総務省トップ > 広報・報道 > 大臣会見・発言等 > 佐藤総務大臣閣議後記者会見の概要(平成21年8月11日)

会見発言記事

佐藤総務大臣閣議後記者会見の概要

平成21年8月11日

冒頭発言

 おはようございます。本日、人事院から提出されました人事院勧告について、給与関係閣僚会議を開きまして、国家公務員給与の取扱いの検討に着手した旨、本日の閣議で報告をいたしました。本年度の国家公務員の給与の取扱いにつきましては、国家公務員の労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度を尊重するという基本姿勢に立ちまして、国民の理解を得られる適正な結論を得るよう検討してまいりたいと考えております。また、地方公務員の給与についても、国家公務員の給与を基本として決定すべきものでございまして、本年度の給与改定については、地方財政事情等を勘案しつつ、勧告尊重の基本姿勢に立って対処する必要があると考えております。
 次に台風9号の影響による大雨被害についてでございます。まず、今回の大雨等により亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げ、御遺族にはお悔やみを申し上げたいと思います。また、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。このたび兵庫県宍粟市、同県佐用町及び岡山県美作市が災害救助法の適用を受けたところでございまして、これを受けて9月に交付すべき普通交付税の一部を繰り上げて交付することといたしました。繰上げ交付額は17億7,500万円、兵庫県宍粟市、6億2,800万円、兵庫県佐用町3億8,200万円、岡山県美作市7億6,500万円、交付決定日は8月18日火曜日、現金交付日は8月19日水曜日を予定しております。なお、今後災害救助法が適用される市町村が拡大をすれば、関係地方公共団体の意見を踏まえて適切に対処してまいりたいと思います。
 駿河湾を震源とする地震の被害情報と対応状況の報告をさせていただきます。駿河湾を震源とする地震が8月11日午前5時7分頃、発生をいたしました。被害状況は、午前10時30分現在でございますけれども、人的被害は負傷者65名、住家被害は一部破損67棟、火災4件となっております。このほか、東名高速道路が一部上下線とも通行止めとなっているところでございます。総務省消防庁では、地震発生と同時に消防庁長官を本部長とする災害対策本部を設置いたしました。あわせて、静岡県からの要請を受けまして、消防庁長官より3都県1市に対し緊急消防援助隊の出動を要請したところでございます。これまで航空部隊が山梨県、愛知県及び名古屋市の計3隊18名、陸上部隊が東京都2隊及び愛知県1隊の計3隊10名、合計6隊28名が出動しているところであります。このほか、4県5市に対し出動準備の要請を行っている状況でございます。私としては、消防の活動を中心として、人命の安全確保を最優先に被害の拡大防止に全力を上げて取り組むよう、消防庁長官に対して的確な状況把握と緊急消防援助隊の出動を含めた万全の対応を指示いたしました。今後とも、地方公共団体と的確な連携を図りながら、適切に対応してまいりたいと思います。
 先程、日本郵政株式会社の西川社長にお越しをいただきまして、郵政事業に関する問題について意見交換を行いました。今回は、JPエクスプレス社への宅配便統合に係る問題を中心として、私からのお願いについてお話をいたしました。御案内のとおり、先月29日に郵便事業株式会社から平成21事業年度事業計画の変更認可申請が行われました。私はかねてから、ヒトとオペレーションについて、10月統合までに準備が間に合うのか、危ぐをしておりました。私の抱いている不安がすべて払拭される状況にはございません。仮に、今回の宅配便統合によりまして、利用者や業務運行に混乱や支障を来すことがあるならば、郵便事業会社は、国民利用者の信頼を著しく失墜をさせることとなりますし、したがって、今回の計画対応については、日本郵政も慎重を期すべきと考えております。
 そこで、私から、西川社長に対しまして次の3つについて、整理していただくようにお願いをいたしました。第1でございますけれども、利用者や現場に混乱のないよう、現在、念頭に置いている統合日について、10月1日にこだわらず、オペレーションの準備状況を踏まえた統合時期を再検討していただきたいということであります。2つ目でございますけども、計画したサービス水準を実現するための要員の配置と業務運行体制について、再検証の上、必要であれば見直していただきたいということであります。3つ目でありますけども、JPエクスプレス社の統合が郵便業務に与える影響などの再評価を行うとともに、収支見通しが下ぶれした場合の対応など、統合計画の再評価を慎重に行っていただきたいということであります。以上の3つでございますが、あわせて、社員や労組の方々へは、十分な事前説明や意見交換を行いまして、準備作業で現場が混乱しないように配慮することをお願いをいたしました。詳細につきましては、郵政行政部にお問い合わせをいただきたいと思います。
今回の統合計画は、利用者や郵便に与える影響も大変大きいと判断をしております。日本郵政としても、慎重な姿勢で臨んでいただきたく、あえて私から検討事項をお示しをしましたが、西川社長も私の問題意識を御理解されまして、御対応いただけるとのことでありました。今後、日本郵政において速やかに検討・整理を行いまして、その上で、郵政行政部に対して、御説明いただく段取りとなっております。当省としては、検討を待って、引き続き慎重に審査を行ってまいりたいと考えております。以上です。

質疑応答

マニフェストの評価

問:
 今月に入って、全国知事会が分権の観点から自民、公明、民主党のマニフェストを評価したり、21世紀臨調が主催して経済団体やシンクタンクが、自民、民主のマニフェストを評価していますが、このような動きに対して、大臣は、どのようにお考えでしょうか。
  
答:
 8月7日に、全国知事会が地方分権改革に関する公開討論会を開催をして、自民党、公明党、民主党との間で地方分権改革に関する討論を行った上で、それぞれの政党の地方分権政策に関する政権公約について評価を行ったと、その結果を8日に発表したということは承知をしております。そのほか、民間のシンクタンクなどにおいても、それぞれ、地方分権政策を含めまして、政党の政権公約について評価をしたということも伺っております。各界において地方分権改革についての積極的な論議が行われているということは、地方分権について大変国民的に議論を喚起するという点では、非常にありがたい話だと思いますし、地方分権改革を進めていく上で大変歓迎をさせていただいているということであります。いずれにしても、政府としては地方分権改革推進委員会からの勧告を踏まえまして、講ずべき必要な法制上または財政上の措置を定めた地方分権改革推進計画を策定をいたしまして、新分権一括法案を国会に提出すべく地方分権改革に全力で取り組んでまいる所存でございます。以上です。

靖国神社への参拝

問:
 大臣、すみません。15日、終戦記念日ですけれども、靖国神社に参拝されるお考えはございますでしょうか。
    
答:
 今のところ、予定をしておりません。
問:
 その理由もお願いします。
  
答:
 理由と言われましても、自分なりに判断をして、行かないことを決めております。あえて言う話でもないかなというふうに思います。自分の考え方のもとで行かないということでございます。
問:
 15日以外も行きませんということですか。
    
答:
 まいりません。
 

西川日本郵政社長との意見交換

問:
 大臣、JPエクスプレスの完全統合の時期なのですけれども、西川社長も10月1日にこだわらずに先送りというのか、時期をもう1回考え直しますというふうに言ったのですか。
  
答:
 直しますというところまでの話は伺っておりませんけれども、私の方から要請をしたということでございまして、それを踏まえて考え直すというか、よく精査をして、また持ってまいりますという話であります。
問:
 了解したと、先方は。
    
答:
 ですから、10月1日がどうのこうのというのは別に話し合ってはいませんけれども、一応私どもの考え方を申し上げた上で、もう1回整理をして持ってきてくださいということを申し上げています。
 
問:
 それと、今、ペリカンとゆうパックの統合なのですけれども、人とオペレーションの何がどの程度進んでいないのが問題なのですか。不安が払拭されてないとおっしゃいましたが。
    
答:
 具体的にはですね、郵便事業会社の大口顧客のJPエクスプレス社への移行手続というのが明確になっていないということと、これは大変な問題ですから、その辺をしっかりと説明していただきたいということ。それと地方の集配業務委託に伴いまして、郵便事業会社の追加労働力の確保。要は人を雇わないとやり切れないのですね。そういうものが挙げられまして、そういう問題意識を私どもが持っているものですから、それを促して、もう1回考え直してくださいということを申し上げたのです。
 
問:
 そうすると、この前出した事業計画の変更認可申請は認められないということですか。
    
答:
 認められないというか、私どもが疑義を感じていることを、もう1回見直してくださいということを言っているので、すぐに、この時点で認めるというわけにはいかないということを申し上げた上で、もう1回整理をして持ってきてくださいということを言っております。
 
問:
 この時点で、この前出した変更認可申請については認められないと。
    
答:
 まあ、そういう言い方を。ここで認めるというわけにはいきませんので、これを私どもとしては理解できないので、もう1回整理をして持ってきてくださいということと、もう少し考え方として、はっきりしたものを持ってきていただかないと、この時点では認められませんということだと思います。
 
問:
 やり直せということですね、つまり。
    
答:
 そういう、そこまでは言ってないのですけれどね。
 
問:
 見直せというふうにおっしゃったということですけれども、見直すべき時期というのは、具合的に大臣は示されたのですか。いつまでに見直せというふうに示されましたか。
  
答:
 それは常識的な判断で。取締役会もあるようですので、その取締役会を経てきっと提出をされるのではないかなというふうに私は判断をしておりますけれども、そういう言及はございませんでした。
 
問:
 それは次回の取締役会までにということですか。
    
答:
 別にそういう返事はありませんけれども、私が想像するところ、そういう工程になるのではないかなというふうに思います。
 
問:
 すみません、JPエクスプレス以外の件で西川社長とのお話しは一切出なかったのですか。
    
答:
 一切出ないということはないですけれども、一応、先日、私が皆さんに発表させていただいたこと等々については、結構、私も郵便局に寄ったりしますと、非常に関心を持って皆さんに喜んでいただいているという報告は西川社長には差し上げました。それくらいですかね。
 
問:
 ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。
答:
 ありがとうございました。

ページトップへ戻る