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会見発言記事

高市総務大臣閣議後記者会見の概要

平成28年2月19日

冒頭発言


 皆様、おはようございます。
 今朝は、官邸では、閣議と閣僚懇のみでございました。


【「多文化共生事例集作成ワーキンググループ」の開催】

 まず、訪日外国人への対応など、近年では、都市・地方を通じた地域経済のグローバル化の必要性が高まっておりまして、外国人住民の方々をその活力にする取組も広がっています。
 総務省では、地方自治体における多文化共生の取組に参考となる考え方を示した「地域における多文化共生推進プラン」を、平成18年に策定し、全国に通知しましたが、地域を取り巻く近年の状況変化に対応することも重要でございます。
 そこで、多文化共生施策の普及と発展を図るため、「多文化共生事例集作成ワーキンググループ」を開催し、本年中を目途に事例集を作成する予定です。
 作成しました事例集は、地方自治体や関連団体などに広く周知をして、活用を促したいと存じます。
 詳細につきましては、自治行政局地域政策課国際室にお問い合わせをお願いいたします。


【無料公衆無線LANに係る取組方針】

 次に、訪日外国人に対する無料公衆無線LANサービスにつきまして、利用開始手続の簡素化・一元化に向けた取組方針を定めましたので、発表いたします。
 近年、訪日外国人が急激に増加をする中で、訪日外国人からの無料公衆無線LANサービスに対するニーズは非常に高いものとなっています。
 総務省では、これまでも交通・商業施設等のエリアオーナーへの働きかけや、地方公共団体への補助を通じまして、無料公衆無線LANインフラの整備に努めてまいりました。
 これらの取組に加えまして、訪日外国人の方が無線LANに接続される場合に、エリアごとに何度も利用手続を行わなければならないという現状を踏まえまして、1度の利用手続で異なる無線LANサービスを利用できるように、官民挙げて取組を進めています。
 この度、この取組を加速するために、「無線LANの共通接続仕様の策定を進める」とともに、「その仕様を検証する実証実験を2月22日から実施」し、「全国各地への普及に取り組むこと」にいたしました。
 これらの施策を通じまして、訪日外国人の方々にとって、世界一利便性の高い無料公衆無線LAN環境を実現したいと存じます。
 詳細につきましては、総合通信基盤局データ通信課にお問い合わせをお願いいたします。

 私からは、以上でございます。


質疑応答

道州制基本法案

問:
 幹事社の共同通信です。幹事社から、1問質問させていただきます。昨日、いわゆる道州制推進派の宮城県知事らが、自公に対して道州制推進基本法案の早期成立を要請しましたが、道州制に対する大臣の考えと、今後の取組をお聞かせ下さい。
答:
 宮城県の村井知事は、大変熱心に道州制実現の活動に取り組んでおられまして、先般も、私に対してもメールが来ました。
 実は、道州制は総務省の所管ではないのですけれども、道州制というのは、国家の統治機能というものを集約・強化して、また、住民に身近な行政をできるだけ地方が担うということによって、地域経済の活性化や行政の効率化を実現するための手段の1つでございます。国と地方のあり方を根底から見直す大きな改革になるものだと認識しています。
 このような大きな改革であるからこそ、その検討に当たりましては、道州制の具体的な姿を明らかにしながら、国民的な議論を十分に行う必要もございます。
 現在、与党において、道州制に関して検討が重ねられていますので、政府としても、連携を深めて、議論を進めてまいりたいと思っております。

放送法等に基づいた電波停止の解釈

問:
 IWJの高橋と申します。電波法に基づいた電波停止の高市大臣の解釈について、3点、伺いたいと思います。まず1点目が、政治的公平性の解釈。そして、2点目に、仮定条件に「テロ」という状況を加えた意図。そして、3点目、現在の日本の「報道の自由」について伺います。
 まず1点目、政治的公平性についてなのですが、これはちょっと分かりづらいというところがあると思っていまして、例えば、ある放送局で、ある番組で、安倍総理を番組に招いて、安倍総理の意見だけを聞いて、「それはすばらしいですね。ぜひ期待しています」という番組で終わってしまった場合、これも政治的公平性が欠けているという判断をされるのでしょうか。
 そして、もう1点目、2月11日のホームページだったと思うのですけれども、電波停止を命じる場合の極端な事例として、「テロへの参加を呼びかける番組を流し続けた場合」ということを挙げられました。ここで挙げられたテロというのは、具体的にどういうテロを指すのでしょうか。
 また、これまで日本のマスメディアがそういうことをやっていなかったにも関わらず、あえてこういう状況を想定し、電波の停止もありうると念押しされたのは何故なのでしょうか。
 そして、3点目、現在の日本の「報道の自由」についてです。昨年の1月だったか2月だったと思うのですけれども、国境なき記者団が、日本の「報道の自由」について、180の国と地域の中で日本は現在61位と発表しました。大臣はこの数字について、どう思っていらっしゃるのでしょうか。以上、3点です。よろしくお願いします。
答:
 放送法及び電波法に関しまして、基本的な考え方につきましては、2月8日、2月9日、2月15日の衆議院予算委員会及び昨日の本会議で私が答弁した通りでございます。これに対して繰り返し聞かれ、繰り返し申し上げますと、また言及という話になりますので、まずは答弁の内容を御覧いただきたいと思っております。
 その上で、答弁の中に特になかった点について、今、お話がございましたテロの話でございますけれども、電波法第76条の規定というのは大変厳しいものであると思います。これは、ソフトもハードも兼ね備えた基幹放送事業者、テレビ、ラジオ、コミュニティFM等に対して適用されるものでございます。
 他方、ソフトの放送事業者といったところに対しては、電波法ではなく、放送法第174条の業務停止命令が適用されるという法律の立て付けになっています。
 テロというのはどういうテロかと言われても、テロリズム、様々な種類のテロがあると思います。現在、放送法適用対象、電波法適用対象の合計で、全国で1700以上の免許事業者がおられますし、これからもますます増えていくのだろうなと思います。将来絶対あってはならないことですし、とにかくないということを祈り、期待するしかないのですけれども、万が一、放送事業者の経営者の方が、私が極端な例として挙げましたように、テロへの参加を呼びかけるようなことであったり、御自身が候補者になろうと思って、ずっと自分を宣伝されるような番組を流し続けられたり、それをどんなふうに中止を要請してもやめられない場合。また、それぞれ放送事業者は番組の編集基準を持っておられます。それに従って編集をされている。また、BPOもございます。それぞれの事業者の審議会において、「これはやり過ぎなのじゃないか」、そういう勧告があってもやめられないというようなことであって、何ら改善されないというような極端なケースを、分かりやすく事例として挙げさせていただきました。どのようなテロかというのは、仮定のことでございますので、そして、その時々に、公益、つまり、国民の命を守る必要が生じたり、公共の福祉に反する事態がどんな手段を使っても止まらないというような状況、最悪の事態に対する法の備えとして、電波法なり、放送法の規定があるのだろうという考え方を示したものでございます。
 なお、放送法につきましては、業務停止命令がございますが、これは平成22年の改正の時に入れ込まれたものでございます。過去の大臣答弁でも、非常に極端なケースにおいて、しかも、相当慎重な手順を踏み、なおかつ、「電波停止」という言葉を、何度も何度も、質問者もマスコミの方も使われるのですが、正式には「無線局の運用停止」ということについて、この運用は相当慎重にやらなければいけないというのは、これまでも答弁されてきましたし、この方針というのは変わっておりません。
 「報道の自由」につきましても、国会で答弁をさせていただいた通りでございます。また、先ほどおっしゃった調査について、総理に対しての国会質問がありましたが、最終的に総理が答弁されないまま、質問を打ち切られたように記憶をしています。これも第3者による評価ですから、どういった基準で評価をされているのかは分かりません。民主党政権の時にかなり順位が急落したということは承知をいたしておりますけれども、どのような基準で判断をされたかということについては、民間の調査だと思いますので、私の方では分析はしておりません。

問:
 質問が悪かったのかもしれませんが、1番目にお尋ねした政治的公平性について、これまで国会討論では、「一方的に政権ばかりを批判した番組に関してはありうる」というふうにおっしゃっていました。それは逆に、政権側の話ばかりを肯定するような番組を作った場合にも、政治的公平性が欠けていると判断するようになるのでしょうか。
答:
 私の答弁で、一方的に政権だけを攻撃した場合に公平じゃないと判断するというようなことを申し上げた記憶はございません。
 過去の行政指導があったケース、行政指導というのは、総務省設置法及び行政手続法に基づいてなされるものですが、これは処分でもなく、命令でもなく、助言であり、要請でありといった種類のものでございます。過去に、1番組だけであっても行政指導があった、相当昔の話でございますが、その事例を挙げさせていただいたことはございます。これは質問者側も触れられた話でございます。総理も触れられましたが、山形テレビの事例でございました。これはむしろ、自民党の選挙広報番組のようなことであったということで、ことさらに自民党だけを取り上げたものが行政指導の対象になっております。即放送法第4条違反ということではなく、4条に係る慎重な配慮を欠いたという形で、行政指導があったことは承知いたしております。政権批判をしたものではなく、その時は自民党政権でしたが、自民党だけを有利に扱ったものが行政指導を受けております。

問:
 よろしいですか。ありがとうございます。
答:
 お疲れ様でございました。

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