瀧野総務事務次官記者会見の概要

平成21年1月26日(月)


《冒頭発言》
 今日の事務次官等会議では、当省関係といたしまして、「地方税法等の一部を改正する法律案」と「地方交付税等の一部を改正する法律案」、それから「成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案」の3本が明日の閣議にかかりますので御説明いたしました。
 内容は、皆様御案内のとおりでございまして、地方税法につきましては、年末の、与党あるいは政府税調におきます議論を踏まえました税制の改正をするものでありますし、交付税の関係につきましては交付税1兆円の増額などの、交付税総額の決定と、それから第三セクター等に対します特別の地方債の発行の問題と、それから地方公営企業等金融機構を地方公共団体金融機構に名称を改める等の内容です。
 それから、成田空港の財政上の特別措置につきましては、5年間の延長をすると、こういう内容でございます。
 当方からは以上です。

《質疑応答》
【定額給付金 1)】
:今日、2次補正案が成立する見込みということなのですが、それに関連して定額給付金ですけれども、確か以前、補正予算成立とともに市町村に向けて要綱配付などの準備を進めるというような話でしたが、その現在というか、今後、その成立したということを受けた場合の準備状況、進ちょく状況、及びそれに関連してですね、大臣がホームレスの方への支給を例外的にというか、2月2日以降も認めるようなことをおっしゃっていましたけれども、その辺の検討状況などをお聞かせください。
:ただ今御指摘のように、補正予算の審議が進んでいるわけでございます。その中で我々といたしましては、定額給付金事業は家計への緊急支援という面、それと併せて、消費を増やして経済対策に資するということで、生活対策上重要な施策でございますので、それを踏まえまして、できるだけ速やかに要綱を策定いたしまして、地方団体に通知したいというのが現在のスタンスでございます。補正予算成立を待ちまして、内部で更に検討してまいりたいという状況でございます。
 それから、ホームレスの関係でございますけれども、大臣もおっしゃっておられますけれども、全国で5,000万件以上の申請に対して年度内の給付ということを目指すわけでありますので、とにかくシンプルな形でやらなければいけない。二重給付ということは防止しなければいけないということでございますので、住民基本台帳なり、外国人登録原票というものの情報を基本的にやっていこうということです。
 その中で、ホームレスの方について考えてみますと、この2種類に分かれると思います。どこかの市町村で住民登録をされている方と、そもそも住民登録が消されてしまっている方と、この2種類があるのだろうと思います。どこかの地方団体で住民登録はしてあるけれども、住所が変わってきて都会でホームレスになっているという方については、少なくとも、もともとの住所に登録をしておられるわけですので、現在の居住場所と違っていましても、もともとの住所に郵送で申請をしていただければ受けとることができますので、そういうような方法で支給ということにつなげていきたいというふうに思います。それから、もともとはどこかに住民票はあったけれども、その後、居住関係が実態を持たなくなったという場合に、住民登録が消除される場合があります。そうなりますと、住民登録がどこの市町村にもない場合があり得るわけでございます。そのことは戸籍等を見ますとそういう状況であるということが確認できる場合があります。そういう場合にはどこにもないわけですから、二重に受けとるというおそれがないだろうというふうに考えられますので、そういう人につきましては、2月1日以降であっても住民登録を受け付けるということによって、できるだけそういう方に支給ができるようにするというふうにしていってはどうか。その場合に1つの方法として、ネットカフェとかいう住所地というようなものも住民基本台帳の登録をする場合の住所になり得るという取扱をしていこうということで、現在、検討を進めているという状況でございます。

【内閣人事局】
:行政管理局の移管問題についてなのですけれども、内閣官房の下に一局体制にするのか、あるいは二局体制にするのかで、鳩山大臣と甘利大臣の見解が分かれていると思うのですが、その後、折衝の経緯はどのようになったのでしょうか。
:大臣の方から甘利大臣の方に、できるだけ人事を実際にやる部門と、組織・定員を査定する部門と、ファイアーウォールを設けるべきであるという趣旨でお話をされているわけです。ですから、その主体は、具体的な人事と組織査定というものが一体にならないで、それぞれが独自の立場からきちんとした仕事ができるかどうかということが重要だろうと。その中で、大臣は二局体制ということをお示しになられましたが、甘利大臣の方はそれに対して、組織全体として簡素化という要請もありますので、なお、ほかに方法がないかということを更に勉強するという状況でございまして、まだそういう状況のまま推移していると。もう1つ重要、人事院という問題もありますので、現在そういう中で、水面下で事務的には接触しておりますけれども、具体的な案にまでは到達していないという状況でございます。

【定額給付金 2)】
:定額給付金の関係なのですけれども、今日の審議では関連法案の取扱いはちょっと先送りになりそうなのですけれども、遅れた場合、3月中旬まで審議はされないという見方もありますが、その辺を含めまして、3月までには支給開始は可能なのかどうか、現時点での御見解をお願いします。
:そこのところは非常に、国会の中での御事情になってまいりますので、我々として今の段階で、どういうことになるかと予測することはできませんけれども、憲法の条文でいけば、そういうことは可能になり得るということなのだろうと思います。我々としては、3月中旬というよりもできるだけ速く議論していただいて、それで支給につなげていきたいというふうには考えておりますが、いずれにいたしましても国会でのことでございますので、どういう状況になりましても、年度内の支給がきちんとできますように、市町村といろいろな面で情報交換をしてきたいというふうに思います。
:その定額給付金なのですけれども、実際に自治体によっては到底、準備が間に合わなくて、年度内支給は無理だと言っているところもあるようなのですけれども、総務省としては、そういう問題はどういうふうに対応されていくのでしょうか。
:我々としては、できるだけそういう方向を目指すという要綱案を既にお示しをしているところでございますので、もちろん、市町村の規模、あるいは状況によりまして、難しいところがおありになると、今お話がありましたけれども、それもあると思いますけれども、我々としては年度内に支給が開始できるように、市町村と情報交換をしていきたいというふうに思います。
:実際、支給できる日が自治体によってばらばらになってしまうという点についてはいかがですか。
:それは、あくまでも自治事務として構成しているものですので、ばらばらになることはやむを得ないだろうというように思います。
:給付金の関係で、先ほどホームレスの話が出てきたのですが、ホームレスの中には、ネットカフェで長期滞在をしている人には住民登録を認めるような例もあるにはあるのですけれども、基本的には住むところがないからホームレスになっているわけであって、なるべく広めに住民登録が認められないと、もらえるものも、もらえなくなってしまう可能性が高いと思うのですが、これまで認めてきた住民登録の基準というものを変えてというか緩和して、居住実態を広く認めるというふうに変えるというお考えはあるのでしょうか。
:これは要するに、定額給付金の事業を住民基本台帳法に沿ってやっていこうということですので、住民基本台帳法の今までのいろいろな考え方というものについては、やはりいろいろな経緯の中で、今までの法施行の中で固めてきた解釈があるわけですので、あくまでもその範囲内でどういうことができるのかということを考えるべきものだろうというふうに思います。生活の本拠というものがどこにあるのかということが、この住民基本台帳法上、一番重要な概念でありまして、それについてはいろいろな解釈の積み上げがあります。
 今回の生活給付金というものも、いろいろなその住民基本台帳をめぐる、解釈をする場合の1つの要素にはなるでしょうけれども、それはあくまでも住民基本台帳法の法文の考え方の中で整合性をとって、実行していくべきものであろうというふうに思いますので、定額給付金の事業が主体となって住民基本台帳法の解釈が変わっていくというものではないのではないかなと考えます。
:自治体によって、もし年度内が間に合わなかったとしても、それはそれで仕方がないということでしょうか。
:我々としては、年度内の給付に向けて努力をしていきたいということです。
:よろしいでしょうか。
:よろしくお願いします。
以上