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会見発言記事

新藤総務大臣閣議後記者会見の概要

平成26年9月2日


 9月2日の大臣閣議後記者会見の模様です。この日は、冒頭、大阪都構想に係る特別区設置協定書案に対する総務大臣意見、関東広域AM3社へのFM補完局予備免許、国家戦略特別区域に関する提案募集の応募結果について説明した後、新藤総務大臣が質問に答えました。


冒頭発言

 おはようございます。では、本日の閣議後会見をさせていただきます。

【大阪都構想に係る特別区設置協定書案に対する総務大臣意見(1)】
 まず、本日、大阪の、大阪都構想に関係することでありますけれども、大都市地域特別区設置法第5条第5項に基づき、大阪府大阪市特別区設置協議会長、大阪市長及び大阪府知事に対しまして、特別区設置協定書案に対する総務大臣の意見を述べることにいたしました。このことにつきましては、先般、7月24日でありますけれども、この特別区の設置協議会の会長から、設置協定書案の報告があったわけでございます。しかし、現在の大阪都構想を巡る状況は、通常の状況とは違うと、そういう展開になっているのではないかということで、まず、8月20日に、意見を述べる相手方となっております設置協議会の会長、それから、大阪市長、大阪府知事から、直接それぞれのですね、お考え、また、この協定書案の作成経緯についてお話を聴かせていただきました。その際に、先方の方からですね、現在の状況については正常ではないと、こういう認識を持っているということは、先方の方からもございました。そして、大阪の市長からは、今までのプロセスの異常性については、正常化に全力を尽くしていきたいと、こういうお話がございました。さらに、首長の権限を、脱法・違法行為すれすれのことを繰り返しながら進めるのではなく、9月議会の本会議で正々堂々と議論していきたいと、こういうお話も伺ったところでございます。そういったことを踏まえまして、私とすれば、総務大臣意見としてですね、「特別区設置協定書案については、大都市地域特別区設置法第5条第5項の規定に基づき、その内容について検討したところ、特段の意見はありません。」といたします。また、併せてこの総務大臣意見を述べるに当たりまして、地方自治法第245条の4に基づきまして、大阪市長と大阪府知事に、技術的助言を行うことにいたしました。その内容は、「大都市地域特別区設置法に基づき特別区を設置することについては、行政サービスを提供する主体である地方公共団体の法人格に関するものであり、自らの地域の在り方を決める極めて重要な問題です。したがって、関係者間で十分な議論を行いながら、地域住民の意思を的確に反映し、合意形成を進めていくことが地方自治の本旨、とりわけ住民自治にかなうものと考えております。関係者において、このような考え方をしっかり共有した上で、法令を遵守し、この問題について関係者間での真摯な議論に努めていただくようお願いします。」。こういったものを添えまして、この総務大臣の意見と共に書面にし、本日14時、事務方より大阪側に手交する、こういうことにさせていただきます。

【関東広域AM3社へのFM補完局予備免許】
 それから、続きまして、関東の広域AM3社にFM補完局の予備免許を交付すること、これを決定をいたしました。放送ネットワークの強靱化の関連でございます。東日本大震災において改めて認識されましたように、ラジオは災害時の情報メディアとして極めて有用であります。ただ、ラジオについては、都市型の難聴、それから、津波等に対する送信所の防災対策と、こういう課題が存在しているわけであります。この課題に対応いたします、そのために、昨年2月、私が開催いたしました「放送ネットワークの強靱化に関する検討会」の御提言を踏まえまして、難聴対策・災害対策としてのAMラジオ事業者によるFM補完局の整備、こういう新たな手法を導入させていただきました。今般、関東の広域AMラジオ3社、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送から、このFM補完局を東京スカイツリーに整備したい、そうした旨の免許申請がございましたので、審査を経て決定をいたしました。予備免許そのものは、明日事務方より交付をする予定でございます。このFM補完局につきましては、AMラジオの送信所が洪水等の被害を受けた場合でも、首都圏への情報提供を継続し、首都圏における大規模災害への備えとしては、極めて有効ではないかと、このように考えております。また、FMの補完局からの放送は、平時においても放送されておりますので、都心部における、この3つのAMラジオの難聴を解消することと併せて、AMラジオの内容がFMの周波数でも聞こえるようになる。すなわち、良い音質でラジオを楽しむことができるようになると、こういうことであります。本放送の開始は来年の春以降と聞いておりますが、そういった体制になっていくということでございます。それから、ほかの地域におきましても、AMラジオの難聴対策・災害対策として、こういうFM補完局が整備をされ、災害時の情報提供手段の強化が図られることを、今後期待したいというふうに思います。詳細については、後ほど事務方からの説明がございます。

【国家戦略特別区域に関する提案募集の応募結果(1)】
 それから、私の報告の最後でございますが、国家戦略特区につきまして、7月18日から8月29日までの間に、国家戦略特区に関する新たな規制改革事項の提案を、全国から広く募集をいたしました。これは、規制改革事項プラス地域と言いましょうか、新たな事業につきましての提案も受けたわけでございます。その結果、民間事業者等が109団体、地方公共団体等が48団体、合計157団体から206件の応募を頂きました。応募いただいた提案のうち、国家戦略特区のワーキンググループにおいて選定した項目については、締切を待たずに8月27日より順次ヒアリングを実施しておりまして、必要な措置等については、次期国会提出予定の国家戦略特別区域法の改正案に盛り込むように検討を進めていきたいと、このように考えております。

 私からは以上であります。

質疑応答

大阪都構想に係る特別区設置協定書案に対する総務大臣意見(2)

問:
 それでは、幹事社から1問お尋ねします。大阪の関係で、先ほど、関係者間で真摯な議論を行うよう技術的助言を行うというお話がありましたが、大阪府・市には今後どのような場面を、議論を期待しているのか、大臣のお考えをお伺いします。
答:
 まず、この法律にのっとりますとですね、私が意見書を、意見を出した段階で、特別区の設置協定書の案が確定するわけであります。ですから、その今回の協定書の案を、大阪市長及び大阪府知事に特別区設置協議会は送付しなければいけないということになります。その協定書の送付を受けた大阪市長及び大阪府知事は、これは、総務大臣意見を添えて特別区設置協定書をそれぞれの議会に速やかに付議しなくてはいけないと。そして、その承認を求めなければならないと、このようになっているわけでありまして、法律にのっとってですね、そういったものが行われるのではないかと思います。しかし、大阪都を巡る構想につきましては、通常の状態、正常な状態とはとても言えない、そういう状況があるわけでございまして、これについては私は、真摯な議論をお願いしたい。それから、民主主義の原点に戻ってですね、話し合いをしっかり行っていくと、こういうこと。それから、行政及び議会内での話し合いが重要だと、こういうことを私は技術的助言として今回出したわけでございまして、それは、今後関係者の間で十分に議論をしていただいて、そして、地域住民の意思を的確に反映し、合意形成を進めていってもらいたいと、このように考えております。
問:
 読売新聞の西山と申します。大阪の関係です。まずちょっと確認なのですけれども、協定書については特段の意見はありませんということなのですけれども、この中身については問題ないという御認識でいらっしゃるのでしょうか。
答:
 特別区の設置協定書案というのは、こういった区を設置することに対する、行政事務的な内容を定めたものであります。この内容につきましては、これまで事前の協議があって、必要な修正は各府省の方からも出させていただいています。で、それらを踏まえた、修正がなされてですね、行政事務の遂行上の特段の意見はないと、こういうことで、意見を出したということでございます。ただ、それを進めるに当たっての環境と言いましょうか、この状況がですね、正常な状態を前提としています。法律そのものが、議会が開かれないとか、それから、法定協のメンバーが通常とは違う状態になっているとか、そういったものを想定していないわけでありますから、私はそこを、別途ですね、技術的助言として、私の方から意見は述べさせていただいた、こういうことでございます。
問:
 府議会ではですね、8月末にも与野党間の対立が激しくて、いろいろ対立が激しいような状況もあったようですけれども、大臣の御懸念というのは、払拭されたということなのでしょうか。
答:
 私も8月27日の大阪府議会における混乱は、報道等で拝見しました。特に写真を見せられてですね、実力行使のようなものが議会内で行われているというのは本当に残念、忸怩たる思いがいたします。ですから、そこの懸念が払拭されているわけではございません。しかし、一方で、大阪の市長、知事、そして、法定協の会長さん、それぞれがですね、しっかりと正常化を図っていきたいということで、今までのプロセスの異常性については、正常化に全力を尽くしていきたいと、こういうコメントがございました。また、特に大阪の市長からはですね、首長の権限を、脱法・違法行為すれすれのことを繰り返しながら進めるのではなく、9月議会の本会議で正々堂々と議論していきたい。こういうお話がありました。そういったものも受け止めて、私とすれば、しっかりとですね、我々が今回意見書と共に、技術的助言をしているこの状況を受け止めていただきたいと、このように思います。
問:
 協定書については、両議会の議決が必要ですけれども、知事、市長はですね、専決処分による手法というのも否定はされていないようなのですが、大臣は、この専決処分というやり方についてはどうお考えでしょうか。
答:
 これは、今、これから正常なプロセスに入って、議会で議論をすると、正々堂々と議論をするとおっしゃっているわけでありますから、私は、そういったものは念頭にないのではないかなと、このように考えております。

国家戦略特別区域に関する提案募集の応募結果(2)

問:
 NHKの伏見です。国家戦略特区について2点お聞かせ願いたいのですが、1点は、以前から示されていたスケジュールではですね、夏までに、だいたいその事業計画という見通しを立てて、秋からはその実行に移したいというようなことを、大臣、かねがねお話になっていたかと思うのですけれども、内閣改造を控えてですね、今、どういうふうなスケジュールを描いていらっしゃるかというのが1点です。もう1点は、臨時国会への改正、国家戦略特区法の話、法案の話なのですけれども、既にもう成長戦略なんかにも盛り込まれた新しい規制改革事項というのがあるかと思うのですけれども、今回新たな提案についてもその法案に盛り込む、かなり限られた時間かと思うのですけれども、そういうことも検討されているということでよろしいのかというところを、御確認させていただければと思います。
答:
 国家戦略特区六つのうちですね、四つは、特区会議を現地において立ち上げました。残る東京地域については、日程上の調整をしている、こういう状況でございます。それから、沖縄地域につきましても、今、内容が最終段階の詰めに入っておりますので、可及的速やかに開催することができるだろうと、このように考えています。それから、養父においては、もう既に内容が確定したものがございますので、これは、事業実施に向けての次の特区諮問会議が開催されれば、そこで事業計画が承認されて、いよいよ実施に入っていくと、こういう段階まで来ました。ですから、それぞれ六つの地域、大きなプロジェクトでありますし、関係者、調整がたくさん必要な部分もございますけれども、これは、私とすればもうスピーディにですね、しかも、動きながら、また、ローリングしていくという中で、ダイナミックに進めていきたいと、また、いってほしいと、このように考えております。今般の新たな提案が、また、全国から206件応募がございました。たしか昨年も240件ほどだったでしょうか、来たわけでありまして、いろいろな地域や、それから、団体からですね、この戦略特区に応募しようという機運が未だに続いていて、昨年の同様のものを出した方もいらっしゃいますけれども、でも、大半は新しい、今までの国家戦略特区の動きを見ながら、こういう形で進むならば自分たちも参加したい、申請したいと、こういうことで機運が上がっていること、とても喜ばしいことであります。それらを応えまして、安倍総理がいつも申しておりますけれども、これはもう、スピードと実践が命なのですね。したがって、次の国会でできるものは、どんどんと法案の中に入れていきたいというふうに思いますし、順次、そもそも今回も御提案いただいたものも、締切前からもうヒアリングを始めていっているわけであります。今般も調整がついたものは、どんどんとですね、入れていこうと。こういうふうに、今までもやってまいりましたし、これからもそれはやっていくことになると思います。
問:
 日経新聞の松尾です。特区に関連してなのですが、今回、第2弾をこれから策定に入ると思いますが、選ぶうえでのコンセプトや基本的な考え方はありますでしょうか。また、第1弾も順次、地域会議、順調に開かれていますが、最大の地域である、東京圏がどうしてもまだ始まっておりませんが、この辺りのスケジュール感、あるいは、考えについて、改めて伺いたいと思います。
答:
 まずですね、今般の第2回目の募集、これは、今、決まっている6か所についての追加の規制改革の提案を受け付けるのが一つ。それから、新たな地域指定を受けようとする、更に魅力的なプロジェクトがあるかどうか。これを受け付けるのも一つ。この二つの側面があるわけでありますね。ですので、あらかじめどのような結果にするかは、予定はしておりませんから、あくまで中身次第で、良いものがあればどんどん採り入れていくと。それが結果として追加の指定になるかどうかは、中身次第、検討次第と、こういうことになると思います。それから、東京都につきましては、23区全てではなくて、東京、その他の地域は神奈川は県全域なのですね。でも、東京は、東京都の中の区を限定して、当初計画が出てきておりました。今般、私はとてもこれは喜ばしいことなのですけれども、その、既に特区として含まれている地域外の区から、やはり出てきているのです。ですから、そういうものは東京都の中で調整していただくのもいいし、それから、直接我々にこうやって御提案が出てきているわけですから、これらの中で良いものがあれば、それも加えていけますよね。したがって、何と言いましても、これは国が決めてやるものではなくて、民間や地方の皆さんが自分たちでどんどんとアイディアを出して、それを実現するために障害となっているような岩盤規制があるならば取り払おう。それから、新たな仕組みが必要ならばそれを作ろうと、こういうことで、国も一緒に事業体となるよと、こういう制度になっているわけですから、これはいい方向で、とても今までとは違う形でですね、進んでいるのではないかと、このように思っています。私はこれ、かねてよりの持論なのですけれども、この国家戦略特区に対しては、どこかのタイミングで、国の各省庁にも事業提案を出してもらおうと。今は、民間事業と自治体からの提案なのですね。これに加えて、この国家戦略特区がこうやって決まってきていますから、そうすると、その地域に対して国としてどんな支援が出せるか。少なくとも総務省においてはICTのですね、いろいろな実証実験を、戦略特区で認定されたその区域に合わせて、私たちの実験をやってみようと、こういうようなことも考えています。ですから、国家戦略特区はまだまだ全貌が表れていないと思っていただきたいので、これを膨らませながらですね、世界中が注目をし、世界の三本指に入るような、そういうプロジェクト、それから、国内外からたくさんの人たちが自分たちもその試みに参加したいと。こういう事業にしていかなくてはならないわけで、そのためのステップを、今、踏んでいる。これは順調にまた進んでいるのではないかと。1か月、2か月でパーンと打ち出して、そういうアドバルーンを上げるものにはなかなかならないのですけれども、少し時間が経つと、すごいことをやってきたんだなというのが分かっていただけるのではないかと、このように思います。
問:
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
答:
 はい。

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