令和元年10月31日に発生した首里城跡での火災を受け、文化庁において、文化財等の防火対策に関するガイドラインが昨年末に改訂されました。これを踏まえ、消防庁において、文化財等の関係者が実践的な訓練を実施して防火体制の充実・強化を図ることが出来るように、訓練の事前準備から事後検証までの実施方法をとりまとめたマニュアル(以下「防火訓練マニュアル」という。)を策定したので、公表します。
1 防火訓練マニュアルの概要
2 目的
文化財等は、火災等によりいったん滅失毀損すれば、再び回復することができないかけがえのない国民共有の財産であることを踏まえ、火災の早期発見、消防機関への迅速な通報及び初期消火に係る行動に重点を置き、火災による文化財等の焼失リスクが高い状況下(対応者が少ない夜間等)の対応力を強化することを目的としています。
3 防火訓練マニュアルの主なポイント
(1)出火危険がある場所や初期消火が困難な場所等を把握する方法、総合的な火災危険を評価する方法及び総合的な火災危険を低減する方法を示しており、火災のリスク分析や事前対策を行ったうえで実践的な訓練が実施できるようにしています(防火訓練マニュアル別紙2参照)。
(2)日中に加え、夜間等の対応者が少ない時間帯に出火危険がある場所や初期消火が困難な場所等での出火を想定した訓練を実施することが大切です。このため、文化財等における訓練の実例をもとに、日中に加え、夜間、催し物開催時の3つのパターンの訓練シナリオ例を示しており、文化財等の関係者がこれらを参考とすることで、訓練シナリオを作成しやすくしています(防火訓練マニュアル別紙3参照)。
(3)訓練時の対応事項チェックリスト及び防火体制の充実・強化に向けた対策例を示しており、訓練実施後、速やかに事後検証(振り返り)を行い、明らかとなった課題に対して必要な対策を講じることができるようにしています(防火訓練マニュアル別紙4及び5参照)。
4 備考