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会見発言記事

新藤総務大臣閣議後記者会見の概要

平成26年5月16日


 5月16日の閣議後記者会見の模様です。冒頭、新藤総務大臣から、国勢調査におけるオンライン調査の全国展開、「石油コンビナート等における災害防止対策検討関係省庁連絡会議」報告書について説明した後、経済財政諮問会議、集団的自衛権、NTTが発表した光回線サービスの卸売り、移動通信事業者の間における周波数の融通(キャリアアグリケーション)、インターネット上の忘れられる権利等について新藤総務大臣が質問に答えました。


冒頭発言

 それでは、ただ今より閣議後の会見をさせていただきます。

【国勢調査におけるオンライン調査の全国展開(1)】
 まず、本日、閣僚懇におきまして、国勢調査におけるオンライン調査の全国展開について発表をいたしました。平成27年の国勢調査が実施されるのは、来年の10月1日でございまして、後、500日ということになりました。今回の調査におきましては、我が国で初めて全世帯を対象として、オンライン調査を実施したいと思います。オンラインによる回答数は1千万世帯を超えるものと、このように想定をされまして、世界最大級の規模になります。さらに、スマートフォンでの回答も可能とするなど、我が国のICTをですね、駆使しまして、この水準を世界に示す「ビッグチャレンジ」だと、そのように名付けております。総務省では、この「ビッグチャレンジ」を成功させるための準備、また、プロジェクトチームを作っておりますが、そのためのですね、準備を進めておりますが、本日の閣僚懇におきましても、各府省に対し関係団体への周知など、御協力をお願いしたということであります。詳細は、担当課の方にお問い合わせをお願いします。

【「石油コンビナート等における災害防止対策検討関係省庁連絡会議」報告書】
 それから、石油コンビナート等における災害防止対策検討関係省庁連絡会議、この報告書が取りまとめられまた。本年1月の三菱マテリアル四日市工場の爆発事故、これは、残念ながら死者が5名ということになってしまいましたが、こういったものを踏まえて、2月から内閣官房の主導で、消防庁、厚生労働省及び経済産業省の局長級の連絡会議が開催をされ、事故防止対策報告書を取りまとめましたので、本日、公表したいと思います。報告書では、安全に係る技術の伝承や人材育成の推進、設計部門と現場運用部門の連携強化、経営トップによる保安へのコミットメント等の事故防止のために、事業者が取り組むべき事項を示しました。また、消防庁では並行して、学識経験者、関係省庁、危険物関係業界団体等と協力しまして、事故防止や更なる安全意識の高揚を図るための「事故防止安全憲章」をまとめております。関係業界に対し、3省庁連名で、これらを踏まえた事故防止の取組を要請したいと思います。加えて、事故防止対策を連携して推進するため、審議官級の3省庁連絡会議を設置をいたしました。引き続き、関係省庁が緊密に連携し、事故防止対策に取り組んでまいりたいと存じます。詳細を、この後に事務方から説明をさせていただきたいと思います。

 私からは以上であります。

質疑応答

経済財政諮問会議

問:
 幹事社、共同通信の蒔田です。幹事社からまずお伺いします。経済財政諮問会議で近く地域活性化に関する議論が行われるようですが、大臣としてどのような提案をしようと考えているのかお聞かせください。
答:
 はい。経済財政諮問会議において、今後2020年に向けた戦略的課題として、「地域再生を牽引する強い地域経済構造」といったテーマで議論を行う予定になっています。この、私どもとすれば、正に地域の活性化、総務省であり、また、内閣官房、内閣府の地域活性化担当としてですね、我々が担務させていただいているところであります。この人口減少社会、それから、過疎化と都市問題と、こういったものが共存する我が国にあって、この地域活性化というものが解決の大きなキーワードになると思います。その地域活性化を果たすために、まずはそれぞれの町において、自分たちの希望する、また、自分たちが挑戦可能な、そういう街づくりの計画というものが必要だというふうに思います。その地域活性化の自分たちのテーマを決めてですね、それを実現させるために必要な様々な制度や環境を、我々は整備をしなくてはいけないと思うわけで、その一つは、この分権であります。ですから、地方分権の、今回ですね、手挙げ方式、提案募集方式ですね、そういったようなものを入れて、地域の個性を活かした自立性を高めるための、新たなる規制改革も行っていこうと、このようなこともしておりますし、また、街づくりの関係、地域活性化の仕事は、各省に及びます。したがって、既に政府の中に、この地域活性化のプラットフォームというものを設けて、事業が始まっておりますけれども、こういう横串を刺して、横断的、重層的に国が支援を行うと、こういう体制を作るべきだということを、さらに強化すべきだということを提案しようと思っています。また、私は、キーワードとして重要なのは、その地域の活性化は、一体誰の手によって行われるべきなのか。もとより、地方、その地域の住民や団体が主になって行うわけであります。では、誰のお金で成り立つのかと。これも、国がお金を出し続けるだけでは、これは立ち行かなくなることは目に見えておりますし、公共投資、公共事業中心の事業のみで活性化が完成するわけではありません。国は必要な支援を行うと共に、やはり自分たちでお金を調達する、民間、地域の資金を活用する。そして、それは返さなければいけないお金ですから、当然持続可能であって、また、事業採算が成り立つもの、こういった仕組みを取り入れることが重要だと思っています。もちろん、あらゆる部分において国が支援をすること、また、いろいろですね、制度を整備することは前提においてでありますが、私はそういう、地域の自立性を確保するためには、地域が自分たちで工夫をするということを、今まで以上にですね、取り入れていただきたいと。また、そういう仕組みを作ろうではないかということを申し上げようと思いますし、その意味で、今、国会の方で御議論いただいておりますが、今回の地方自治法の改正は、そのための提案の一助となるものであります。それに加えて、今回の広域連携ですとか中枢都市圏構想は、いずれも、公共団体、地方自治体の取組なのですね。私はそれに加えて、その先に、地域住民が参画をする、そういう街づくりの組織が必要だと思っています。地方自治体と共に、その地域にお住まいの皆さんが、自分たちの意志によって更なる別の知恵を出していく。そして、議会や自治体と連携をする。こういう仕組みを作ろうではないかと。これは、シティリージョンという考え方です。それを私はいろんな制度の中にちりばめているわけでありますが、そういったもののですね、推進についても、提案をさせていただきたいと思います。総括して言えば、一つ一つの地域の元気をたくさん作って、その元気の塊をもって日本を元気にしていく。それは、将来の人口減少社会の、それぞれの対策にもなるし、地域の再生にもつながっていくと。こういうシナリオを作りたいと思っています。

集団的自衛権

問:
 日経新聞の飯塚です。集団的自衛権のことでお伺いしたいのですが、昨日、有識者懇談会が、憲法解釈を変更し行使を容認することを求める報告書を安倍首相に提出いたしました。それを受けて、首相も記者会見で、行使容認に向けた政府としての基本的方向性を示したところです。このことについての大臣の率直な受け止めと、また、昨日の説明等で現時点で国民の集団的自衛権に対する納得が得られているとお考えでしょうかを、お聞かせください。
答:
 国家にとってですね、安全保障というものは、これは国家存立の基盤になるものだと思いますし、何よりも政府は、国民の生命、そして、財産、身体、そういったもののですね、安全と自由を確保することが基本になるわけです。その意味において、私たちは、自民党としても、集団的自衛権の問題についてはずっと研究してまいりましたし、様々な研究もしてまいりました。そして、この安保法制懇において御議論がいただいて報告書が出た。それを受けて、総理が昨日御発表されました。それは、私ども内閣の統一した方針であり、安倍総理のお考えに私たちも賛同して一緒に内閣を作っているわけでありますから、これは非常に良かったのではないかと、このように思います。そして、一方で、この平和な日本においてですね、なかなか、安全保障の問題が真剣に議論される、国民生活に直接影響が及ぼしているかというと、及ぼさないことがいいことなので、平和であることが一番ですから、が故に、なかなか、細部にわたる理解や、また、関心というのが高いとは言えないと思います。ですから、こういった、この今回のことを機にですね、国民的に議論をし、また、皆様に御理解いただけるように説明をしていくこと。その責任は我々が果たさなければいけないことだと思うし、今後、国会での議論も含めてですね、いろいろな広い角度からの議論になると思いますけれども、そういうことをやっていくことが、私たちの安全な国に更に強化されていくということだと思います。

NTTが発表した光回線サービスの卸売り

問:
 毎日新聞の横山と申します。先日ですね、NTTさんが光回線の卸事業を始めると発表されました。これに対するですね、受け止め、期待も含めて受け止めを教えていただきたいのと、この場合、NTTドコモさんが固定通信ができるようになるとNTT側は言っているのですが、それに対する、もし何か乗り越えなきゃいけないような課題とかがあれば教えてください。
答:
 具体的な事業内容はこれから検討するということですが、NTTが発表した光回線のサービス、卸売りということについて、これは一般論としてですね、新しい、多様なサービスができることは、私はこの国の経済成長にも資するものであって、歓迎をしていいのではないかと、このように思っています。しかし、通信事業の分野においては、やはり公正競争の確保ということは重要なポイントでもあります。ですから、光ファイバについては、回線の78%がNTT東西が持っている、こういう状態でですね、新たなサービスをすることに関しては、やはり公正競争の確保、こういったものを留意する必要はあるだろうし、当然そういったものも、検討と言いますか、調整がなされた上で、今後の具体的な事業になっていくのではないかなと、このように思っております。したがって、光回線の卸サービスとNTTドコモのですね、携帯電話のセットの割引、これも実施するかどうかも含めて、今後、具体的な内容が出てくるのではないか。今の現時点でのコメントはしようがありませんが、いずれにしても、どういうサービスが行われるにしても、ただ今申し上げたように、新しいサービスで経済を成長させると共に、十分にですね、公平性が確保された事業にならなければいけないと、こういうことを我々はよくよく捉えていきたいと、このように考えております。

移動通信事業者の間における周波数の融通(キャリアアグリケーション)

問:
 共同通信の宮毛と申します。2点、大きくあります。よろしくお願いします。データトラフィックについてなのですけれども、ここ数年増えてきているという現状についての御認識と、後、総務省さんとしてどういった対策されるか。その中で、今日の今朝の朝刊でもですね、電波の共同利用と、違う会社同士での話が出ていましたけれども、その検討状況についてもお伺いさせてください。これをまず1点お願いします。
答:
 これは、キャリアアグリゲーションのことですね。まず、データトラフィックについては、これはどんどんと増えていると。それは、これから更に大きくなるであろうし、当面は、まずオリンピック・パラリンピック、この2020年に向けてですね、私どもはそういったものにきちんとした対策をとらなければいけないと、このように思っています。それはいろいろと、技術的な問題と、それから、環境整備といいますか、そうしたことを双方から研究していくべきであって、日々そういったものをやっておりますし、総務省の中のいろいろな審議会ですとか、懇談会の中で御検討をいただいていると、こういう状態であります。
 それから、携帯電話事業者へのいわゆるキャリアアグリゲーションですね、こういったものを、今、検討しているという事実は、私も承知をしておりますが、そういったものも含めて、今、電波政策ビジョン懇談会と、こういうものを設けて、これからのですね、新しい展開に向けて、どういう姿が必要かということを御検討いただいているわけであります。その検討の中の一つとして、今、項目として上がっているのは承知しておりますが、具体的にどうするかについては、まだこの検討の成果を見守りたいと、このように思っています。

インターネット上の忘れられる権利

問:
 後、もう1点、別の話でお伺いなのですけれども、先日、EUの司法裁で、スペイン人の男性がグーグル社に対して訴えた話でですね、訴えが認められたということです。内容として、男性の御自宅が、昔、競売にかかっていて、それがネット上にずっと残っていて、それが消えないということで、いわゆるネット上の忘れられる権利というものが認められたということになると思うのですが、こちらについての御所感と、後、総務省さんでも、ここ何年かですね、こういった、忘れられる権利というものについては研究をされてきたと思うのですけど、大臣として、今の、この忘れられる権利についての導入等を含めての御所感というか、そのお考えをお伺いさせてください。
答:
 ただ今の件は、判決については報道等で承知をしております。そして、ビッグデータ、とりわけパーソナルデータ、これにつきましては、利用価値が高い一方で、データの利活用とプライバシー保護と、この両立をしていかなければいけない。その環境整備が極めて重要でありますし、ここができないと進まないという意味においては、ビッグデータ活用、オープンデータの活用ですね、こういったものについては、今、ルール作りを急がなければいけないと、このように認識を、今、しております。昨年の9月から、政府におきましても、IT戦略本部の中でパーソナルデータに関する検討会と、こういうものを設けて具体的な検討を行っておりますし、来月ごろまでには、個人情報保護改正を内容とした大綱が取りまとめられるのではないかと、このように承知をしております。そして、今の、いわゆる忘れられる権利というのでしょうか、そういったものについては、まだ日本においてはそういった権利というのは確定されていないわけですから、まず、諸外国において、国際的な場面でですね、どのような状況になっていくかということ、それは私どももよく把握をしていきたいというふうに思いますし、今後の勉強、検討課題ではないかなと、このように思います。

国勢調査におけるオンライン調査の全国展開(2)

問:
 NHKの伏見ですが、大臣の方から御発表のあった、このビッグチャレンジなのですけども、1千万世帯という、その積算根拠の部分と、改めてその、これだけ大規模なことをやることの意義について大臣の方から御所見をお聞かせ願えればと思います。
答:
 はい。これは、私もですね、直接これをやろうということで、統計の皆さんといろいろと話していく中で始まった、正に国勢調査のビッグチャレンジでありますが、総務省統計局もビッグチャレンジなんですね。で、私たちが目指すべきは電子社会です。ですから、行政の電子化を徹底的に進めようと、私はそのように考えて、自治体も含めて、この行政機関の電子的な処理というものをですね、追求していこうということを申し上げております。その中で、最も定性的に、しかも、相手が分かっていて、処理をするというのが統計なのですね。だから、統計部門でどこまで電子化をやれるのか、追求しようじゃないかという、ずっと議論をしてきました。そこで、今、一番の大きな目玉としてですね、国勢調査におけるビッグチャレンジをやろうということになったわけであります。この1千万世帯が、これは想定でありますので、そこに限ってやるわけではありません。そうではなくて、まず、オンライン回答をやりますのでどうぞ皆さん御参加くださいと。国民の皆さんに広く呼び掛けて、まずは、オンラインの調査をやるのです。オンライン調査をやった方々は、どなたがやってくれたかがすぐ分かるようにしている。で、そのオンラインの調査に参加されない方のところに郵送です。郵送なり、それから、調査員がお届けをすると、調査票をね。で、受け取った調査票も、郵送で返送することも可能にしようと思うのです。そうすると、戻ってきた、郵送で戻ってきたお宅も、我々が瞬時に把握できるようにしようと。そうすると、そこにもすべて電子的な処理をするわけです。それによって、残った世帯に、今度は個別にまた調査を、調査員がお願いに行くとか、そういうふうにですね、単にオンラインの調査をするだけではなくて、プロセスに、できる限りの電子化を入れて、そして、効率化を図ろうということです。したがって、紙代、郵送代、それから、調査員がそのお宅に出かけて行って、国勢調査の場合は何度も行かなければいけない場合もあります。ですから、そういう人件費、交通費、こういう諸々の経費がカットできることになると思いますし、少し調査項目が多いのですけれども、スマホでも回答可能にするということになっているわけです。したがって、これが1千万を超えるか、また、もっと大きくなるかは、国民がどれだけ参加していただけるかということになりまして、私はそれを広く呼び掛けようと思っています。で、国民が今度の日本の基礎となる国勢調査に参加していただければいただけるほど、国家の税金が使われずに済むということになりますね。経費の削減は国民参加によって可能になると、こういう仕組み。だから、役所もチャレンジするけれども、国民の皆さんにもチャレンジしていただけませんかと。これまでにおいて、1千万世帯を超えるオンライン調査というものを行われた国はございませんので、これはビッグであり、世界で一番のですね、電子調査ができるのではないかと。これを追求していこうということでございまして、この間、私がちょうどあちらの新宿の方の庁舎に参りまして、そこのメンバーと一緒にですね、頑張ろうというので、みんなで写真を撮ったのですけど、とってもいい顔で盛り上がっていますけど、大体において統計局というのは縁の下の力持ちで、おとなしい人が多いのですけど、今回は是非ですね、前面に立って電子政府の最先端を統計が行けと、こういうことでみんなも張り切ってくれていると、こういう状態でございます。
問:
 よろしいでしょうか。では、ありがとうございました。
答:
 はい。

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