、やってくれていいと思うし、それから、郵便のネットワークもですね、そういった地域に住む人たちへの生活支援を業務とするという中でですね、仕事にすることによって、持続可能性をもつわけだと私は思っているのです。ですから、利用者に大きな負担を掛けるようなことは、もともとビジネスとして成り立つわけありませんから、負担を掛けることが目的ではなくてね、利用可能な範囲で、そういった郵政のネットワークをいかしたものができれば、郵政以外の新たな人たちもそこに雇用の機会だったり、事業の機会ができるのではないかと。郵政がそのような先導的な役割を担ってもいいではないかと、これは私の願望も含めてですね、そういったお話を、時折、郵政の皆さんにはしているというところでございます。それから、地域の金融機関とこの郵便局との取扱いにつきましては、これは、少しいろいろな検討が必要だと思いますね。ですから、今、どういう方向がというようなところまで行かないと思います。根本的に役割が違えているわけですから、そこの部分はよく研究をして、検討していかなくてはいけないのではないかと、このように思います。

地方分権改革推進本部(第2回)の開催について(3)

問:
 NHKの伏見と申します。すみません、冒頭の地方分権改革推進本部の話に少し戻るのですけれども、省庁のリストが100のうち80については前向きに検討しているというような状況で、今回、具体的に大臣中心に検討された専門部会二つということだったかと思うのですけれども、この夏までの取りまとめというようなスパンの中で、どのくらいこう具体的に取り組まれるのか、あるいは総理も今日、全大臣に対してかなり前向きな検討をというようなことだったと思うのですけれども、見通しについて教えていただければと思います。
答:
 これまでですね、数年にわたる作業の中で、これは第一次安倍内閣のときから作業していることでございますので、テーブルに載せるべきものというのは、かなりもうたまっていると言うか、整理されているのですね。何を検討すべきかというのは。それをできるのかできないのか、やるべきかやらぬべきかと、そういう議論をやっているわけなのですが、私は、今回の地方分権の改革はですね、機能を明確に分離したわけですね。まず、決定する機関としての、今日行った分権改革本部というのがあります。それから、検討するためのですね、有識者会議という中で、そこの機能を特化しました。その下で、実践できるかどうか、更に個別具体のチェックをするものを専門部会というふうに分けたわけです。したがって、専門部会にかかるものというのは、これはもう最終的な結論を得るためのプロセスに入るということです。そこで、国と地方がそれぞれの、この問題に対する取組をですね、スタンスというものを示していただいて、それを第三者、客観的な評価のできる有識者を含める、そういう機関の中でですね、もんで、最終的には、この専門部会と、それから国、地方、この三者で、その場で結論を出せるところまで作業を詰めていこうと。その結論がね、方向の結論が出たところで、それを本部にかけて、これはもう総理大臣がヘッドとなって、全閣僚が参加して、そこで決定することですから、これは、もう必ず実行してもらうということになるわけです。なので、今たくさんある中から実現可能性の高いもののと言うか、検討すべき優先度の高いものからですね、そういったものを台座に載せていって、この専門部会というのは、ですからフレキシブルです。必要に応じて立ち上げ、その作業が終われば、少し休止していただき、また別のものを立ち上げというふうにですね、五月雨式に部会を立ち上げながら、必要な検討を加えていって、そして目途が立ったものからですね、決めていこうと。そして、実現させていくという形で、私とすれば、もう検討を超えてですね、実践していく、そういう段階に入っていると思っていますので、そのための、まず今回は、最優先で検討してみようではないかというのが、この無料の職業紹介と、それから自家用の有償旅客部分ですね、ここについてということになったと。検討しましょうということになったということでございます。
問:
 よろしいですか。無ければ、これで終わります。ありがとうございました。
答:
 はい、ありがとうございました。

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