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会見発言記事

石田総務大臣閣議後記者会見の概要

令和元年5月24日

冒頭発言

  おはようございます。
  今日は4点、報告がございます。
 
【消防ロボットシステム「スクラムフォース」】
 
  まず1つは、本日14時、千葉県市原市が、消防ロボットシステムの発足式を行う予定でございます。
  この消防ロボットシステムは、東日本大震災における市原市の液化石油ガスタンクの大規模爆発火災やその翌年の姫路市の化学プラント爆発事案を教訓といたしまして、消防隊員が近づけない特殊災害に対応するため、消防研究センターにおきまして、平成26年度から5年間をかけまして、研究開発してきたものでございます。
  この消防ロボットシステムは、世界最高水準の耐熱性能を持つ「飛行型偵察・監視ロボット」、「走行型偵察・監視ロボット」、「放水砲ロボット」、「ホース延長ロボット」等で構成されまして、自ら判断して現場に接近をいたしまして、そして、放水方向を自動制御する自律性能、ロボット同士が災害現場の情報を共有し協力する相互連携性能などのSociety5.0時代の先端技術を導入した、世界初の実戦配備可能なシステムでございます。
  今回、私はこの消防ロボットシステムを「スクラムフォース」と命名をいたしました。ロボットがフォース(力)を結集(スクラム)するという、そういう過酷な状況下で住民の安心・安全を確保するという思いを込めて、「スクラムフォース」と名づけました。
  併せてそのマークも作成をいたしました。災害から住民を守る「盾」の中に、4台のロボットの性能を表すアイコンを入れたものでございまして、スクラムフォースを配備する市原市には、訓練等を通じまして、世界初の技術等の検証を期待をいたしたいというふうに思っております。
  詳細につきましては、担当の方にお問い合わせいただきたいと思います。
 
令和元年度「異能ベーション」プログラムの公募開始別ウィンドウで開きます
 
  2つ目は、これまでにない大胆な発想で、社会や経済を劇的に変化させる破壊的イノベーションを支援する「異能ベーション」プログラムについて、6月3日から公募を開始をいたします。
  本プログラムは、これまで5歳から86歳まで幅広い方々から2万件を超えるご応募をいただきました。中には、魚の群れを外部からの信号で誘導する世界初の技術で、生簀いらずの大規模海洋牧場の実現に向けた起業などの成果も挙がっているところでございます。
  今年度は、新たな試みといたしまして、地域の課題を解決するアイディアなどを競う「プレ異能ベーション」を実施をいたします。その実施主体の募集も併せて開始をいたします。
  また、ユニークな動画発信で世界的に注目を集めました古坂大魔王さんに推進大使に就任をいただいておりまして、さらに幅広く異能な方に参加いただけるよう呼びかけていただく予定でございます。
  これからのAI時代にも輝ける、人間ならではのひらめきを持った全国の皆さんからの応募をお待ちをいたしております。
  詳細は、事務局のほうにお問い合わせいただきたいと思います。
 
「地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクスの活用に関する研究会」報告書の公表別ウィンドウで開きます
 
  3点目は、スマート自治体に関する研究会報告書の公表でございます。
  今後の労働力の供給制約の中、「Society5.0時代の地方」を実現していくためには、自治体自身が、AI・RPA等のICTの活用やシステムの標準化などを通じまして、業務効率化を図るスマート自治体に転換していくことが重要でございます。
  総務省では、この点に関しまして、昨年9月に「地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクスの活用に関する研究会」を設置をし、有識者や自治体を交えてご議論いただいてきたところであり、今般、その報告書がとりまとめられました。
  詳細については、行政経営支援室にお問い合わせいただきたいと思います。
 
消費者物価指数別ウィンドウで開きます
 
  それから、もう1つは消費者物価についてでありますけれども、本日の閣議におきまして、消費者物価指数について報告をさせていただきました。
  そのポイントをご説明いたしますと、4月全国の「生鮮食品を除く総合」は、一年前に比べ0.9%の上昇と、28か月連続の上昇となりました。
  これは、電気代やガス代などの「エネルギー」や、外食などの「生鮮食品を除く食料」などの上昇によるものであります。
  また、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は、一年前に比べ0.6%の上昇と、22か月連続の上昇となりました。
  一年前と比べた消費者物価は、緩やかな上昇傾向で推移をいたしております。
  詳細につきましては、統計局にお問い合わせいただきたいと思います。
 
  以上でございます。
 

質疑応答

財政制度等審議会の試算

問:
  財務省が地方財政改革案として、地方自治体の一般職員数を2025年までに約3万人削減可能との試算を出しました。事務作業の効率化を進めて人員を絞るように求めたわけですけれども、自治体によっては人手不足の分野もあると思われます。この提示案についての大臣の受け止めと、今後2020年度予算案作成に当たっての焦点にもなってくると思いますけれども、どのように対応されるのでしょうか。
答:
  今月22日の財政制度等審議会において、仮に人口当たりの職員数を一定とすれば、今後の人口減少に応じて、2025年までに職員数が約3万人減少することになるということで、極めて機械的な試算を示されたということでございます。
  3万人の削減が可能とか、あるいは必要との趣旨の提言ではないというふうに認識をいたしております。
  各地方団体においては、民間委託、あるいはSociety5.0の技術の活用、先ほど申し上げましたRPAとか、そういうことによって行政の合理化、効率化を図るということは大事でありますけれども、一方、相次ぐ災害への対応や防災力の強化、あるいは地方創生の推進、高齢化への対応、子ども子育て支援の充実、児童虐待防止対策など、行政需要の増加に適切に対応していかなければならないという点もあるわけでございます。
  年末の地方財政対策におきましても、そういう実情を十分踏まえながら、適切な職員数の計上に努めてまいりたいと考えております。

ふるさと納税制度

問:
  泉佐野市がふるさと納税から外された理由の質問書を大臣宛て提出していて、今日24日までの回答をというふうに求めていましたけれども、その後どうなりましたでしょうか。
答:
 本日午後になると思いますけれども、回答させていただく予定でございます。

問:
  その内容は、ちなみにどのような。
答:
  内容については、今の時点でコメントは差し控えさせていただきますので、回答文書を発出後に、担当課にお問い合わせいただきたいと思います。

AIの活用に関するOECDの合意についての受け止め

問:
  AIに関してお聞きをしたいと思います。今週、日本を含めたOECD加盟国のAIの活用について、人間中心の価値観や公平性を原則とするということで盛り込んだ国際ルールに合意しています。前回の閣議後会見でも大臣からご発言がありましたけれども、このルール形成については来月の「G20貿易・デジタル経済大臣会合」でも議題になると思います。今回、OECDの合意には加わらなかった国もあって、多国間のルール形成というのはさらなる議論も必要だと思うんですけれども、今回のOECDの合意についての受け止めをお聞きしたいと思います。
答:
  22日に総務省も参加いたしておりますけれども、OECDの閣僚理事会で人工知能に関する原則が採択されたところでございます。
  本原則は「人間中心」の考え方の下、AIに関する「透明性」、「セキュリティ」の確保などの5つの原則で構成されておりまして、今後AIの開発や利活用を促進するにあたっての国際的な指針となるものと考えております。
  本原則は、3年前のG7香川・高松情報通信大臣会合におきまして、我が国がその必要性を提起をいたしまして、OECDはじめ、各国、各機関で議論が行われてきたものであります。今般その成果がこうして結実したことは大変喜ばしいというふうに考えております。
  また、来月8日9日の「G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合」でも、AIは主要テーマの1つでございまして、私も共同議長として、OECDのAI原則をもとに、ロシア、中国など非OECD加盟国とも共通理解を確立していきたいというふうに考えております。
  Society5.0を人間中心のものとするためには、国際的な共通理解の下に取り組んでいくことが不可欠でございますので、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)など、ほかの重要課題も含めまして、G20の開催国、そして、議長として議論をさせていただきたいと思います。

衆参ダブル選挙

問:
  衆参のダブル選挙の話について伺います。マスコミを含めてダブル選に関する関心が今、高まっているところですけれども、過去でいうと、1986年にダブル選があったわけですが、それを調べてみると、86年の時は衆院選では比例の選挙はありませんでした。参院選では比例がありましたけれども、拘束名簿方式でしたので、政党票を数えるだけでよかったということを考えると、仮に今回あった場合は、衆院も参院も選挙区と比例を開票する前例のない、かなり大変な事務作業が待っていると思いますけれども、解散があった場合は40日以内にダブル選があることになります。
  こうした状況で、総務省の現在の検討状況、準備状況を、総務大臣としてどのような体制、あるいは気持ちで臨まれるべきかというお話を伺いたいと思います。
答:
  ご指摘の点は、衆議院の解散権に関わりますので、また仮定のお尋ねであるため、答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、総務省としては、国政選挙が実施される場合には、法令の規定に従いまして、適切に選挙の管理執行が行われるように努めてまいりたいと、そのように考えています。

問:
  ほか、ございますでしょうか。なければこれで終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
答:
  どうもありがとうございました。
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