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会見発言記事

新藤総務大臣閣議後記者会見の概要

平成26年8月29日


 8月29日の閣議後記者会見の模様です。冒頭、新藤総務大臣から、平成27年度総務省の概算要求等、「労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果」、4K・8Kロードマップ、グローバルコミュニケーション計画に関する新たな動き、石油コンビナート等における自衛防災組織の技能コンテスト、地方分権改革に関する提案募集について説明した後、ふるさと納税等について新藤総務大臣が質問に答えました。


冒頭発言

 はい、おはようございます。それでは、本日の会議後会見をさせていただきます。今日は私の方から6本ございますので、少しお時間を頂戴いたします。
 
【平成27年度総務省の概算要求等(1)】
 まず、本日、提出を予定しております平成27年度総務省の概算要求等についての御説明をさせていただきます。
 安倍内閣といたしましては、まず、このデフレを脱却をして、そして、景気の好循環、これを拡大するための政策に取り組まなくてはいけないと、このように考えているわけであります。そして、その先には、我が国の国家的課題であります、この、少子高齢化、更に、人口急減、減少社会と、この克服に資する、そういった政策をですね、今から取り組んでいく必要があるということであります。
 そのために、まず、まち・ひと・しごとの創生によりまして、地方の創生と人口の減少の克服を図ること、これが大事です。また、それぞれのサービスや、今までの技術を組み合わせをして、そして、ICTを加味することによってイノベーションを起こすと。こういうことによってですね、高付加価値な財やサービスの提供、こういったものを実現したいというふうに考えています。また、若者や女性を始めとして、あらゆる人々が活躍できる、そういう地域社会というものも作っていきたいと、このように考えているわけです。さらに、地デジ、4K・8K、そして、ICT、これに加えましてですね、郵便のシステムですとか、行政相談のシステム、こういったものも含めて、我が国が誇るノウハウや技術、これは国際展開をしていこうではないかと。その中から新たな経済のステージというものも作っていきたい。こういうことを考えておりました。これらを織り込んだ概算要求にさせていただいているわけでございます。
 それに、これらのですね、仕事の一つのマイルストーンとして、2020年、オリンピック・パラリンピックに向けましての東京大会の成功と共に、世界中の方々が日本においでになり、注目を頂くわけでありますから、その時に、私たちの様々な政策が花を開いているように、そして、皆さんにしっかりとアピールできるように、そういったものも目標として組み込ませていただきました。こうした課題を対応するために、2015年の総務省のミッションとアプローチと、こういうものをまとめさせまして、それに沿いまして、各要求を作ってきたと、こういうことでございます。
 この27年度の予算概算要求につきましては、各施策の実行に必要となる予算を中心に、一般会計の総額が、16兆9,105億円を要求することにいたしました。
 ローカル10,000プロジェクトの推進ですとか、地方中枢拠点都市圏の形成、それによる広域連携の推進、また、地域おこし協力隊の大幅な拡充による地域の自立促進、こういった活力ある地域づくりに向けた新しい成長を実現するための施策、これをまず要望をいたします。
 それから、農業、医療、教育、防災、そして交通等々、海洋資源も含めてですね、あらゆる分野におけるICTの利活用を促進していこうと。さらには、宇宙空間、通信衛星、衛星通信をですね、活用いたしましたG空間プラットフォームの構築、それから、グローバルコミュニケーション計画の推進など、ICTによる地域の課題解決、地域経済の活性化、そして、このオリンピック東京大会における世界最先端のICT環境の実現、このためのですね、施策を推進したいというふうに考えています。
 さらに、地方の安定的な財政運営に必要となる地方交付税等の一般財源総額を確保すると。このことは、私たちは必ずやらなければいけないことでありますけれども、そのために、地方交付税出口ベースについて、16兆円を要求をしています。
 それから、東日本大震災からの復興の着実な推進、南海トラフ、首都直下地震等の災害に備えた国民の命を守る消防防災行政の強化・推進、それから、行政のICT化の推進、公会計制度の高度化、また、ビッグチャレンジと私は呼んでおりますけれども、国勢調査の実施、それから、マイナンバー制度の導入などに係る諸経費を織り込んでおります。これらを着実に実行するために、必要な事業には必要な額を確保する。したがって、それは、総務省の中でもスクラップ&ビルドをやろうということで、弾力的かつメリハリのある要求をさせていただいたつもりでございます。
 さらに、地方創生でございますが、これは冒頭申し上げましたように、我が国の喫緊の課題であって、かつ、それは国家的課題を解決する長期的な目標でもございます。ですから、人口減少、少子高齢化の問題についてですね、これを思い切って取り組んできたと。それは、一律の制度ではなくて、1,718通りの市町村に合わせた施策が必要ではないかということで、地方の自由度、それから、自立性をどう高められるか。もう一つは、これらの仕事がですね、全省庁的に、政府としていかに横断的、重層、総合的なパッケージ展開ができるか。この二つがですね、地方創生の成功させるための鍵だと私は思っているわけでありまして、各府省庁の縦割りを排除するならば、予算上の縦割りもまず排除していかないと、これは実現できないのですね。それから、自由な申請を、地方からの自由な発想で、そして、自主的な提案をしていただくとするならば、それは、従来の制度を組み合わせた、そういう枠組みがないと駄目だと、こういうことになるわけであります。そのためにですね、まず私とすれば、一つ財源を伴って新しい事業を興そうということを、今回提案をさせていただいております。それは、地方が行う、これからやろうとする地方創生の事業に対する交付金の制度を作ろうと、このように提案をしているわけであります。これは、地域活性化担当大臣として、事項要求として盛り込まさせていただきました。これは、少子化対策とか、それから、起業ですね、業態を起こす起業、それから、雇用とか、こういったものを中心に、ソフト事業を考えていただいて、それに付随するハードは認めます。しかし、いわゆる従来型の公共事業はこの枠には入らないと。こういう考えで仕分けをさせていただきました。この、新たな、地方が自由に提案できる交付金による事業、これをですね、これを確実な財源を確保するために、2分の1は交付金で出します。2分の1は地方交付税を拡充いたしまして、地方交付税の中に新たなそういった地方創生の事業枠というものを作ろうというふうに考えているわけでございます。この財源を安定的に確保するためには、私たちの長年の悲願でもあります、地方交付税の税率の引上げ、このことも併せてやっていきたいというふうに思います。大体、額で言うと、交付金が初年度2,000億円、これで5年間程度を考えようと、1兆円になりますね。それから、地方交付税については27年度の概算で約1兆円を考えたいと、このように思います。その中に、地方創生枠と合わせて、これまで私どもがやってまいりました地域の元気創造事業費ですとか、それから、地域おこし協力隊の拡充ですとか、そういったものも、この枠の中でですね、きちんと見られるようにしようということでございます。この、交付金と交付税を組み合わせた、そういう財源スキームによりまして、自由度を高めながら、自治体とすれば申請は1本で済む、政府側がその申請を受けて、政府の方で地方創生本部の方で各省といろんな調整をしながら執行を図っていくと、こういうことをですね、やりたいと思っています。それから、やはり成果をきちんとチェックしながら、目標達成できているかどうか、事業進捗を確認しながら、この仕事は進める必要がありますから、その意味でも、私たちの地方交付税の制度というのは、非常にそこで有効に機能するのではないかと、このように考えるわけであります。これだけ大きな交付税の増額を考えているわけですから、その反面ですね、臨時財政対策債の発行、これはもうしなくても済むような形で頑張ろうというのが一つです。それから、リーマン後に入れておりました、危機対応モードとして項目を作っておりました、歳出特別枠ですとか、歳入別枠加算ですとか、こういったものは、これはもう削減し、また、こういったものを廃止する。こういう方向で見直しをしていこうではないかという、併せてのですね、そういったことを考えているわけでございます。
 それから、次に、財政投融資を活用いたしまして、我が国のICTの国際展開を支援するために、通信・放送基盤、そして、サービス・コンテンツのパッケージで海外展開する場合に、この産投出資を活用した支援スキーム、新たな機構を作ろうということも、提案をさせていただいております。約340億円規模の財投要求をですね、させていただいております。これは、昨年の6月までに開催していただきました「ICT国際競争力強化・国際展開に関する懇談会」における最終提言を頂いた、その中にも織り込まれているものでございます。この、昨年のですね、懇談会の提言の柱に「国際展開に資する資金供給等の仕組みの整備」、こういったものを受けて、そういった提言を頂いておりますので、この具体的なものをですね、どうしたらいいかというのを研究し、そして、関係企業、金融機関等の意見も聞きながら検討を進めてきて、今回の要求になりました。この要求が政府予算案として認められるならば、来年の通常国会に、関係のですね、産投出資先の組織の業務ですとか、監督を定めるための所要の法律を出したいと、このように考えております。私どもとすれば、ICT分野、このトップセールスを含めてですね、国際展開、正に世界展開をさせていただきました。ですから、今後ですね、これらの実現のために、ODAに加えて、直接私たちも民間企業への政府出資という新たな支援ツールを設けて、ICTの国際展開に拍車を掛けたいと、こういう思いがございます。
 
【労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果】
 続きまして、本日の閣僚懇談会におきまして、私の方から労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果についての発言を行いました。内容は既に統計局から公表させておりますし、皆様方に御案内のことと思います。
 
【4K・8Kロードマップ(1)】
 それから、次にですね、4K・8Kのロードマップについてであります。総務省におきましては、昨年の6月、策定しました4K・8Kロードマップ、この内容の更なる具体化、そして、加速化をさせるために、本年2月より4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合というものを開催してまいりました。本日、この会合の中間報告が取りまとめられることになっておりまして、その概要を発表させていただきたいと思います。
 ポイントは、まず、3点ございますが、CSによる4K本放送開始を1年前倒しをいたします。さらに、2016年にはBSによる4K・8Kの試験放送を開始するということでございます。そして、3点目、ケーブルテレビやIPTVにおいて、2015年に4Kの本放送を開始すると。このことを取りまとめをしていただきます。
 これらの前倒し、できることになりました要因と言いますのは、技術の進歩、それから、必要予算の確保というものがございます。私が大臣に就任しまして、4Kが2年、8Kを4年、前倒しをさせるということで予算投下をしてきたわけでありますけれども、こういった物理的なものに加えましてですね、本年6月に、ワールドカップに合わせて4Kの試験放送を行いました。それらも機に、関係者の熱意が非常に盛り上がって、業界も含めてですね、やる気と熱意が高まった。それによって、もっと早くに実現しようと、こういうふうに、気持ちが、意識がまとまり、高まったことが最大の原因だと、このように思います。
 それから、4Kテレビの販売も非常に今、好調でありまして、ある民間シンクタンクの普及予測によりますと、2020年には4Kテレビの世帯普及率が50%を超えると、こういう報告もございます。国民の期待が4K・8Kに対してですね、大きく高まってきていると、こういったものも踏まえて、ロードマップを前倒しをいたします。そして、我々とすれば、2020年に本当にこの私たちの今の目標が達成できるように、そして、それが更にですね、拡大していくようにしっかりと取り組んでいきたいと、このように考えております。
 
【グローバルコミュニケーション計画に関する新たな動き】
 それから、グローバルコミュニケーション計画。これは、世界27カ国語、現時点において、瞬時にして自分の言葉をスマホを使って翻訳できる。そして、それが音声でもって発信できる、こういう仕組みでございますけれども、本年4月に私の方からこの計画について発表させていただきました。
 今回ですね、私どものNICT、情報通信研究機構の音声翻訳システム、これがVoiceTra4Uというアプリがありまして、これは無料で、無償で今、皆さんにお使いいただけるように、実験用ですけれども、提供されています。このVoiceTra4Uはですね、NTT−BP社の御協力いただきまして、外国人旅行向けスマホのアプリ、「Japan Connected−free Wi−Fi」と9月から連携をすることになったわけであります。
 このアプリはですね、日本に来た外国人の旅行者が、国内に約8万2,000か所あります無料の無線LANに、ログインの手続を1回1回せずに、一度手続をすれば、自動的にですね、無料公衆LANには接続できると。こういうアプリなのですけれども、そのアプリの中に、VoiceTra4Uが起動する翻訳ボタンを配置することで、外国人が来て、Wi−Fiに接続するアプリ、接続が簡単になるアプリに入ってくると、そこにVoiceTraのソフトが入っていますので、これを押してくれればですね、VoiceTraが体験できると、こういう仕組みにしたわけであります。
 それから、今までこのVoiceTraは、iPhoneのみで使っていただいていたのですけれども、今般ですね、Andoroidのスマホでも利用可能になります。VoiceTraをどんどん使っていただく、今、京浜急行ですとか、いろいろな鉄道、公共機関で、今、試験的にやっていただいているわけなのですけれども、こういったものが周知をされ、どんどんと皆さんに使っていただくことによってですね、これ、2020年のオリンピックの時には、言葉の壁を越える、日本は技術によって、世界の言葉の壁を越えるのだと。こういうことが実現できるのではないかと、このように思っております。
 このグローバルコミュニケーション計画は、SAQ2ジャパンという、上川さんからこの間、発表させていただいたと思いますけれども、SAQ2ジャパンプロジェクトに位置づけられているわけでありますけれども、このSAQ2ジャパンプロジェクトについては、更にですね、新しい動きがございます。無料公衆無線LANの整備促進と利用の円滑化に向けまして、本日、今、10時半から会合が行われておりますけれども、総務省、観光庁、自治体、電気通信事業者、エリアオーナーなどが参加いたしまして、無料公衆無線LAN整備促進協議会を、今日立ち上げることにいたします。この本協議会は、日本に訪れる外国人旅行者のための無料公衆無線LANについて、整備・促進や利用開始手続の簡素・一元化、それから、利用可能な施設の海外への情報発信等について検討を行っていく予定であります。この協議会によりまして、無料公衆無線LANの利用環境が向上するということを期待をしておりますし、その促進方をですね、お願いしたいと、このように思います。総務省といたしましては、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、何度も申し上げますけれども、ここで世界最高のですね、また、新しい暮らしの提案も含めた、ICTによる暮らしやサービス、こういったものをですね、日本が世界最高水準で用意をして、既に実現していると。こういう姿を見せたいと思うわけでありまして、それに向けて更に拍車を掛けたいと思っています。
 それからもう一つですね、異能vation、変な人プロジェクトでございます。この異能vation、独創的な人向けの特別研究枠でありますが、これはですね、大いなる可能性がある、奇想天外でアンビシャスな技術課題に挑戦する個人を支援するためのものであります。募集が7月14日から8月20日まで行っておりました。これを締め切りましたところですね、この応募が、何と710件の応募がございました。70倍を超える競争率になっているわけであります。
 ちなみに、通常の総務省がやっているスコープという公募研究の競争率が約6倍でございます。それから、東大の入試競争率が4倍で、ハーバードの入試競争率が17倍ということでございますから、今回70倍のですね、そういったたくさんの方々から応募を頂いたということは、この仕組み、取組に対する関心の高さと、それから、たくさんの異能な人がいるということだと思いますので、これをですね、せっかく頂いた熱意ですから、しっかり受け止めて、良いものにしていきたいと思います。それは、結局のところ、いかにその独創的なアイディアであるかということを見極めるかですね。目利きが重要になってきます。したがって、今回のですね、提案は、長大な論文だけではなくて、簡単なアイディアでも受け付けられるようになっているわけでありまして、そういったものをですね、審査するために、スーパーバイザーをお願いいたしまして、これは本当のこの国のトップの有識の方々にスーパーバイザーになっていただいて、書面を出していただいたり、それから、面接による審査を行います。それから、試験的な研究を開始して、その目標達成の可能性、こういったものを見極めるということで、時間を掛けてですね、12月ごろまでに10名程度の採択をしようと。この選考にじっくり時間を掛けながら、新しい将来の可能性のですね、芽をきちんと受け止められるようにしたいと、このように考えております。
 
【石油コンビナート等における自衛防災組織の技能コンテスト】
 それから、あと二つです。これも初めての試みでございますが、石油コンビナート等における自主防災組織の技能コンテストを、今般から実施することにいたしました。この石油コンビナートについては、大きな事故が発生したり、それから、東日本大震災の時にですね、こういったコンビナート火災については、特別の対処が必要であるということから、ドラゴンハイパーコマンドユニットを組織することにしたわけでありますけれども、これらのコンビナートの区域には、それぞれの事業所が自主防災組織を置いているわけであります。この自主防災組織の消防車両の操作技能を高めていくこと、これが石油コンビナート等の保安の確保と被害拡大の防止につながっていくというふうに思います。今般ですね、大型の化学消防車等を運用している自主防災組織について、技能コンテストを開催をすることにいたしました。そして、優良な組織には消防機関からの推薦を頂くと共に、11月5日、津波防災の日にですね、消防庁から職員を派遣して技能評価を行おうと、このように考えております。
 特に優秀な自主防災組織につきましては、私の方から総務大臣表彰というものを設けまして、顕彰したいというふうに思います。石油コンビナートにおける自主防災組織の技能コンテストは、これ初めて、本邦初でございますけれども、こういったものをきっかけにしてですね、更に自主防災組織の技能や士気の向上に役立てればというふうに願っているわけです。
 
【地方分権改革に関する提案募集】
 それから、最後です。地方分権改革に関して、提案募集、これも本邦初で受け付けておりました。この提案募集方式を締め切りまして、本日の午後に皆様方に公表したいと思います。今回ですね、953件の提案がございました。そのうちの新規の事項、その後の情勢変化を踏まえ、提案された事項というのが半分であります。ですから、これまでの、今までの3次における一括法で、20年間にわたって分権改革のいろんな要望が出て、申請をして、処理してまいりました。それらをやった上で、今回、新たにまた提案を受けたわけでありますけれども、従来からの延長のものが約3分の1でございまして、残りがですね新たに、この機に皆さんでやりたいという御要望が出てきたということで、とても画期的なことだったと、このように思っております。
 提案そのものは953件なのですが、複数省庁にまたがっている提案がございますので、それぞれを省単位でもって一つ一つにカウントいたしますと、全体では1,060件になりました。そのですね、1,060件に対して、まず第1弾で各省に照会をしたわけでありますけれども、現状におきましては、提案を実施するという前向きな回答がありますが、かなりの部分が対応不可ということでございます。それは、突然出てきて、初めて提案されたことですから、各省がですね、最初からうんと言えるわけはないと、このように思いますので、当然予測された数字なのですけれども、そういった意味で、非常にですね、今、最初の返事としてはあまりいいものではございません。ですから、それをこれから、地方分権改革有識者会議の中の委員の皆さん、それから、専門部会を設けまして、そこからですね、ヒアリングを行って、各省との調整に入っていくということでございます。既に御要望いただいた関係団体からのヒアリングはしておりましたけれども、今後はですね、来週から、9月中旬にかけて関係各省から専門部会がヒアリングを行う。こういうふうにさせていただいております。制度改正の必要性についてしっかり議論を行った上でですね、この今回の提案募集の中から素晴らしい提案ばかりでありますけれども、これをできるだけ実現できるように作業をしていただこうと、このように思っております。
 
 私からは以上です。

質疑応答

ふるさと納税(1)

問:
 幹事社の時事通信社の村山です。今回、一足早く9月の幹事社に交代しました。よろしくお願いします。幹事社から1問、ふるさと納税についてお伺いします。現在、各自治体で制度の活用が進んでいる一方で、特産品を贈る動きが加熱しているのではないかとも指摘されています。こうした現状を踏まえて、総務省として今後どのように対応していくおつもりか、大臣のお考えをお伺いします。
答:
 まず、このふるさと納税は非常に定着してきて、しかも、皆様方が関心を持ってですね、これにふるさと納税を活用していただく方が増えてきていると、こういう喜ばしいことがあります。私とすれば、こういった動きを捉まえまして、このふるさと納税の制度を拡充していきたいと。それは、一つには、納税するためのですね、この枠を更に拡大しようではないかと。今の倍ぐらいのですね、枠まで増やしたいということで、これは官房長官にも相談をして、政府として是非取り組みたいと、こういうようなことでこれまで進めてきたわけでございます。それから、手続をですね、できるだけ簡便なものにして、より使いやすくしていきたいという希望もございます。
 一方で、ふるさと納税していただいた方に、サービスと言いますか、特典がですね、あって、その特典合戦になっていて、それがやや過熱気味だというのも承知をしております。過日、私が地方に出張した際も、その地域の行政関係の方からですね、うちはもっとハードボイルドに行こうと。だから、そういうサービス合戦に血道を上げるのではなくて、本当に気持ちのある人を受けたいという方もいらっしゃいました。
 一方で、やっぱりこれをどんどんと知っていただきたいし、有り難いことだから、それに対する気持ちを届けたいということがあるわけで、これはやはり、適度、適切な範囲に留まることが重要であって、そういったものも含めてですね、今後、総務省の中で、しっかり制度について、拡充と共にですね、いろんな検討をしていきたいと思います。
 最終的には、これは税調プロセスの中で決めていくことでございますから、そういった各方面の意見も聞きながら、より使いやすくて皆様に親しんでいただけるような、そういう制度として拡充したいと、このように考えています。

4K・8Kロードマップ(2)

問:
 朝日新聞の永島と言います。4K・8Kについてお伺いしたいのですけれども、いくつかありまして、まず一つは、前倒しの要因の御説明は先ほどあったのですけれども、そもそもなぜ前倒しをするのか複合的に幾つかの理由があるかと思うのですけれども、それをお伺いしたいというのが一つ。もう一つ、民放各社にはですね、設備、投資の面からですね、ちょっと、消極というか慎重な声があるかと思うのですけれども、その辺はどう受け止められておられるか。最後はですね、一般の国民からしたら、2020年の東京五輪の時には、どういう状況になっているのか。BS、CS、IPTV等で本放送が見られるのかどうか。その辺をちょっとお伺いしたいですが。
答:
 まず、この、なぜ前倒しするかというのは、これは、激烈な技術開発競争が世界で行われているということですね。4Kは既に、ヨーロッパや韓国等でもどんどんと、企業も含めてですね、これに参加している方たちがいます。国際競争の中で熾烈な状態になっているわけで、日本は決して、今、引き離してトップというわけではないわけです。現状、8Kにおいてはいまだ映像化できている国は日本だけですから、ですから、我々ここは技術的優位を持っているわけなのですけれども、いずれにしても、やがてそれは各国も追いついてくるに違いない。したがって、この4K・8Kをですね、いかに実用展開していくか。これは、先行者利益というものがございますから、これは前倒しすればするだけ、それは私たちにとって得られるものが大きいということになると思います。それについては、これまでも最大限の前倒しを、元々の計画から4年前倒しさせてやっているわけですからね。でも、それでも、もっとその先を行けるほどに技術が追いついてくる。ですから、世の中の変化のスピードは、私たちの考えている以上に早いのだとすれば、これは、いつもそういうことでスピードを追い求めることによって、それでも追いついていけるかどうかということになるのではないかと。ですから、あえてできないことを無理にするのではなくて、やる気があって、気運が盛り上がってきたならば、それを私たちは受け止めて、更にですね、その後押しをするのは我々の責務だと、このように思っているわけです。
 それから、民放の皆さんが消極であるかどうかは、これがビジネスとしてですね、きちんと成果の得られるものになるかという見極めをされているのだと思います。ですから、4Kを使って何をするのか、8Kを使って何を成し遂げられるのか。こういうことをですね、証明していきながら、新しい姿というものをビジョンを出しながら、国民、また一般の消費者の皆さんが、関心が向けば、当然そこに民放の皆さんは、気持ちというものも変わってくるというふうに思いますね。私は主に、単にこれが、2K映像が4Kになると4倍の精度をもって見られる。それから、8Kになったらば16倍の精度をもって見られるから、迫力ある場面が見られるのでということだけでは、それはそれで有り難いことだけれども、別にテレビを見ないという人もいれば、そこまできれいに見えなくても、私は元々目が悪いからという人もいますよね。そうではなくて、新しい映像のシステムによって、例えば、データ放送と組み合わせることで、教育だとか、医療ですとか、様々な産業分野においても、映像を核にした新しいイノベーションが起こせるのですよね。だから、特に私はこの間、私のホームページにも、総務省のホームページにも出しましたけれども、8Kを使った内視鏡の手術なんていうのは画期的です。今まで見えなかった血管や神経の細かい筋が分かり、髪の毛よりも細い糸が、肉眼では見えなくて今まで先生たちが苦労してきたものが、8Kではくっきり見えてくるわけです。ですから、手術の精度が上がり、今までできなかった手術ができるようになる。だから、これは、少なくとも伝送で、電波を通して遠くに飛ばさないのであれば、モニターで手術をするなら、もうすぐに実現できるのですよ。しかも、この8Kの内視鏡のレンズは、何と今、世界で、文京区にあるたった一つの会社しか作れないのですよ。ですから、日本の技術の、それも、中小企業の職人芸なのです。ですから、そういうね、一つの技術が確立すれば、それによって様々な産業に波及します。4Kテレビや8Kテレビの技術は最先端ですけれども、あのテレビの型枠を作っているのは鋳物屋さんですし、組み立てるのは機械屋なのです。今までの、通常の素形材産業の皆さんが、そこでチャンスが出るのですね。それから、学校のない島に、このテレビによる教育システムを送ったら、フィリピンやインドネシアなどで、もう既にそういった提案を私はしてまいりました。診療所のない地域が世界中にどれだけあるか。そういうところに、この高精細の映像を使った医療システムが展開できれば、どんなことが起きるのか。私たちはそういう世界の人々を、命を救ったり、安全を守ったり、そういうことを日本の技術が展開しながらですね、我々はその経済を、フィールドを手に入れるのだと。で、それは、今、私たちのこの分野は先端を走っているのです。ですから、こういうものをどんどんと前倒しすることによってですね、私は、皆様方が理解を含め、この関係業界の人たちも拍車がかかってくるのではないかと。その、我々はこのミッションをきちんと打ち立てて、そして、将来のイメージを提供することが、行政にとって非常に重要ではないかなと、こういうふうに思っているわけであります。
 2020年には、ですから、分かりませんね。今、私たちが予測しているものを越えるに決まっているのです。越えてもらわなければ困ります。ですが、2年後だって分からないのですから、6年経っていますのですごいことが起きるに違いないと思いますが、いずれにしても、映像技術を活用して、それとICTを組み合わせることによって、日本人はもっと豊かな暮らしをしているということです。ただ、最後にこれはお断りしておきますけれども、アナログから地デジに転換するときは、受像機の買い換えが必要でした。だから、国民の皆様に負担が強いなければならなかったですね。でも、今度の2、4、8のデジタルシステムは、デジタルの中ですから、コンピュータによってダウンコンバート、アップコンバートをすれば、8Kの映像をサイズを落として4でも2でも見れるのですよ。それから、2でやっている一般放送の映像を、サイズを上げて、フルバージョンではありませんが4で見れるのですね。ですから、穏やかに、見たい方にとってはもっとスペックの高いものを見れるし、今でいいという人は、そのまま今のテレビをお使いいただけると。そういう国民生活にですね、無理なそういった負担を強いなくてもできていくと。これも強みではないかなと、このように思っています。

平成27年度総務省の概算要求等(2)

問:
 共同通信の今井です。冒頭で御発言のあった、新しい交付金の件ですけれども、予算上の縦割りを排除するとかいうと、ついつい民主党政権時代の一括交付金のように、各省の補助金をですね、集めて、一本化する。そういう交付金をイメージしてしまうのですけれども、そういうものとは違うという理解でよろしいのでしょうか。
答:
 私たちの立て方は、それはちょっと、少し違うと思います。民主党の地域自主戦略交付金、あれは公共事業です。社会資本整備の部分の公共事業を一部だけ寄せて、しかも、県と政令市のみで申請できる。そういう、しかも、同じ土木だとか農業部門でも、ある部分を取り上げて一括申請できるようにしたのですね。だけど、一括申請を受けても、それは、決まったところで各省にもう一回申請をし直させて、で、事業実施に入っていくと。だから、二度手間の交付金だったのです。ですから、私は廃止しました。もっと間口を広げて、そして、大括り化をして、使い勝手の良いものにし、県と政令市だけだったやつを、市町村まで使えるようなふうに改善をして、交付金として、今、使っているのですよ。今度のやつは、まず、非公共事業です。雇用や、それから、子育て支援ですね。さらには、起業。こういうものを使って地域を活性化する事業を各自治体が自由に応募してもらう。ですから、結局、各省の補助採択基準に沿って、皆さん申請するわけですよ。そうではなくて、自分たちがやりたいものをいくつも組み合わせて、そして、出してくださいと。それを、担当するであろう地方創生本部が受付をして、受け付けたものの中身は、これは各省と調整しなくちゃなりません。だけれど、それは政府側でそれを調整すればいいわけですね。そうしておいて、自由度の高い交付金として出しますので、それは年度に縛られないのです。基金として積んで、準備が整った時点から執行していくわけですから。この成果をチェックする。それから、本当にそれが可能性のあるものであるかどうか。これは国が総合コンサルティングをしなくてはなりません。その意味でも、地方交付税を活用して、これは行政資料と合わせて、そういった可能性をチェックしながら進行管理をしていくと。ですから、半分は交付金、半分は交付税でやると。ですから、頑張った地域が報われる、私は、地方交付税制度を、そういう要素を加味したいということで、かねてよりいろんな工夫をしてきたのですけれども、それがですね、更に顕著なものになってくるのではないかなと、このように思います。
問:
 内閣府の概算要求の資料でいうと、何か、必要に応じてですね、追加で要求するというような書きぶりになってたのですけれども、ちょっとこう、できるのかできないのかでいうと、何とも取れるような表現なのですが、創設すること自体に関しては、政府内でも合意は取れているのでしょうか。
答:
 これは、私がこのように御説明しているのですから、それはいろいろな関係方面との調整をした上で、御提案をさせてはいただいております。ただ、現実には、これから改造があって、新たな地方創生の枠組みができます。地方創生本部では、直接の予算を持ちませんので、私の方は、まず制度として地域活性化担当大臣として事項要求で出しました。それから、各省の予算を吸い上げるわけではないのです。各省が地方創生枠でいろんなものを出してますね。それは、そのまま予算として取っておいて、ダブルカウントになっていきます。この予算を各省で取りながら、それを、使い方を創生本部の方がパッケージ化して、そして、総合的にコンサルティングしながら執行していくと。こういうことを私はイメージをしているので、これは、地方創生枠4兆円の枠があるわけですけど、うち1兆円を使ってこういうものをやろうということですから、かなり大きな新規軸になると思いますね。したがって、これをですね、是非取り入れていただきたいということで、過日、総務部会でも与党の応援もお願いしたいと。それから、やっぱり、今、地域創生に関しての最大の懸念は、結局のところ、各省の予算の分捕り合戦になるのではないかという懸念がね、示されます。それは、要求した時点で既にもう縦割りなのです。ですから、これをいかに横串化するかという意味においてですね、私としては苦心したつもりなのですけれども、実現することを願っています。
問:
 日本テレビの氷室です。いわゆる地方創生は、額も大きいということもありまして、かつてと同じように従来型のばらまきだとか、中央からの押し付けだみたいなことが、どうしても批判が出てくるおそれがあると思うのですけれども、大臣としては、自治体側にですね、どういう取組というか、心構えで活用してほしいというふうにお考えでしょうか。
答:
 既に地方6団体からもですね、私が今、申し上げたような趣旨の制度が必要であると、こういう御要望が出ております。ですから、あくまで地方創生は地域の自主的、自由な、この、企画でなければいけないということが一つ。それから、それを受けた政府は、横串化して、できるだけ包括、パッケージ化した、そういう展開をしなければいけないと。これが、地方と国にとって一つ一つの、絶対達成しなければいけないテーゼなのですね。これを元に、1,718市町村が1,718通り、もしくは、市町村の連携協約を結んで、都市圏を作って応募してくれてもいいと思います。それはもういかようにでも、自由に出せるような、あとはそうなると、地域力になってきます。やる気のあるところはものすごい勢いで変わると思います。それから、なかなかアイディアが出ないところは、今度は、ほかのまちとの差が出るおそれもありますから、でも、それは地域の住民の皆さんがですね、うちのまちはどうなっているんだと。うちの市長は何をやっているんだって、こういう声が出るぐらいのものになれば、それは、結果的にはいろんな地域がまた、要するに競争しながらですね、工夫をしながら、活力が出て来るのではないかなと思うし、私は、この、総務大臣として、地域活性化、また、分権大臣としていろいろなところに出かけていって、今、すごい勢いで地方が変わろうとしているというのを体感してます。一方で、その可能性があるのだということをまだ気が付いていない、いや、自分たちは無理だと。ここまで疲弊してしまうと無理だと思ってしまっている地域もあるのですね。だから、そうではないのだと。すべての地域にチャンスがあって、また、そのまちの人たちだけではなくて、そういうことをお手伝いしたいとか、では、その困っている地域に行って自分たちで立ち上げてやろうという人たちも一杯いるわけですよ。地域おこし協力隊などは、その最たるものですけれどもね。それ以外にも、もっと別なる支援策もやっていいと思いますけれども、そういう中で、国全体が、何かこう、みんなでお互いにですね、切磋琢磨しながら元気になっていくと。そういうきっかけにできればいいんじゃないかなと、このように思っているわけです。

ふるさと納税(2)

問:
 時事通信の吉本です。ふるさと納税に関連してなのですが、控除の拡充と、もう一つ、手続の簡素化というテーマがあると思うのですが、いろいろ政府内でですね、今、控除の対象は所得税と居住地の住民税ということなのですが、所得税の部分を外してですね、地方税に特化すれば、手続の簡素化が進むのじゃないだろうかという意見が、あるやにも聞いたりもするのですが、大臣のお考えをお聞かせください。
答:
 これは私の方はまだそういったお話は聞いておりませんし、総務省とすればですね、これは国税と地方税とセットになってやっていく。何よりも大切なことは、租税の教育と言いますか、租税意識を高める上で、確定申告というのをもっと皆さんでやっていった方がいいと私は思うのですよ。ですから、所得税を外すということは、確定申告がいらなくなるということですからね。ただ単に簡素化して、訳の分からないうちに税の恩典を受けるということが、果たしてね、それが制度として望ましい方向なのかという議論はあると思いますよ。いろいろな方、アイディアを出す人がいるという段階ですから、決めつけはしませんけども、私は、今の国税と地方税がそれぞれの役割を果たしながらですね、国民が、自分の払った税金が自分の願いがかなうものに使われていると。そういうものの実現としてね、ふるさと納税というのがあるわけなのですよ。ですから、額としては、税に対する、その地域の財政的な影響というのはそんなに多くはありません。だけども、そういう納税意識を高めていくことがですね、これが私たちの国にとって、税は国家の基幹ですから、ですから、私はそれが役に立つと思っているし、そういう要素も含めた議論というのが必要ではないでしょうかね。
問:
 それでは、皆さんよろしいでしょうか。ありがとうございました。
答:
 はい、ありがとうございました。

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