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会見発言記事

高市総務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年5月29日

冒頭発言

   皆様、おはようございます。
   本日は、久しぶりに官邸での閣議・閣僚懇がございました。


労働力調査結果別ウィンドウで開きます

   本日、労働力調査結果を公表いたしました。
   4月の完全失業率は、季節調整値で2.6%と、前月に比べ0.1ポイント上昇し、2017年12月以来、2年4か月ぶりに2.5%を超えました。
   就業者数は6,628万人と、1年前に比べ80万人減少し、2012年12月以来、7年4か月ぶりに減少に転じました。
   産業別にみますと、新型コロナウイルス感染症の影響により、
   「宿泊業、飲食サービス業」、「卸売業、小売業」及び「製造業」などで就業者数が減少しています。
   また、就業者のうち、休業者数は597万人と、1年前に比べ420万人の増加となりました。3月と比較しますと、増加幅は、389万人の拡大となっています。
   これは、リーマンショック時には見られなかった現象でございます。就業者が、直ちに失業者に転じていないという状況でございます。
   新型コロナウイルス感染症の影響が非常に大きく現れておりますので、引き続き、十分に注視をしてまいります。
   詳細につきましては、統計局にお問い合わせください。


【特別定額給付金の受付・給付団体】

   特別定額給付金を含む補正予算が4月30日に成立してから、概ね1か月が経過しました。
   先般、火曜日に、1,741全市区町村で「受付」が行われていると申し上げましたが、各団体からいただきました報告によりますと、本日までに全体の99.9%に当たる1,740団体が「給付」を開始することとなりました。
   内訳につきましては、郵送については、83.2%に当たる1,448団体、オンライン申請については、97.6%に当たる1,699団体が、給付を開始すると伺っております。
   ちなみに、前回の平成21年の定額給付金の際と、両方で共通している郵送方式の受付・給付状況で比較しますと、当時は、関係する国の補正予算が成立した後、3か月が経過した時点で、「郵送」を開始した団体が全体の98.2%、「給付」を開始した団体が77.3%でございました。
   これに対しまして、今回の特別定額給付金については、国の予算成立から約1か月で、これらの数字を超えたことになります。
   「簡素な仕組みで、迅速かつ的確に、家計への支援を行う」という給付金の趣旨に鑑み、各市区町村の首長及び職員の皆様におかれましては、迅速な給付について、大変なご尽力を賜っております。改めて感謝を申し上げます。


光ファイバ整備に係る第二次補正予算及び市町村別整備率の公表別ウィンドウで開きます

   27日の臨時閣議で決定しました「令和2年度第2次補正予算案」において、光ファイバの整備に関する補助事業として、501.6億円を計上いたしました。
   これは、国民の皆様に、感染症の拡大防止に努めていただきながら「新たな日常」を取り戻していただく上で、遠隔教育や遠隔医療、テレワークを支える情報通信環境を整備する必要性が、改めて認識されている中で、第1次補正で対応しました「学校がある地域」をはじめとしまして、今回は、その他の地域も含めて、「地域の光ファイバ整備」を加速して、当初の全国整備目標を2年前倒しで達成すべく、必要な予算を計上したものでございます。
   地方公共団体の皆様におかれましては、これまでも、地域のニーズを踏まえて基盤整備にご尽力をいただいておりますが、今後の検討の一助としていただくため、「ブロードバンド基盤整備率調査」の結果を公表いたします。
   既に公表しておりますとおり、光ファイバの整備率の全国平均は最新の値で98.8%となっており、都道府県別に数字をお示ししてまいりました。今回は、初めて「市町村別」の整備率も公表いたします。
   国会でご審議いただきました後、予算案をお認めいただきました暁には、とりわけ、未整備の地域が残る市町村の方々におかれましては、光ファイバ整備の補助事業に加えて、地方創生臨時交付金や補正予算債なども十分にご活用いただき、ご要望いただいた全ての地域で整備を進めていただける環境を整えてまいりたいと考えております。

   冒頭、私からは以上でございます。
 

質疑応答


サプライチェーンリスク対策

問:
 政府調達で中国からの調達の排除を拡大するという方針が報じられていますけれども、大臣のお考えを伺えますでしょうか。
 
答:
 サイバーセキュリティを確保する場合におきまして、「サプライチェーンリスク対策」によって、情報の窃取、破壊、システムの停止など、悪意のある機能が組み込まれた製品・部品を使用しないようにすることが重要でございます。
 このために、平成30年、政府は、政府機関などのサイバーセキュリティに関する対策の統一基準として、サプライチェーンリスク対策を講じるべきことを決定しました。
  この決定を踏まえて、総務省を含む関係府省庁では、政府機関のIT調達に関し、特に防護すべきシステムと調達手続を明確化した「申合せ」を行い、取組の強化を行っております。
 現在、内閣官房において、この「申合せ」の適用範囲を独立行政法人や指定法人に拡大することも含めて検討していると伺っております。総務省としましても、必要に応じて連携をしてまいりたいと存じます。
  なお、こうした取組ですが、これまでと同様、特定の国や企業の製品を排除しようとするものではないと認識しております。


ふるさと納税制度

問:
  ふるさと納税制度についてお伺いいたします。返礼品の寄付額を3割までというルールを厳格化した新制度改正から1年を間もなく迎えますが、一部の自治体に返礼品が集中する事態が沈静化されつつあるという見方もあるんですけども、大臣としてこの1年間をどう評価されるかお聞かせいただけますでしょうか。

答:
 石田前大臣のお取組を大変高く評価し、また、感謝をいたしております。
 ふるさと納税指定制度は、過度な返礼品競争などを背景に、ふるさと納税制度の健全かつ公平な運用を図るために導入されたものでございます。
  指定制度導入以降、一定のルールの下で、災害の被災地への支援や、新型コロナウイルス感染症対策への活用がなされるといったように、各地方団体が創意工夫を図りながら、制度の趣旨に沿った運用に 取り組んでいただいていると受け止めております。
  各地方公共団体のご協力と納税者の皆様のご理解を賜りながら、ふるさと納税制度の健全な発展に向けて取り組んでまいりたいと存じます。


情報漏洩問題に係る日本郵政株式会社における調査結果(1)

問:
  前総務次官の昨年末の情報漏洩問題で、日本郵政が先日調査結果を公表しました。その内容の中で、上級副社長の方は、情報を自分からは特に要求しておらず、むしろ前次官の方から情報を持ってこられた。大していらない情報を持ってこられたというような内容になってますけれども、この点について、どういうふうにお考えになるかということと、それと、結局、前次官がなんで情報を提供したのかというのは今も分からないままになっているんじゃないかと思うんですが、その点も合わせてお考えを教えてください。

答:
  5月25日に日本郵政株式会社が公表した調査報告書や、その公表会見におきまして、前上級副社長からは情報を求めていないことなどが明らかにされたことは承知しておりますが、日本郵政において第三者による調査を行った結果でありますので、その当否について、コメントする立場にはございません。
  ただ、総務省の内部監察で明らかにした事柄と同じ内容がしっかりと入っていたということでございます。
  この調査で日本郵政としては、一定のけじめをつけられたと考えております。
  それから、「日本郵政側にとって、それほど必要じゃない情報だった」といったお話がございましたけれども、私が行いました前次官に対する懲戒処分は、日本郵政側への影響いかんに関わらず、検討途上の処分内容などが、被処分者に伝えられていたこと自体が、「公正・公平であるべき公務の中立性を損なう非違行為」に当たることから、国家公務員法第99条に従って、信用失墜行為を行ったとみなしましたので、処分内容については、妥当であったと思っております。
  ただ、保険業法に基づき、金融庁が、かんぽ生命への業務停止命令をどれぐらいの期間にするのかということについて、当然、かんぽ生命に対する業務停止命令が出ますと、こちらも日本郵便への業務停止命令を出さなければなりません。
  それらの期間がどれぐらいになるのかというのは、当時、日本郵政が知りたがっていた情報であったと思います。
  それらについて、私が金融庁長官とお会いする日時や、その後も私から情報を得られたら提供する旨を、先方に前次官が伝えていたということについては、非常に重く私は受け止めております。


日本郵政グループ人事

問:
 同じ調査の関連で、当日の会見の中で増田社長が、今後、総務省の局長級は、取締役には登用しないという旨をお話しされていましたが、大臣、従前からおっしゃっていたことではありますが、改めて総務省と日本郵政グループ間の人事についてのお考えを教えてください。

答:
  総務大臣の役員の任免に関する認可など役員に関する権限が私にある法人や、総務省が行政処分をする権限を持っている法人につきましては、基本的には、局長級以上の役職を務めたOBが役員に就任することは望ましくないということを、以前から申し上げております。
 増田社長もこの考えに同意である旨、先日の会見時にご 発言されたと承知いたしております。


情報漏洩問題に係る日本郵政株式会社における調査結果(2)

問:
 今ほどの情報漏洩問題の調査について関連することでありますけれども、ちょっとだぶったりすることもあるかもしれませんが、これまで3つ調査されたと思うんですけれども、唯一公表された、総務省の方は公表されていないということで、長門社長がやった調査も公表されていないんですけれども、今回、具体的な内容が示されたと思うんですけれども、それらが情報漏洩の概念という、役所側の概念ということになると思うんですけれども、それが情報漏洩に当たるような内容だったのかっていうことと、この調査で所見というのがあったと思うんですけども、その中で情報漏洩による郵政の影響は認められなかったという所見があったと思うんですけれども、それが前次官が懲戒処分停職3か月に値するものなのか、改めて今回の調査が公表されたということを考えて、改めて大臣のお考えをお伺いしたいんですけれども。

答:
  前次官に対する懲戒処分でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、検討途上の処分内容などが被処分者に伝えられたこと自体が、「公平・公正であるべき公務の中立性を損なう非違行為」だと考えております。
  国家公務員法第99条の信用失墜行為に当たると考え、停職処分といたしました。非常に重い懲戒処分でございます。
 処分内容については、任命権者である大臣が決めるものとされておりますので、私は、妥当であったと考えております。

問:
 今回の内容が、何か影響するようなすごい秘匿性のあるものであったとはちょっと感じられないんですけれども、そういったことは勘案されないっていうことになるんでしょうか。中立性というようなことになるんでしょうか。

答:
  最終的に決定した処分内容ではないことから、国家公務員法第100条は適用をいたしませんでした。
  ただ、最終段階に近い処分内容で、事務次官も含めて、ごく限られた人間が私の部屋で話していた内容でございます。その中には、日本郵政側にとっておそらく必要であろう情報も入っていたと思います。
  いずれにしましても、情報の内容がいかなるものであっても、監督官庁の事務次官が、処分を受けるであろう相手に対して、検討途中、とりわけ最終段階に近い内容を伝えること自体が正しいことではございません。あってはならないことだと考えております。


地方制度調査会の答申案

問:
 先日開かれた地方制度調査会の会合で示された答申案、素案の受け止めについてお伺いしたいと思います。

答:
  地方制度調査会の専門小委員会でございますが、先日、答申素案が提出されました。
  この調査会では、現在、人口減少に対応するために必要な地方行政体制の在り方について、地方行政のデジタル化も含めて調査審議が進められておりますので、引き続き、幅広い見地からご議論いただくことを期待いたしております。


労働力調査結果

問:
 労働力調査の受け止めをお伺いしたいんですけども、先ほどの発言の中でも、リーマンショックの時とは異なって直ちに失業者に転じていないという状況について、ご発言がありましたけども、失業者は数字に表れづらい状況だとも考えられるんですが、大臣、このへん具体的にどういうふうに捉えられていて、今後注視したい点というのは、具体的にどういったところを見ていかないといけないというふうにお考えか、教えていただけますでしょうか。

答:
  今回、公表させていただいたのは、4月の調査結果でございます。
 就業者数が減少となりましたが、完全失業率は0.1ポイントの上昇にとどまりました。それでも失業された方にとっては大変な状況でございます。
  先ほど申し上げましたが、就業者のうち、休業者数が大幅に増加して過去最多となっています。
  この点が、リーマンショックの時には見られなかった現象で、就業者が直ちに失業者には転じておらず、まず、休業という段階があるということは考えられます。
  ただ、労働力調査を通じまして、これからも雇用情勢の的確な把握に努めてまいりたいと考えております。
  働く場所があってこそ皆様の生活が成り立つわけでござ いますので、休業であれ、失業であれ、しっかりと見ていきたいと考えております。

問:
 では、大臣、ありがとうございました。

答:
 どうもお疲れさまでございました。

大臣の動画はこちら別ウィンドウで開きます(YOUTUBE)

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