第163回国会(特別会)
総務委員会における総務大臣発言(概要)

平成17年10月6日

(はじめに)

 総務委員会の御審議に先立ち、一言ごあいさつ申し上げます。
 今年も自然災害が多発し、最近では、台風第14号により多くの方が犠牲になられました。被害に遭われた方々に対して、心からお見舞い申し上げます。
 総務省は、国民生活に密着した幅広い行政分野を有しております。
 「改革なくして成長なし」、「民間にできることは民間に」、「地方にできることは地方に」という方針の下、引き続き構造改革を進めるべく、諸課題に積極的に取り組んでまいります。

(1 行政改革の推進)

 行政改革については、小さくて効率的な政府を実現するため、新たな「定員合理化計画」に基づき、17年度からの5年間で10%以上の定員合理化を行うことにより、定員の大胆な再配置と一層の純減の確保に取り組みます。
 本年度末に中期目標期間が終了する独立行政法人についても、組織形態の見直しや事務事業の整理縮小を進めます。
 国家公務員の給与等については、去る8月の人事院勧告を踏まえ、給与構造の抜本的な改革等を実施するための2法案、及び退職手当制度の構造面の見直しを実施するための法案を、今国会に提出したところです。
 また、国家公務員の人事行政についても、人事評価の試行に着手するなど改革の着実な推進に引き続き努力します。
 現在、政策評価制度の改善・充実に向けた見直しを進めており、年内に「政策評価に関する基本方針」の改定や新たなガイドラインの策定などを行います。
 行政評価・監視についても、現在実施中の「鉄道交通の安全対策」などを始めとして、国民の安全・安心の確保や、行政の組織・運営の効率化等の観点から、引き続き積極的に実施します。
 さらに、行政相談については、本年度末までに政府全体の業務・システム最適化計画を策定することを始め、国民にとってより効果的・効率的なものとなるよう取り組みます。

(2 地方分権の推進

 市町村合併については、大きく進み、来年3月末には1,822となる見込みです。しかしながら、合併の進み具合は地域ごとに差異があります。このため、本年5月には合併新法に基づく国の指針を告示し、8月末には私が本部長を務める政府の支援本部で新支援プランを決定したところであり、引き続き全国的に市町村合併を推進してまいります。
 国家公務員における給与構造の改革を踏まえ、地方公務員給与についても速やかな見直しを推進します。また、給与制度・運用等における適正化を強力に推進してまいります。
 「三位一体の改革」については、昨年政府・与党で、「平成18年度までの改革の全体像」を決定しました。その中で課題とされていた残り6000億円規模の国庫補助負担金の改革については、地方6団体が「改革案」を取りまとめ、7月20日に総理に提出いたしました。
 政府としてはこの改革案を真摯に受け止め、今後とも地方と協議を重ねながら、3兆円の税源移譲の実現に向けて、三位一体の改革を確実に実現してまいります。また、平成19年度以降も地方税財源を充実、確保するなど、更なる地方分権を推進してまいります。
 
(3 情報通信政策)

 情報通信いわゆるICTについては、「u‐Japan政策」により、2010年に向けてユビキタスネット社会が実現するよう全力で取り組みます。
 「ネットワーク整備」の面においては、競争環境の整備、次世代ネットワーク基盤の強化、デジタルディバイドの是正等に取り組むとともに、地上デジタル放送の2011年の完全移行に向けた取組に全力を挙げます。
 また、電波開放戦略推進のための電波利用料制度の見直し、放送に係る外資規制のための間接出資規制の導入を内容とする法案を提出したところです。併せて、21世紀の新たな価値の創発につながる「利活用の高度化」や、いわゆる「影」の問題への対応など、「安心・安全な利用環境整備」にも全力で取り組みます。
 さらに、研究開発等も積極的に推進し、これに関連し、独立行政法人情報通信研究機構の職員を非公務員化する法案を提出するとともに、世界情報社会サミットへの貢献など国際戦略にも積極的に取り組みます。
 電子政府・電子自治体については、本年度中に、オンライン手続の利用を重点的・計画的に促進するためのアクションプラン、及び業務・システムの最適化計画を策定します。
 さらには、オンライン申請の基盤となる公的個人認証サービスを更に普及させるとともに、利用者が電子署名を行ったことを確認することができる者の範囲を拡大する等の必要があるため、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律の一部改正法案を提出したところです。

(4 郵政行政)

 郵政事業については、平成1910月の民営化に向け、新会社への円滑な移行を図るため、日本郵政公社の健全経営を引き続き確保するとともに、新規業務の早期実施に向けた準備を進め、国民の皆様に、より質の高いサービスが提供されるよう努めてまいります。
 また、万国郵便条約の締結に伴う郵便法改正法案を提出することとしております。

(5 消防行政)

 今年も自然災害が続発し、また、首都直下型地震等の大規模地震の発生も懸念されている中、国民の安心・安全を確保することは、政府の基本的な責務であります。
 今年8月15日には、消防庁に国民保護・防災部を設置いたしましたが、引き続き体制の充実強化を図るとともに、緊急消防援助隊の増強、特別高度救助隊の全国的配備等により、消防防災体制を強化してまいります。

(6 統計行政)

 統計行政については、人口減少社会の到来を間近に控えた中、この10月1日に実施した国勢調査の結果を迅速に提供すべく、全力を挙げてまいります。また、経済センサスなど産業構造の変化等に対応した統計の整備や、統計法制度の抜本的見直しに取り組んでまいります。

(むすび)

 副大臣及び大臣政務官とともに、全力を尽くしてまいりますので、実川委員長を始め、理事、委員の皆様の御指導をお願い申し上げます。

  
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