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会見発言記事

原口総務大臣閣議後記者会見の概要

平成22年6月22日

冒頭発言

 おはようございます。閣議・閣僚懇談会が少し延びまして、遅れまして、まずおわびを申し上げたいと思います。閣議後の記者会見を始めさせていただきます。
 本日、中期財政フレームを含めた財政運営戦略が閣議決定されました。前の政権から引き継いだ膨大な財政赤字、そして、平成2年をピークに61.2兆円でしたけれども、一般会計の歳入というものはずっと減り続けています。その中で、世界最速で進む少子高齢化、これにどうこたえていくのか。安定的な財源を、そして、強い社会保障をつくっていくためにどのようにするかということで、大変狭い道でございますけれども、私たちがまとめた基本的な方針、これが閣議決定されました。国・地方、特に国のプライマリーバランス、これをしっかりと、これはGDP比で成長しなければ、正に財政赤字は発散をしていくわけですから、しっかりとした経済成長を基に、この20年間の停滞の反省をしっかりと踏まえて財政運営をしていくということで、今日、閣議決定をされたところでございます。
 また、地域主権戦略の大綱を、閣議決定をいたしました。義務付け・枠付けの撤廃、これまで長い間中央集権を行ってきた。そして、世界に対して、国家の意思はどこにあるのか、あるいは、日本のプレゼンスはどこにあるのか。依存と分配の政治の中で、内側にかまけて、しかも、内向きに収縮をしていくと。こういう政治を一気に変えて、明治以来の中央集権体制を地域主権型に変えていく。それは取りも直さず、中央政府が余分な依存と分配に携わるのではなくて、世界に対して、あるいは日本の国益を守るために、しっかりとした仕事をするためのものでもございますし、地域にある資源を中央で差配をされるのではなくて、潜在的な力を更に引き出して日本を再生する。その大きな第一歩を踏み出すことができました。これまで、国・地方協議の場、あるいは各専門委員会でもずっと議論を詰めてきましたが、昨日、その一定の結論を得たところでございます。出先の原則廃止、それから、地方の独自の税財源移譲、そして、一括交付金化といったことについて、多くの道筋を付けさせていただいたところでございます。
 それから、「地デジ化応援隊」ということで、いよいよもうあと1年ちょっとになりましたけれども、来年7月の地上デジタル放送への完全移行に向けて、周知広報に御協力いただく、「地デジ化応援隊」のメンバーが決まりました。ここで発表をさせていただきます。6名の方、五十音順ですが、この応援隊のメンバーには、地デジのテレビスポットへの出演や地デジのイベントへの参加などについて、無償で、ボランティアで御協力いただく予定でございます。活動期間は、本年7月24日から1年間の予定でございまして、本年7月24日の地デジ完全移行1年前式典において、正式にお願いをするものでございます。お名前を発表いたします。王貞治さん、桂歌丸さん、北島三郎さん、高橋英樹さん、萩本欽一さん、茂木健一郎さん、この6名の方々でございまして、この場を借りて改めてお礼を申し上げるとともに、国民的にも大変尊敬をされ、そして、活動も注目をされる方々でございまして、私といたしましては、地デジ完全実施に向けた強力な応援隊に、大変意を強くしているところでございます。
 また、これで、今日また併せて、公務員制度改革の退職管理基本方針について、閣議決定をいたしました。公務員制度改革の関係法案は未成立の運びとなりましたけれども、天下りのあっせんの根絶や定年まで勤務できる環境整備も含め、改革を停滞させることは絶対に許されません。天下りのあっせんの根絶を図るため任命権者が採るべき措置、そして、「官を開く」との基本認識の下、公務員のコスト意識・現場感覚を高める観点から、官民の人事交流等の拡充を図るための任命権者が採るべき措置などについて、政府の統一方針として、退職管理基本方針を閣議決定いたしました。また、本日の閣議において、国家公務員の再就職状況について、国家公務員法第106条の25第1項等の規定に基づき、平成22年1月から3月までの間に、各府省等の元管理職職員から再就職の届出があった224件について報告をいたしました。この他、独立行政法人等の役員に就いている退職公務員等の状況について、本年2月1日時点での状況を取りまとめましたので、これについても本日公表いたします。少し説明をいたしますが、皆さんのお手元に紙を配らせていただいています。定年まで勤務できる環境の整備、大臣管理による人事権、公務員人件費の抑制、公務員活力の確保、公務員の意識改革ということでございます。現役出向の拡大。これまでは、いったん退職をして、退職をした人たちが車付き、秘書付き、部屋付きで、そして、膨大な退職金を渡りながらもらっていったわけです。これを完全に無くすということでございます。いわゆる現役出向という形で、退職金の給付もありませんし、一人一人がそうやって車を持つこともございません。それから、新たな専門スタッフ職員の整備。いずれも国民本位の政策を実現するためのものでございまして、現役役員の役員出向については、官を開くとの基本認識の下、中高年の職員が公務部門で培ってきた知識・経験を、民間等の他分野で活用するとともに、他分野での勤務経験により、公務員のコスト意識・現場感覚を高めるという観点から、国への復帰を前提とした、そういう人員管理ということをやっていきます。私たちはここで何を目指しているかというと、いわゆるHAT−KZシステム、補助金、天下り、官製談合、随意契約、特別会計と。このトライアングルに大きくメスを入れて、そして、税金の無駄遣いを決して許さないと。人質型天下りということを、今、調査をしていますけれども、これに合わせて、人が動くことによって、またそこに大きな予算が、あるいは無駄遣いが発生するといったことを決して許さない。強い意志を表明いたしまして、私の会見は以上でございます。御質問をどうぞ。

質疑応答

地域主権戦略大綱

問:
 幹事社の読売新聞です。1問お願いいたします。地域主権戦略大綱の決定に至る過程で、時間が無かったということも理由にあるのかもしれませんが、各省との調整の状況がよく見えないまま決まったという指摘があります。逢坂首相補佐官は、決定に至るまでに財務省や国土交通省からの意見もありましたと。さらに、そのブラックボックスになった点については反省しなければいけないということを、昨日記者団におっしゃっています。大臣は、これまでオープンで物事を決めていくということを基本姿勢とされている中で、首相交代という混乱があったとはいえ、水面下で、見えないところで調整されていって、その結果、5月の案から一括交付金について表現が後退したような部分もあるのですけれども、この一連のことをどのように評価されていらっしゃいますか。
答:
 ためにする議論ではないかなと思います。地域主権戦略会議で決定をするということは、前から一貫して申し上げているわけで、各省の意見がいろいろあったことは事実でございますけれども、それはあくまで参考でありまして、交渉しているわけではございません。むしろ交渉しているというのであれば、今おっしゃったような、その過程をオープンにしなければいけないというのがあるのでしょうけれども、私たちが今ここでまとめてきたものは、当初から出してきたもの、そのものでございますし、後退、何をもって後退と言われるのか、ちょっと理解に苦しむところでございます。

地方消費税

問:
 時事通信の増渕と言います。菅総理が言及している消費税率10%に関連してお伺いしたいのですけれども、今日の税調の中間整理とか、あるいは地域主権戦略大綱を見ますと、地方消費税の充実ということがうたわれております。大臣としては、消費税率引き上げに関連して、この地方消費税の充実について、どのようにお考えでしょうか。
答:
 この消費税の問題については、この政権では上げないという、この政権合意がございます。その中で、今日も税調で議論をしましたように、非常に厳しい財政、そして、税そのものが細っている。この中で、持続可能な社会保障、あるいは強い経済を支える政策運営の基礎となる財政。こういうものをつくるためには、どのようにすればいいのかということを、次の衆議院選挙まではしっかりと議論を詰めて、そして、それを国民にお示しをしながら御判断を仰ぐというのが私たちの基本姿勢です。
 今日も税調で、私、代行としてお話をしましたが、その基本方針は次の三つです。一つは、歳入・歳出構造の一体改革を行うこと。つまり、無駄なところを減らすことなく、1の増税はありませんよと。こういう基本原則を、徹底をするということ。二番目は、公正の原則。すべての人に公正に、先ほど、税の議論、公開という話がありましたけれども、公開をして、そして、それは国民が決定していただくということ。それから、三番目が、今お話のあった、地域主権、新しい国づくり、新しい国の形を、私たちは今日閣議決定で御提示申し上げているわけですから、それにふさわしい税制にする。その中で、地方消費税の税率、あるいは地方消費税について、どのような基本的な考え方を持つかということが、そこでおのずと決まってくるのだというふうに思います。つまり、地方が、地域が、いわゆるサービスを行う。安定的なサービスを行うためには、安定的な財源が要る。その財源として、偏在性の少ない地方消費税というのは、極めて有効な選択肢であるというふうに考えます。ただ、今の現行の5%という、私たちのこの衆議院の任期の中では、そのことについては、なかなか国民に信を問わずしては、税を上げるということはあってはならないことでありますし、私たちは慎重であるべきだと。特に消費税の議論は、財政が赤字だから、それを埋めるためにやるという考え方は、私たちは採っていないのです。もちろん厳しい財政状況というものは、しっかりと踏まえなければいけませんけれども、もともとは税の構造改革なのですね。直間比率、それから、国と地方の財源、税源の問題。こういったことをみんなで支えると。強い社会保障、そして、強い経済基盤をあまねく広く薄く、多くの人たちに負担をしていただいて、支え合う社会の基盤になるものが、地域においては地方消費税であると、このように考えています。

地方税の課税免除等に係る減収補てん制度

問:
 読売新聞の花村と言います。今朝の一部報道でありましたけれども、国民新党の下地議員が沖縄のリゾートホテルについて、固定資産税の減免を総務省に照会し、県の決定を覆したという報道がありますけれども、まず事実関係はどうなのかということをお聞きしたいことと、それから、総務省の見解はどうなのかということについて聞かせてください。
答:
 平成21年4月に、沖縄県から、沖縄振興特別措置法に基づく固定資産税に係る地方交付税の減収補てん制度に関して問い合わせがございまして、対象設備等の一つとして、旅館業の用に供する設備の新設等をした者について、その事業に係る建物を定めており、当該建物が旅館業に係るものであることを要件としたものでございますが、当該建物の所有者が旅館業者であることを要件とするものではない旨、回答したものでございます。下地衆議院議員からも同様の内容の照会、平成21年4月がございまして、これに対しても、同様の法令解釈をしたものでございます。あくまで法令について、総務省としての解釈をお示ししたものに過ぎないということを申し上げておきます。

退職管理基本方針

問:
 共同通信の佐野です。退職管理基本方針についてお尋ねします。独立行政法人の役員についてなのですが、鳩山前政権では、役員については原則公募というふうに定めて、かなり開かれた形で運用されてきたと思いますが、今回の方針を見ますと、現役の役員出向については公募の対象外にできるというような記載がございます。そのことについて、何か方針の変化ということになるのか、そのお考えと御見解をお伺いしたいと思います。
答:
 方針を変えたわけではありません。つまり、現役出向ということで、横異動を認めているという、それだけでございまして、それ以上のものでもございません。

消費税の見直し

問:
 NHKの太田です。各社の世論調査で、最近、内閣支持率が、一部の調査では大幅に下がっているところもあります。これについて大臣は、菅総理が消費税10%に言及したことが影響されているというふうにお考えになっているでしょうか。また、選挙の争点が消費税の是非みたいなことになっていますけれども、このことについて何か御所感があればお願いします。
答:
 個別の、大幅に下がったというのは、私、目にしておりません。むしろ、高い支持を背景に改革を進めていくということで、私たちは国民の負託を受けて、参議院選挙、堂々と議論を進めていきたいと思っています。消費税について、国政選挙の議論になるということは、私は必ずしも誤ったことではないと思っています。つまり、20年間成長をせずに税収が落ち込み、先ほど申し上げました、平成2年が61兆円近いですね、それが今、37兆円しかないということは、国民の皆さんにはしっかりとお示しをしなければいけない。逃げるテーマではないというふうに思います。

NHK経営員会委員

問:
 毎日新聞の長沢と申しますが、この後、NHKの経営委員さんの辞令交付式がありますけれども、漫画家の倉田真由美さんを選ばれた理由というか、期待される部分をお伺いしたいのですが。
答:
 新しいデジタルコンテンツ、そして、創造に携わっておられる方々、あるいは国民との対話、放送行政に対する見識と。そういったものを参考にさせていただいたと聞いております。
問:
 よろしいでしょうか。すみません。ありがとうございました。

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