会見発言記事

光回線の通信速度が遅いとの指摘への対応

問：

　幹事社から、日本の光回線の通信速度についてお聞きします。急激な通信量の伸びに対して、回線事業者の工事が追いついていないことなどが要因になって、主要国の中でも光回線の通信速度が遅いという指摘があります。5Gの商用化を控えて、産業競争力の観点からも懸念要因となっておりますが、大臣はどのように改善を図るお考えでしょうか。

答：

　通信速度が低下しているというご指摘があることは分かっておりますが、そのため、総務省は、平成30年2月に接続装置の円滑な増設を可能とするよう、NTT東西に対しまして要請をいたしました。と同時に、有識者会議において更なる取組について検討を進めているところであります。
　また、今後の更なる通信量の増大による速度低下に対処するためには、通信事業者だけでなく、コンテンツ事業者側においても、データ圧縮により通信量を減らすなどの工夫が必要であると考えておりまして、幅広い関係者による協力体制の整備等について、別の有識者会議において検討をいたしております。
　 加えて、5Gサービスを支える光ファイバ網の整備を進めるため、来年度予算案に52．5億円の補助金を計上いたしております。
　 総務省としては、Society5．0による地域活性化を早期に実現する上での基盤となる光ファイバ網などの高速化、高度化に向けて、ルール作りやインフラ整備支援などに取り組んでまいりたいと考えています。

NHKの常時同時配信について日本新聞協会が懸念を示していることへの受け止め

問：

　NHKについて、新聞協会が見解を発表しまして、三位一体の改革が現状では進んでいないと。業務の肥大化を招きかねない、業務の予算の抑制的な執行を求める旨の見解を出しております。この見解について、大臣の受け止めをお願いいたします。

答：

　2月15日、一般社団法人日本新聞協会が、NHKの平成31年度予算案に対しまして、常時同時配信に必要な費用については、現行の2．5％の枠を守るよう努めるべきだということなど、ほかにもありますけれども、今後も抑制的な業務執行に努めるよう求める見解を表明したことは承知をいたしております。
　2月15日に国会に提出をいたしましたNHKの平成31年度予算に対する大臣意見の中で、NHKが要望している常時同時配信については、NHKの目的や受信料制度の趣旨に沿って、必要最低限かつ適正な費用の下で適切に実施されるものとなるよう検討すること、そのほかにも指摘を行っているところでありまして、今後とも制度的な対応を含め、必要な措置を講じてまいりたいと考えています。

携帯電話事業者が端末購入者へのキャッシュバックを行っていることへの受け止め

問：

　携帯電話料金のことについてお伺いします。業者の方でキャッシュバック競争が非常に激しくなっていまして、中には10万円を超えるようなキャッシュバックをやっているところも出ているようなんですが、どのように受け止められているのかということと、総務省として何か対策をお考えなのか伺いたいと思います。

答：

　端末購入を条件とするキャッシュバックなどについては、総務省のガイドラインによりまして、行きすぎた額とならないよう適正化を携帯電話事業者に求めているところであります。
　ガイドラインに抵触した携帯電話事業者に対しては、是正を図るよう指導をしてまいりました。今後も抵触する事案があれば、適切に対処してまいりたいと思っております。
　また、キャッシュバックなどにより、利用者が通信料金のみで携帯電話事業者を比較・選択することは困難になっているとの指摘があることから、通信料金と端末代金の完全分離等を内容とする電気通信事業法改正案を、今国会に提出することを予定いたしております。
　総務省としては、引き続き、携帯電話市場の競争を活発なものとして、低廉で分かりやすい料金・サービスをできる限り早く実現してまいりたい、このように考えています。

問：

　丁度、その改正案ができる前の駆け込み的な動きのようなんですが、そこらへんについてはどのようにお受け止めですか。

答：

　これについても、先ほど申し上げましたけれども、ガイドラインに抵触している場合には、適切に対処してまいりたいといいますか、今までも指導してきておりますので、そういう対応をしていきたいと思っております。

問：

　よろしいでしょうか。では、終わります。ありがとうございました。

答：

　はい、ありがとうございました。