総務省トップ > 広報・報道 > 大臣会見・発言等 > 新藤総務大臣閣議後記者会見の概要(平成25年6月7日)

会見発言記事

新藤総務大臣閣議後記者会見の概要

平成25年6月7日



冒頭発言

 ただ今より、閣議後の会見を始めさせていただきます。

【地域経済循環創造事業交付金に関する交付予定団体の決定】
 本日、私の方からは1点でございます。地域経済循環創造事業交付金、この事業に係るですね、交付予定団体の決定について御報告いたします。「地域の元気創造プラン」に基づく「地域経済イノベーションサイクル」の全国展開、この先行実施といたしましてですね、地域経済循環創造事業交付金と、こういった交付予定団体を決定いたしました。
 去る3月に、まず交付決定いたしました18事業、5.8億円と合わせて、全体で67事業、21.8億円を交付決定をいたしました。そして、この、私どもが事業認定をして交付いたしますこの事業に対して、金融機関から23億円の融資が得られると、こういう見込みになっております。ですから、我々の、この投資したお金がですね、効果は2.1倍となるという計算になります。 それから、この事業を通じまして、地元で雇用がされると。その人件費について、7年間で約80億円を確保することになります。したがって、地元雇用創出効果、これが3.6倍となる見込みであります。さらに、地元から調達する原材料費について、これが7年間で約130億円であります。地元の産業への直接効果、これは6.0倍と、このようになる見込みであります。
 例えばでありますが、たくさんありますので、後ほど資料は御覧いただけると思いますが、例えばですね、青森市におきましては、乾燥ナマコの加工工程で排出される内臓や煮汁、ですから、ナマコの内臓ですね。イメージしていただきたいのですけれども。そのナマコの内臓、煮汁、これはこれまで捨ててきたわけであります、廃棄していたのですが、これをですね、弘前大学が研究しまして、その内臓や煮汁に抗菌機能等の機能成分が確認されたと。そして、抽出と精製方法を確立させたことによりまして、石けんや化粧品、それから、水虫防止靴下、こういったものへの応用、これが事業化することに関しましてですね、地元の地方銀行とともに、青森市が連携いたしまして、事業化をすることになりました。これは今までの、いわゆる廃棄物だったものが、商品化をなされるというものでありまして、価格競争力もあるのではないかなと思います。約5,000万円の事業に我々が交付いたしますが、ここにも融資が2,500万円得られるというようなことであります。
 それから、神奈川の座間におきましては、まちづくりのシンボルとして整備してきたのが、ひまわりでございます。ひまわり畑のですね、このひまわりの種を豚の飼料に使うと。そして、この座間においてですね、ひまわり豚という特産品を創出するということでございまして、市のイメージのひまわり、これが定着する、そして、更に、イメージが上がっていきながら、地域の名産品の創出も図るということでございます。これも私どもの方から交付を4,000万円交付することになりますが、同じく地域のですね、金融機関から4,000万円の同額の融資を見込まれるということでありまして、これは投資効果が単純に2倍であります。そして、地元雇用創出が3.1倍、地元産業の直接効果7倍というような形で、私どもとすればですね、今回の地域経済イノベーションサイクルは、まずきっかけをつくる、それから、初動期の立ち上げに支援をすると。しかし、この地元から資金と、そして資源を調達をして、その中で自らがその地域で循環していける。そして、持続可能な経済をつくり出していくと。こういった我々は目的をもっているわけでありますが、是非こういったものを先導的な事業でありますけれども、また成功事例を紹介して、また全国の、それぞれ工夫をしたい、それから自分たちで手がけたいと思っている自治体、たくさんございますから、それらに対する支援を行っていきたいと、このように考えております。

 私からは、以上であります。

質疑応答

成長戦略

問:
 幹事社の毎日新聞の中島です。火曜日の質問とも一部重複するのですが、成長戦略についてお聞きします。この数日間にですね、産業競争力会議とか経済財政諮問会議で、政府の方のアベノミクスのですね、打ち出す方針が矢継ぎ早に大枠のメニューがですね、出そろってきているという感じがしますけれども、その中で、成長戦略について、おとといの安倍総理の第3弾のですね、打ち出しと、それから、産業競争力会議の素案の発表ですね、大枠のメニューが出たという感じがしますけれども、取りまとめ自体は14日を予定されているところだと思いますけれども、現時点では、既に一部エコノミストやですね、市場の方からですね、法人税率の引下げ、それから農地取得のですね、解禁が見送られたりと、そういう一部、やや踏み込みが足りないのではないかという声も挙がっていますけれども、大臣としては、関連する所管はかなりあると思いますけれども、このような声にどのような認識をもっていらっしゃるかということと、今後、その成長戦略の実効性を高めるためにですね、どのようにしていくか、御所見をお願いします。
答:
 私たち日本の経済をですね、復活させる、そして強い日本経済を取り戻す、そのための鍵を握るのが成長戦略であります。これまで何度かに分けて発表してまいりましたけれども、この成長戦略を具体的にいかに実践するか、そして、スピード感をもって成果を出していくということが重要だと思います。ですから、今お話がありましたように、踏み込みに欠けるとかというような御指摘があるやにも聞いておりますが、私は全くそう思っておりません。これまでですね、我が国として有効な、この成長分野というのはいくつもあったわけであります。これを今の内閣は、大切なことは、本気で実行するかどうか。そして、その成果を出せるかどうかということに掛かっているわけでありまして、私たちはその意味で、腰を据えた、今までは夢であったけれども、それをですね、実現させるのだと、こういう強い意志をもって取り組んでいるということであります。ですから、今、発表した時点で評価を得られることをねらうのではなくて、この仕事を実現させたときに、その効果が出て、初めて評価を得られるわけでありまして、その意味においては、私たちは地道にですね、着実に、しかも大胆に、今度の仕事をやっていかなくてはならないと思っております。私どもとしても、このICT成長戦略会議、それからG空間×ICT、こういった中で検討してきたプロジェクトが続々とこの成長戦略の中には入っているわけでありまして、地域の活性化、イノベーションを起こすためのICTの活用、これも盛り込ませていただきました。それから、G空間情報技術、更には、農業、健康医療、エネルギーによる地域経営、こういったこともですね、折り込ませていただきましたし、オープンデータ・ビッグデータ、更には、電子政府ですね、そしてPDCAサイクル、行政事業レビューと政策評価の連携と、こういったもの、我々が取り組んできたものが、もちろん当然でありますが、政府の戦略の中に盛り込まれております。ですから、メニューを示しつつ、まだなかなか伝えきれない部分があります。本当に事業が行われて、何を日本が今変わろうとしているのかが分かってくるし、先ほどの地域経済イノベーションサイクルではありませんが、実際に仕事が始まってお金が動いて、その地域に人が行き、物が買われ、更には、人が増え、地域が活性化する、その成果を出したときにですね、どう評価を受けるかが重要だというふうに思っておりますので、もちろん国民の皆さんに、できるだけですね、分かりやすく、そして、期待をもっていただくように、丁寧な説明は心掛けたいと思いますけれども、いかんせん、幾つもの、たくさんの仕事がですね、有るわけでありまして、これをしっかりと、我々とすれば訴えていきたい、このように考えております。

骨太方針における財政の健全化

問:
 朝日新聞、山田です。昨日、政権が取りまとめた骨太の方針についてなのですけれども、財政健全化の部分でですね、かねてから地方から懸念が出ていた地方交付税の特別枠の部分なのですけれども、今回の素案の書きぶりについてですね、大臣の受け止めをお願いします。
答:
 このですね、地財計画の特別枠の縮減・廃止、こういった議論があるわけであります。そして、昨日の骨太の素案では、緊急的に創設された歳出特別枠等も存置されていると。この危機対応モードから危機以前の状況、すなわち平時モードへの切替えを進めていく必要があると、こういう指摘があるわけですね。これは当然のことでありまして、いかに私たちは日本の経済を通常の健全な状態に戻していくかということを考えるわけですから、経済を成長させるとともに、歳出の健全化、財政の健全化を図っていく、この両方を実現させなければならないということであります。後は、やはり激変緩和をしていかなくてはならないということだと思いますし、地方財政のですね、実態をとらまえながら、我々は実現可能な策を考えていきたいというふうに思いますし、まずは先に削減ありきではなくて、地方財政が健全化すれば、必要となくなるわけですね。ですから、そのためにどうやったら地方財政を活性化できるか、健全化できるかと、こういう工夫をしながら、当然のごとく、結果は追いついてくると、私はそんなふうに考えております。

成長戦略と市場の動向

問:
 日本経済新聞の天野と申します。ちょっと最初の質問とかぶるのですけれども、大臣おっしゃるように、成長戦略を実現させて、初めて評価されるのだというのは、そのとおりだと思いますが、一方で成長戦略が打ち出される中でですね、その中で、昨日、今も現にそうですが、株式市場が大きく下落したりですね、あと円高が100円を突破して、97、8円ですかね、なったりしています。こういった市場の動きの背景、もちろん成長戦略も関係ないわけではないかもしれませんが、どういうことがあるとお考えになっているか、閣僚のお一人としてお伺いします。
答:
 経済については生き物ですから、いろいろな世界の経済の動き、それから、国内のですね、状況、こういったものが連関して起こるわけであります。私とすれば、この目の前一日一日のですね、動きに一喜一憂しないということが重要だと思います。評価いただくのは、市場の方でございますが、我々は政府としてですね、着実に、しかも意思をもって、ぶれずに前に進んでいくという姿勢を示し続けることが重要ですし、スローガンや、それからなんと言うのでしょうか、話題づくりでですね、そういったもので市場が動くとは、私は思っていないのです。なので、先ほども申し上げましたけれども、まず、方針としてこういったことをやりますということを出していて、実際の事業というのは、それの一つ一つの方針に細かくたくさんの事業が入ってくるわけなのです。ですから、それらの着実な実行というのが必要だと、このように思いますし、ここは私たちは、他の閣僚の方もそうおっしゃっていると思いますけれども、うけねらいというか、ちょっと上がったら良かった、下がったら困った、そんなふうにですね、ジェットコースターのようにですね、国を運営していいわけがないのですね。だから、そこは着実に、細心に、かつ大胆にやっていこうと、私はそう思っています。

地域の元気創造本部

問:
 時事通信の丸山です。成長戦略という意味では、地方発の成長戦略ということで、地域の元気創造本部を始め検討していらっしゃるのですが、そちらの、今、有識者会議の方で議論を重ねていると思いますが、その取りまとめの状況と見通しについてお願いいたします。
答:
 これは精力的にですね、やってまいりました。そして、今の、その地域のイノベーションサイクルの構築というのも、この元気本部の中で取りまとめているものの実践版であります。それ以外にですね、地域に対しての新しいイノベーションを起こすと。生活やサービスの革新をもたらして、それを地域単位で自立を図れるような、独自性をもった持続可能な事業をつくっていこうということが私たちのねらいです。ですので、このやり方ではなくて、何を題材とするかは、地方がそれぞれの地域で考えていただく。それは、エネルギーだったり、観光資源だったり、そして、福祉サービスだったり、また、もともとからの物産であったり、いろいろなやり方はあると思うのです。でも、今、地域の元気創造本部がやろうとしているのは、自分たちがもっている資産や資金を、どの程度の事業規模にすれば、独自運営が可能なのか。それは、自分たちのまちの中だけでいいのか、地域を越えてやった方がいいのか、若しくは、もっと絞ってやった方がいいのか。そういう事業モデルをつくっていただけるように、その正にパイロットになるものを我々はつくろうとうしているところであります。これは、かなりもう煮詰まってきていて、今年度から実証の、モデル実証が始まるものもあれば、制度をつくって、来年度から、今年ですね、計画を煮詰めて、来年から実際に仕事が始まるものもあると思います。それは、その事業の進捗や規模によって違うのでありますが、いずれにしても、この主立ったものは成長戦略や骨太の中に入れさせていただきましたので、今後はですね、この取りまとめの中のものを26年度の概算要求に出していく。それから、今年度できることは早速実施していく、こういう実行段階に入っていくということで、そろそろ最終局面を迎えていると、こういうことだと思います。
問:
 ほかに、各社さん、有りますか。無ければこれで、ありがとうございました。
答:
 ありがとうございました。

ページトップへ戻る